
皆さん、こんにちは。
今日から3日間、せんくら初登場の「東北大学学友会吹奏楽部」のききどころについてご案内させていただきます。
はじめに、この公演No.71の目玉商品?である「よみがえる大地への前奏曲」は、2011年11月に当部が初演し、東日本大震災で被災されたすべての方々に捧げられました。
憧れのシエナ・ウインド・オーケストラのメンバーの方々との共演で、さらにパワーアップが期待されています。
また、今回、特別にヨーロッパの音楽の都、ウィーン在住のオーストリア日本大使 岩谷滋雄様から楽都仙台に、応援メッセージが届きました。
こちらです。
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東北大学のウインドオーケストラの皆様
「よみがえる大地への前奏曲」を携えての仙台クラシックフェスティバルへの参加、おめでとうございます。
「よみがえる大地への前奏曲」のオーストリアでの紹介に一役買わせていただいた者として大変うれしく思います。
ウィーンに住み始めて2年半になりますが、まだまだ日本人クラシック演奏家・作曲家の欧州での知名度が決して高くないことを認識しました。
まずは日本人自身が日常生活の中でクラシック音楽を特別の存在としてではなく、生活の中に溶け込んだ存在として楽しむ、という状況が作り出されなければならないのではないかと思います。
クラシック音楽のよく似合う仙台の地から日本全土にそのような文化が広がって行くことを期待しております。
演奏のご成功を心からお祈りします。
在オーストリア大使 岩谷滋雄
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さて、公演No.71で学生による演奏曲「フロ-レンティナー行進曲」の指揮を担当する、中村匠汰の横顔をご紹介します。
中村は、この日のために、何と特注のジャケットを羽織って舞台に立ちます!
では、中村のつぶやきをお聞きください。
「それは中学三年生の夏、全国大会への出場を賭けた、北陸大会1週間前のこと。
セクションリーダーを務めていた僕は、顧問の先生に呼び出され、金管セクションの根本的な見直しを迫られた。
その気迫に押された僕は、ほぼ反射的に「なんとかします。」とおもわず宣言してしまった!
一旦楽器から離れ、スコアを持って防音室へと閉じこもった。
するとどうだろう。
縦の線や音程音量といった、印刷されている「記号」の再現精度を上げることのみで満足していた自分の慢心に気が付いた。
記号としては明示されない、作曲者からのメッセージと真摯に向き合うことを忘れていた。
心静かにメッセージに耳を傾け、金管セクションとしての音のディレクションを見定め、ついには音に命が宿ったことを直感した。
これは、全国大会金賞につながった。
「いかにして音楽と対峙するか」ということを、先生と共に手を携え、心で語り合えた瞬間でもあった。
指揮者として音楽と関わることになったのは、この時の経験に基づいている。
音楽を通して、たくさんの心と語り合う。
そんな楽しみを、せんくらの公演では皆さんと共有したい。」
なるほど、音楽を愛するこころは、ひとつ。
プロもアマも国境もありませんね。
「せんくら」ならではの美しいエピソードでした。
明日は、「よみがえる大地への前奏曲」の作曲者 鹿野草平さんから頂戴したメッセージをご紹介させていただきます。
東北大学学友会吹奏楽部
マネージャー 大塚幸子