
皆様はじめまして。
私、高橋正典と申します。
生まれは千葉県市川市ですが、色々な場所を経て2009年12月から宮城県塩釜市に住んでいます。
田舎からオペラ歌手がやってくる、をモットーに活動しております。
昨年に引き続き今年もせんくらに出演させて頂ける事になりました。
宮城県民として心から感謝しており、宮城県にも変わった人がいるというのをアピール出来ればと考えております。
今年のせんくらは第九という大役で出させて頂けるのを心からの喜びと感じております。
ソプラノの菅英三子さんとテノールの水口聡さんと初共演になり、プライベートでもお世話になっております、アルトの高山圭子さんとご一緒させて頂けるのを、首を長くしてまっております。
このコンサートは一回きりですが、一回にすべてを集中して頑張りたいと思います。
指揮者は山下一史マエストロ。
マエストロ山下とは仙台オペラ協会のオペラ「鳴砂」でお世話になりました。
とてもヴァイタリティー溢れた情熱的なマエストロ。
そのエネルギーは一体何処から出て来るのか練習の度に考えていました。
仙台フィルハーモニー管弦楽団との共演となり、宮城県の音楽家同士で熱い演奏が出来ればと願っております。
これから数日間ブログを書かせて頂きます。
どうぞ宜しくお願い致します!
高橋正典(バリトン)
震災−1 2011.08.19
震災から五ヶ月と一週間がもう過ぎ去ってしまいました。
僕の中で時間は震災後、時間の感覚が少々鈍ってしまっているみたいです。
あっという間の様な、長かった五ヶ月と一週間となりました。
震災が起こった時は、僕は仙台中央音楽センター504号室にいました。
その週末に予定されていたバッハアカデミーのコンサートに向けて、練習を行っていた最中での被災でした。
大きな事故や災害と言えば、9−11のアメリカで起こった時、僕はアメリカにいました。
ロサンゼルスに当時住んでいたものの、実際に体験したとは言いがたいものでした。
今回の震災は、いままで経験した事がない事が自分におき、現実として受け入れるのに時間がかかりました。
3月11日は停電などで仙台から自宅の塩竈まで戻るのには難しいと考え、レストラン・パリンカに一泊させて頂けるようにお願い致しました。
そして3月12日に塩竈に戻りました。
家族は親戚の家に泊まらせて頂いており、実際の家には帰らず、親戚の家に直接いきました。
利府街道を通って塩竈まで戻りましたが、途中火力発電所が燃えているのをみたり、家が崩壊しているのをみたりして、改めて地震の凄さを感じました。
無事に家族と会えましたが、どうやら津波が自宅まできたらしいとの事でした。
危険を承知で自宅まで歩いていく事を決めました。
道中深いヘドロの中、瓦礫が散らばって道がなくなった道を歩きながら家に向かいました。
家の外装は悪い状態とは言えませんでしたが、自宅の一階が天井下10センチまで津波がきて、窓ガラスは割れ、ヘドロとゴミで一階は覆い尽くされていました。
中には50センチを超える大きなボラも家の中にいました。
そんな状況のなかただ僕は愕然とするしかありませんでした。
髙橋正典(バリトン)