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SENCLA BLOG

ブログ

園城三花
2006.05.30

2006年05月30日 

ミュンヘン音楽大学に入学してから、19才の時に京都で初リサイタルを開きました。大学院に在学するかたわらパリの友人宅に招かれ、2年ほどフランスの空気を吸いながら勉強を続けていました。

パリでは、京都に交換留学生として来たパリジェンヌの家にお世話になっていました。日本には、なかなかホームステイ先がなくて困ってられたようで、結局うちがお引き受けしたのがご縁で、私も先方で泊めていただくことになりました。これぞ、情けは人のためならず、です。

パリでOECD主催のコンサートに出演した後、帰国。 日本での本格的な演奏活動を開始して拠点を東京に移し、ヤマハフルート教室のキャンペーンガールに起用され、全国各地でコンサートを行いました。バブル上り調子の時のデビューでしたから、贅沢なお仕事をたくさんさせて頂きました。フルートという楽器の性質上どこにでも持ってでかけられるので、その可能性を最大限にいかして、数多くのイベントにも出演しました。『平安神宮・夜桜コンサート』『彦根城中秋の名月コンサート』『金閣寺音舞台』『倉本聡の富良野塾・ぼくらはみんなトムソーヤ』『厳島神社1400年祭 記念芸能祭』等。最近では『大覚寺観月の夕べ コンサート』にも出演させて頂きました。

そのかたわら95年5月より自らの体験をいかし、アトピーに悩む患者を支援するためのコンサート活動を各地の医療施設やコンサートホールではじめました。日本でのデビュー当時、あまりの忙しさと目まぐるしさに身体が悲鳴をあげたのでしょう。ある朝、目が開かないほどのアトピー性皮膚炎になり、それはそれは苦しい生活を余儀なくされました。

 園城三花(フルート)

下山静香
2006.05.29

2006年05月29日 

7つの顔を持つといわれる(誰に?)私。

4時間半睡眠がほぼ定着し、夜中になってやっとピアノの前に座れる、というようなこともあります。そんな時間には、技巧の激しい曲や舞踏的な音楽は避けて、スペイン音楽でもモンポウの静かな音楽(その静けさが実に豊かな宇宙を持つのだけれど)、そしてモーツァルトの緩徐楽章などに取り組みます。

そして今回のモーツァルト演奏にあたってあらためて感動しているのが、その緩徐楽章の美しさなんです。弾いている途中で、「なんてきれいなんだろう!」とため息まじりに思わず独り言。(曲をシュミレーションしながら部屋をうろうろしたり、練習中のピアニストって結構ヘンです。)映画「アマデウス」でのモーツァルトの、あのお軽いイメージがあまりにも定着してしまったようですが、彼の音楽の流れのなかに垣間みえる透明で深い哀しみ・・・これが見えてしまったとき、どきっ、とします。そしてなぜか私は、ルドンの絵画にある「眼」を思い出したり。

クラシック音楽 ——語弊もありますが、とりあえずクラシックと呼ぶことにして—— のすごいところは、200年以上経っていても、演奏することによって、その美しさを再現して、人の心に直接音のメッセージを伝えることができる、ってことなんですよね。
これだけ考えても感動してしまう私。そういえば最近、前にもまして涙もろくなったな〜。「ほんもの」は、時を超え、人類の宝としてちゃんと残っていくんですよね・・・その「ほんもの」とつきあうには、それなりの覚悟がいるぞ。と気を引きしめたところで、今日のおしゃべりはおしまい。

もっと私のおしゃべりを覗いてみたいという方は、下山静香オフィシャルページZARABANDA(サラバンダ)にもお寄りくださいね。http://www.h7.dion.ne.jp/~shizupf
ちなみに今日は、オフのプライベートショットを掲載しました。なぜか弓矢。

下山静香(ピアノ)

園城三花
2006.05.29

2006年05月29日

私は京都に生まれ、4歳からピアノ、8歳からフルートを始めました。

小学校5年の時、パウル・マイゼン氏の公開レッスンを受講し、先生の音に引き寄せられ、1978年に同氏の勧めにより単身渡独。グラーベギムナジウム(高校)に入学すると同時に、デトモルト北西ドイツ音楽大学の青少年特別クラスにも入学して、パウル・マイゼン氏に師事しました。

ホームステイした家庭がドイツの旧貴族だったので、舞踏会に出席したり、サロンでたびたびコンサートを開くという生活を体験。ドイツに貴族社会がまだ脈々と残っていることにビックリしました。全ヨーロッパの貴族たちは今なお静かに水面下でつながっていて、歴史の重さというか深さを感じます。

