私は京都に生まれ、4歳からピアノ、8歳からフルートを始めました。
小学校5年の時、パウル・マイゼン氏の公開レッスンを受講し、先生の音に引き寄せられ、1978年に同氏の勧めにより単身渡独。グラーベギムナジウム(高校)に入学すると同時に、デトモルト北西ドイツ音楽大学の青少年特別クラスにも入学して、パウル・マイゼン氏に師事しました。
ホームステイした家庭がドイツの旧貴族だったので、舞踏会に出席したり、サロンでたびたびコンサートを開くという生活を体験。ドイツに貴族社会がまだ脈々と残っていることにビックリしました。全ヨーロッパの貴族たちは今なお静かに水面下でつながっていて、歴史の重さというか深さを感じます。
普段は普通に会社で働き生活していますが、彼らは明らかに「特別」です。容姿はいかにもベルサイユ宮殿やドイツの古城の壁に絵がかかっていそうな、細長いお顔立ちの方が多いですし、物腰も柔らかでそこはかと無く品を感じます。毎週末どこかで開かれている舞踏会は現代社会とは思えない雅な世界です。
最近の私は「特別」という言葉に少しひっかかってます。特別な家とか特別な扱いとか、特別な才能とか・・・。「特別」ってなんなのだろう? ある意味音楽家は自分を特別の存在としてみていないと、やっていけなくなることもありますよね。
「特別」という言葉から・・・サンテグジュペリ作「星の王子様」のバラの花のことを思い出してしまいました。頭の引き出しの奥の奥にあったのかと思われます。本棚へ行って久しぶりに読み直してみようかナ。たしか中学の夏休みの読書感想文以来だ。大人になって読む「星の王子様」は、またあの時とは違った味わいを持つのかしらン?
園城三花(フルート)