みなさま、こんにちは!今日から3日間ブログを担当させて頂く津田裕也です。
今年もせんくらに参加させて頂ける事、大変光栄に思っています!
せんくらも今年で13回目!生まれ育った故郷仙台で、このような素敵な音楽祭が根付いている事は本当に嬉しいです。
最近では動画や配信などで音楽に触れる機会が増えましたが、コンサートならではの生の音の空気感を感じて頂きたいです。
せんくらの3日間は魅力的な公演が目白押しです。皆さま、せんくらへ是非お越し下さい!!
津田 裕也(ピアノ)
皆様、ご無沙汰しております。ヴァイオリニストの松山冴花です。今日から3日間、私のバカブログにお付き合いお願いいたします。
写真はちゃっかりバシネットで大きな腹出して寝てた家の猫です。
去年の春、娘が産まれました。
予定日の朝, 違和感があったので夫に病院へ車を出してもらいました。
一言: 恐怖。
ラッシュアワー = 地獄2丁目交差点。夫は日常なので慣れているものの私はど素人。運転してる皆様(夫含めて)、圧倒的なアグレッシブさ。
助手席の私は怖くて目を閉じたいけど目もビックリしてショートサーケット。
凄いわ…
そのせいか病院へ着いても子供も巣に引っ込み出産するには早すぎ。出直して来いと追い返されました。
でもその日のお昼にはドクターの予約があったのでその辺でぶらぶら。
映画を見に行こうと思っても観たい物なし。お昼食べてもまだ時間あり。辺りを歩いても私の亀ペースではなかなか進まない。
…暇だわ…
やっと予約の時間になってドクターに診てもらったら分娩室へ直行と命令。
夫は車を駐車場に入れていたので一人で離れた別棟までガニ股で移動。
ロビーで夫に会い、分娩室へ移動と告げたら彼に陣痛はと聞かれた。
あぁ、そういえばなんか重い痛みが時々あるよ。陣痛だったんだね。
…鈍…
松山 冴花(ヴァイオリン)
暑い夏の日々の中でも食欲は変わらず(^0^)!
食べたいもの食べ、美味しいお酒を飲んで…という作戦を展開しております。
カラスミというと日本酒飲みながらちょびちょび食べるイメージがありましたが、イタリアの国ではもちろんワインと食するわけです。
イタリア・サルデーニャ島の料理カラスミ・スパゲッティ🍝✨
ワインもカラスミの産地近くの土壌で作られたワイン🍷✨
食べると口の中と頭の中が一気にイタリア旅行気分になります。
エネルギーに満ちた料理に夏の暑さも恐れおののくことでしょう!
成田 博之(バリトン)
皆さん、こんにちは。
今年もせんくらで歌わせて頂きます。毎年、お正月か七夕かっていうくらい季節を感じながらこのフェスティバルを楽しみにしています。
季節といえば今は夏真っ盛りですが、今年の夏は違いますねー!熱過ぎます!皆さんは体調の方はいかがでしょうか?先日車を走らせている時に温度計を見たら44℃というのを見て驚きました!初めて見た数字に今年はどうなってるんだと汗をかきながら焦ってます。
少しでも涼しいところへ行こうと、休日に谷川岳に登ってきました。
登ってる時はさすがに暑かったですが、この風景を見ると暑さも忘れ、時の流れを忘れます。
そんな大自然の風景を見に、この夏はいくつかの登山を予定しています。
暑いですが楽しみがたくさんの夏でもあります。
成田 博之(バリトン)
ブログ3日目はコントラバス奏者助川龍がお届けします!
