私が出産した病院では子供が生まれるまでその部屋で全部行います。部屋に入ったらすぐ麻酔科医の先生が来られ薬どうすると聞かれました。
即OK。
背中に注射。私軽く悲鳴。
先生:あ、ごめーん。消毒冷たいからね。
…わかっとるわ!今経験したわ!メッチャ冷たかったわ!
でも麻酔薬って最高。段々痛みが和らぐどころか私の世の中への不満も一緒に彼方へ。
人生バラ色。
固形物は禁止されてたのですが液状はマル。看護師にアイスキャンディー欲しい?と聞かれたので一本調達。もう一本頂いたので夫にドヤ顔でお裾分け。
お産始まったら大変だから出来るだけ休んだ方がいいと言われたのでテレビ鑑賞、お昼寝鑑賞、インターネット鑑賞の繰り返し。
…暇だわ…
夜、映画の途中で先生が部屋に入って来られチェックしたらいきなり出産青信号。
コマーシャルまで待ってといいそうになるのを我慢。あっという間に部屋が道具であふれる。
先生が夫にへその緒きりたい?と聞くと夫はダイナミックなジェスチャー付きでヤダヤダ。
…アナタ、確か医学部でてるからへその緒よりもっと凄い物絶対切ってるよね…なにがそこまでイヤなのさ。
先生:今から10数えるからその間力んでね。目一杯よ。
アイヨ。
先生:いーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーち
………………
………………
にーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい
………………
………………
さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
ちょっと待ってよ。先生、10数えんの激遅!それに次に行く数字までの時間、長!
出産そのものより息保つほうが大変。酸欠寸前。
それより一大事なのがお腹ペコペコ。早く夕飯に辿り着くには押すしかない。テイクアウトのメニューを横目で拝みながら気張る。そのおかげ(?)か約15分で娘っ子とご対面。先生たちは
早く帰れると大はしゃぎ。その中ヌルヌル娘を体の上に置かれた私が放ったアホウドリの一声:
えっ?! これ どうしたらいいの?!
松山 冴花(ヴァイオリン)