本番グッズ 

2006.06.23| 長谷川陽子

5月の【せんくらブログ】にもギターの福田さんが登場していらっしゃいますが、ギタリストほど直接的に音に影響する訳ではないとはいえ、器楽奏者はツメの手入れが欠かせません。あるピアニストは「昨日伸びた分のツメを毎朝必ず切る」というし、私自身ツメやすり3往復程度で削れる微調整でも、弦を押さえた時の感触が変わってくるのです。

そんなこんなで、今日は【私の本番の隠れた七つ道具】についてお話しましょう^^

♪一番左下のピンクのシールとその隣の青い小さな物体は弓の滑り止めに。ゴムを巻いている方もいますが、両方とも大きな文具店で事務用品として売っているものです。このピンクのシールはなぜか最近見かけなくなりました。先日メーカーに直接電話してダンボールでお取り寄せ。

♪そしてブルーのお隣の赤い細長いモノは、先ほどの話のツメやすり。時には左指先の硬くなった角質もこれで削ります。

♪下の一番右はご存知のかたも多いかと思います、チューナー。特に無伴奏を弾く時は、個人的な好みでかなり通常より調弦を下げるので、そんな時使います。

♪そして、その上。こちらはサージカルテープ。これは、チェリストがステージ上のどこで弾くと一番ホールがよく響くか・・・とゲネプロでの試し弾きの時の目印や、突然楽譜の製本をしなくてはならない時、そして指先が割れてしまった時のテーピングとしても大活躍してくれる強い味方です!!

♪お隣はご存知、使い捨てカイロ。これを発明してくれた方、本当に素晴らしい!!一年中チェロ・ケースの中にはこれが数個常備してあります^^

♪そして最後の左上の黒い物体。こちらは弱音器です。たまにですがリハーサルをしてみて、「間に合わない!!」と旅先のホテルで夜慌ててコソ練する時があります^^;そんな時はお隣の宿泊客の安眠のために必ずこれを楽器に付けて・・・何度私のコソ練の危機を救ってくれたことでしょう?!

【せんくら】期間中は、弾くだけでなく、私自身も聴きに行きたいコンサートが目白押し。それに普段忙しくて会えない演奏家仲間とも、コンサートの後美味しいお酒もチョットぐらいは飲みにも行きたい・・・!!仙台では、この弱音器のお世話にならなくてもいいように、今から頑張っておこう・・・!!とこのブログを書きながら決意を新たにした長谷川でした^^;

長谷川陽子(チェロ)

テレーゼのために?

2006.06.22| 雄倉恵子

次は<CMで聴いたピアノ名曲集>。
前半で以下の4曲を弾かせていただきます。

リスト:愛の夢(京セラ クレサンベール)
バダジェフスカ:乙女の祈り (ユニマットレディース)
ベートーヴェン:月光の曲 (三菱電機 DVDカーナビ)
ベートーヴェン:エリーゼのために(関西ツーカーフォン)

リストさんはご自身が大ピアニストで、現在のリサイタルという演奏会のやり方を初めておやりになった方だとか。それまでは貴族に呼び出されたときに弾く、とかだったのでしょうねー。

バダジェフスカさんは、ポーランドでショパンよりちょっと後に生まれた女性。ショパンさんも30歳代で亡くなっていますが、バダジェフスカさんは23−4歳というさらなる若さで病没されたそうです。ほとんどこの「乙女の祈り」だけで知られていますが、この曲もちゃんとしたホールのリサイタルで聴く機会は余りないと思います。せんくらならではの選曲ですね。

ベートーヴェンの「月光の曲」は、ピアノソナタ第14番作品27-2の第1楽章です。これまた「月光」という名はベートーヴェンが名付けたものではありません。ベートーヴェンは幻想曲風ソナタ(Sonata quasi una fantasia)と名付けています。

ベートーヴェンはバガテルと言われる性格的小品をかなり書いており、いずれもピアノソナタに劣らない力作、名作ばかりで今後も残っていく作品群だと思います。そのなかでどういうわけか「エリーゼのために」だけは別格にウケテおり私が知っているだけでも次のような使われ方をしています。

