2007年09月30日

2010.09.30| アミーチ・クァルテット

August 17

Sadao and I arrived together at Frankfurt airport. We were coaching string quartets in Japan as a precursor to the Saito Kinen Festival in Matsumoto.
After ten days of just listening to students play Beethoven, Brahms, Debussy, and Mozart, I was dying to play some stuff as well. I recently came to the realization that I get jealous solely as an audience member. I’m a performer at heart and need the experience of actually being involved in the music that’s being performed.

Frankfurt is a big airport and it has been exactly one year since the last time I walked through the terminals. Something was different… there weren’t the usual congregation of random people here and there. The halls seemed cleaner. “Maybe they repainted the walls…” I thought to myself. “Wait a minute! I can see the walls!”
And it hit me at that moment that the ever-present veil of second hand smoke was missing all of a sudden. As I quickly perused the area, there were vacant smoking corners and frequent flyers sipping on their cappuccinos with empty looks on their faces. They were all stripped of their joy of experiencing a marriage made in heaven. Coffee & Cigarettes…

Sadao and I zipped through passport control and made our way to the platforms. We decided to take the train to Stuttgart and then rent a car and drive to Wurmlingen. Yes, “the village of worms”. Sadao and Jim share a house there.
The train arrived 10 minutes late and we boarded. It was very crowded and according to Sadao’s theory, the only way we were going to find a seat was to endure the 1.5-hour train ride in the smoking car. He was right but I decided to sit on the floor between the cars where the air was not as bad. I happened to be next to some Japanese tourists and it was fun eavesdropping on their complaints of how chaotic the train system was.

After renting a car it was off to the Autobahn! Unfortunately, we were given some family station wagon and the top speed we hit that afternoon was 170 kph. It was still fast by American standards but I was hoping to break 200. Oh well…
It was great to see Jim again and we caught up on things over dinner and relaxed for the rest of the evening.

-Yosuke Kawasaki

(訳文)

8月17日

禎夫と私は一緒にフランクフルト空港に到着した。私たちは日本で、サイトウ・キネン・フェスティバル松本の先輩として弦楽四重奏の指導をしていたのだ。
生徒たちがベートヴェン、ブラームス、ドビュッシー、モーツァルトなどを弾くのを10日間ただ聞き続けていたら、自分も何か弾きたくて死にそうだった。最近分かったことだが、私は単純に聞き手になるとやきもちを焼くのだ。心底私は演奏家で、演奏されている音楽に実際に弾き手として関わっていることが必要なのだ。

フランクフルトは大きな空港だ。最後にターミナルを歩いたのは、ちょうど1年前だ。何かが違う・・・いつものあちらこちらの人の群がない・・・。ホールはきれいになっているようだ。“壁を塗りなおしたのかな…”と一人で考えた。“いや、待て!壁が見えるぞ!”
そして、その瞬間わかったのだ。いつもすごかったタバコの煙のベールが消えている!辺りをよく見てみると、人気のない喫煙所とカプチーノをすする無表情のビラ配りたちがいた。みんな‘コーヒーとタバコ’という、黄金の組み合わせの楽しみを剥ぎ取られてしまったのだ・・・。

禎夫と私は入国審査をすぐに終え、プラットホームに向かった。シュツットガルトまで電車で行き、そこからヴルムリンゲンにまでレンタカーすることにした。そう、ヴルムリンゲン—‘虫の村’だ。禎夫とジムはそこで家をシェアしている。
電車は10分遅れて到着した。乗ると非常に混んでいて、禎夫の理論によれば、座る唯一の方法は1時間半、喫煙車でがまんすること、とのことだった。禎夫は正しかった。でも私は、空気の悪くない車両の間の床に座ることにした。偶然日本人観光客のとなりに座ることになった。彼らはここの電車のシステムがいかにひどく無秩序かをぐちっていて、それをこっそり聞いているのはおもしろかった。

レンタカーをして、さあアウトバーンだ!!残念ながら私たちが与えられたのはステーションワゴンで、その午後私たちが出した最高速度は時速170キロだった。アメリカの基準から言えばそれでも速いほうだが、私は200キロは超えたかったのに。あーあ…
ジムに再会できて嬉しかった。ディナーではいろいろ近況を話し、その夜はゆっくりとすごした。

