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SENCLA BLOG

ブログ

あんさんぶるであるとあるで
2007.08.25

あんさんぶるであるとあるで(7)「せんくらあでお会いしましょう」

声といえば、俊太郎さんの声は木管楽器だと思う。以前どこかに、木管四重奏の音色が好きだと書いてくださっていたのですが、俊太郎さんの声がいわば同族の音色なのでとても良く合うと私は常々思っています。

いわゆる美声というのではないけれど、味がある、暖かみがあるところも楽器の中でも木管楽器的だと感じます。それも、オーボエ、クラリネット、ファ
ゴットのようなリードのある木管楽器。

この3つの楽器はリードという葦の小さな棒(板)を付けて楽器全体を鳴らすという共通点があり、そのために独特の木の音色がします。このリードのために大変な苦労を強いられるのですが、かさこそとしたひなびた感じが魅力のひとつでしょう。俊太郎さんの声にはそれがある。リード楽器の響きがあると私は思うのですが、みなさんはどうでしょう?

さてさて、今日で私のブログ当番もおしまいです。
暑い中、脳みそが溶け出しそうになりながら書いた時もありました。
今は涼しい軽井沢で、犬と共に遅い夏休みを過ごしております。
(ほほほ、、、こう書くとかっこいいですが、貸別荘ですよ)

9月は、せんくらに先駆けて浜離宮朝日ホールで俊太郎さん&賢作さんの会に出演します。

また、弦楽器とのアンサンブル「ラ・コレッガ・ディヴェルテンテ」定演では、シューベルトの八重奏曲を取り上げます。

この曲は、私的には大変思い入れがあるので、ぐーたらを返上してさらう所存です。

10月は「せんくら」もあるし・・・今のうちに遊びまくって英気を養わなくては!!

みなさん、拙い文章を読んでくださってありがとうございました。
仙台でお目にかかれる日を楽しみにしております!

[今日の写真]愛犬(はな)とわたし。

— 草刈麻紀

あんさんぶるであるとあるで
2007.08.24

あんさんぶるであるとあるで

実は2年程前からアカペラ・コーラスのグループ「アリュール」で修業しています。メンバーは全員声楽以外のプロの音楽家。オーケストラやフリーの管楽器奏者とピアニストの女性ばかり20名ほど。これが、趣味の域を超えて、時には本業より熱心に情熱を注いでやってしまっています。先月はデビューコンサートを大盛況のうちに終わらせたばかりです。

音楽家なので、譜面は読める、音程はよし、リズム感もよし、音楽性は申し分なし、ところが! 肝心の声が出ない!!!

歌の先生には、叱られ、嘆かれ、「将来性だけはある」といわれ続け、しかし何とかサマになってきた今日この頃です。

歌を始めてから、本当に新しい発見の毎日、目からうろこが落ちるとは良く言ったもので、もう300枚ぐらいうろこを落したでしょうか。

管楽器は特に、息の使い方おなかの使い方、全ての原点が「歌」である!と断言出来ます。中には見違えるほど上手になった人もいますが、私はまだまだで、楽器は鳴らせるが良いリードが無い状態。先生からはもっと高いリードを買えるようにお金持ちになれと言われています。(ムリムリ)

そんな私ですが、最近おどろいたことがあります。それは、「せんくら」のポッドキャスト。私はしゃべるのが苦手で、もう、あれほど嫌なものは無かったな!! 言いたいことの半分も言えず言わなくて良い事を言ってしまい、いかに
も頭の悪そうなしゃべり方をしてしまうので、自分のしゃべりを録音したものはぜえっったいに聞きたくないのですが、家族が面白がって聞くのをちょいと小耳に挟んだら、
「声が変わってる!」明らかに以前より明るくなっている!

