さて3日目の今日は「民謡」についてです。
津軽三味線はもともと民謡の伴奏楽器として生まれたもので、切っても切れない関係です。
僕も民謡が好きで幼い頃から唄ったり弾いたりしてきました。
そもそも民謡という音楽は、昨日の記事にも関連しますが、その土地の風土、習慣、文化などから大きく影響を受けてできている音楽だと思います。
例えば宮城県の民謡を見てみると、初日に書いた伊達政宗に関係する唄も多いです。伊達家の御家騒動を題材にした「先代萩」という歌舞伎の演目もありますが、伊達騒動を唄った「仙台大津絵」。
伊達家の家紋「竹に雀」という文句が入る唄としては「宮城野盆唄」や、宇和島伊達家と仙台伊達家の両家が顔を合わせた酒席で仙台側が唄った宮城県民謡「さんさ時雨」に対抗して、宇和島武士が即興で唄ったとされる愛媛県民謡「宇和島さんさ」など。
うんちくを知るとさらに面白さ倍増!の民謡も沢山あるんですよ。
それから、民謡ってけっこう日本全国繋がっているんです。
江戸時代に北前船の船頭さんたちが広めた唄に熊本県の「牛深はいや節」という唄があります。
この牛深はいや節を元に生まれた唄が日本中にあり、例えば長崎県「田助はいや節」、島根県「安来節」、広島県「三原やっさ」、新潟県「佐渡おけさ」、山形県「庄内はえや節」、秋田県「飴売り唄」、青森県「津軽あいや節」「南部あいや節」、北海道「ソーラン節」、宮城県「塩釜甚句」、徳島県「阿波踊り」などなど、約200曲以上あると言われています!
人と人のつながりがあったからこそ生まれた音楽、それが民謡なんですね。とても日本人らしい本当に素敵な音楽です。
今回のせんくらでは、そんな民謡を昔ながらの形でお届けするだけではなく、僕なりにアレンジをしてピアノやバイオリンと演奏したり唄ったりと、皆様に楽しんでいただけるよう色んなことを考えております!
もちろん民謡だけでなく、クラシック音楽やジャズなども演奏する予定ですので、ぜひみなさん会場へいらしてください!
当日、皆様とお会いできることを楽しみにしております!
3日間お付き合いいただき、ありがとうございました。
今年もせんくらを大いに楽しみましょうね!
津軽三味線の浅野祥でした。

(漁師が網を引くときの掛け声「エンヤードット」の囃し立て勢いの良い宮城県民謡・斎太郎節。実際網を引くテンポはどれくらいなのか、斎太郎節を体験しに行ったときの写真。)
浅野祥