アミーチ・クァルテット 川崎洋介

プロデューサー・ノート 香港にて

2007.10.17| せんくらプロデューサー

<香港文化中心(香港文化センター)ロビーでの合唱コンサート。背後にオペラ「アイーダ」の垂れ幕が。>

所用で香港に来ています。香港はご存知のようにマネーや観光では大中心地ですが、ことクラシック系の音楽に関しては日本の大都市ほど盛んではありません。

香港文化中心という分かりやすい名前の文化センターが、ペニンシュラ・ホテルやスターフェリー波止場のそばの海岸沿いの一等地にあり、ほとんどの音楽系行事はそこに集約されています。

ここ数日でも、オペラのアイーダが4回、室内オーケストラの香港シンフォニエッタ(今年のラ・フォル・ジュルネ東京にも出ていました)のライト・クラシック公演、民俗音楽と西洋音楽のクロスオーバー型オーケストラ公演などがあります。

日本ほどの質量は無いとは言え、この香港音楽中心はロビーで無料の合唱コンサートが開かれて階段に座り込んで皆が見ていたり、海沿いには三々五々皆がぶらぶらして景色を楽しんでいます。これらの方々がふらっとアイーダのチケットの問い合わせをしたりしているのは、とてもいい風景でした。

せんくらも2回目にしてお客様は整然と目的のコンサートに向かう姿が多く、第1回よりも多くのお客様がおでかけ下さったにもかかわらず、ロビーは昨年よりすっきりした雰囲気でした。

これはこれで大変有難い話ですが、やはり例えば青年文化センターでもロビーなどで無料の公演をやっているとか、ある種のお祭り的にぎわいがもう少しある中でふらっと空いているチケットを買ってせんくら本公演にお入りいただく、といった具合になるような工夫がもう少し必要かもしれません。

それから、ここしばらくある上記の公演を見ても純クラシックオリジナルはアイーダだけで、後は一般香港市民との接点を工夫したクロスオーバー物です。この種のものへの好き嫌いは色々あると思いますが、やはりどこでもアートのあり方を手探りしているのは間違い無いようです。

平井洋 せんくらプロデューサー

 

プロデューサー・ノート せんくら関連ブログ追加

2007.10.10| せんくらプロデューサー

前回、アーティストの方が書いてくださった今回のせんくらについてのブログアドレスをいくつかご紹介しましたが、ご来場くださったプロのライターの方々のブログも出始めました。

LINDEN日記
(音楽ジャーナリスト林田直樹が書き綴る日々の雑感です。)
http://linden.weblogs.jp/blog/
これは業界人はよく読んでいるブログです。音楽の友、レコード芸術の編集というメインストリームを歩んでこられた林田さんですが、視野が広く、話題は多彩です。そして底流として音楽への愛情がいつも感じられます。昨年、今年と2年連続ご覧いただきました。

山尾好奇堂
(クラシック音楽系ライターの山尾敦史がオススメを紹介したりネタ(情報)を発信していますが、当店はクラシック専門店ではなく雑貨店のつもりで、まったりやっています。)
http://yamaonosuke.blogzine.jp/honke/
その名の通り、山尾さんの好奇心のおもむくまま、多彩な話題が展開されている、これも著名ブログ。今回のせんくらはびっしり三日間ごらんいただき、詳細なレポートを書いていただきました。今年の様子を詳しく知りたい方はこれをお読みいただくのが一番かもしれません。

その他、フルートの荒川洋さんのBBShttp://hiroshiarakawa.com/
でも話題にしていただいています。

昔はあるコンサートなりイベントの後は新聞や雑誌にどう取り上げていただけるか、というのが楽しみでしたが、今はより早く多様な形でネットで反応が見えますね。

あれこれご覧いただいてお楽しみいただければ、と思います。

せんくらプロデューサー 平井洋

せんくら、この1曲!

2007.10.10| せんくらプロデューサー

*写真はサイン会の福田進一さん、長谷川陽子さん

こんにちは、プロデューサー・アシスタントの壇です。
せんくら2007にお越しいただいたお客様、お楽しみいただけたでしょうか?
きっとどのコンサートを見た方もみなさんそれぞれにお楽しみいただけたことと思います。手前味噌になりますが、私が業務の合間に覗いた公演はどれも捨て公演なしの、素晴らしい公演ばかりでした。
色々な業務を行ないながらでしたので、45分のコンサートを全部聞けることはほとんどありませんでしたが、聞いた中でも特に印象に残った1曲を取り上げて、コメントしてみたいと思います。