昔々教育実習の時も声がこもって何言ってんだか分かんないと、散々言われ、自分でも自分の声が大嫌いなのですが、それが、マシになっている!
こんな所に歌の効果が現われているとは!
ド恥ずかしいポッドキャストでしたが、ちょっと気を良くしたのでした。

このアカペラ合唱団をギャラ無しで良いから「せんくら」に呼んでくれとプロデューサーの平井さんに言ったところ、「フンッ」と鼻で笑われました。

今に見ておれ、あの時タダで呼んどきゃ良かった~と後悔する日も遠くはないでしょう。

[今日の写真]アリュール=デビューコンサートゲネプロ風景。本職は左からOb,Pf,Cl,Hr,Fg,Cl。この他各種取りそろえております。

— 草刈麻紀

あんさんぶるであるとあるで
2007.08.23

アンサンブルって何だ?

さて10月6日のワークショップでは、今までにない斬新な試みに挑戦します。フランセの木管四重奏曲という、おしゃれで超難しい曲を演奏しながら
アンサンブルの極意に迫ろうというもの。今、オーボエの庄司さんがねじりはちまきで脚本を書いています。

この脚本家、多忙のため筆は遅い、その上注文は多い、凝り性、ときている。役者が要求に応えられるかどうか怪しいところです。

以下は、少々おかたいのですが、脚本家によるキャッチコピーです。

「近年、中高生や大学生をはじめ社会人の多くのアマチュアの演奏家たちが器楽によるアンサンブルを楽しんでいます。今回は今までなかなか覗くことの出来なかったこのアンサンブルを作る過程を分析してみます。それぞれまったく違う個性を持った人間と、似たようでまったく異なる特性を持った楽器がどのように融合しまたそれぞれの存在感を示すか?もしかするとこの小さな編成で起こりうる様々な問題は昨今の社会問題〜家庭、社会生活、政治、自分勝手になり始めたといわれる現代人、いじめ、国際問題の解決のヒントになるかも知れないのです。」

おおげさな・・・!と思われるかもしれませんが、いやいや、ホントにこんな小さなアンサンブルでも社会の縮図のようなもの。結局は人間同士の関わりあい、人と人とのコミュニケーションにほかならないのです。

そういう意味では、楽器をやっている人いない人に関係なく、広く一般の方にもお越しいただきたいワークショップです。もしかしたら会社の上司と、あるいは学校の友だちと、奥さんと、ダンナさんと、うまく付き合うヒントが隠れているかもしれませんよ。

なんと言ってもこのワークショップは無料!!!です。「せんくら」の中でも数少ないタダ!の公演に選ばれたのです。どうか今すぐ葉書で申込を!タダなのにお客さんが来なかったら情けないですものね・・・

[今日の写真] 行き詰まる脚本家S氏。

— 草刈麻紀

あんさんぶるであるとあるで
2007.08.22

谷川俊太郎さんへの17の質問、つづき

Q10. 好きな作曲家は?
俊.- – - J.S.バッハ。他にも何人もいるけど。

Q11. 今まで稼いだ印税は、生活費以外では何に最も使ったと思いますか?
俊.- – - 女性。慰謝料とか・・・

Q12.  子供の時に読んだ本で面白かったものは何ですか?
俊.- – - 少年講談の「猿飛佐助」「霧隠才蔵」「真田幸村」など。

Q13. 最近どんな夢を見ましたか?
俊.- – - 忘れた。

Q14.  ご自分の詩の中で一番好きなものはどれですか?
俊.- – - 日替りで答えが変わるけど、今日は今書いている「今」。

Q15. いま、恋をしてますか
俊.- – - 個人情報保護法に触れるので、お答えできません。

Q16. 何故か殺し屋に追われています。逃亡手段は?
俊.- – - 自殺。

Q17. 仙台についてのイメージは?
俊.- – - イトコも友だちも住んでいるし、青葉通は美しいし、親しみを感じています。

以上、意外なお答えもありましたが、「やっぱり?」っていうのもありましたね。

それにしても質問って難しいです。質問に答えるよりも質問をする方が、バカさ加減がわかってしまうところがコワイですね。愚問にも質問者と読者にサービスして答えてくださっているのがありがたいです。

賢作さんのブログに「どの歯が好きですか?」という子供の質問にマイッタ話が載っていましたが、俊太郎氏が娘の学校にいらしてくださった時も「親戚はいますか?」とか、思いも寄らない質問に笑ったことを思い出しました。

なにはともあれ、俊太郎さん、お忙しいのにありがとうございました!

