そろそろ涙も枯れましたが、今日泣いて(?)お願いしたのは、仙台フィルに今年2月からヴァイオリン奏者として加わった、近田朋之さんです。
ブログ初日に「仙台フィルには全国各地からのメンバーが・・・」と書いたところ、「オーケストラのメンバー、一人一人の事を知る機会がないから残念」という声が聞こえた(天の声)ので、それでは、と、新入団員の近田さんに「自分の事を何か書いて」とお願いしました。
「音楽大学を出ていないとオーケストラには入れないの?」と聞かれる事がありますが、そんなことはありません。ちなみに彼は東京理科大学、埼玉県の出身だそうです。
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はじめまして、2006年2月入団、仙台フィルハーモニー管弦楽団ヴァイオリン奏者の近田朋之です。
僕の経歴はちょっと変わっているので、今日はそのことを大雑把ではありますが書きたいと思います。
僕がヴァイオリンを始めたのは3歳で、気がついたら父にやらされてました。休日は父のレッスンだったので、休日が嫌いでした。その後ヴァイオリンは弾き続けていましたが、つぶしが利くとの理由で、普通高校に進みました。
高校の時あまり練習せず、ヴァイオリンで何が何でも食べていきたいとはあまり思わなかったので、普通大学に行こうと決心したのは、高1の学生音楽コンクールが終わった時でした。一年浪人した後、東京理科大学基礎工学部に入学しました。ここの学部はちょっと変わっていて、1年の時は長万部キャンパスで寮生活なのですが、教室とは別にエソール会館という多目的施設があり、僕は、2年から学生オーケストラに入りコンマスをやりソロを弾くことを目標にして、エソール会館で毎晩ヴァイオリンをさらってました。
2年からは関東に帰ってきて、予定通り管弦楽団に入りました。自分は余裕でコンマスになれるだろうと思ってましたが、アンサンブルをしながら先輩に怒られたり、色々大変でした。しかし4年にもなる頃にはオーケストラがとても好きになり、また、ヴァイオリンが生涯自分になくてはならないものではないか、と感じるようになりました。
推薦で大学院に進んだ年の6月、もしも合格したら運命だというつもりでオーディションを受けました。 1次審査、とても緊張し絶対無理だと思ってたのに、自分が残っているのが本当に信じられなかったです。
仙台フィルの方々には、このような僕を温かく迎え入れていただき本当に感謝しています。仙台フィルの方々は、皆がより良い仕事ができるように、周りに対してとても思いやりがある方ばかりで、感謝していると同時に、頑張らなくてはいけないと思っています。
長々と失礼致しました。
このようなフェスティバルが開かれることをとても嬉しく思っています。これからも止まることなく精進しつつ頑張っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
仙台フィルハーモニー管弦楽団ヴァイオリン奏者 近田朋之(ちかた・ともゆき)
仙台フィルハーモニー管弦楽団 http://www.sendaiphil.jp/