10月6日(1日目) 青年文化センター
<公演番号3 米良美一>
ヨイトマケの唄
この曲を歌う前にトークが10分以上ありましたが、まるで講演会を聞いているかのようでした。
小さいときに生死の狭間をさまよったこと、いじめにあったこと、「もののけ姫」で時代の寵児になり天狗になったこと、どんどん欲深くなりついにはどん底まで落ちたこと、しかし色んな人との出会いの中で本当の自分の生き方、歌う理由を見つけたこと、など。
とても胸を打つトーク、人生論で、鼻をすする音がところどころで聞こえたり、ハンカチを顔にあてている人がいて、泣いている人が何人もいました。
もちろん続いて歌われたヨイトマケの唄も、大変力のこもった熱唱でした。

<公演番号4 中鉢聡>
プッチーニ:「トスカ」星は光りぬ
たった1曲のアリアなのに、まるでオペラの一場面を見ているかのようでした。
自分の死の前に、愛する女性トスカのことを想いながら歌う悲しいアリアなのですが、力強い歌声と壮絶で胸を打つ表現が素晴らしく、男の僕も中鉢さんに惚れてしまいそうでした。(最後はウソ)

<公演番号9 波多野睦美、つのだたかし>
サリーガーデン
曲名を知らなくても、誰でも一度は聞いたことがあると思います。日本語で「柳の庭」という意味だそうです。波多野さんはその素敵な歌声ばかりでなく、毎回、歌う曲の歌詞をすごく素敵に解説していただきました。
簡単にいうと恋人に去られてしまった男の失恋の歌です。この曲のタイトルとメロディを聞くと、僕は色んなイメージが膨らみます。空想癖とでもいうのでしょうか?
皆さんはそういう経験はありませんか?

<公演番号11 御喜美江&池上英樹>
モーツァルト:3つのコントルダンスより
アコーディオンとマリンバ、実際聞いてみてすごく素敵な組み合わせでした。天から降る雨粒のようなマリンバの音と、アコーディオンの優しい響きが何とも言えない調和を醸し出していました。
デュオなのにデュオでないような、夫婦でないのに一人の人間というのでしょうか?変な例えですいません(苦笑)、まるで「合わせている」という感じのしない、これ以上ないデュオの演奏でした。

<公演番号19 佐々木真史>
コダーイ:セレナード 2つのヴァイオリンとヴィオラのための
本当に公演のタイトル通り(笑)、渋いヴィオラの響きを堪能できる公演でした。
また佐々木さんのお話が大変フレンドリーで、ヴィオラ奏者が隣でいつも目立っているヴァイオリン奏者を日頃どう思っているのか、奥ゆかしくも屈折したヴィオラ奏者の脳内を垣間見ることができました。

10月7日(2日目) イズミティ21
<公演番号73 藤原真理>
グリーグ:チェロ・ソナタ
チェロの音には、イズミティ21の小ホールはちょうど良く合っていると思いました。チェロの豊かな音色とホールの響き、グリーグのロマンティックな和音が何ともいえない素晴らしいバランスでした。
後で聞くところによると、真理さんも大変このホールがお気に入りになったそうです。

<公演番号75 早川りさこ>
エストレリータとサン=サーンス:ファンタジー
2曲を対比します。エストレリータはポピュラーソングといえる程有名なメロディで、ハイフェッツがヴァイオリンとピアノのために編曲したものを、ピアノの代わりにハープで演奏。とてもお洒落な和音を使ったアレンジなのですが、ハープで演奏するには2分半の演奏中でなんと110回も(!)ペダルを踏むのだそうです。
簡単に説明すると、ハープはその構造上、半音階(ピアノでいう黒鍵)を出すのに半音上げるペダルと下げるペダルを使いこなさなくてはなりません。ペダルはハープの底面にドからシまで7種あり、例えばドの半音上げるペダルを入れると、ハープのドの音の弦は全て半音上げるということです。
早川さんがどうしてこの曲を取り上げたのか、その理由はハイフェッツの素晴らしいアレンジをハープで再現するのは大変な勇気がいることだから、と。なんと男前な発言!
もちろん演奏は完璧!・・・だったと思います、というかそれくらい結構アバンギャルドな和音なんですよー、ほんとに。
一転して、サン=サーンスのファンタジーではハープらしさを生かしたアレンジが随所に出てきて、ハープらしい見た目の優雅さもあり、またメロディも美しくかつ分かりやすく、それぞれの楽器の長所が生かされた佳曲でした。

<公演番号77 山下洋輔&山形交響楽団>
ラプソディ・イン・ブルー
私が見た公演で一番の盛り上がり。
山下洋輔さんはさすがの貫禄。20数分の間にさまざまなメロディが紡がれては弾け飛び、ジャズのリズムの聖典のような演奏でした。
山響の演奏を聞くのは初めてでしたが、オケならではの豊かな響きを、しかしどっしりとした重さは全くなく、ジャズ特有の軽さで聞かせてくれました。
舞台裏ネタですが、実はこの曲、山下さんとオケは本番当日朝の40分で合わせただけなのです。指揮の飯森範親さんの手腕に拍手!
期待値の高い公演でしたが、期待値を大きく超える大変な名演で、お客様もスタンディング・オベーション!!!

