
私が住むドイツの住民もそうですが、日本の皆さんもペットを飼っている方が多いですよね。
動物ではありますが、一緒に暮らしてみれば家族の一員。
毎日ペットの姿を見る、触る、話しかける、見つめられる、行動を監視される…
それだけで心が癒されますよね。
私は動物が大好きです。
犬、猫、ウサギのような小動物から馬、熊、ライオンのような大動物、そしてトカゲやカメ、鳥類や昆虫類など観察していると切りがありません。
ドイツの中学校システムには社会実習の期間があり、学校に通う代わりに2週間毎日好きな仕事の職場に行って、その職業の仕組みや役目を自分自身で体験します。
クラスメートは警察や薬局、設計士、銀行など幅広いジャンルの職業に願書を出しました。
私は獣医師に願書を出し、幸い承諾して下さり、私は2週間だけそのアニマル・クリニックの「アシスタント」の一員となりました。
診察机の消毒、診察の立ち合い、レントゲンの撮り方、手術の準備と立ち合い、請求書の書き方などをして、意義深い毎日を過ごしました。
獣医師は動物との触れ合いが沢山あるのですが、クリニックを訪れる動物は予防注射を除くと残念ながら皆ほぼ病気です。
長い期間していた治療の効果が上がらず、結局安楽死させるケースもほぼ毎日あり、それは10代半ばの私には結構ショックな体験となりました。
その頃、音楽家の他に獣医師を目指すのも良いなと思ってはいましたが、この2週間の体験を通して正直感じた事は、音楽をしていて死と境遇する事は毎日ではないであろう、ということでした。
それでも、動物は今でも好きですけどね…
写真は先月訪れたミュンヘンの動物園のサイです。
気難しい顔をしてどうしたんでしょうね。
河村尚子(ピアノ)