みなさま、こんにちは。クァルテット・エクセルシオ(通称「エク」) のチェリスト、大友です。
せんくら、とても楽しみにしております。
さて、仙台といえば、なんといっても伊達正宗。(あれ、牛タンじゃないんだ、ガク。)織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、武田信玄、そして伊達と、よくもまあとんでもない天才達がこう一時期に現れたものだと、驚きを感じます。もし伊達正宗がもう少し早く生まれていたら・・と想像を書き立てられるのも、歴史の面白いところです。
せんくらで演奏させて頂く中に、ヤナーチェクの弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」という作品があります。(せんくらでは時間の都合で第1楽章のみの演奏ですが)これは作曲される経緯としては少し変わっている作品です。
というのは、ヤナーチェクさんは、いうなれば自由恋愛家でありました。63歳のときに出会った40歳も年下の人妻に恋をし、10年の間に700通も手紙(もちろん熱烈なラブレター)を送っておりました。これが、自身がつけた「ないしょの手紙」という副題に通じるものといわれています。ヤナーチェクはこの曲の一音一音は君にくちづけをする、などという恥ずかしい手紙を山ほど送った、情熱家でした。
ヤナーチェクさんも結婚していたのですが、奥さんとはうまくいっておらず、結婚という約束を面倒なものと考えていたようです。第1番「クロイツェル・ソナタ」(トルストイの「クロイツェル・ソナタ」を読んでの作曲)も、トルストイの考えに共感したのではなく、登場する女性が結婚に縛られ、自由に恋愛も出来ない不幸(と、ヤナーチェクは感じた。)を描いた作品です。
家に来たヴァイオリニストがベートーヴェンの「クロイツェル・ソナタ」を弾く姿にみとれた妻を、夫が疑心暗鬼にとりつかれ射殺してしまうのですが、まあ昔は、そんな事もあったかも知れません。今では見とれたからといって射殺する人は・・いや、最近びっくりする事件も多いから絶対ないと言い切れないところも書いている私も自分で驚きです。
ともかく、いい年した老人が、外聞もなく40年下の女性に恋をして、10年700通(平均月に6通ぐらいか)書き続けたその情熱だけには、頭が下がります、わたしは。
ヤナーチェクの「ないしょの手紙」、人間ヤナーチェクの感情を包み隠さずに表した、とてもロマンチックな作品です。ぜひ聴きにいらしてください。全楽章聴きたくなったかたは、11月11日、東京文化会館で演奏致しますのでそちらもぜひ!それではまた。
http://www.quartet-excelsior.jp/
クァルテット・エクセルシオ(室内楽アンサンブル )