「プロローグ」 委員長 小嶋一利
ちょうど2年前の7月26日、私たちは猛暑の京都で参加国49カ国、参加者6千人、総入場者3万人、世界最大の合唱イベント「第7回世界合唱の祭典 京都」の招待合唱団としてオープニンコンサートのステージにいました。
仙台出身で現在最も活躍している作曲家鈴木輝昭先生に委嘱した「斉太郎節考」初演のステージでもあり、合唱団史上最も晴れがましい舞台でした。
終戦後、再び仙台が杜の都にというメッセージを込めて創設された本団は、来年60周年を迎えます。この間熱心な先輩に支えられ、実に沢山の音楽的な経験をしてきました。
特にここ10年ほど、指揮者の今井先生の活躍が全国的になり我々の活動の幅も広がってきましたが、とりわけ今回、この「せんくら」で単独ステージを、最近なかなか演奏会の予約が取れない青年文化センターで演奏できるということで団員一同大変喜んでいます。選曲もわかりやすくかつ充実したものになっていますので、特に初めての方大歓迎です。
振り返ってみると豪華な共演者、定期演奏会やコンクール以外にも実は色々な活動実績があること、指揮者と団員の幸せな?関係のなぞ、アマチュアであるため、ほとんど知られていないグリーン・ウッドの横顔の一端や、スター選手がいなくても、団員と指揮者の情熱があれば楽しく充実した活動ができるということを、このブログを通じて紹介したいと思います。お楽しみに。
・・・GWHのステージまであと70日・・・・・・
1週間ブログの形で私なりの思い、考え、希望など雑多に書かせていただきました。お目通しくださった皆さんに心から感謝しております。
最後に、演奏会は良くも悪くも現在進行形で、2度と同じことは起こらない時間と場所です。その意味で人の人生と同じです。ブログを読んでくださり、もし興味を持っていただけたなら、クラシックの演奏会なんていったことはないという方々も是非一度足をお運びください。
今日で皆様ともひとまずお別れ・・・次は『せんくら』でお会い致しましょう・・・!今年は、生まれて初めて電子楽器(ローランド)を弾いてみて、しっかり練習出来る事がわかり、DVDも撮ったのです。あの楽器お値段のわりに価値がある・・・と本気で思っています。使える・・・。
秋のチャレンジは、朝からリストのロ短調ソナタを弾く・・・まるで、若い時のコンクールを思い出します!ヨロシク!!
12ヶ月が1枚の紙に刷られた暦をもとに、日割りにした予定準備をこなしていく毎日ですが、ああだこうだといっても予定外の事態も起こるのが人の生活のようです。
学生時代から思い返してみるといろいろあります。不安が原因で練習をしすぎて、本番の日に指が疲れすぎているとか。さあ大変と客観的な視点を十分持ち合わせないで練習してしまうとか。大きな作品規模なのに準備期間を短く設定した、あるいは時間がかけられない日が多かったとか。こんなときは、そのままの事態を受け入れるしかありません。そうしたのは誰でもない自分ですから、清水の舞台から飛び降りるという思い切りしかありません。山登りと違って生命の危険はないのです。死んだ経験はないのでわかりませんが、死んだつもりになればもう怖いものはないでしょう。そして次に同じ失敗は繰り返さないように心に刻みます。
皆さんにお便り始めてから6日目になってしまいました・・・・・・。
そこで、ちょっとした“お知らせ”というか“告白”といおうか。
実は、今年は私の日本でのデビュー30周年になります。まわりの人は、「えっ、3歳からデビューしてたの~?」とか、お優しいことを言って下さってますが、本人もいささかショックではあります。
そこでこの辺りで、自分を振り返り、見つめ直そうと2回のシリーズのリサイタルを企画致しました。丁度『せんくら』の後の10月18日(木)と11月22日(木)です。(両日とも、東京の紀尾井ホールです。)リサイタルなんて、いつもやっているじゃない!・・・なんておっしゃらないで下さいませ・・・何といっても、少なくとも18年振り、ひょっとするとそれ以上振りの自主公演になるかと思います。
はっきり覚えていないところも多いのですが、少なくとも18年と胸を張って言えるのは、主人と結婚したのが約17年前。そしてその1年前に知り合って→と逆のぼって考えて、とにかく主人と出会ってからは一度もやった事がないという事実を確認した次第・・・・スゴイものがありますね、ちょっと。。。
というわけで、秋は猛練習。東京までいらして下さる方、大歓迎です!!