1)宇多田ヒカルさんが「幸せになろう」(アルバム『DEEP RIVER』収録)という曲で「エリーゼのために」を原曲として使った。

2)プロ野球の千葉ロッテ マリーンズが、勝ったときや得点を入れたときに、トランペットでこの曲を吹き、合わせて「千葉・ロッテ・マリーンズ」と声をあげる。

そもそもこの曲は実は「テレーゼのために」とベートーヴェンが書いたものが、その悪筆のために「エリーゼ」と間違えられた、という訳のわからない説があるくらいで、最初からどこか違った運命にある曲なのかもしれません。

雄倉恵子(ピアノ)

ゴリラくんとの出会い、そして旅 

2006.06.22| 長谷川陽子

今日は私のチェロ【ゴリラくん】との出会いについて。

愛用の楽器はマッテオ・ゴフリラー1700年製作の306歳。私は製作者の名前をもじって【ゴリラくん】と名付けています^^

話はかなりさかのぼり、まだフィンランド留学中。ある日「アメリカでとてもいいチェロが売りに出されたから紹介してあげるよ」と大先輩チェリストからお知らせがきたのですが、丁度その時シベリウス・アカデミーは試験期間中。「どこでもドア」でもない限り、学生の身分としては試験をサボってアメリカまで見に行くのはムリです^^;

今回は諦めようと思っていたところ、恩師ノラスが「来週からアメリカ・ツアーに行くから、僕が代わりに見てきてあげるよ」。半分本気、半分ジョークで「是非!!」と答えたものの、その後起きるであろう大変な事を誰が予想出来たでしょう?!

その事はすっかり忘れて、のんびりヘルシンキで学生生活を送っていたある日、ノラス先生から「やぁヨーコ、今すぐヘルシンキの空港にいらっしゃい!!」という電話が。理由を聞く間もなく、電話の向こうは既にツーツーツー・・・。

「??」と思いながら空港に着くと、先生がニコニコしながらご自分のチェロ・ケースの他にもう一つ持って立っている・・・??「ヨーコ!!君が言っていたチェロ、とても素晴らしいから持って帰って来たよ、買いなさい!!」

か、か、買いなさい・・・?!
勿論弦楽器というのはポンと買えるモノではありません!普通は慎重に数日試し弾きをして、よぉ〜く先立つものと相談してから、清水の舞台から飛び降りる覚悟で手にするものです。。。 いきなり持って帰られちゃっても・・・いや、さすが先生、やる事大胆!!

嬉しさと困惑な気持ちと、そして先生の大胆さに妙な感動をしながら、取り敢えず自宅に戻り、まるで玉手箱を手にした浦島太郎の気分でケースを開けてみると・・・!!すっかり一目惚れ^^

これが私の人生のパートナー【ゴリラくん】との運命の出会いです^^
手にした当時はまだ色々部品交換など修理もありましたが、今では世界のどこに行くのも一緒に旅をし、色々なコンサートの思い出もいっぱいです。 ゴリラのお陰で色々な地に行く事が出来て、沢山の人に出会えるのです。

10月の【せんくら】では、私と共にこの【ゴリラくん】もどうぞお見知りおきを!!^^

長谷川陽子(チェロ)

トルコ行進曲聴き較べ

2006.06.21| 雄倉恵子

「ドラマで聴いたピアノ名曲集」の最後は、いわゆる「トルコ行進曲」。
モーツァルトのK331のピアノソナタの第3楽章が楽譜にも「トルコ風」と書かれていて、よく独立しても演奏されるようになったものです。モーツァルトのなかでも「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の冒頭と並んでトップを争う有名曲ですね。

送っていただいた「せんくらチラシ(大判で見やすくてよくできていますね。これを見ているだけで空想が広がります)」を拝見して「せんくらの楽しみ方」という部分に「トルコ行進曲聴き較べ」とあるのはびっくり仰天しました。一応プロになって「聞き較べ」られることは普通はないものですから。しかも較べていただくお相手が清水和音さんやら仲道祐子さんといった大変な名ピアニストたち。「新さんという方だけは存じ上げない・・・」と思っていましたら、数日前にNHKテレビで五嶋龍さんと一緒にリヒャルト・シュトラウスのヴァイオリンソナタを弾いているのを拝見してしまいました。あのすごいピアノパートをあんなにきれいに弾いていらっしゃる・・・・。

