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SENCLA BLOG

ブログ

福田進一
2010.09.09

9/9  

北九州からも無事戻った福田です。
音楽祭については一休みして、今回は「せんくら」での共演者について一言。
昨年大いに盛り上がった荒川さんと佐々木さんのデュオ。仙台フィルの首席の重責を担うだけの確かな音楽性が頼りになる佐々木さん、さらに6月に東京でデュオリサイタルを開いた荒川さんとは益々息が合ってきた感じがします。
メゾ・ソプラノの坂本朱さんは、昨年「せんくら」での私のステージを観て頂いた事がご縁で、とんとん拍子にCDアルバムでの共演を果たしました。武満徹の作品集、素晴らしい出来!バラエティーに富んだ方にアレンジをお願いしたので、坂本さんの説得力ある歌唱だけでなく、是非ともギターパートにも耳を傾けて聴いて下さい。
せんくらでももちろん披露しますのでお楽しみに!

今回、共演はありませんが、以前「せんくら」でも共演したヴァイオリニストの神谷未穂さんが仙台フィルのコンマスに就任したというニュースを聞きました。
未穂ちゃん、おめでとう!

パリ、鎌倉と仙台の三重生活は大変だろうけど、バンバン!マイルを貯めて頑張って下さい。

それでは!
福田進一

 

福田進一
2010.09.08

9/8  

コロンビアのボコダから無事帰国した福田でした。
次に出演した音楽祭は北九州市にある響ホール(名前の通り素晴らしい響きのホール)フェスティヴァル2010。
まずこのフェスティヴァルについては一言、どうしても触れなければならない音楽家の名前があります。

名ヴァイオリニストで若くしてお亡くなりになった数住岸子さん。

このフェスティヴァルの最大の特徴は、数住さんが音楽監督を務め、私より少し若い世代で、今日の音楽界を支えている多くの音楽家の方が薫陶を受けた(超厳しく鍛えられた!)響ホールフェスティヴァルの思想(一般名曲とともに、新しい音楽を積極的に取り上げる)が受け継がれているということでしょう。

現在のプロデューサーは、野平一郎(作曲家・ピアニスト)さん、松原勝也(ヴァイオリニスト)さん、佐久間由美子(フルーティスト)さんと、名実ともに現在我が国を代表する超実力派が務めています。

彼らが一番やりたい音楽を、支援はしても口は出さずの精神で(これもスゴイ!)、ホールでの充分なリハーサルを重ね質の高い音楽を提供する、という演奏家にとっては夢のようなフェスティヴァルです。

 

今年のプロデューサーは私のパリ留学時代の仲間、野平一郎さん。

今年はホールでのコンサートが2回。市内の病院、サロンでのアウトリーチが2回の計4回公演で、私はホールでの2日目の演奏会に出演しました。

各日とも野平さんにより、考え抜かれたテーマとそれに基づく選曲でしたが、ちょっと説明が難しくなるのでそのあたりはカットします(ご興味のある方はこちらで→ http://www.kicpac.org/music/h_festival.22.html)。

出演者は野平一郎さん、佐久間由美子さん、クァルテット・エクセルシオ(弦楽四重奏)、林美智子さん(メゾ・ソプラノ)、望月哲也さん(テノール)、田尾下哲さん(演出)それに私。

みんな、気心が知れ合っている素晴らしい仲間たちです。モーツァルトと現代音楽が取り上げられましたが、どのプログラムもさすが練り上げられて感動的でした。
私が演奏した曲は、テデスコ:ギターとピアノのためのファンタジア(私と野平さんのデュオ)、レクオーナ(野平一郎編曲):アフロキューバン舞曲集より (私とクァルテット・エクセルシオ)、野平一郎(林 望 詩):演劇的組歌曲「悲歌集」全曲 演出版(林さん、望月さん、佐久間さんと私+今回は演出に田尾下哲さん)の3曲。

レクオーナはキューバの作曲家で、この曲はノリの良いラテンの作品集です。はっきり言ってこんなタイプの曲の編曲を野平さんに依頼出来るのは今のところ私だけでしょう。

またこれがユニークで素晴らしい編曲になっています。そして野平さん作曲「悲歌集」は全曲45分に亘る大曲です。

ギターは全編殆ど弾きっぱなし。

相方のフルートの佐久間由美子さんは、この難曲をいつもながらの完璧な演奏でサポート、注目の演出家、田尾下哲さんによる、椅子、テーブル、傘などのわずかな小道具に照明を加えただけの、シンプルな演出は、お二人の歌手の素晴らしい歌唱と演技によって、心情や情景が強く印象に残る素晴らしい舞台になりました。

小倉では、勿論、練習日から毎晩美味しいものを食べ続けることも忘れないワタシたちでした。
特に本番日に会場にまで差し入れをして下さった小倉の名店「S鮨」さんは最高でした(決して「せんくら」での差し入れを強要しているわけではありませーん!)。感謝!