普段は普通に会社で働き生活していますが、彼らは明らかに「特別」です。容姿はいかにもベルサイユ宮殿やドイツの古城の壁に絵がかかっていそうな、細長いお顔立ちの方が多いですし、物腰も柔らかでそこはかと無く品を感じます。毎週末どこかで開かれている舞踏会は現代社会とは思えない雅な世界です。

最近の私は「特別」という言葉に少しひっかかってます。特別な家とか特別な扱いとか、特別な才能とか・・・。「特別」ってなんなのだろう? ある意味音楽家は自分を特別の存在としてみていないと、やっていけなくなることもありますよね。

「特別」という言葉から・・・サンテグジュペリ作「星の王子様」のバラの花のことを思い出してしまいました。頭の引き出しの奥の奥にあったのかと思われます。本棚へ行って久しぶりに読み直してみようかナ。たしか中学の夏休みの読書感想文以来だ。大人になって読む「星の王子様」は、またあの時とは違った味わいを持つのかしらン?

園城三花(フルート)

下山静香
2006.05.28

2006年05月28日 2006.05.28

原宿の道

 

こんにちは!ピアノの下山静香です。

今日から1週間、せんくらブログにお邪魔しますので、よろしくおつきあいください♪

私は、幼いころ、バッハで“自分”という存在の不思議を考え(おぉ〜!)、子供時代に、ベートーヴェンで音楽の精神性を感じ始め、思春期には、シューマンで感情の機微を知り、大学時代は、室内楽に没頭、学生を終えたころには、ドビュッシーの深みにハマる・・・という道をたどってきました。そして21世紀を目前におこなったリサイタルで、突然私の中でなにかがはじけ、「スペイン〜スペイン〜」とささやく心の声が。その翌年からスペインに住んでいたという、はたから見るとときどき予測不可能な行動をするらしい双子座B型です(あっ、言っちゃった!)。
あちらでの生活は足掛け4年ほどでとりあえず終わったのですが、日本でも実は、家の中での会話はスペイン語。今では結構いいバランスの「ラテン・ジャパニーズ」と化しているんじゃないかな?とひそかに思っているのですが、そのようなわけで、レパートリーも、必然的にスペイン、ポルトガル、アルゼンチン・・・と広がり、いまもその森をさらに奥へ奥へと探検中です。

そんな私がこの「せんくら」で弾かせていただくのは、なんとあの!W.A.モーツァルト!海老沢敏先生くらいの大スペシャリストになりますと、「モーツァルトさん」と親しくお呼びになり、ときどき電話もかかってくるンですよ、なんて軽くおっしゃいますが、私はまだ「モーツァルト様様」とお呼びする声も震え、お手紙をしたためるのすらドキドキしてしまいそう。でも、この素晴らしい記念の年に、そのモーツァルト様の音楽をたっぷり弾かせていただけるなんて・・・これはきっと、なにかのご縁ではないでしょうか。

演奏予定のソナタ10曲、アダージョ、ロンドという音楽の鏡を通して様々なモーツァルトと向き合い、そして会話をして、仙台では“私のモーツァルト”を皆さまにお伝えしたい、そんな気持ちでとてもハイになっている今日このごろです!

下山静香(ピアノ)

園城三花
2006.05.28

2006年05月28日

はじめまして、フルート奏者の園城三花です。

振り返ると自分でも気が遠〜くなりそうですが、日本デビューして、う〜ン・・・もう20年以上・・・?! ひゃ〜怖い〜、時間が怖い〜。

しか〜し、奏者としての腕は確実にあがっていると自分では思っているから、ここが音楽家の強みです。なにせ、生きているだけで、なにもしないでいるように見える生活をしていても、そこには生き甲斐、やり甲斐が存在しています。容姿が少し変貌しようとも、時間の蓄積とともに音楽に深みがでるのなら時間よ“もっと流れろ”です。

ただ、現実問題としては、今、このブログの締め切りギリギリになっているわけで、時間との戦いにはやはり切迫したものがあります!!10年ほど前になりますが、長男が生まれる直前に「今、読んでおかないと心と時間の余裕が当分ないっ!」と思って手にしたのがミヒャエル・エンデの『モモ』でした。いや〜実によかった。今でもあの本を思い出しながら時間泥棒に知らぬ間に狙われていないよう、気をつけています。

私が普段生活する中で大事にしている感情のひとつに“直感を信じる“というのがあります。まさに10年前のあの時、「なんとしてもこの本を今読みたい。」と思ったのはどこから降ってきたか湧いてきたかはわかりませんが、頭ではなく、心が「これを読まなくちゃ。」と吸い寄せられていったから。