とまあ、演奏するほうにとっては全く迷惑な話ですが、確かに自分が聴き手に回れば、すごくいい演奏会に行っても友人と帰り道に「すごくよかったけど、やっぱりこの前行ったツィンマーマンにはとてもかなわないわよねー。」などと勝手なことを陰では言っているわけですし、確かにお客様の立場に立てば、聴き較べるのは音楽の楽しみ方の大きな部分を占めますね。

聴き手の私としてこれまでのトルコ行進曲で最も大きな経験は、トルコの作曲家・ピア二ストのファジル・サイさんがアンコールでお弾きになったもので、これは原曲から始まって自由に即興的にジャズ風にもなりながら展開されていったもので、私だけでなく客席全体が嵐のときの森のようにすごい反応をしたのを覚えています。「日本の聴衆はおとなしい」とも言われますけど、本当に面白ければこうなるのですねー。

CDでは最近来日もされたフォルテピアノのアンドレアス・シュタイアーさんのものがやはり驚天動地でした。そのほか一番頭の音を装飾音として前に出して演奏された高橋悠治さんとか。

いずれの皆様も、思いつきのアイディアではなく、理論的にも根拠があり、何よりモーツァルト自身がやったらこうなっただろう、というようなイキイキ感というか生々しさが共通していると思います。

ということで私も覚悟を決めてまな板に乗らせていただきますから、どうぞご存分に、かつお手柔らかに、お聴き較べくださいまし。

雄倉恵子(ピアノ)

『初恋』本日リリース^^ 

2006.06.21| 長谷川陽子

いよいよ今日リリースです^^私の15枚目の新アルバム、心温まる日本の歌を集めた【初恋】。

毎回アルバムをリリースする日は、どきどきとワクワクが混ざって何となくそわそわしてしまうのですが、やはり大切に作った新しいアルバムが世の中に生まれる日というのは、個人的にとても嬉しいもの^^

日本の自然というのは、とても繊細なのにかけがえのない、きらめきの一瞬を見せてくれます。

例えば、寄せては返す波が形作る砂のオブジェだったり、しっとりと浮かぶ月と、それに戯れる雲や風の静寂の会話であったり、固く結んだ花のつぼみがほろりとほころびる一瞬であったり・・・。こうしたささやかな四季が創る小さな宝物を、改めて慈しむ時間というのは、私たち日本人にとって、最上の心の贅沢ではないでしょうか。

このアルバムを手にしてくださる方々にとって、このアルバムが『心の音のブーケ』となりますように・・・という思いを込めて新アルバム【初恋】をレコーディングしました。

『浜辺の歌』や『荒城の月』、そしてアルバムのタイトルでもある石川啄木の『初恋』などを含むシンプルで耳懐かしい曲から、『大きな古時計』やそして『純情きらり(ロング・ヴァージョン版)』のテーマ曲などなど。

特に個人的に好きなのは、今年没後10年である武満徹さんの『翼』をチェロ一本に、寺嶋陸也さんがアレンジしてくださったもの。ちょっとお洒落で自由自在、伸びやかに羽ばたく素敵な無伴奏の『翼』となりました^^

スピーカの前に腰をすえてじっくり耳を傾けるアルバムもあれば、この【初恋】はお好きな所でお好きな時間に、素朴なチェロの音とともに温かい時間を過ごして頂けたら・・・とても幸せです!

長谷川陽子(チェロ)

ニックネーム

2006.06.20| 雄倉恵子

「ドラマで聴いたピアノ名曲集」の後半は、以下のようなプログラムです。

シューマン:トロイメライ(真夏の月)
ショパン:雨だれのプレリュード(冬のソナタ)
ベートーヴェン:テンペスト第3楽章(冬のソナタ)
モーツァルト:トルコ行進曲(ロング・ヴァケーション)

シューマンという名前は、著名作曲家の1人として皆様もご存知と思いますが、では「シューマンの作ったメロディーを何でもいいから歌ってみてください」と言われて歌えますか?意外と難しいと思われませんか?
そのなかでトロイメライは、聴いていただければ多分「あー」と思っていただけるシューマンの中でも数少ない「聴いたことのあるメロディー」でしょう。シューマンのような大作曲家でさえ、こんな感じですから、ポピュラーな曲になる、というのは本当に大変なことですね。