[今日の写真]ブランコにのる詩人。ある日のリハーサルにて。

— 草刈麻紀

あんさんぶるであるとあるで
2007.08.21

谷川俊太郎さんへの17の質問

じゃーん!今日は谷川俊太郎さんへの質問。

「谷川俊太郎の33の質問」という本がだいぶ昔に出版されていますが、これが面白いんです。武満徹、岸田今日子、和田誠などなど各界の大物に谷川さんが質問をするという、もとはジャンジャンでのライブだったというもの。これの向うを張って、こちらから質問してしまおうと言うわけです。質問は草刈の他、であるとあるでメンバーからのもあります。「17」というのは、「33」の半分くらいに、と遠慮してみました。

Q1. 朝日と夕日、どちらが好きですか?
俊太郎- – – 夕日かなあ。ベッドに入る時間が近づいてくるから。

Q2. 明日死刑になるとしたら今晩の献立は何が良いですか?
俊.- – - 白粥と梅干しかなあ。

Q3. すり切れるほど繰返し聴いたレコードやCDがありましたか?
俊.- – - ありました。SPはすぐすり切れたもんね。
信時 潔の「海道東征」とか。

Q4. 得意な料理は何ですか?
俊.- – - そば粉パンケーキ。
料理とは言えないかもしれないが、おいしく焼くには技術がいる。

Q5. 朝起きて、一番最初にすることは?
俊.- – - おしっこ。

Q6. 映画に出演するとしたらどんなジャンルが良いですか?ラブロマンス、アクションもの、時代劇、ホラー、コメディーなど。
俊.- – - S.F. 宇宙人の役がやりたい。

Q7. 1日のうちで好きな時間帯はいつですか?
俊.- – - 夜、ベッドに入った時。

Q8. 怖いものは何ですか?
俊.- – - 人間。

Q9. やってみたい(みたかった)楽器は?
俊.- – - ダルシマー。

前半終了—!
うーん、面白い、意外なお答えもありましたね。
1日のうちで好きな時間が夜ベッドに入った時だとは思いませんでした。
これはぐーたらな私と同じじゃないですか。でもぐーたらだからじゃなくて、お忙しいからこそでしょうね。

信時潔「海道東征」は、北原白秋/詩、信時潔 /曲によるカンタータで、1940年 に皇紀2600年祝賀のため作られたそう。私は知りませんでしたが、母に聞いたところ、「もちろん知っている」とのこと。白秋晩年の大作、信時の代表作。俊太郎氏もSP8枚組を持っていらっしゃったのでしょうか?

ダルシマーという楽器は、箱型の共鳴体に張られた多くの弦を打つ美しい楽器で、中にはピアノとよく似た音のものもあるので、しばしば「ピアノの祖先」と呼ばれることもあります。
そういえば俊太郎さんの詩に「そよ風 墓場 ダルシマー」というのがあったっけ。

明日へつづく・・・

[今日の写真]谷川俊太郎さん直筆のお答え。

— 草刈麻紀

あんさんぶるであるとあるで
2007.08.20

谷川さんのこと

私が谷川俊太郎さんと初めてご一緒させていただいたのは、知る人ぞ知る戸隠のカフェ「チェンバロ」のコンサートです。大自然とおいしい食べ物に囲まれたこのコンサートがあまりに心地よかったので、東京でもぜひ!ということになり、次の年に「詩的に音楽会inさんちゃ」を企画しました。三軒茶屋の世田谷パブリックシアターが満員になるほど盛況で、俊太郎さんと、今は亡き岸田今日子さんのやりとりが可笑しくも心温まる楽しい会だったと思います。あの時はお二人で歌も5曲位歌われました。

