演奏会場

2017.07.03| 近藤嘉宏

こんにちは、近藤嘉宏です。

さて、先日はクラリネットの板倉康明さん、チェロの上森祥平さんとのブラームスのクラリネット三重奏曲の合わせがありました。


合わせの様子。練習室がそれほど広くないのでピアノの蓋の開きは少しだけにしました。

実は全くの初顔合わせ。ブラームスはテンポや表現について様々な選択肢や可能性があり演奏家冥利に尽きますが、その分相性も大きく関係してきます。今回のメンバーは音楽の流れがスッと腑に落ちて、かつ自分のやりたい方向性もきちんと出せる、とても居心地の良いトリオです。

 

さて…話は変わって…

ピアノの演奏会は大ホール、中ホール、小ホール、サロンと様々な空間で行われます。勿論音響も違ってきますが、コンサートの意味合いというか、聴衆との関わり合い方もそれぞれ変わってきます。

 

大ホールは雰囲気がゴージャスですね。聴き手は場のスケール感を楽しみ、豊かな残響の中で音楽の全容を大きく掴むという感じになります。中ホールはピアノにとってちょうど良い大きさで残響感も程よく、聴き手がピアノの音の質感や音場を楽しみ、表現と響きの相乗効果から作り出される音楽そのものの立体感や空気感を楽しめます。小ホールは演奏者が近いことによる迫力と細やかさが魅力。繊細な表現が聴き手にハッキリ聴こえます。ですから小ホールで音響の素晴らしいところは実は最高かもしれませんね。

 

そしてサロン。サロンはホールとは根本的に意味合いが違うように感じます。演奏者と聴衆とのコミュニケーション、親密感、そして音と音楽のダイレクトさ、細やかな表現が手に取るように分かる面白さ。音楽における様々な要素の原点はサロンにありますね。個人的にサロンの雰囲気は大好きです。

 

ヨーロッパではお城などもコンサート会場になりますが、残響が独特です。豊かな響きというだけでなく、金粉が降ってくるかのように神々しく音が降り注いでくる感覚が気持ち良いですね。シャンデリアや彫刻などの複雑な凹凸も音に大きく関係していると思います。


ちなみにこの写真はミュンヘンのレジデンツ

 

近藤嘉宏

演奏会の本番前

2017.07.02| 近藤嘉宏

こんにちは。近藤嘉宏です。

演奏会の本番前をどう過ごすか。これは恐らく演奏家によってまちまちではないでしょうか。

僕の場合は…

マチネで13時半開演だと10時半、夜公演で19時の開演だと15時くらいにまずホール入り。そしてまずピアノの状態をチェックします。調律のリクエストを具体的に記したものを事前に調律師さんの手に渡るようにしているのですが、それでも人の感覚というのは一人一人違います。その微妙な違いは音や演奏に関わってきます。楽器の調整を絞り込めば絞り込むほど自分の持ち音がより個性を持って響きますし、思う音楽の再現性も高まります。ですからとにかく楽器優先。リハの残り時間と楽器の状態をみながら少しでも希望する方向に近付けて頂きます。時間は限られていますから、無駄な時間はなるべく省きたい。自分の思う音に少しでも近付けるためにもピアニスト自身が楽器について知っておかなければならないと感じます。

コンサート前のピアノ調整。

 

そんな訳でどうしても時間のないときは本番前に練習しないこともあります。けれども自分に合う調整と音が絞り込めたことにより、昔よりはリハでの練習時間は増えてきたかな…ただ、練習で良い演奏が出来てしまうと本番で最高のものが出せない気がして嫌なので、そもそも本番前に決して曲を通したりはしませんし、確認に留める感じですね。

 

キタラ大ホールでのリハの様子。

 

ただコンチェルトの時はオーケストラのこともありますからGPで全体を通すことの方が多いです。本番のことを考えて抑え気味にしようと思っても自然と本番のテンションに近くなります。オケを前にしてコンチェルトのソロをテンション低く弾く方が難しいですね。実際のところ、本番は聴衆がいることでさらにテンションが上がり、かなりの高確率で本番の方が良い演奏になります。

 

金沢の楽都音楽祭にて。

 

近藤嘉宏

チョコレート

2017.07.01| 近藤嘉宏

今日から3日間せんくらブログを担当する、ピアニストの近藤嘉宏です。

どうぞよろしくお願いします。

 

今回初めて「せんくら」に出演させていただくのですが、東北地方はなぜかこれまでそう多くは訪れていないので、とても楽しみにしています!