「フユソナ」からの2曲で言えば、「雨だれ」は一応昔からポピュラー曲。「テンペスト」のフィナーレは逆に「フユソナ」で知られたのではないでしょうか。どちらも「雨だれ」「テンペスト」といった愛称は作曲家がつけたものではありません。この種のものは後から出版社なりが商業的な理由でつけられることが多いようです。ですから例えば「テンペスト」もいつの間にか日本では「フユソナ」というニックネームで呼ばれる、というようなもので、実際そういう可能性も無いとは言えないと思います。

いずれも作曲家の充実期の傑作で、それぞれの真髄がでていますからそのメッセージがお届けできればいいですけどね。

トルコマーチについてはまた明日。

雄倉恵子(ピアノ)

あるチェリストの休日 

2006.06.20| 長谷川陽子

ブルーベリーは焼くと黒くなってしまうので、チェリーで焼いた『奇跡の大成功』の時の写真を添付します^^

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今日は一日家での練習デーでした。打ち合わせもリハーサルも何も予定のない、休日のような休日ではないような??

という訳で今日は「演奏家のオフ」について、お話します。
夏休みなどはあえて何日もチェロから離れる一週間を作って友達と会ったり、映画三昧、ドライブ三昧ですが、通常のお休みでは練習をしながらのちょっとした気分転換を楽しみます。それはDVD鑑賞だったり、食料庫を覗いて作る簡単な、気まぐれ料理だったり・・・。
料理はコトコト煮込むシチューなどを作るのが好きなのですが、夏場はさすがに暑いので最近はキッシュやパイ作りがマイブーム。

今日は超手抜きキッシュとタルト(もどき)を焼きました^^こちら、フィンランド留学中にルームメートから教わった【超簡単ベリータルトもどき】。フィンランドはベリー類が本当に豊富なのです。今日はブルーベリーで。目にいいんですよね^^
簡単なのに美味しいので、特別にレシピ初公開します!!手順・分量は全てお好みで。

キーワードは【適当に】^^;

1 タルト生地は市販のクッキーを砕いて生クリームと溶かしたバターで【適当に】混ぜてタルト皿に敷き詰めたら、180度のオーブンで15分ぐらい【適当に】焼いたら少し冷ます。
2 その間に中に詰めるブルーベリー(冷凍のブルーベリーでもOK)を【適当な】分量のお砂糖とコーンスターチで混ぜる。
3 焼いておいたタルトの上に2を乗せ、180度ぐらいのオーブンで焦げない程度に【適当に】30分ぐらい焼く。

これだけです!!これをクッキングと呼ぶにはお恥ずかしいものもあるのですが、食料庫に常備してあるもので、ちゃちゃっと作れるし、どれもそのまま食べても美味しい材料ですから、絶対失敗しません(笑)カロリーもクリームをなしにしたり、お砂糖の加減で少しだけ控え目。

特に甘い物が好きな女性の方、時間がなくても簡単に出来るので是非お試し下さいね^^
(そんなの、料理じゃない!というツッコミは禁止です!!)

P.S 旬のアメリカン・チェリーでも作りました!

長谷川陽子(チェロ)

マタニティコンサート

2006.06.19| 雄倉恵子

まず「ドラマで聴いたピアノ名曲集」の前半について。

このコンサートはマタニティコンサートということで、会場の人数プラスアルファの生命の前で弾かせていただく、というちょっと感動的なシチュエーションで、それだけでも頑張らざるをえませんね。

まずはバッハ作曲の「主よ人の望みの喜びよ」。これはドラマ「あすなろ白書」で使われたもので、元はバッハのカンタータの中で管弦楽とコーラスで演奏されるものです。そのピアノソロバージョンなのですが、このピアノソロへのアレンジはマイラ・ヘスという方のアレンジがよく弾かれますが、今回は高橋悠治さんによるアレンジでやらせていただきます。軽やかにコラールが浮かび上がる、素晴らしい編曲です。

