「僕たちが結婚できたのは君のおかげだよ!」
昨年結婚した、イタリア・パルマ市に住む私の友人ジョヴァンナの旦那さんが、結婚式の時に私に言った言葉です。
・・・はて・・・?・・・そんなことを言ってもらえるのは嬉しいけれど、何のこと?
と、思いましたら、ジョヴァンナの旦那さんが説明をしてくれました。
「初めてジョヴァンナと食事をした次の日の朝、僕が君たちの家(注:当時私とジョヴァンナはルームシェアをして住んでいました)の下で花をもって立っていたら、君が出てきて、“いまジョヴァンナは教会に行っていて留守だけれど、そのお花ジョヴァンナの部屋に置いておいてあげるわ”と言って、ジョヴァンナの部屋へ運んでくれたんだよ。その花を受け取ったことがきっかけで、ジョヴァンナは僕に興味を持つようになってくれたんだ。」
そ、そうなの?! フフフ・・・全く記憶にありませんが、お役にたてて良かったです!
そんな、ジョヴァンナやそのご主人、その他大勢のイタリア人の友人に囲まれながら3年弱をイタリアで過ごしました。
歌のレッスンは勿論のこと、友人たちとの何気ない会話、食事、夜に素敵なお店のショーウィンドーを見てああだこうだと批評しながら散歩をしたり、屁理屈を言って家の掃除当番の押し付け合いをしたり・・・そんなこまごまとした彼らとの生活の全てが、自分の血となり骨となっていることに、帰国してから気が付きました。
二つ目のコンサート、イタリアオペラアリア名曲コンサートでは、そんなイタリアの香りを少しでもお届けできればと思います。

富岡明子