 

さて、早速ですが…

 

ピアノは練習がとても大事。長時間練習しますから体力と持久力が要ります。けれど体以上に疲れるのが脳。ピアノは音数が多くそれらが複雑に絡み合っていますので、それら全てを整理しバランスよく構築していくために脳をすごく使うわけです。

 

というわけで練習していると頭がボーッとして朦朧としてきたりします。こういう時はやはり甘いもの。そしてチョコ!色々試しましたが、チョコが一番良いな。短時間で回復する気がします。

 

 

近藤嘉宏

Yoshihiro KONDO

助川ブラザーズ音楽史

2017.06.30| 助川ブラザーズ

【助川ブラザーズ】せんくらblog最終日です。

今日は私、龍が、兄弟の秘密に迫ります。

仲が良いですねー、似てますねー、とか言われますが、確かに仲は良いし音楽の趣味嗜好も合いますが性格はだいぶ違います。

 

まず兄太郎は勉強が出来ます…

大学では英文学科(の後アメリカへ留学)。

幼少期から現在までとにかく良く本を読みます。また幼少期に習っていた水泳も得意で今でも週に1〜2回はプールに通う程。身体のケアが入念で朝から入浴→時間をかけてストレッチ!

餃子が好きで、餃子にライスは嫌い。

 

私龍は何せ音大…勉強は…

兄と習い始めた水泳は速攻で辞め剣道をやっていました。中高とバスケ部。高校二年との時バスケットボールを置き、弓を持ちましたw

餃子は大好きですが左手にライスは欠かせません。

 

しかし、生活のリズムは違えど音楽の話しだけはいつも盛り上がってきました。

のめり込んだのは中学に上がる頃。

ピストルズに始まり、ディープパープル、レインボー、ホワイトスネイク、ヴァンヘイレン、Mr.Big、メタリカ、と来て、

徐々に、渡辺香津美、ブレッカーブラザーズ、ウェザーリポート、マイクスターン、パットメセニー、ジョンスコフィールド、ジャコパストリアス、

そしてもちろん、マイルス、ロリンズ、サッチモ、エラ、サラ、ハービー、チック、キースジャレット!。。。とても書ききれません。

ですが、その辺りから僕はクラシック、兄はブラジル音楽へと専門分野が別れて行きます。

 

この2人が違うフィールドにいるという事が僕達のアンサンブルの武器になりました。

僕はベースでメロディーをとる事に抵抗が無かったですし、また兄は沢山のリズムと音色を持っていました。ブラジル音楽においてギターはアンサンブルの要。リズムの宝庫なのです。

 

そんな2人のアンサンブル、是非皆さまとご一緒出来たら本当に嬉しいです。

 

そしてそして、せんくらには日本中、世界各地からも素晴らしい演奏家が集います。

何より演奏家が「帰って来たよ!ただいま!」という気持ちを持って来てくれています。皆さん、仙台にせんくらに愛情を持っている事が伝わって来ます。

愛情のある演奏は必ず心に響くものがあります。

是非、沢山のコンサートに足をお運び下されば幸いです。

そしてもちろん、”皆さんの仙台フィル”にも是非!

 

それでは会場でお会いしましょう!

 

 

助川龍(3日目)

 

 

カーニバルからフェスティバルへ!

2017.06.29| 助川ブラザーズ

せんくらファンの皆さま、こんにちは!

