私が所属している仙台オペラ協会で、今年度はこの「花言葉」というオペラを公演する。
ほとんどの方は初めて聞く演目ではないかと思う。原作は、スペインの作家ガルシア・ロルカ、作曲はイタリアのレンツォ・ロッセッリーニ、彼はイタリアの映画監督の巨匠ロベルト・ロッセッリーニの弟である。
おおよそのあらすじは、主人公のロシータは従兄と婚約しているが、その従兄が遠く離れた自分の実家に戻ってしまう。その彼を待ち続けるロシータ。月日は10年20年と過ぎていく。20数年後に、その従兄は8年前に既に地元で結婚していたと手紙を送ってくる。20歳だったロシータは40代半ばを過ぎオールドミスとなってしまう。僕はその従兄の役。婚約者を20年以上も待たせながら裏切ってしまう本当に悪いやつだ。
今回の演出家はイタリアから招いた。
先週より立ち稽古が始まった。これがまた面白い。楽譜から創造していたものよりももっとオーバーで激しく、僕は益々悪い男になっていく。ピンカートンを歌ったときも、公演後にある方から、あなたって本当に悪い男だったのねと言われたことがあった。今回もそのように言われるよう、歌い演じたいと思う。
音楽は大変綺麗だし、スペインのアンダルシアの匂いがぷんぷんしてくるし、その上これぞイタリアオペラだという歌いまわしが随所にあるし、知らないオペラでも十分に楽しめると思う。
フル編成オーケストラでは日本初演となるので、この歴史的瞬間に是非たくさんの方々に立ち会ってもらいたい。公演は今度の9月2日・3日宮城県民会館にて。
問い合わせはオペラ協会事務局022−264−2883までどうぞ。
佐藤淳一(テノール)