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SENCLA BLOG

ブログ

成田博之
2014.09.14

東北人であるからこその・・・

今回の仙台クラシックフェスティバル2014のコンサートの前に一つ大きな公演をただいま準備しています。それはある縁で私がプロデュースをさせて頂いているオペラ「椿姫」の公演です。宮城県の斜め上の秋田県の能代市でです。一昨年にこのオペラ公演をした時、秋田県で「椿姫」の全曲公演が初めてということで大変話題になりました。今回は秋田県が国民文化祭の開催地ということでこの公演の再演が決まり、大変熱のこもった公演になりそうです。

この公演では私がジェルモン役を歌うのですが、それと共に演出もしています。歩き方からグラスの持ち方、乾杯の仕方や拍手の仕方など、舞台に立つ能代市民の合唱団にアドバイスをしながら演出しています。いつも思うのは東北人の謙虚な姿勢が舞台上にも出てしまうということでしょうか。東北出身の私には理解できる動きがよく見られ、それをいかに舞台上に相応しい動き、パリの社交界の雰囲気が伝わる気品を生み出すかに苦労させられるところでもあります。能代市で公演をするからには何かオリジナリティな演出が出来ないかと考えたところ、原語公演でありながら予算の関係で字幕が付けられないので、主人公ヴィオレッタの亡霊が現れ、当時の想い出を語ることによってだいたいのあらすじが分かるように演出しました。しかも能代弁でです。宮城出身の私が理解できない言葉がたくさん語られています。しかしその亡霊の登場により、初めてオペラを観る方々がより身近に感じ、そして集中して音楽と演技を楽しむことが出来るようです。この演出でいろんな地方のいろんな方言で出来ないものかと考えてしまいます。この宮城県の方言を使っても。

ご興味ある方は、是非「能代オペラ音楽祭」を検索して下さい。公演は9月6日です。

 

83】で歌う「第九」は仙台でも何度か歌う機会がありましたが、やはり宮城で歌う「第九」は特別ですね。一緒に演奏するオーケストラ、合唱団、そして観客の全てが友であり兄弟に感じてしまうのはやはり故郷で歌うからでしょうか。フェスティバル2014の締めくくりを皆で讃え、次に向かってスタートしようではありませんか。

 

3日間連続のブログをご覧になって下さった皆さま、ありがとうございました。

今度はコンサートでお会いしましょう。
成田博之

成田博之
2014.09.13

私の好きな曲

さて、今回のコンサートのプログラム。

どのコンサートでも僕の大好きな曲ばかり歌わせて頂きます。

まず【27】のリサイタル「珠玉のメロディで誘う、イタリアへの旅

オペラへ興味を持ったきっかけは、私が中学生の時に亡くなった黄金のトランペットと言われた名テノール マリオ・デル・モナコでした。当時テレビやラジオで様々な特集番組が放送され、その中で演奏される彼の歌声に強烈なショックを受けたものでした。

そこからオペラに興味を持ち、彼の歌う様々なレコードを聴きました。モナコの歌うものはとてもドラマティックな役のオペラアリアやカンツォーネ、そして朗々と歌うオペレッタやミュージカルナンバー等がありますが、どの曲も彼の持ち声を生かすメロディーがありました。

メロディーの中に人間の喜びや悲しみが存在し、声の力によってそれが表現されていました。「私の太陽」「つれない心」「帰れソレントへ」など何度聴いたことでしょう。

気がついた時には私の聴く音楽はイタリアで生まれた音楽が圧倒的に多くなっていました。

そしてイタリアオペラが好きになり、オペラ歌手にそれらの曲は導いてくれたのでした。

そんな私が大好きな曲ばかりを集めたコンサート。イタリアへの思いをトークしながら、その国が生んだ素敵なメロディーをお伝えしたいと思います。

次に【19】の「華麗なる歌ガラコンサート」ではイタリアが生んだ作曲家ジュゼッペ・ヴェルディのオペラ「椿姫」(ジェルモン)、「リゴレット」(リゴレット)、「ドン・カルロ」(ロドリーゴ)のアリアをお聴き頂きます。

どの役もバリトンにとっては演じたい役ですが、それには名アリアがあるからともいえます。今年2月には東京二期会公演で「ドン・カルロ」に出演し、9月には秋田県能代市にて「椿姫」を、来年2月に東京二期会公演で「リゴレット」に出演することになっています。

私の大好きなオペラに出演することが出来、バリトン歌手としてとても幸せですが、そのアリア3曲を皆様にお披露目させて頂き、その魅力をお伝え出来たらと思います。

2つのコンサートは全ての曲がイタリアです。
私が好きな理由がお分かり頂けるといいなー。

では、また明日。

(写真は昨年ローマにて演奏する機会があり、その時にプッチーニ「トスカ」の舞台になったサンタンジェロ城からヴァチカン方面を撮影したものです)
成田博之

成田博之
2014.09.12

宮城出身のオペラ歌手

初めまして。バリトンの成田博之です。

今回の仙台クラシックフェスティバル2014ではプログラム【19】【27】【83】の3つコンサートに出演させて頂きます。そのコンサートについては明日のブログにてお話させて頂きますね。

初めてせんくらに出演することが決まり、とても嬉しく、楽しみにしていました。

それは私が宮城県大崎市(旧古川市)出身だからです。

ササニシキやひとめぼれの成長する水田風景の中で育ち、のびのびと過ごした宮城は今のオペラ歌手としての礎を築きあげてくれた故郷です。

その故郷の一大イベントであるこのフェスティバルで歌えるということは私にとって特別な思いがあります。

今回のコンサートではその喜びを胸に、全国から仙台に集結したクラシックファンの皆様に楽しんで頂けますよう頑張りたいと思います。

どうぞ宜しくお願い致します。

 

明日につづく。
成田博之

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