<課外授業>
2日目の夜、偶然にもチェロの長谷川陽子さんご家族と某音楽事務所のスタッフと飲むことに。
長谷川さんは、演奏家の友人たちに「せんくら出るんだ、いいなー。どんな感じなの?」と言われて「いいでしょー」と自慢したそうです。何かすっごく嬉しくないですか?
せんくらは通常のクラシックのコンサートではない「クラシック・フェスティバル」なので、演奏家の皆様には様々なご不便をおかけしています。GPが短い、楽屋の使用時間が限られている、ホールに入って楽屋まで来るのもアテンドなしの自力とか、ケータリングも水だけ等々。
それもこれも
「すべては1,000円で最高の演奏を聴いて頂くため」
です。
昨年に引き続いてご出演の長谷川さんから先のような発言が出るとは、フェスティバルの趣旨を深くご理解頂いているのだと、大変感謝感激雨霰。
ピアノの花房晴美さんも朝10:45の本番からその日の夜の最後の本番まであることろを、「学生に戻ったみたいで新鮮だわー」と、おもしろがって下さいました。
せんくらはこういうご理解なくては成立しないのです。この場をお借りして出演者の皆様、所属マネジメント会社の皆様に深く御礼申し上げますm(_ _)m

10月8日(3日目)
<公演番号79 山下洋輔>
なんとオーボエの茂木大輔さんが飛び入り! お客様もスタッフもびっくり&大喜び。来年は是非正式なご出演をお願いします(と、アシスタントのくせに勝手に思ってます)。

<公演番号90 アミーチ・クヮルテット>
ハイドン:「蛙」より フィナーレ
変わったタイトルですね。プログラムのメインはベートーヴェンの「ラズモフスキー」。やっぱり弦カル、これぞクラシック!という感じの響きと演奏でした。
チェロの原田さんが「せんくらポッドキャスト」で、
「クヮルテットというのは4人の関係が音楽的にも生活的にも濃密すぎて、逆にマンネリ化してしまう危険性がある。でもしょっちゅうメンバーチェンジしてはクヮルテットの醍醐味がでてこない。このアミーチ・クヮルテットでは常にフレッシュな演奏がしたい。」
という意味のことを言ってます。この度の演奏を聞いて納得。演奏やアンサンブルはきっちり計算されているのに、メンバーがそれぞれ生き生きと楽しそうに演奏しているのが見て聞いてわかりました。
「蛙」はハイドンらしいリズミックで楽しい曲で、そんなアンサンブルにぴったり。トークで原田さんがなぜこの曲を選んだのかというと、4人のメンバーが今回の演奏のために世界各地から集まって、今日「帰る」からだそうです。
なんだい、ダジャレかよ!って思いましたね(笑)。

<公演番号99 菅英三子>
ヴェルディ:ああ、そは彼の人か~花から花へ
仙台ご出身のソプラノでチケットは即完売、客席もパッツパツでした。
菅さんの歌は初めて聞きましたが、軽やかで涼しげな声と上品な表現がとても好みでした。ブラーヴァ!!

<公演番号101 仙台フィルハーモニー管弦楽団、他>
ベートーヴェン:第九 第4楽章
ついにフィナーレ。感無量です。
第九の第4楽章だけ聞くというのは初めての経験ですが、1コマ45分なので当然こうなりますよねー。
第1楽章から通して聞かず、最終楽章だけ聞いても素晴らしいというのは本当に名曲なんだと思います。
でも、もちろん1楽章から最後まで70分くらい頑張って通して聞いた方が感動も大きいですよ、途中寝てても(笑)。ご興味を持たれた皆さん、是非今年の年末は第九のコンサートに足を運んでみてはいかがでしょうか?
指揮の山下一史さん、ソリストの皆様、仙台フィル・せんくら合唱団の皆様もお疲れ様でした!