賢作さんとはその後、俊太郎さんのご紹介で共演し、CD制作、コンサート等、いつも新鮮な気持ちで参加させてもらっています。

賢作さんは言うまでもなく、谷川俊太郎さんのご子息であらせられます。
私たちと同年代、見た目も中身もHOTな優しいジャズマン。ご本人曰く、クラシック音楽家とのお付合いは今まであまりなく、オーボエ、ファゴットなんていう楽器を吹くおともだちは初めてだそうですが、クラシック界でもあまり一般的でない木管四重奏という編成の曲作りを難なくこなし、シンプルなのに個性的なメロディーをさらっと作るメロディーメーカーとしての才はただものではありません。

そんな谷川親子の共演は、ご存知の方も大勢いらっしゃると思いますが、ホントにジャズのセッションのよう。何でもござれという余裕が、うらやましいかぎり。「世界的詩人」に遠慮なくポンポンからめるのはご子息ならではのワザでしょう。

今回の「ことばあそびうた」では特にそのあたり、絶対に面白いのでぜひ聴いて欲しいです。お子さんにも大ウケ間違いなし。(歌もありかも!)

「家族の肖像」は糸井重里さん絶賛、自分でもCDを聴いて泣きました。自分で泣くなよ!と言いたいところですが、これが毎回気をつけないと泣けて吹けなくなる部分があり、要注意です。詩は「家族」ということでわかりやすいが奥が深く、曲は懐かしく美しく谷川賢作の最高傑作だな、とひそかに私は思っているのですが・・・

めでたくも2日間とも売り切れとのこと、ばんざーい!
お客様のおかげで平井プロデューサーと私のクビがつながりましたよ。

[今日の写真]チェンバロでのリハーサル。岸田今日子さんと、左は作曲家の吉川和夫さん。

— 草刈麻紀

あんさんぶるであるとあるで
2007.08.19

あんさんぶる であるとあるで 草刈麻紀(木管四重奏) であるとあるでってなんだ?

こんにちは! 今日からブログを担当するクラリネット奏者の草刈麻紀です。
「であるとあるで」という、何だかわけのわからない名前のアンサンブルで、6日と7日の2日間みなさまにお目にかかります。ここでは主に谷川俊太郎チームを代表して、俊太郎氏、賢作氏にまつわるエピソードなどもご紹介していきたいと思います。

「であるとあるで」はもともと谷川俊太郎さんとのユニットのために組まれた木管四重奏団で、最初は名無しのごんべえだったのですが、グループ名をつけようという時に、ありがたくも谷川俊太郎さんの詩の題名を頂戴しました。日本語のようでドイツ語のようでもあり、語呂が良く、俊太郎氏曰く、「ART」ということばが隠れているあたり、ただものではない感じがするではありませんか?

簡単にメンバー紹介をさせていただきます。

*吉岡アカリ(フルート)
東京フィルハーモニー管弦楽団首席奏者。どんな美人かと思いきや、残念ながらこの人は男性です。趣味は成功率の低いダイエットとか。

*庄司知史(オーボエ)
フリー奏者。長年のオーケストラプレーヤーを経て今やスタジオ界の顔。高視聴率のあのドラマ、このドラマ、映画、CM等、彼のオーボエを聴かない日はないでしょう。今回のワークショップの構想は彼によるもの。

*草刈麻紀(クラリネット)
フリー奏者。雑用係。であるとあるで以外にも様々なアンサンブルのプロデュース=雑用をしている。(ヒマだって事だな)

*大澤昌生(ファゴット)
東京フィルハーモニー管弦楽団首席奏者。音楽家にあるまじき健康的な生活を送っているサッカーオタク。夜10時には眠くなってしまう。

さて、明日は俊太郎さんとの出会いやご一緒するまでのいきさつなどを書き連ねようと思います。俊太郎氏への質問コーナーも準備中です。
どうぞ最後までおつきあいくださいませ。

[今日の写真]リハーサル風景。なぜか指揮者・井上道義氏のアタマが・・・

— 草刈麻紀

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