今日は私のチェロ【ゴリラくん】との出会いについて。
愛用の楽器はマッテオ・ゴフリラー1700年製作の306歳。私は製作者の名前をもじって【ゴリラくん】と名付けています^^
話はかなりさかのぼり、まだフィンランド留学中。ある日「アメリカでとてもいいチェロが売りに出されたから紹介してあげるよ」と大先輩チェリストからお知らせがきたのですが、丁度その時シベリウス・アカデミーは試験期間中。「どこでもドア」でもない限り、学生の身分としては試験をサボってアメリカまで見に行くのはムリです^^;
今回は諦めようと思っていたところ、恩師ノラスが「来週からアメリカ・ツアーに行くから、僕が代わりに見てきてあげるよ」。半分本気、半分ジョークで「是非!!」と答えたものの、その後起きるであろう大変な事を誰が予想出来たでしょう?!
その事はすっかり忘れて、のんびりヘルシンキで学生生活を送っていたある日、ノラス先生から「やぁヨーコ、今すぐヘルシンキの空港にいらっしゃい!!」という電話が。理由を聞く間もなく、電話の向こうは既にツーツーツー・・・。
「??」と思いながら空港に着くと、先生がニコニコしながらご自分のチェロ・ケースの他にもう一つ持って立っている・・・??「ヨーコ!!君が言っていたチェロ、とても素晴らしいから持って帰って来たよ、買いなさい!!」
か、か、買いなさい・・・?!
勿論弦楽器というのはポンと買えるモノではありません!普通は慎重に数日試し弾きをして、よぉ〜く先立つものと相談してから、清水の舞台から飛び降りる覚悟で手にするものです。。。 いきなり持って帰られちゃっても・・・いや、さすが先生、やる事大胆!!
嬉しさと困惑な気持ちと、そして先生の大胆さに妙な感動をしながら、取り敢えず自宅に戻り、まるで玉手箱を手にした浦島太郎の気分でケースを開けてみると・・・!!すっかり一目惚れ^^
これが私の人生のパートナー【ゴリラくん】との運命の出会いです^^
手にした当時はまだ色々部品交換など修理もありましたが、今では世界のどこに行くのも一緒に旅をし、色々なコンサートの思い出もいっぱいです。 ゴリラのお陰で色々な地に行く事が出来て、沢山の人に出会えるのです。
10月の【せんくら】では、私と共にこの【ゴリラくん】もどうぞお見知りおきを!!^^
長谷川陽子(チェロ)