兄と演奏していて一番楽しいのは、普段見る事の出来ない”景色”を見せてくれる事です。
これは良いコンサートの全てに当てはまる感覚です。
今回のせんくらで僕は仙台フィルはもちろん、助川ブラザーズ、フェスティバルソロイスツ、せんくらうた劇場、に参加します。
素晴らしい音楽家達は皆自分の世界を持っています。自分の音を持っています。
その音楽家の世界が、掛け算になって折り重なって行く時、音楽は無限に拡がり、何処までも時空を超えて国を超えて旅をしている、そんな感覚に僕はなります。
ギターとコントラバス。オーボエとホルンとファゴット。チェロと尺八。ピアノとピアノとオーケストラ。いくらでも掛け合わせ拡がる音楽。想像しただけでワクワクします。それは楽器と楽器の出会いというだけでなく、人と人との出会いであり音楽家同士の共鳴する心だと思います。
素晴らしい音楽家とまた出会い、共鳴出来た時、本当に音楽をやっていて良かったと感謝します。そしてまた自己と向き合い成長して行く糧となります。
せんくらはそんな音楽家にとってもワクワクの連続!音と戯れる最高のフェスティバルだと思います。
コンサートとは音楽を聴きに行くだけで無く、その人に会いに行く行為。その音楽家達がまず楽しみ、とっても嬉しそうに楽器を奏でている姿を見るのが僕はとても好きです。
皆さんも是非1人でも多くの音楽家と出会い一緒に旅してみてください!
いやー、音楽って本当に楽しいですね!
それでは皆さんどこかの会場で!
せんくらファンの皆様、こんにちは。
助川ブラザーズ、兄でギタリストの助川太郎です。
例年、せんくらの為に新しい作品を生み出して来ましたが、今年のお題はソナタの作曲。あまりに大きなテーマでした。
作業に取り掛かったのはゴールデンウィーク前の4月下旬。
せんくら本番2日前まで内容が固まらずに地獄を見た昨年の反省から、今年は早めにスタートしました。
でも。
そもそもソナタって何だろう?
それがよく分からない。
ソナタを弾いた事がある人は何となく把握している、らしい。
でもソナタがソナタである条件は厳密ではないような印象を受けました。
何がサンバなのか、何がブルースなのか
突き詰めると結局定義できないのと同じかなと。
だから自由に作る事にしました。
ゴールデンウィークにホテルに缶詰めになって数日。
更に遂行を重ね、5月中旬に仙台で第1回のリハーサルに臨みました。
そこで弟から出た衝撃の発言。
「こういうことじゃない」
まさかの全ボツでした。
そのショックと過労から私は一時的に散歩しか出来ない状態になり、6月はひたすら散歩して過ごしました。
動く、歩く、自転車を漕ぐ。
街を見て、緑を見て、アイスコーヒーを飲む。
サウナに入る。
公園に寝転がる。
そして7月上旬。
書きためた新しい素材を基に一気に新しいソナタを書き上げました。
全4楽章のそれが、クラシックの技法でソナタに当たるのか、そもそもその音楽が何なのか僕には分かりません。
もう何も構っていられないくらい余裕がなかったので。
ただ言えるのは
全てのメロディは毎朝
目覚めた直後に頭に浮かぶ一番ピュアな状態から書き起こしたものです。
素直に書いた4つの曲。
それがエックレス様のソナタと絡み合って、一つの作品として少しでも聞いてくださる人の心を動かすものであることを願っています。
せんくらファンの皆さま、こんにちは!
助川ブラザーズの弟、仙台フィルコントラバス奏者の助川龍です。毎回言ってますが念の為…
「弟は、俺だーーーーー!!!」
さて。
毎回ブラザーズはクラシック×ブラジル音楽をコンセプトにクラシックの曲をアレンジしたりオリジナルの楽曲をお届けしています。
今年のテーマはソナタ。
バロック時代の作曲家、ヘンリー・エックレスのヴァイオリンソナタとブラザーズオリジナルソナタを掛け合わせた新曲”ソナタの彼方”をお届けします。
エックレスのソナタはコントラバスでは馴染み深い曲で僕も音大時代に出会いました。
ヴァイオリンソナタをコントラバスで弾くなんて凄ーい!って?ありがとうございます…
しかしお客さん、この曲ヴァイオリンの皆さんは小学生で弾くらしいですぜ。。。
ですがこの曲めちゃくちゃ良い曲なんです!
4つの楽章から成り、緩−急−緩−急という典型的な教会ソナタの形式を持っています。
和声進行が実にドラマチックで、美しいメロディは朗々と歌うコントラバスの為にあるのでは、と思うほどマッチします。
僕の尊敬する2人の師匠、ゲリー・カーさん、池松宏さんも大得意なレパートリーで僕も一生付き合って行きたい楽曲の1つです。
そんなソナタが南半球のブラジルに行ったらどうなるのか?
