
さて、今年弾かせていただく羽目になった曲目で何がそんなに大変か。
予防線もかねてちょっと愚痴らせていただきます。
まずフェスティヴァル冒頭の第1枠目のそのまた頭がバッハ。
インヴェンション ハ長調
平均律第1巻 ハ長調
ゴールドベルク変奏曲より アリア、第1変奏、第30変奏、アリア
最初のインヴェンションと平均律は、ピアノをお弾きになる方は必ずやらされる曲で、熟知された方がたくさんいらっしゃるでしょう。こういう曲は本当に緊張です。少しでも目先を変えて監視の目(耳)を緩めていただくために、インヴェンションは、バッハ自身が作っている3連音符のほうのバージョンでやります。
なんかちょっと変?と思っていただいている間に、あっという間に終わってしまう、という戦略です。
ゴールドベルクは鍵盤楽器奏者にとっては、ある種究極のような作品。
その最初と最後のアリア、30ある変奏曲の最初と最後をシンメトリックに、というのはいいアイディアだと思いますが、ここは「ポピュラーな小品をやる<せんくら>」ではありませんでしたっけ?
ともかく、どうせなら、バッハ晩年の究極的な大作を聴きとおした場合の感動の半分くらいをお届けできないか、と工夫しながら準備しているところです。