このブログも、最初の編集計画とはまったく別の方向にすでに進み、気の向くままこうして書いてしまっています。この調子で書き綴ってみるつもり。7回目がどんな風に終わるのか自分でも想像つかないのがかえって楽しみ。

そうそう、私のホームページものぞいてみて下さいね。ビデオも見れます!!
www.geocities.jp/mikaenjo/

 園城三花(フルート)

福田進一
2006.05.27

第7日 表現 

19世紀ギターの名器“ガエターノ・ガダニーニ(1829)”

最後に少し真面目なお話しを。

今回の演奏会では使用する予定はありませんが、19世紀ギターについてです。最近では比較的多くのギタリストによって演奏されることの多い19世紀ギターも、つい15年ほど前に私が演奏会で取り上げたときは随分批判的なご意見も多く頂きました。

25年ほど前ですが、19世紀に作られたギターを初めて弾いた時のショックは大変なものでした。その時代に書かれた楽譜が、まるで今書かれたように新鮮に聴こえたのを覚えています。10年程経って、やっと理想的な状態のラコート(1840年作)と出会いました。僕にとって新しい表現のための道具との出会いでした。今のギターとはまるで発音が違うのでタッチを研究し舞台で弾けるようにするのにさらに数年がかかりました。そして14〜5年前から録音や舞台で使い出しました。初めてですから嬉しくて仕方ありません!

ところが最初から猛烈な周囲の反対がありました。信頼していたギター製作家の河野賢さん(今は亡くなられましたが、桜井正毅さんの師匠で世界的な名工)に、「あんな古いもので音楽をするなんて時代錯誤だね。僕たちが一所懸命作ってきた現代の表現力のあるギターの音をぶち壊す行為だよ!」とまで言われました。

その時にこう返事しました。「先生、僕たち演奏家は役者です。楽器はその衣装です。江戸時代に作られた芝居を演じるのに着物を着てどこがいけないんでしょうか?時代劇を現代の背広姿で演じている方が不自然でしょう?」河野さんはしばらく黙っていましたが突然「アハハ、君そりゃ屁理屈だろ〜!」と笑い出しました。でも以後、一切僕の19世紀ギターのことを悪く言わなくなった。このときの理屈は屁じゃなかったと今でも思っています。

表現は、表現する人とそれを受けとる人がいて初めて成立します。(そうでないという意見もあるのですが、ここでは音楽を表現するってどういうことかを話したいので・・・)で、ここで難しいのは表現「力」です。相手に伝える力の強い人を「表現力がある」弱い人を「表現力がない」という言い方をします。しかし受けとる人のアンテナの感度が悪かったり、許容範囲が狭かったらどうしましょう?非常に「表現力がある」人も、「表現力がない」と見なされてしまいます。

河野さんとは表現力(この場合は「説得力」かな?)でその場では勝ったのですが、今日もなお19世紀ギターを使って聴衆を「納得」させるのに躍起になっています。演奏会じゃ、音がすべて。言葉は使えないからねぇ・・・。

一週間お付き合い頂いてありがとうございました。
それでは、皆様、「せんくら」の会場でお会いしましょう!

 福田進一(ギター)

Duo Prima
2006.05.27

2006年05月27日 

☆Duo Primaの礒絵里子です。

今日で最後です。

10月7,8日の2日間に3回の違ったプログラムで演奏します。各コンサートにちゃんとテーマも作りました。 それは会場に来て下さった方と私たちのひみつ〜!
ぜひぜひ聴きにいらしてくださいね。
皆様に仙クラでお目にかかれますのを楽しみにしています!!!

個人ブログアドレス
http://yaplog.jp/iso-diary/

★Duo Primaの神谷未穂です。

今日で、一週間続いた仙クラブログも今日で終わり。
皆様、読んで下さってどうも有難う。仙クラでのコンサートの様子は、私個人のブログ
http://www.yaplog.jp/miho1017/ にアップする予定です!
これからもどうぞよろしく。
それでは、仙クラの「デュオプリマ」のコンサートで是非お会いしましょう!