ヴィヴァルディの四季とピアソラの四季を掛け合わせた8シーズンズという演奏をしているギドン・クレーメルを聴いていて閃きました。
ブラザーズでの役割。
僕は曲目やテーマを決めたり、コンサート全体の方向性やメッセージから決めて行きます。その過程で閃きがあります。
大変なのはここから。そのテーマを兄に伝え作曲やアレンジに入ってもらうのです。
後は祈るだけ…
「お兄ちゃん、頑張って!」
もちろんそこから一緒に音を出しながら形にして行くのですが、まず1つ小さな音楽の命を生み出すのはとても大変な作業です。
その辺り明日は兄でギタリストの助川太郎さんに語って頂きましょう!
いよいよ岡本誠司が担当するブログも第3弾、最終回となりました。
今回は書き残したことを書いていきつつ、第1、2弾の伏線たちを回収していこうと思います。
前回のブログでは2016年の仙台国際音楽コンクールの時の思い出を書きましたが、今年7月初旬にはコンクール以来久しぶりに仙台に戻ってくることができました。
7月2日の仙台市政施行129周年記念コンサートでは、仙台フィルハーモニー管弦楽団さんとブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番を共演させていただきました。
僕のベルリンでの新しい師匠、アンティエ・ヴァイトハース先生の十八番のひとつでもあるこの作品は、一見ソリストが大活躍の華々しいコンチェルトに見えるものの、実はオーケストラと密に絡む部分が沢山あり、とても“美味しい”曲なのです。
2年ぶりの仙台フィルさんとの共演はとても充実していて幸せな時間でした。
写真提供: 仙台フィルハーモニー管弦楽団
その翌日と翌々日は仙台市内の小学校での訪問コンサートへ。
子供達にも楽しんでもらえるよう選曲した、様々な国の作曲家たちのヴァイオリンの小品を7曲ほど演奏しました。
当日の気温は33度、会場は灼熱の体育館。聴いていた子供達も汗だくでしたが僕はもっと汗だくに。人生で2番目に暑い本番でした。
しかし、子供たちから沢山のエネルギーを貰い、むしろ始まる前より元気をもらって帰ってきました。
さて、いよいよ本題へ、9月末のせんくらの出演公演について。
今回僕は9月29日(土)に2公演出演することになっており、まず1公演目はこちら!
9月29日(土) 15:45~16:30 @仙台銀行ホール イズミティ21 小ホール(403席)
仙台国際音楽コンクールとドイツが結ぶアンサンブル ~シューマン・ブラームス~
https://sencla.com/program/537/
ベルリン芸術大学で学んでいらっしゃるピアニスト坂本彩さんと北端祥人さんは第6回仙台国際音楽コンクールの入賞者仲間(?)なのですが、初めてお会いしたのはベルリンでした。
その後、何度かご飯をご一緒したり、聴きに行った演奏会でばったりお会いしたりという間柄に。お二人とも演奏会で共演するのは初めてなので、これからさらに仲が深まっていくものと思われます。
そして仙台フィルの首席チェリスト、吉岡知広さんとの出会いは実は仙台国際音楽コンクールよりも前、2014年のドイツ・ライプツィヒのバッハ国際コンクールの時でした。
ファイナルを弾き終え、その後の結果発表で喜びを噛み締めた翌日、歴史あるゲヴァントハウスの大ホールにて入賞者ガラコンサートが催されました。
出番の前だったか後だったか、舞台裏をふらふら歩いていると、ピアノ部門のオーケストラのメンバーの中に日本人チェリストの姿が!それが吉岡さんとの初めての出会いでした。
その後、仙台国際コンクールの時に再会を果たし、前回のブログで長々と書いたシューマンの協奏曲では第2楽章にはチェロ・ソロとの掛け合いがあったこともあり、既に二人で何度も共演させていただいているつもりになってしまっていますが(勝手に)、室内楽での共演は今回が初めて。
とても楽しみです!