私の気分転換についてお話しましょう。時間のある時とない時では、何をするかがまったく違ってきます。
時間のある時、それも2泊ぐらい出来そうな折は遠出します。半年に一度ぐらいは決行。前後がハードな場合は1泊にしてでも北海道、四国へ飛ぶほどです。ようするに都会の粉塵やコンクリート、アスファルト・ジャングルから逃れたいためです。たいていは暦を眺めて、このあたりはもしかして{もしかしなくても}自然の緑に染まりにいかないと心がアレルギー状態になるかなあと想像して、割引のキップがある時期と照らし合わせて事前に組んでしまうことが多い。そのかわり、それを馬の鼻先のニンジンとして、より集中して最善を目標に働きます。たぶん、ブーンという回転音を発しているかもしれないぐらいの勢いなので、近くにいる人たちは迷惑ですね、きっと。
時間のないときでも時間は作るようにして、運動のために通うジム行きの前にお店に立ち寄って物を眺めます。チェロの練習とは違う頭の使い方は休まります。本屋、東急ハンズだと、それこそあっという間に時間が過ぎますね。皆さんもご経験がおありでしょう。購入は急がないけれど長期的に推移をみておきたいものとか、出来れば2,3ヶ月以内に欲しいが、現状をまず把握したいとかです。日進月歩の日本の製品は目を見張る速さで変化していくので、たまには決断が遅すぎて製品自体がなくなってしまうこともあります。しかしそれはそれで諦めがつきます。納得のいかない物を生活の中に安易に入れたくないというのが本音です。
このように書いてくると私という人間は常に何か考え、準備しているように思われるかもしれませんが、本来は趣味が昼寝、何もしないでボンヤリが大好き人間です。チェロの演奏をするという現役生活をあと何十年続けられるかという大目標があるので、ジムでの運動、出かける余裕なしの時は自宅での体ほぐしが趣味のようになり、実際に不可欠なものとなりました。冬場は毎月のように通うスキーも定着して長いです。スキーは頭の中が真っ白になるのがいい。滑り出すと余計なことは考えている暇がないというのが良いのかもしれません。すがすがしい空気の中で足裏の皮膚感覚がジンワリと目覚めてきた時は大満足です。学習するスピードは遅いのですが、すぐには出来ないという事態には慣れているので問題ではありません。
自分の住んでいる町でも、好天気の早朝だと様相はいっぺんします。静かで空気はおいしい。生き返ります。したいことはたくさんあるので、人生、忙しくしている暇はないですね。
「猫」と言えば、私はシャム猫が大好きで(私の飼っていた猫もパリ生まれのシャムで、23才と3ヶ月生きたのです。でも、私のコンサート本番のある日に亡くなって死に目に会えなかった)それも、グレイがかった目のシャムがお気に入りなので、シャムのルーツは勿論タイ(この国は昔、シャムと言った・・・)だと思って、うちの子がなくなったとき、タイで探しましたが、一匹も見ることができなかったのでした。のら猫は、いっぱいいましたが、シャムなんぞは皆輸出されてしまっていて、皆無なのだそうです。唯一、動物園でシャムをみつけて抱っこしたら、お金を取られました!!!(抱き賃!)
8月は、ケニアに行きます。アフリカは昔チュニジアに演奏旅行で行ったのと、あと南アフリカ共和国に行きましたが、ケニアは初めてなので、とても楽しみ・・・。ウフフ。
でも帰国した後、数日後にラフマニノフの2番を弾くので、きっと頭の片隅にはいつも音楽が・・・~・・・なんてことになりそうです、ネ!
