
7月の声と共に日本中が猛暑となっておりますが夏生まれ、夏が大好きな私には元気が出る季節の到来です。
今回また”せんくら”で演奏させて頂きますこと、嬉しくたくさん企画を膨らませております。
特にお子さんたちとご一緒に音楽と向き合えることは幸せです。
私は2011年6月に「被災地へピアノをとどける会」を立ち上げ仙台の音楽家と共に被災地へピアノをお届けしております。
震災から一か月後という早い時期に、本吉町歌津地区での慰問コンサートをとのご依頼を頂きました。
この地は本当に復興が遅れており、道路もほとんどない中、瓦礫の山を越え、電子ピアノを積んだ車は走りました。
避難所では多くの方は頭から毛布を被ったままでどなたも身動き一つしませんでした。
ここで私たちはピアノを弾いたり歌って何になるというのだろうと虚しくさえなってきました。
何曲か弾き進めると一人、二人と毛布をとり顔をあげる人。
やがてすすり泣きが嗚咽となっていきました。
そんな中で女の子が(小学校2年生でした)走り寄ってきて
「私にもピアノを弾かせて!お家のピアノが流されちゃったの」
「いつかピアノ弾けるかな?」
この言葉に、私が出来ることはこの子どもたちの心に音楽を戻してあげることだと確信しました。
それからは、日本の音楽家はもちろん世界の音楽家のお力をお借りしピアノをお届けする準備を始めました。
各地からピアノやご寄付をたくさん頂戴しました。
保育所、学校そして最近は個人のお宅へもピアノをお届けできるようになってきました。
現在320台以上のピアノが被災地へと運ばれました。
ピアノをお届けするとともに各地でピアノを囲んで広がっていく音楽の輪を見つめて参りました。
子供たちの笑顔や歌声、ピアノの流れる光景をもっともっと広げていきたいです。
そんな時にこのコンサートで音楽と絵本、音楽と絵画の素敵な出会いをお伝えするステージは、私にとってとても大切な時間です。
しかも昔私の生徒だった吉田彩さん、文京華さんが立派なピアニストに成長し、この仙台に新しい音楽の種を蒔こうとしています。
私も後ろからそっとこの若手ピアニストの背中を押してあげられるよう頑張ります。
お子様たちと音楽との出会いをつないでいけるよう
10月のコンサートを楽しみにしております。
庄司美知子(ピアノ)