次はラブレヴォリューションで使われたベートーヴェン作曲「悲愴」ソナタの第二楽章。ベートーヴェンの「月光、熱情、悲愴」といういわゆる3大ソナタのなかでも「悲愴」の第二楽章は最も美しい部分でしょう。その楽章だけ抜き出す場合、全曲弾く中での第二楽章とテンポを変えるべきかどうか、という問題がありますが、これはとても難しいところですが、私は、テンポは変えることにしました。独立して味わっていただくことと、更にこのコンサート全体の中でのテンポ設定を考えています。

前半3曲目は、ショパンのエチュードから「革命」(少女に何が起こったか)です。エチュードは練習曲という意味ですが、ともかくどの曲も難しいのなんの・・・こんな曲集が弾けるくらいなら、他は何でも弾けるでしょう。だから練習曲と言うのでしょうか?おかげさまで、そのなかでも超難曲の「革命」をやらせていただけるとのことで、私としても大変な「練習」をさせていただいております。フー。

雄倉恵子(ピアノ)

音楽と味覚 

2006.06.19| 長谷川陽子

昨日は今週のコンサートでご一緒する川畠さんとのリハーサル。実はソナタや小品、協奏曲の機会が多く、室内楽はほとんどピアノ・トリオという・・・。ココだけの話、クワルテットは久しぶり、緊張しました〜!!

という訳で、今日は演奏家のリハーサルとはどんなぞや?というご質問にお応えしましょう。

音楽は「絶対」なんてことはなくて、ある意味味覚に似ていると思うと、わかりやすいでしょうか。
珈琲はやっぱりエスプレッソという人もいれば、泡立てたミルクたっぷりのカプチーノがいいというのもアリ。しゃぶしゃぶはポン酢か胡麻たれか・・・味噌は仙台味噌に限る、いやいや赤味噌も白味噌も捨てがたい・・・と色々あっていいのです^^

音楽もそれにとても似ていて、ある人はピリリと辛口、でもある人は甘い音色だったり・・・そして隠し味の人もいるわけで。共演者同士の味覚の違いやぶつかり合いを聴くのも一興ですし、ある時はその持ち味が微妙にブレンドされて偶然に生まれる音のグラデーションの一瞬は、まさに生もののコンサートならでは。

人によっては、言葉要らずで、耳で聴いて合わせてくれる人もいれば、まずお互いの違いをじっくり話し合って言葉で理解しながら音にしていく人もいれば・・・千差万別!! 私の密かなリサーチによると、たいてい理性的にリハーサルする人はA型が多い??(かな??)

ちなみに10月の【せんくら】での私のパートナー、仲道祐子さん。彼女は私が思うに絶対「耳タイプ!!」。いつもすっかりお世話になっています^^

長谷川陽子(チェロ)

2006年06月18日

2006.06.18| 雄倉恵子

今回、せんくらで「ドラマで聴いたピアノ名曲集」と「CMで聴いたピアノ名曲集」を担当させていただく、雄倉恵子(おぐら・けいこ)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

今回のプロデューサー様からのご依頼は強烈でした。
「仙台でクラシックフェスティヴァルが開かれます。ドラマで使われた曲とCMで使われた曲の特集をお願いします。曲も曲順もアンコールもすべて指定させていただきます。ではよろしく。」

通常のリサイタルのときは、こちら側で都合の良い曲のプログラムを決めさせていただき、お客様にとってはよく知らない曲を聴いていただくことになります。ですから「音楽は、音を学ぶ音学ではなく、音を楽しむ音楽ですからどうぞ気をお楽にお楽しみくださいませ。ホホホ」などと暢気なことを言っていられるわけですが、今回の場合は立場が全く逆転してしまっています。

正直なところ、私はテレビをあまり見ないので、私はよく知らなくてお客様はよくご存知、という、演奏家にとっては最悪の状況から出発させていただくことになります。準備を重ねていけばこの状況は逆転できるのでしょうか?

それで、メールで具体的な曲目を拝見しましたが、テレビという媒体は我々クラシック界よりはるかに広いお客様にアピールしなくてはいけないでしょうから、さすがにその制作者側が選んだ作品は単独で取り出しても、文句のつけようの無い名曲ばかりです。これは自分のリサイタルと考えさせていただいても大変魅力的なプログラムではあります。

ということで、泣く泣く、(本当のことを言えば大喜びで)スケジュールもろくに確認しないでOKの返事をさせていただきました。明日からは具体的な曲目のことを少々。

雄倉恵子(ピアノ)

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