最後にこの場をお借りして、せんくら2007関係各社の皆様に厚く御礼申し上げます。
本当にお疲れ様&ありがとうございました。

壇 一秀(プロデューサー・アシスタント)

プロデューサー・ノート 第2回せんくら終了

2007.10.09| せんくらプロデューサー

<作曲家マル非裏話中の吉松隆さん>

今年のせんくらが終わりました。何でもそうですが、本番が始まってしまえばあっという間ですね。

101回の本番ともなれば、出演者は延べ数百人。昨年河合隼雄先生が直前にお倒れになるなど、出演者の病気や事故は普通はあるパーセンテージで避けられません。ところが今年は、そういうことがなく、皆様無事にご出演いただけました。まずはそれが何より。

もちろん、個々の出演者は、この1年で本当は大病したり、ご家族で大きな事件があったり、色々な方がいらっしゃり、それらを乗り越えてきてくださっているわけです。聴衆の皆様もそうでしょう。

昨年は、出演者の皆様の多くの方が言ってくださったのはボランティアの素晴らしさで、全会場の受付やカメラマンがボランティアの皆様のというのには仰天していました。

今年はもうそれらのことは、ある種当然の前提になっていて、今回異口同音に演奏家の皆様がおっしゃるのは「聴衆の素晴らしさ」でした。演奏家としてはビジネス的に言えば「仕事をもらっている」ということでもあるので、お世辞か、と思ってしまう面もありますが、それにしてもあまりに皆様が口を揃えておっしゃいます。例えばアコーディオンの御喜美江さんのブログでは以下のように書かれています。

<<「せんくら」は3日間で101公演がどれもほぼ満席。それだけでも驚異的なことなのですが私がもっと驚き、もっと感動したことは演奏中に感じる聴衆のものすごい集中力とそのあとの爽やかな笑顔でした。これはきっと一生忘れることはないでしょう。>>

ハープの早川さんはこんなメールをくれました。

<<今日の演奏会、2回とも、お客さまはそれはそれは真剣に聴いて下さり、「音に耳を傾ける」集中力に感激でした。舞台で、お客さまの音楽を楽しむ姿勢にこれほど感激するのは初めての経験でした。>>

東京カルテットで30年も世界中で「カルテットは地味だ。」「カルテットは難しくて客も入らない。」と言われつづけてきたチェロの原田さんも、今回の聴衆のすばらしさは絶賛しておられました。

こういったことは、私は正直言ってあまり事前に想定していなかったのですが、これこそ<せんくら>の最大の誇り、財産になったと言ってよいのではないでしょうか。

それから、色々なご事情でせんくらにおでかけになれなかった皆様、以下の媒体でせんくらの番組が放送していただけるはずです。

NHK教育テレビ (芸術劇場 11月16日(金)22:25頃の予定)

TBSラジオ OTTAVA
ラジオNIKKEI
ミュージックバード

放送時間等詳しいことはオフィシャルサイトでご案内させていただきます。

それから、以下の出演者の方のブログでは、実況中継のように毎日せんくらの記事を載せていただいています。

吉松隆
http://homepage3.nifty.com/t-yoshimatsu/
御喜美江
http://mie-miki.asablo.jp/blog/
長谷川陽子
http://yoko-hasegawa.com/blog.html
福田進一
http://cadenza-f.seesaa.net/

せんくらにおでかけいただけなかった方々も、おいでいただいた方々もこういったものでも、楽しんでいただければ幸いです。

どうやら、このフェスティバルは来年も続きそうです。また、皆で楽しみましょう。

平井洋 せんくらプロデューサー

せんくら真っ最中2日目の17時半過ぎです

2007.10.07| せんくらプロデューサー

せんくら真っ最中2日目の17時半過ぎです
スタッフ一同がんばってます!
(てんぱってます・・・かな)
どの会場に張り付いていても、
同時にいくつもの公演が行われているので、
全部を詳細に把握するのは物理的に無理ですが、
それぞれの役割分担をスタッフ一同
しっかり果たすべくがんばっていますうぅぅ

裏方もしながら、公演の様子もちょこちょこ
見に行っていますが、両方の角度からせんくらを
見ることが出来るのはなんとも感動です・・・

音楽はえーのーー・・・と改めて思っている次第です。
さぁ行かなくちゃ

徳田容子(プロデューサー・アシスタント)

<プロデューサー・ノート 本番に向けて>

2007.10.06| せんくらプロデューサー

あっという間に、本番日が来てしまいました。出演者の皆様の週替り連載もつい最近始まったような気がしますが。

皆様も、チケットも順調にゲットして後は本番を待つばかりでしょうか?