そして今回のプログラムについて。
4人で話し合った時に様々なプログラムのアイデアが出てきていたのですが、せっかくドイツにゆかりのある4人なので、シューマンとブラームスというドイツ・ロマン派を代表する2人の作曲家の作品を並べたプログラムになりました。
シューマン愛は前回のブログで語った通りですが、ブラームスも僕がずっと大好きな作曲家の一人。シューマンとブラームスは師弟のような関係であると同時に、クララ・シューマンを巡った三角……この話題だけでブログが一つ立ち上がるほど長くなりそうなのでこの話はやめておきましょう。
代わりに演奏する3曲の繋がりについて少々。
坂本さんとのデュオで1849年作曲のシューマンのロマンス、そしてシューマンとブラームスが出会った頃、1853年に彼らが合作して完成させたFAEソナタよりブラームスが作曲した第3楽章スケルツォを。
そして北端さん、吉岡さんとはブラームスが21歳の1854年に作曲し、57歳になった1890年に書き直したピアノ三重奏曲第1番を演奏します。
シューマンとブラームスが過ごした時代のドイツに思いを馳せながらお聴きいただくのも、また一興かもしれません。
(ブラームスが作曲に使用していたものと同型のピアノと、1855年のプライベートコンサートのプログラム。時代を感じます。いずれもハンブルクのブラームス博物館にて)
もう一つの出演公演は、毎年恒例のせんくら・フェスティバル・ソロイスツ!
9月29日(土) 19:00~20:00 @日立システムズホール仙台 コンサートホール(796席)
せんくら・フェスティバル・ソロイスツ
https://sencla.com/program/510/
こちらはバッハやヴィヴァルディといった18世紀前半のバロックの作品をお届けするプログラムとなっています。
作曲されてから既に300年ほどが経っているということもあり、バロックの作品には特に演奏家それぞれの音楽の捉え方やセンスの違いが如実に現れるように感じます。勿論、それだけ作品自体の懐が深いとも言えます。
そういった作品だからこそ、今回のような素晴らしい方々と音楽を作ることができるのはとても楽しみなのです。
中でも僕が第1ヴァイオリンを務める予定のバッハのブランデンブルク協奏曲第3番は、高校の時に友人たちと学内の有志コンサートで演奏した思い出の曲ということもあり、尚更わくわくしています。
さて、そういうわけで、9月29日は夕方の室内楽公演をお聴きになってから、喫茶店でお茶をしながらひと休み、会場を少しだけ移動して夜はソロイスツ公演へ是非どうぞ、と書こうと思っていたのですが、大人気ソロイスツ公演はあっという間に完売してしまっていたとのこと。
みなさま、完売になってからでは遅いですので、気になった公演を見つけたらすぐに手帳をご確認いただき、是非その後はチケット購入へ進んでくださいませ!
3日間のブログにお付き合いいただきありがとうございました。
僕のTwitterやFacebookページでは引き続き日々の生活や演奏会情報、そして勿論せんくらに関する情報も発信していく予定です。もしよろしければそちらも是非ご覧くださいませ。
Twitter: @seiji_vn
Facebook: 岡本誠司-Seiji Okamoto @seiji.okamoto.violin
それでは、9月末の仙台で皆様にお会いできることを心より楽しみにしております!
みなさまこんにちは、ヴァイオリニストの岡本誠司です。
昨日の第1弾のブログでは、ドイツのベルリンに留学するに至ったきっかけや最近の生活について書きましたが、今回の第2弾では仙台での思い出やコンクールのことなどを書いてみることにします。
実は以前は仙台にあまりご縁がなく、2012年に岩手県の陸前高田で、翌年に宮城県の松島で演奏した時に仙台駅で新幹線を降りてそれぞれ一泊ずつしただけでした。
なので、僕にとっては2016年の仙台国際音楽コンクールが初めての仙台での長期滞在でした。
規模の大きい国際コンクールのほとんどは、DVD審査を通過すると、第1次予選で20~30分の持ち時間で無伴奏やピアノと小品など、第2次予選は40~60分のハーフリサイタル、セミファイナルで小編成のオーケストラと古典派の協奏曲、ファイナルでロマン派や近現代の協奏曲を2曲演奏する、というのが一般的です。
2014年のドイツ・ライプツィヒでのバッハ国際コンクールや、その後にも上記のような課題曲の国際コンクールをいくつか受けましたが、仙台国際音楽コンクールの特色はなんといっても予選からオーケストラと共演できること。
第6回に僕が受けた時は、予選でモーツァルトのヴァイオリンとオーケストラのための小品を2曲と無伴奏作品、セミファイナルでは大変思い出深いシューマンの協奏曲とラヴェルのツィガーヌ、そしてファイナルではメンデルスゾーンとプロコフィエフの2番の協奏曲を演奏しました。
通常ソリストがオーケストラと共演する時には1つのコンサートで協奏曲1曲というのがスタンダードなため、2週間の期間中にオーケストラと協奏曲3曲+小品3曲を演奏するというのは非常にハードで、これは余程の売れっ子やベテランの方々でなければなかなか経験できないことでもあります。
この貴重な経験が今の自分にしっかりと生きていることは言うまでもありません!