個人ブログアドレス
http://yaplog.jp/miho1017/

福田進一
2006.05.26

第6日 今年前半の最もタイヘンだった 新作「悲歌集」演奏会 

今年の2月14日(奇しくもバレンタイン・デーですね)、野平一郎さん作曲・林望さん作詞の「悲歌集」を世界初演しました(東京の津田ホールの委嘱作品)。

あのイギリス関連や食のエッセイ集で人気の作家、リンボウ先生こと林望(はやしのぞむ)さんの台本に今をときめく作曲家、ピアニストの野平一郎さんが曲をつけました。

これは男と女の愛の物語・・・・・話題のメゾソプラノ林美智子さん、テノール望月哲也さん、フルート佐久間由美子さんという超豪華メンバーでした。

ほぼ全編ギターで伴奏される「ミニ・オペラ」で、チャーミングなソロの間奏曲も出てきます。普通、現代音楽の演奏会って燃えないものですが・・・・会場は不思議な雰囲気に包まれました。バレンタイン・デーに「別れ」をテーマにした作品をという演出。そして45分を占める長さ。作品は緊張感の高い劇的な部分や神秘的な部分、美しく響く部分、様々なプリズムを通して「愛」を浮かび上がらせるものです。

野平さんとリンボウ先生(林望さん)のコラボレーションは、かつての武満徹さんと谷川俊太郎さんの関係を思いださせるものがあります。こういう作品の初演に関われたこと、本当に幸せでした。

バレンタインに演奏会をやるっていうのは良いことですね。本番の後、チョコレート、ちょうど10個ゲットしました。女性ファンの皆さんありがとうございます!(この日の収穫だけは、大萩康司くんに勝ったらしいゾ!)

 福田進一(ギター)

Duo Prima
2006.05.26

2006年05月26日 

☆Duo Primaの礒絵里子です。

仙台は4年ぶり、今からとても楽しみですが、来年2007年の1月にも仙台にて演奏会をやる可能性大!!!なのです。これはデュオプリマとしてではなく、ソロ礒絵里子として、です。

「マングローブ植林」のチャリティコンサートを、昨年横浜、今年は東京と続けてさせていただいているのですが、(前回の様子はこちら)http://yaplog.jp/iso-diary/archive/159

次回は、仙台にほぼ決定!!どこかでチラシを見かけたら是非いらしてくださいね。私もまたすぐに仙台に来れるのはとっても楽しみ!!

また、今年は6月と12月に宮城県の各地で演奏する機会もあります。12月はお酒もお魚もお肴も美味しいんだろうなあ。10月は何が美味しい時期なのでしょうか?とまた、食べ物の話に。。。

個人ブログアドレス
http://yaplog.jp/iso-diary/

★Duo Primaの神谷未穂です。

仙台といえば、音楽界では仙台フィルと仙台国際音楽コンクールが特に有名です!

以前のコンクールのヴァイオリン部門の優勝者、スヴェトリン・ルセヴさんとは、パリ国立高等音楽院に留学していた時に、ジャン・ジャック・カントロフ先生のレッスンでお会いした事があります。

私が彼の前にレッスンを受講していたのですが、レッスン後、先生が「次の弾くルセヴ君の演奏、聴いていかない?」と。

一音目を聴いてびっくり!集中力がすごくて、すぐルセヴワールドに引き込まれました。

仙台国際音コン1位と聞いて納得。今後も彼のような才能溢れる音楽家が、コンクールに出てきそうですね♪。
楽しみです。

今年からは、仙台フィル、仙台国際音コンと共に、仙クラが有名になるのでは!

個人ブログアドレス
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福田進一
2006.05.25

第5日 閑話休題 

最近の福田は、再びタキシードのフォーマル・ウェアを着て演奏しています。思えば20数年前・・・デビューしたての頃はディオール、その後カルダン、アルマーニのタキシード等着ていました。でも若かったんですね、全然身に付かなかった(はっきり言って似合わなかった)。それにタキシードってとても演奏し辛いんですよ。

ピアノのピーター・ゼルキンがTシャツ姿で出ていたのを「カッコいいなあ」と思って、ドレス・シャツだけで舞台に立つようになったのはいつ頃だったでしょうか?80何年かだと思います。

まず、シャツに変えたら旅行に便利!これで僕は断然シャツ派になりました。特にイッセイ・ミヤケの100%ポリエステルというのは、これはもうミュージシャン必須アイテムだと思います。最近まで着ていたシワシワ・モデルの黒、ターコイズ・ブルーすべてイッセイです。また他に僕が愛用しているのはフランスのメーカー「ノガレ」のタートル・ネック。CDジャケットにもなっています。

ところが、年齢ですね・・・・共演者の年齢も平行して上がってきた。僕のおなかも膨らんだ。今こそフォーマルが似合う!という年になったんですね。というわけで今回も多分タキシードで登場します。

しかし、移動の度に、タキシードの入った荷物を見て考えてしまいます・・・・「うーん。重い。かさばる。」

 福田進一(ギター)

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