皆様こんにちは!
ソプラノ嘉目真木子(よしめまきこ)です。
今日は、食にまつわるお話を・・・
歌い手はよく食べる人が多いです。
声楽は身体が楽器ですから、さもありなん。
もちろん私も食べることが大好きですが、食に対する考え方が少し変わりました。
きっかけはイタリアのフィレンツェへの留学。
留学前は日本以外の国で暮らしたことがほとんどなかったので、(正確に言うと、幼少期にドイツに住んでいましたが、記憶がほぼありません)
日本食に何か疑問を持ったことがありませんでした。
あまり考えずに何でも美味しい、美味しいと食べていたように思います。
イタリア生活が始まり、スーパーや市場に行ってまず驚いたことは、“野菜が大きい!安い!”ということです。
まず、日本と違い量り売りです。
例えばジャガイモが1キロ3ユーロしなかったりします。
それに、見たことのない野菜がならんでいました。
例えばこちら。

これはフェンネル(イタリア語ではフィノッキオ)です。
セロリのやや硬めのような食感で、味はもっと独特。スライスしてサラダにします。
ハーブのような風味のためか、蕾はフェンネルティーとしても売られていて、消化を助ける効能があるそうです。
こちらはナス。色が綺麗ですね!

そして、豆です。

この豆は、生で食べます。
さやは色鮮やかですが、実は緑色でした。
味は空豆の少しクセのない感じ。
こんな調子で、イタリア生活ではいろんな野菜を食べることになりました。
アーティチョークのフリットなんて最高でした!
どの野菜も大きいのに、味が濃くて本当に美味しいんです。
そして、もう1つ驚いたのは、“調味料の種類が極端に少ない”ということ。
塩、胡椒、オリーブオイル、お酢類
私はイタリア人おばあちゃんのお宅に下宿していたのですが、彼女が家庭で料理するときに使うのはこのくらいだったように思います。
もともと食材の味が濃いので、シンプルな味付けで済むのかも知れません。
あと、煮込むときにワインは必須でしたね。これもイタリアっぽいところでした。
ドレッシングやソースのような出来合いの商品もあまり見当たりませんでした。
イタリアではサラダなどにはオリーブオイルと塩とアチェート(お酢)だけでこと足りるようです。確かにそれだけで美味しい。
日本ではそういった調味料のCMもよく目にしますが、イタリアでは食品系のCMは少なく、ヌテッラ(チョコレートスプレッド)や朝食用のビスケット、ヨーグルトくらいしか見ませんでした。
日本に帰国後はあまり外食をしなくなりました。
イタリアの素材の味を生かすような料理方法は、きっと日本でもできるはず・・・と、専ら自宅で料理しています。
料理の腕前は大したものではないので、可能な限りシンプルな味付けを心がけます。
メニューにもよりますが、その方がグッと食材自体を楽しめる気もします。
忙しいと、炒めた食材に混ぜるだけで出来上がり、というような商品も重宝するものですよね。
独り暮らしを始めた10代の頃、麻婆豆腐はお豆腐と“麻婆豆腐の素”を使うものだと思い込んでいました。
もちろん、それでも失敗なく美味しくできます。
でも、ネギや生姜を微塵切りしたり、ひき肉の焼き色を確認したり、豆板醤の配分を調整したり、その手間が、より美味しさを引き立たせるような気がします。
それに何より、食品添加物の摂取量が少なくなるでしょう。
イタリアの家庭料理はシンプルな分、健康にもいいような気がしました。
料理は歌に似てるな・・・と思うこともあります。
いろんな要素をバランスよく、適切なタイミングで使う。
それに料理も歌も、1番大切なのは愛情を入れること。
誰かのためにつくるご飯って、不思議と美味しく仕上がるものですよね。
さて、食のお話はこれくらいにして・・・
食べ物のことばかり書いたのでお腹がすきました 笑
次回は最終回ですが・・・何について書こうかな?
皆様、よい1日をお過ごしくださいね。
嘉目真木子(ソプラノ)