そんな方は少ないでしょうね。準備万端などというのは、実際はあまり見たことも聞いたことも、もちろん自分でやったこともありません。

あれこれ考えているうちに欲しいチケットは売切れてしまった、という方々もたくさんいらっしゃるでしょう。

当日券も無いだろうし、どうしようかな・・・と思っているあなた!
迷う必要はありません。ともかく会場においでください。

せんくらの楽しみ方は、皆さんの全くのご自由ですが、本当は何も選ばず、ぶらっと来て、入れたものを見て帰る、というのはかなりいい方法だと思います。

「クラシックをお好きでない方々も、だまされたと思ってどうぞご来場ください」とかは申し上げてきましたが、実際は「だまされた」ということにはならないクオリティの会が101個並んでいます。

かえってご自分の普段の価値感では選ばない内容のものに入って視野が開けることもあるかもしれません。そのために安価になっているわけですし。

ともあれ、本ブログもご愛読ありがとうございました。本番が始まってもオフィシャルサイトでのリポートやら、ブログでのご報告は続きます。会場においでいただける方も、おいでいただけない方も、どうぞお楽しみください。

平井洋 せんくらプロデューサー

2007年10月05日

2007.10.05| アミーチ・クァルテット

August 24

Lunch was the usual salad and pasta. Jim had created different sauces everyday and today’s sauce was the most memorable for me. He had made chicken soup last night for his daughter, Anna, who was feeling a bit under the weather. He took the soup and made a wonderfully creamy and nutty chicken sauce out of it. Genius!

The only thing better than having a BBQ is another BBQ so that’s exactly what we did for dinner again tonight. We prepared a different menu this time:

Peppered Zucchini in Olive Oil

Cured Giant Pork Ribs

Yaki Onigiri

Spicy Baby Back Ribs

Entrecote a la D’Amici

Life is good!

-YosukeKawasaki

8月24日

ランチはいつものサラダとパスタだった。ジムは毎日違うソースを作ってきたが、今日のソースは最高で私には忘れられないものとなった。彼は昨日の晩、チキンスープを作った。娘のアンナが、あまり具合が良くなかったからだ。そのスープを使って、すばらしくクリーミーで風味豊かなチキンソースを作ったのだ。天才!

バーベキューより良いことは、またバーベキューをすることしかない!ということで今晩のディナーはまたバーベキューとなった。
今回は違うメニューだ。

ズッキーニのオリーブオイル漬 胡椒風味
ジャイアントポークリブの燻製
焼きおにぎり
スパイシー子豚ばら肉
アントレコート(ステーキ肉)のアミーチ風

人生は素晴らしい!

アミーチ・クァルテット 川崎洋介

2007年10月04日

2007.10.04| アミーチ・クァルテット

August 23

We rehearsed Haydn’s “Lark” Quartet in D Major op.64 no.5 today and had a really good rehearsal. The musical decisions we worked our way towards seemed both organic and logical. Of course it comes much easier when you’re working with such seasoned quartet players like Sadao and Jim. Add the incredible musicianship of Federico and it’s like experiencing a drive in a Mercedes Benz and just fine-tuning things here and there.

As the rehearsal came to an end we all knew that there was a reward waiting for us all.
BBQ!!
We all drove to the supermarket in Tuttlingen called E-center. There is a bakery in the front section of the store and Federico and me in particular had to muster all of our will power to not eat anything before the BBQ. We grabbed a cart and headed for the meat section. It was glorious! There were links of sausage, prime cuts of beef, ground sirloin, pork chops, lamb chops, marinated kebobs, and bacon. I wanted to buy everything but we decided to stick to our game plan of hamburgers and sausages.
The only vegetables we got were the lettuce and tomatoes to put on our burgers, pickles in a jar, and “potato” chips.
Of course no BBQ is complete without dessert so we grabbed some Movenpick ice cream and lined up at the register. After seeing all this food in front of us, Federico and me could not resist the tantalizing aroma of the bakery any more. We were drawn in like moths to a flame and ordered ourselves a Fleischekase. This is a little wonder created by the E-center bakery and can be best described as tasty processed meat, sandwiched between a heavenly, fluffy, fresh baked roll. Mmm….

