
<楽譜を見て演奏するわけは?>
皆さんはじめまして!
イリーナ・メジューエワのマネージャーのいたはしと申します。
今日から1週間、イリーナさんを多面的にご紹介していきたいと思います!
イリーナさんはロシア出身のピアニスト。92年にロッテルダム(オランダ)で開催された第4回E.フリプセ国際コンクールでの優勝以来、各国で活躍。11年前からは日本を拠点に活動しています。だから日本語はぺらぺらで、そして日本人以上に大和撫子!!録音にも積極的で、これまでに25点以上のアルバムをリリースしています。皆さんもCD店などでイリーナさんのCDを見かけた方が多いかもしれません。
イリーナさんは、演奏の際に必ず楽譜を見るという徹底した演奏スタイルを貫いています。楽譜を見るようになったきっかけやポリシー、そのあたりのお話しを聞いてみましょう。
イ:以前は私も暗譜で弾いていたのですが、ここ10年くらい必ず楽譜を見て演奏するようにしています。
ある日、練習の時に気づいたのですが、楽譜を譜面台に置いてあるのにページをめくっていない!自分の感情にまかせて弾いているだけで作曲家の指示に従っていないんですね。一番大切なもの(=楽譜)をいかに疎かに扱っているかということに気付いてショックを覚えました。自分が作曲家でない以上、作品は楽譜の中にしか存在しません。決して頭や心の中にあるのではないのです。以来、練習の時はもちろん、コンチェルトでもリサイタルでも必ず楽譜を見て弾くようにしています。尊敬するロシアの大ピアニスト、リヒテルも「なるべく若いうちから楽譜を見て弾いたほうがよい」と語っていました。私としては偉大な大先輩のアドバイスを大切にしたい気持ちが強いですね。もちろん、暗譜演奏を否定するつもりはありません。人それぞれのやり方があってよいはずだと思います。良い演奏をするという目的は同じなのですから。
仙台での演奏は11年ぶり、せんくらへの出演は初めてです。10/12は「ロシア・ピアノ小曲集」と題して、ラフマニノフ、スクリャービン、メトネルを、10/13にはムソルグスキーの「展覧会の絵」を演奏します。
イリーナさん、聴き所などを伺えますか?
イ:今回は私の故郷ロシアの音楽を演奏します。
12日に取り上げる三人の作曲家は、19世紀末から20世紀前半にかけてロシアが生んだ最高のピアニスト=コンポーザー。ロシア・ピアニズムの歴史で欠かすことの出来ない存在です。それぞれがとても個性的で美しい作品を書いています。ロシア・ピアノ音楽のエッセンスを味わってもらえると嬉しいです。
翌13日に演奏する「展覧会の絵」は、皆さんご存知の名曲ですね。ロシアでしか生まれ得ないような作曲家ムソルグスキーの天才が最高度に発揮された傑作です。カオス(混沌)と神秘のはざ間にある、荒削りでありながら無限の可能性を秘めた作品だと思います。
皆さんに聴いていただけることを、楽しみにしています!
明日からは、イリーナさんのプライベートに迫ってみたいと思います。
マネージャー
いたはしみづき
http://www.concert.co.jp/artist/mejoueva/profile.html