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SENCLA BLOG

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2021
2021.08.18

出演アーティスト 浦田誠真さんからのメッセージ

皆さんこんにちは。仙台フィルハーモニー管弦楽団トランペット首席奏者の浦田誠真です。

 

毎年、仙台フィルとしてせんくらに出演するのを楽しみにしておりましたが、今年はソロでも演奏する機会をいただき、大変光栄です。

 

今回の公演では、コントラバスの田中洸太郎さん、クラリネットの鈴木雄大さん、そして私トランペットの浦田の3名がピアニストの石丸友貴さんとの共演でそれぞれソロを演奏します。弦楽器、木管楽器、金管楽器のそれぞれの違った魅力を堪能していただますし、今回一人ずつ聴くことでこれからオーケストラを聴く際により立体的に音を感じていただけるのでは、と思ったりもしています。

私も田中さん、鈴木さん、そして石丸さんがどんな演奏をしてくださるのかとても楽しみです。

 

ピアニストの石丸友貴さんとは、2019年3月の新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズにて、オーディションに合格し、それぞれソリストとして仙台フィルと協奏曲を共演した際にご一緒した時が初対面でした。石丸さんはシューマンのピアノ協奏曲を素晴らしく演奏されていたのを覚えています。その時は二人共ソリストだったこともあり、共演は今回が初になりますので、やっとご一緒することができて嬉しいです。

 

 

ところで皆さん、トランペットと言う楽器にどのようなイメージを持っていますか?

 

式典などでファンファーレを吹いていたり‥

ジョン・ウィリアムズをはじめ沢山の映画音楽でかっこいいテーマを吹いて大活躍していたり‥

テレビドラマで渋いメロディを朗々を歌っていたり‥

オーケストラや吹奏楽ではここぞの瞬間に登場して活躍していますよね。

 

今回、私が演奏する、A.アルチュニアン作曲のトランペット協奏曲は、そんな分かりやすい「トランペットらしさ」がギュギりュッ!と全部詰め込まれた、美味しいどころ取りの贅沢な作品です。

 

作曲者のアレクサンドル・アルチュニアン(1920-2012)はアルメニアの作曲家で、アルメニアの民族音楽を取り入れたオーケストラやソロ、室内楽作品を生み出し、中でもトランペット協奏曲は名作で、トランペット奏者にとって非常に大切なレパートリーになっています。もともとはオーケストラとトランペットの為に作曲されていますが、今回はピアノ版でお送りします。

 

アルメニアと言うと日頃あまり馴染みがないかもしれませんが、吹奏楽がお好きな方はアルメニア民謡を素材として作曲された、アルフレッド・リード作曲の『アルメニアンダンス』が思い浮かぶのでは無いでしょうか。

 

『アルメニアンダンス』でも今回のアルチュニアンでもそうなのですが、ワクワクと心が浮き立つような特徴的なリズムと、ゆったりとした叙情的で少し淋しげな旋律が非常に魅力的です。

 

この協奏曲は、単一楽章で14分ほど続けて演奏されます。劇的な序奏に引き続いてリズミカルな主題と叙情的なメロディが交互に現れるのですが、つい口ずさみたくなってしまうような魅力的なメロディばかりで、私自身とても大好きな曲です。曲の一番最後に登場する、大カデンツァにもご注目ください。

 

トランペットの魅力がたっぷり詰まったアルチュニアンのトランペット協奏曲、皆さんのお気に入りの曲にもなったらとても嬉しいです。

 

浦田誠真

 

公演番号:9
公演日:10月1日(金)13:15~14:00
仙台フィル若手メンバー大集合!

~今後、よろしくお願いします!~
会場:日立システムズホール仙台|交流ホール
出演者:
浦田 誠真(トランペット)
田中 洸太郎(コントラバス)
鈴木 雄大(クラリネット)
石丸 友貴(ピアノ)
我妻 雅崇(ナビゲーション)

 

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