さて、先ほどセミファイナルのシューマンの協奏曲が大変思い出深かったと触れましたが、これについて少し書くことにしましょう。
19世紀前半のドイツ・ロマン派を代表する作曲家、ロベルト・シューマンは特にピアノ曲や歌曲、室内楽曲のジャンルで多くの名曲を世に残しています。
協奏曲も数曲書き残しており、その中で一番有名なのはおそらくピアノ協奏曲でしょうか。そしてチェロ協奏曲もチェリストにとって大切なレパートリーの一つで、僕が大好きな曲の一つでもあります。
そんな中でヴァイオリン協奏曲は実はこれまであまり演奏機会が多くない作品でした。
というのも、シューマンの晩年の作品は彼が精神的な問題を抱えていたこともあいまって非常に難解で、彼の妻で偉大なピアニスト・作曲家でもあったクララがこの作品を封印してしまっており、大作曲家の作品にしては非常に珍しく、死後80年間ものあいだ陽の目を見ることがなかったのです。
楽譜が再発見され、初演されたのは実に1937年になってからのこと。その後もソロ・ヴァイオリンパートの演奏困難さや音楽的な解釈の難しさから、なかなか演奏家の主たるレパートリーとはなりませんでした。
ここ最近になってようやく、ヨーロッパのソリストを中心にこのシューマンのヴァイオリン協奏曲を取り上げる機会が増えており、僕も何度か曲を耳にはしていました。
が、まさかその曲がコンクールの必須課題曲になるとは!!
コンクールの一年少し前に課題曲が発表された時、藝大の周りの友人たちと共に動揺したことは今でも忘れられません。
さて、楽譜を手に入れ、いざ譜読みを進めていくとどうでしょう、この作品の虜になってしまったわけです。
身体の奥あるいは地の底からふつふつと湧き上がってくるエネルギー、絶え間無く何かに突き動かされるような焦燥感。その中にひとすじの光が現れ、消えて行く。ついにそこから確信を掴み取ったかのように見える最終楽章も、果たして現実のものなのか幻なのか。
細かい表現や音楽の作り上げ方の難しさも、まるで噛めば噛むほど味がしてくるスルメの如くとても味わい深く、、、と書くとせっかくのイメージがぶち壊しになりますね、前言撤回します。
兎にも角にも、DVD審査と予選を通過でき、この曲を仙台フィルさんと弾けることになった時は、不安とわくわくが入り混じった気持ちでした。
リハーサルでオーケストラと実際に音を重ねてみて、新たな可能性やアイデアが湧いてきたこともあり、出番前2日間をほとんど徹夜して、細かい部分の練習やさらなる楽譜の読み込みに費やしたことは、ここだけの秘密です。
(よいこのみんなはまねしないでね!)
そのシューマンを演奏したセミファイナルでは聴衆賞もいただくことができ、とても嬉しかったと同時に、また近い将来どこかでこの協奏曲を演奏できるように精進し続けようと心に決めたのでした。
写真提供: 仙台国際音楽コンクール
ファイナルではメンデルスゾーンとプロコフィエフの2番を演奏、結果は第6位と奮いませんでしたが、審査員の方々や指揮の広上マエストロ、仙台フィルの皆様、そして会場やライブ配信で聴いていただいていた方々からも、感想や激励のお言葉、今後のためのアドバイスを沢山いただきました。
この数ヶ月後、2016年10月に挑戦したポーランドでの第15回ヴィエニャフスキ国際コンクールでは、仙台での経験が大いに生き、第2位を受賞できたことに繋がったと感じています。
写真提供: International Henryk Wieniawski Violin Competition
さて、明日の最終回のブログではいよいよ今年のせんくらの公演のことを書きます!
以上、外気34度、冷房・扇風機何もなしのベルリンからのブログ投稿でした。あつい。