【助川ブラザーズ】兄でギタリストの助川太郎です。今年もせんくらのステージに出演出来る事を大変光栄に思っております。

 

さて、今年も【助川ブラザーズ】は全曲書き下ろしアレンジで臨みます。それがいかに大変な作業かを、前回のブログで龍さんが書いていましたね。

 

あれを読むと兄弟2人の共同作業のようですが、それは違います!実質的な編曲、アレンジはほとんど私の作業なのです。彼の仕事はそれを弾いて、ダメ出しする事。厳しいです。

 

春に行われたせんくらのための初回リハーサルでも書き上げた2曲のアレンジが両方ボツ。とんでもない事です。

 

では、そんなに難航している素材とは何なのか? そう、今年の【助川ブラザーズ】のテーマはあのサン=サーンスの名曲「動物の謝肉祭」からの抜粋なのです。

 

既に今までのステージで、白鳥はパットメセニー風、象はアフロポップ風のアレンジでお届けしていますが、今後は化石、水族館など料理しづらい難曲が控えています。

 

私は純クラシック奏者ではないので、自分の良さを出すために素材を思い切り得意な方向に引き寄せます。それは主にボサノバ、タンゴ、フォルクローレのような南米音楽のリズミカルな方向性です。もちろんジャズの即興的要素もたくさん入ってくるでしょう。

 

原曲の良さを活かしつつ、いかに今の自分のやりたい事が盛り込めるか。いかにして、その楽曲の集まりを1つの大きな作品として提示するのか。

 

明るく楽しいステージの裏側に、地道な仕込み作業が続きます。

 

明日は再び龍さんの登場です!

 

「謝肉祭を終えた動物たちはフェスティバルへ!白鳥は大空高く飛び立ち燕と恋に落ち、象はサンバを踊りだす!化石は宇宙飛行士と博物館を抜け出し、水族館には鮫がいた!?

ブラザーズ流アニマルズフェスティバル!」

 

 

助川太郎(2日目)

不味い…

2017.06.28| 助川ブラザーズ

せんくらファンの皆さま、こんにちは!

【助川ブラザーズ】弟で仙台フィルコントラバス奏者の助川龍です。

今年もせんくらで皆さまとお会い出来る事とても嬉しく思っています。

 

さて、助川ブラザーズのリハーサルはまず曲作り(アレンジ)にかかっています。普通クラシックのリハーサルは楽譜があるのでまずは個人練習。そして皆んなでリハーサルですね。

でもギターとコントラバスの曲なんて無いのです(T-T)

だからまず

 

①僕が食材を選び太郎さんに投げる

②太郎さんがレシピを作成

③2人でひらすら調理

 

このひたすら調理が楽しいのですが、ものすごく疲れる(笑)初回の方なんて食べられた物じゃありません。ただ弾くだけだとオリジナリティが無いので色々と工夫します。ケチャップとかソースとかいっぱい入れて…

「不味い…( ̄▽ ̄;)」

失敗します。そして、ソファーに倒れこむ。

15分やって15分休んで。15分やって30分休んで。15分やって…喫茶店行くか!帰って来て15分やって…サウナ行くか!帰って来て…明日に…しようか?…だな。きびしーぞ、今回は。

 

でも、ある瞬間、ピタッとはまる時があるのです。「これは…イケる!」

そんな時はもう早く皆さんに聴いて欲しくてうずうずします。

僕達も回を重ねるごとに自分達には何がマッチするのか、お客様には何が届くのか、少しずつ見えてくる物があります。

 

僕は上手い下手では無く、”届く演奏”を目指しています。その為に技術があります。

 

今年も間に合うといいなー。いや、必ずや最高のステージを創ります!

さてさて、では今年はどんな楽曲に挑戦しているのか。その辺り明日は兄でギタリストの太郎さんに語ってもらいましょう!

太郎さん、よろしくね〜!

 

 

助川龍(1日目)

学生さんたちとの時間

2017.06.27| 青柳晋

その3「学生さんたちとの時間」

 

大学で教え始めて17年目になります。

最初の頃は練習との両立がこなせるのか不安でたまらなく、正直コンサートと毎週のレッスンの掛け持ちは精神的にもかなりの負担でした。

そのうちに、自分では到底弾くことのないレパートリーに取り組んだり、皆んなでご飯食べに行ったり、学生さんたちにコンサートを逆に聴いてもらったりしているうちに

「この子たちに頼られてる以上、しっかりせんといかん!」

と思うようになり、今は逆にパワーをもらっている事を実感しています。

 

彼らとの交流なければ、もっと早めに老けていた事でしょう。笑

これからもお互い切磋琢磨、頑張りたいですね。

 

桜の時期にクラス生さんたちと谷中を散歩

 

クラス生のコンサート後、学生さんたちと

 

 

では、間も無くせんくらでお会いしましょう!