写真は響フェスティヴァルのリハーサルでのひとコマ。
※現代音楽を演奏するときの醍醐味、作曲者(野平一郎さん)とのディスカッション。ベートーヴェンとは相談できないでしょ。

福田進一

福田進一
2010.09.07

9/7  

今年は7月末からほとんどオフの日もなく、先日広島から戻ったところでちょっと風邪気味です。
まったく9月とも思えぬ暑さ。皆様も体調管理に充分お気をつけ下さい。

さて、世界をギター一挺で渡り歩く(?)福田です。海外で活躍するクラシックの音楽家の皆さんは大勢いらっしゃいますが、赤道を越えた国での音楽活動では、我が国でも屈指の演奏家と自負しています。
中南米だけでもキューバ、ブラジル、アルゼンチン、ベネズエラ etc.・・・と、何度となく演奏旅行に出掛けています。

今年の音楽祭始めは5月、コロンビアでのボゴタ国際フェスティバル2010でした。 アメリカのヒューストンまで11時間、2時間のトランジットでボゴタまで4時間半。家から成田までを含めるとトータル20時間の長旅。14時間の時差なので、昼夜は完全に逆転。南半球での仕事はいつも時差ボケとの戦いです。
コンクールはとても優秀な人材約70名が集まって、白熱した演奏が繰り広げられました。

夜には錚々(そうそう)たる審査員によるリサイタルが楽しめます。
今回は特にバロック・ギターのホセ・ミゲル・モレノのビウェラとバロック・ギターのリサイタルは、それは素晴らしいコンサートでした。
そして2日後の私のリサイタル。まさに時差とハード・スケジュールをいかに克服するか、が課題のリサイタルでしたが、頑張りました。夜8時からの演奏会はほぼ満席。最後のスタンディング・オーベーション(!!)。
こればかりはラテンの国ならではの熱さ。やはり演奏者としては、ものすごーく気分が良い。

「せんくら」でも、賞賛の拍手はいつもより大げさに、態度で示す事をお勧めします。演奏家は喜び、聴き手も楽しい!こんな良い事はないでしょ。
是非とも「せんくら」名物にしてもらいたいです。
もっとも、わたしたちがそれに値する演奏をした時に限りますが(甘やかしも禁物です!)。

明日は翌月6月に参加した北九州響ホールフェスティヴァルについて書こうかと思います。

それでは!

福田進一

福田進一
2010.09.06

9/6  

「せんくらブログ」をご覧のみなさん。こんにちは。ギタリストの福田進一です。
今年も、また「せんくら(ブログ)」に戻ってまいりました。出演は初回から数えて5回目となります。本当にあっという間の5年間でしたが、今や「せんくら」は、私がプロデュースして毎年8月に開催している「Hakuju ギターフェスタ」(東京Hakuju Hall)、山形での庄内国際ギターフェスティヴァルと並んで、大切な年中行事として重要な位置を占めるイベントとなっています。
一昨年のブログに書いたような覚えがありますが、世界各国にギター音楽祭は数多く存在し、その後も相変わらず沢山出演していますが、せんくらのようにさまざまなジャンルの一流の音楽家達が一同に楽都仙台に会し、良い音楽をして、聴いて、そして食べて飲む、、、こんな素敵なフェスティヴァルはなかなかあるもんじゃありません。
今年も、牛タン、海鮮、隠れ家的ワインバーなど、今から考えるだけで楽しみです。
美味しいお店で偶然ばったりと音楽仲間に会ったりして。「やはり良い音楽家は聴覚より嗅覚が優れている、、、」なんて話しで盛り上がったりしたこともありました。
あっ、本末転倒、今年のコンサートについてご案内しなければ。
ソロコンサートはバラエティーに富んでいますよ。
①J.S.バッハ:組曲第3番ト長調BWV1009を中心としたプログラムの〈J.Sバッハの魅力に迫る!〉
②N.パガニーニ~フェルナンデス&福田編:大ソナタ イ長調  〈パガニーニへのオマージュ/ギター超絶技巧の巻!〉
③ラテン音楽の魅力満載の〈スパニッシュ~ラテン・アメリカ/ギターの本能!舞曲集〉
このほかに、昨年大いに盛り上がった荒川洋さん、佐々木真史さんとのトリオ、また、先日レコーディングでご一緒したメゾ・ソプラノの坂本朱さんとの武満徹作品による、私も楽しみにしているコンサートに出演します。

是非、みなさんと音楽家が共に楽しめる「せんくら」にしたいと思います。

明日からは最近出演した、音楽祭の様子をレポートしたいと思っています。

それでは。また明日!

福田進一

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