
せんくらブログをご覧になっている皆さん、こんにちは。【助川ブラザーズ】の兄で、ギタリストの助川太郎です。
今回は【助川ブラザーズ】の歴史と、そこから培われたコンビネーションについてお話したいと思います。
我々【助川ブラザーズ】は幼少期から専門的な音楽教育を受けたわけではありません。
私が高校1年生、弟が中学1年生の夏にほぼ同時にギターとベースを始めました。
そのころ好きだったのはもちろんロック。学校が終わるとまっずぐに家に帰って、毎日のように2人でジャムセッションに没頭したものです。
振り返って驚きますが、この段階では2人とも楽譜が読めず、音楽理論も知りません。ただCDのマネをしたり、市販のバンドスコアを解読したり。それだけで物凄く楽しかったのです。2人の興味はやがて、ロックからフュージョン、ジャズへと移り変わっていきました。
3年後、私は大学入学を機にジャズギターとクラシックギターのレッスン通いを開始。
一方、弟は高校2年生でコントラバスに転向、音大受験を目指して正式なレッスンを受け始めます。
2人とも音楽漬けの毎日でしたが、目指す音楽の違いから、家庭内セッションはほとんどなくなっていきました。
気が付くとそれから20年。
お互いプロの音楽家として活動しつつも、安易に交わる事は避け、遠くから見ている状態が続きました。その均衡が「共演」に大きく傾いたのが、2012年でした。
きっかけはその年に私が発表したソロギターアルバム、”This is guitarist”でした。これはジャズ、クラシック、ブラジル音楽、歌謡曲など様々なジャンルをギター1本の独奏で取り上げた意欲作なのですが、それを聴いた弟から珍しく賞賛の電話。その時、彼が呟いた一言を忘れる事は出来ません。
「やっとお兄ちゃんも、オレとやれる位になったな・・・。」
そして後日、ギター1本抱えて全国ソロギターツアー中だった兄のために、弟は札幌で兄弟共演コンサートを企画してくれました。リハーサルで音を出した瞬間、20年の空白は嘘のように、学生時代のジャムセッションの感覚が蘇ってきたのです。
それはジャンルを超え、楽譜を超え、「いつものノリでやっちゃおうよ!」という我々独自の東京下町の感覚でした。明るく楽しい、ジャズでもクラシックでもないコンサート。
もちろん結果は大成功!!
「これはイケる!」
いい気になった兄弟は、更なるコンサート開催と広大なレパートリー拡大に向けて、突っ走り始めました・・・。(3日目に続く)

助川太郎