The anticipation of a BBQ is just as good, if not better than the actual act of eating. Jim was in the kitchen making the individual patties. Federico was setting up the table on the patio and Sadao and me were in charge of getting the coals ready. It’s funny how lighting a flame tickles our primal urges.
Needless to say, the BBQ was a great success and all we could do was lounge around for the rest of the evening.

-Yosuke Kawasaki

今日はハイドンの“ひばり”四重奏曲(ニ長調、op.64 no.5)を合わせたが、すごくいいリハーサルだった。私達が音楽的にたどり着いたところは、有機的でありかつ論理的だと思う。もちろん、禎夫やジムのような熟練したクァルテットプレイヤーと一緒に演奏していてそういうことが楽に実現するわけだが。加えて、フェデリコの信じられないほどの音楽的才能は、ベンツでドライブしているような感じで、どこもかしこもチューニングがばっちりだ。

リハーサルが終わり、みんなご褒美が待っているのを知っていた。バーベキューだ!!
みんなで車でトゥットリンゲンのE−センターというスーパーマーケットに行った。その入り口付近にはパン屋があり、フェデリコと私は特に、意志の力を総動員してバーベキューの前に何も食べないように我慢しなくてはいけなかった。カートを持ってきて、肉のコーナーへ向かった。美しかった!ソーセージ、極上のビーフ、挽いたサーロイン、ポークチョップ、ラムチョップ、ケバブのマリネ、ベーコン。全て買いたかったが、ハンバーガーとソーセージという作戦を守ることにした。
野菜はと言えば、バーガーにのせるレタスとトマト、瓶入りのピクルス、“ポテト”チップスだけだった。
デザートなしではバーベキューとは言えないので、いくつかモーベンピックのアイスクリームをつかんでレジに並べた。前に並んだ食べ物全部を見てフェデリコと私は、パン屋の食欲をそそるいい香りにもう我慢できなかった。火に吸い寄せられる虫のように、私達はFleischekase(ミートチーズ)を買った。Fleischekase はE−センターの創り出す驚嘆すべきものだ。おいしいプロセスミートが天上のふわふわの焼きたてパンでサンドイッチされている。ああ…

バーベキューを食べるのと同じぐらい楽しいのが、バーベキューへの期待感だ。ジムはキッチンでそれぞれのパティーを作っていた。フェデリコはパティオのテーブルをセットし、禎夫と私は炭を準備する係だった。火をつけることで私たちの原始的な欲求がくすぐられるのはおもしろい。
バーベキューは大成功、その晩はもう、くつろぐことしかできなかったのは言うまでもない。

アミーチ・クァルテット 川崎洋介

2007年10月03日

2007.10.03| アミーチ・クァルテット

August 22

We returned yesterday to Wurmlingen and mostly lounged around to decompress from a busy few days. I woke up fairly late to Federico practicing in the living room and Sadao practicing upstairs. Jim made us a lunch of salad and pasta. Simple is best and the magic is in the homemade sauce. Jim is a great cook and could easily open a Trattoria somewhere. I think it also helps that his wife, Giacometta, is from Sicily. The town where she’s from is particularly special when it comes to food. After a couple servings of espresso the quartet started to rehearse for the next program.

Dinner seemed like a chore after our long rehearsal so we decided to drive to Trossingen to eat. This is where both Jim and Sadao teach during the year and where Federico use to teach before moving to Indiana. Federico and Jim wanted to say hello to a friend of theirs in town so we stopped by the Hotel Baren. Hansjoerg was the owner of this hotel and has built a relationship with Federico and Jim through the years when they use to stay in his hotel. When we arrived, Hansjoerg was outside with some men with tools, beers and cigarettes. They were obviously remodelling the hotel. As we approached them, an old German shepherd came to sniff us and greet us. As Hansjoerg, Federico and Jim caught up, a handyman came up to Sadao and me and asked us in English where we were from. I’m sure he was German but he had an Australian accent when he spoke English. He made some derogatory remark about Asians but we just laughed it off. He then started to tell us some bizarre story about a musician he did some job for years ago. I couldn’t follow his English but I picked up on phrases like “yeah, and then he stabbed him!” After a few awkward silences, we said goodbye to Hansjoerg and proceeded to the restaurant. Unbeknownst to us, this was the beginning of an evening from the “Twilight Zone”.