ピアノの青柳晋でした。

 

青柳晋

食べ物

2017.06.26| 青柳晋

その2「食べ物」

年中体重の増減に一喜一憂するくせに、大飯食らいです。

最近感動したグルメをいくつかご紹介。

 

東京は池袋に、超絶美味、豪快な羊肉グリルが食べられる名店があります。

味はあっさり、臭みが無いのでもりもり入ってしまいます。

大勢で行けば行くほど楽しいお店。どの店か気になる方はコンサート終わりにでもこっそり聞いてみてください。

 

ドバイで訪れたアラブ料理の名店。

ひよこ豆やナスのペーストがたまりません。

 

 

今年食べたものの中で忘れられないのはスペインの生ハムですね。

その辺で売ってるどんなハムでも美味しく感じられました。

 

青柳晋

旅行

2017.06.25| 青柳晋

ピアノの青柳晋です。

 

こちらのブログのテーマは自由、大変幅広い選択肢がありますので

今回は「音楽以外で、私にとって今大事な3つのこと」を3日にわたって

書くことにいたしました。3日間よろしくお願いします!

 

 

その1「旅行」

ずっと東京にいると煮詰まってくるので、用事があっても無くても年に少なくとも2回は海外に出ます。

そして、成田や羽田に戻ってくるたびに「なんて日本て良い国なんだろう!」という気持ちになるのも楽しみです。

ここ10年くらいは「道往く人が誰もベートーヴェンの名前を聞いたことがない国」に行くのがモットーでしたが、最近はヨーロッパ愛が戻って来ました。

夏はザルツブルグ音楽祭を聴きに行くので今から楽しみにしています。

 

最近の旅行より。アンコールワットにて。

世界文化遺産、生きてるうちになるべく沢山訪れたいです!

 

スリランカはコロンボのお寺で仲良くなったレトリーバー君

 

スペインでは仕事の合間にタブラオ入り浸り、フラメンコ堪能しました。

 

青柳晋

 

時が経てば人は変わる

2017.06.24| 西沢×水野×倉戸

仙台フィルのファゴットの水野です。

オーボエ、ファゴット、ピアノのアンサンブルでも出演させていただき、嬉しい限りです。

西沢、倉戸の両氏とは2014年にもプーランクのトリオを演奏したのですが、その時から各奏者が年輪を重ねていますから、きっと違うアプローチになろうかと思います。

その時に会場にいらっしゃった方も「またかよ?」と思わずに御来場ください!!

 

演奏者の感覚っていろんな要素で変わるものです。今回のせんくらが終ったらまた新しい感覚が僕の中に生まれるのでしょうね。

で、せんくらの前にも僕の感覚を変えてくれそうな機会が。

 

8月末にドイツのWDR交響楽団のファゴット奏者ヘンリック・ラビーン氏を囲んで仙台フィル、新日本フィル、東京都響のファゴット奏者が集っての演奏会。

 

ヘンリックは僕に強烈な刺激をくれた先生でもあり友人でもあります。

2005年のアフィニス夏の音楽祭でご一緒させてもらって以来の仲。日本国内で彼に習った人間では1番目(ドイツでの日本人の生徒はいた)らしく、何かと気にかけてくれます。

WDR交響楽団の仙台公演では朝まで呑んでしまいました(笑)

一昨年、レッスンとオケと室内楽共演、去年はファゴットアンサンブルで共演、その度に自分が変わっているような気がしています。

 

刺激がある、って素敵なことですね。トシ喰ってくるとホントにそう思います。

 

8月末に合宿状態でリハーサルをしてファゴットアンサンブルの演奏会をやって、そこからまもなくせんくら。今年のせんくらでも、また変化した水野をお聴かせできるかも、と思ってます。

9月29日、金曜日。平日の昼間ですが、変化した水野を見にいらっしゃいませんか?

13時から太白区文化センターの展示ホールです。

 

そうそう、上記ファゴットアンサンブルの仕掛人は新日本フィルの佐久間君で、2009年のせんくらで仙台フィルにエキストラ出演、僕のパートナーを務めてくれただけでなく、なんと2011年のせんくらでソロを聴かせてくれています!

http://sencla.com/2011/performer/p28.html

 

水野一英

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