演奏会の前日から当日はどのような注意をしているかというと、さほど特別なことはありません。前日にお稽古を疲れ果てるまでしなければならないようだと、翌日の出来具合も思いやられます。普通に準備が出来ていれば、最低限必要な練習を落ち着いてして、あとは気分転換に努めます。運動に行くことが多いですね。
演奏会当日は郵便作業や掃除、片付け、不用品の選別などはもちろん、メールの返事も急ぎのもの意外はしません。電話は普段も取ることは少ないのですが留守電に頼ります。演奏に使う腕や指の筋肉、細かい筋の具合が、要するに疲れる。違う使い方のあとでは切り替えが容易でなく、精神的にも集中度が散漫になりやすいためです。寝不足、食べすぎ、笑いすぎ、話しすぎも避けたい事柄です。
会場でのリハーサル時間はいろいろです。初めての場所だと少し余裕をみて演奏会開始の3時間前ぐらいには入ります。何度か演奏経験があるホールだといくらか短め。同じ曲目で演奏旅行をしている時は、初めての場所でも短めにしていきます。その場の響きに耳が慣れて、曲の細部の手直しとかもして、ピアノも実際に演奏するピアニストが鳴らして、楽器自体が目覚めるだけの時間があれば十分になってきます。
一つ忘れていた大事なことがあります。どんなに短くても、リハーサルのあと楽屋で背中を休めるのに水平になります。組み立て椅子を並べただけでも、あるいは机の上にでも横になって目を瞑ります。2、30分あると一瞬ですがふっと眠ることができて、頭がすっきり!時間があると60分昼寝することもありますが、それ以上は避けます。休んだあとは軽いストレッチをして、身支度を整えて、指慣らしをごく短時間して、「いざ」本番です。
今、水ナスにはまっています。大阪泉州の水ナスです。昔はおナスなんて、そんなに興味がなかったのに、人間の好みって変わるものですね。そういえば昔はスイカって食べられなかったです。あと、秋の果物は栗も梨も柿も嫌いでした・・・色も嫌いだったのです!!それが?今では毎年買って食べることを妹がびっくりしていました・・・。仙台は『せんくら』の頃、サンマのお刺身の時期かなぁー?!?! 私は、サンマが大・大・大好物で、猫もびっくり!綺麗に食べます。
演奏をする場所も楽器の一部です。音楽専用に建てられたもの、そうでないもの、あるいは又、部屋の1室であったり、ロビーであったりと、近頃は大小にかかわらず、さまざまな場所で生演奏が行われるようになってきているようです。嬉しいことですね。
音響、音の響き具合はどうか。良い面、悪い面と、やはりさまざまな有り様です。我儘勝手、独断で言わせていただくと、ほとんどすべての好条件がそろっているというのは稀です。何の作品が、どのような編成で演奏されるかによって、聞こえ方が違ってもくるのです。ピアノのソロなら良いけれど、弦楽器は少し残響が足りなめで乾いた演奏に聞こえるとか。弦楽合奏はよいけれど、オーケストラの規模になると音がワンワンするとか。残響があるのはよいが、客席の場所によって不明瞭になりすぎるとか。
私はチェロなので、残響が少なくて音が予想している時間残らない場所は苦手といえます。響かないと分かっている場所に出かける時は腹をくくっていきますし、自主公演はそのようなところでは行いません。理由は明白。音の持続に力と神経を大半使ってしまうようでは、表現の工夫どころではなくなるからです。といって聞こえるからよい、響けばよいというわけでもない。お風呂場的な響き方は困りますね。何をどう調節しても明瞭に音楽の動きが伝わらないためです。また、さらに、演奏者から客席に音が通っていって、その返りが舞台にいる私たちにある程度返ってこないと、手ごたえを実感しにくいために余計な消耗をします。客席では十分、音量も音質も楽しめるといわれても、奏者のほうは頭を切り替えないといけません。のれんに腕押しという感じになるのです。
初めて伺う場所では期待と不安いりまじり、「さあて、どうかな」と腕まくりしながらリハーサルにのぞみます。