With more than a month left before school was back in session, the streets of Trossingen resembled a ghost town. There was only one man sitting at the bar when we walked into the Greek restaurant. We asked to be seated in the smoking section and the waiter informed us that a nation-wide law was passed that there would be no more smoking in restaurants. He said there was smoking allowed in the billiards room though so we ordered our meal, took our pints, and headed for the sacred room. To our surprise, there were four men and one older man sitting around a table. As they puffed on their tobacco, the only voice we heard came from the old man. It was as though the village leader was handing down some precious wisdom to his tribesmen. We glanced over to the other side of the room and the waiter was smoking too. He gave us a knowing chuckle about how ludicrous it was that even he had to take refuge for a puff.

When we returned to the main dining area, a feast was waiting for us. Kebobs, taramosalata, pita, and feta cheese…mmmm
We also noticed that there were two other couples sitting in the opposite corner of the room. From our first bite to our last and even after we paid the bill, the couples hadn’t spoken a single word to each other. I don’t think they even looked at each other. It was odd and depressing. When we walked out of the restaurant, I saw that there was a full moon above us and maybe even a howling in the distance.

-Yosuke Kawasaki

(訳文)

8月22日

私達は昨日ヴルムリンゲンに戻ってきてぶらぶらして過ごし、ここ何日かの忙しさから解放された。かなりゆっくり起きたら、フェデリコはリビングで練習し、禎夫は上の階で練習していた。ジムは私たちにサラダとパスタを作ってくれた。シンプルイズベスト、そして、手作りのソースは魔法だ。ジムは料理がとてもうまくて、どこかでイタリアの食堂がいつでも開けるほどだ。彼の奥さんのジャコメッタがシシリー出身なのも関係あるだろう。彼女の出身のその町は、食べ物のことになったら特別なんだから。
エスプレッソを何杯か飲んで、クァルテットは次のプログラムのリハーサルを始めた。

長いリハーサルの後で夕飯が雑用のようになりそうだったので、私達はトロッシンゲンまで車で食べに行くことにした。ここはジムと禎夫が普段教えている街で、フェデリコもインディアナに移るまで教えていた街だ。
フェデリコとジムはその街の友人に挨拶していきたかったので、ホテルバレンに立ち寄った。ハンスヨルグはこのホテルのオーナーで、フェデリコとジムが昔このホテルを使っていた時に知り合った。
私達が到着した時、ハンスヨルグは他の道具とビールとタバコを持った男たちと一緒に外にいた。明らかにホテルの改装中だった。近づいていくと、年老いたジャーマンシェパードが寄って来てクンクンいって迎えた。
ハンスヨルグ、フェデリコ、ジムが話している間、内装屋が禎夫と私に寄って来て、どこから来たのかと英語で尋ねた。彼はドイツ人に間違いないが、英語を話すとオーストラリアなまりだった。アジアについて何か軽蔑的なことを言ったが、私達は笑って流した。すると彼は、何年か前に仕事をした音楽家についての奇妙な話をし始めた。彼の英語が良く分からなかったが、“そう、それで彼はやつを刺したんだよ!”とか何とか言うのを聞いた。
ぎこちない間があった。ハンスヨルグと別れレストランに進んだ。これが“トワイライトゾーン”の晩の始まりであったが、私達は知るよしもなかった。

学校が始まるまでにまだ1ヶ月以上残っていて、トロッシンゲンの町並みはゴーストタウンのようだった。ギリシャ料理のレストランに入ると、バーには男が一人座っているだけだった。喫煙席に座りたいと言うと、ウエイターは国の法律でレストランでは喫煙が禁止されたと教えてくれた。でも、ビリヤード室では喫煙できるとのことだったので、料理を頼み、ビールを持ってその聖なる部屋へ向かった。驚いたことに、テーブルを囲んで4人の男と1人の年寄りの男が座っていた。すぱすぱタバコをやっているが、聞こえるのはその年寄りの男の声だけだった。村のリーダーが何か貴重な叡智を部族の若い衆に伝えているかのようだった。
部屋の反対の方を見るとウエイターもそこでタバコを吸っていた。タバコを吸うのに、ウエイターさえもここに避難して来なくてはいけないと言うばかばかしさ—彼は私達に知ったかぶりの含み笑いをしてみせた。

食事をする場所に戻ると、宴が私達を待っていた。ケバブ、タラモサラタ、ピタ、フェタチーズ…ああ!
その部屋の別のすみに、別の2組のカップルがいることに気づいた。私達の一口目から最後の一口、さらに勘定を済ませるまで、どちらのカップルも一言もしゃべらなかった。お互いを見てもいなかったと思う。変だし憂うつだった。レストランから出ると私たちの上には満月があった。そして多分、遠くに遠吠えも。

アミーチ・クァルテット 川崎洋介

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