こんにちは。山形交響楽団(通称:山(ヤマ)響(キョウ))です。「せんくら2007」にお招きいただきました。ありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。
当山響は、1972年に誕生し、現在、音楽監督に飯森範親、創立名誉指揮者に村川千秋、名誉指揮者に黒岩英臣、指揮者に工藤俊幸、首席客演指揮者に阪哲朗、特別首席コンサートマスターに高木和弘、コンサートマスターに犬伏亜里、コンポーザ・イン・レジデンスに千住明の各氏を擁し、年間に15回の定期演奏会を中心に150回以上の演奏会を行っています。仙台フィルさんはじめ、全国には24のプロ・オーケストラがありますが、その中で都市規模が1番小さな山形市を本拠地としています。ヨーロッパのオーケストラに似た生活環境と恵まれた自然の中で、ゆったりと音楽づくりをしています。
山形交響楽団
URL:http//www.yamakyo.or.jp E-mail:orchestra@yamakyo.or.jp
〒990-0041 山形市緑町 1-9-30 山形県新築西通り会館内
TEL 023-625-2203(楽団) 023-625-2204(チケット・サービス) FAX 023-625-2205
(事務局次長 斎藤正志)
こんにちは。
今日でこのブログも最終回となりました。
最終回の今日は、ファリャの「スペイン舞曲第1番」とサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」について。
・ファリャ:「スペイン舞曲第1番」
近代スペインを代表する作曲家マヌエル・デ・ファリャの出世作となったのが1905年に作曲された歌劇「はかなき人生」です。作曲当時のスペイン・グラナダを舞台に、「ジプシー娘・サルが裕福な青年・パコに恋をし、捨てられ、そのパコの結婚式に乗り込み、彼の足元で息を引き取る・・・」というストーリー。
この「スペイン舞曲第1番」は、パコとカルメーラの結婚祝宴でフラメンコの歌い手が歌い始め、情熱的な踊りが踊られるときに演奏される曲です。
ヴァイオリンとピアノ版は、先日も登場したクライスラーが編曲したもの。ほかにもギター2台で演奏されたりします。
曲自体は短いですが、その中にもファリャらしいスペインの雰囲気が存
分に発揮されています。
・サラサーテ:「ツィゴイネルワイゼン」
スペインの音楽的ながら質素な家庭に生まれたサラサーテは、幼少の時から楽才を発揮し、8歳でヴァイオリニストとしてデビューした天才ヴァイオリニスト。10歳でマドリードの宮廷で演奏し、女王から名器ストラディヴァリを与えられました。その女王の援助のもと、12歳でパリの音楽院に入学。それからは、ロシア、ヨーロッパ各地、南北アメリカで本格的な演奏活動を開始しました。天才ヴァイオリニストとしての演奏活動だけでなく、作曲家としてもヴァイオリンの名曲を数多く作曲しています。
この「ツィゴイネルワイゼン」の「ツィゴイネル」とはドイツ語で“ジプシー”、「ワイゼン」とは“歌”を意味しています。
ジプシー風の曲にハンガリーのチャルダーシュという民族舞曲の要素が加わり、華やかで情熱高い曲となっています。
今回はヴァイオリンとピアノで演奏いたしますが、もともとはヴァイオリンとオーケストラという編成で作曲されました。東京都交響楽団(小泉和裕さん指揮)との協演のCDも出てますので、「せんくら」ではヴァイオリン&ピアノ版を楽しんでいただき、オーケストラ版はCDでお楽しみください!
あっという間の1週間のブログでしたが、みなさんいかがでしたか?
昨年に引き続き2回目の「せんくら」で、ブログも2回目で、、。慣れないことをするというのは少々大変でした。
普段あまりこういうことをすることがないので、ご覧いただいた方、当日コンサートにお越しくださるお客様に少しでも楽しんでいただければと思い、毎日簡単でしたが曲目解説とちょっとしたエピソードを書かせていただきました。
“生”のヴァイオリンの音を“生”で聴いてもらいたい、という私の長年の思いが少しでも伝わればと思います。
プログラム全体はみなさんどこかで聴いたことがある曲ばかりを集めましたが、“生”で聴くと普段聴いているのとは違う感じ方をするはずです。
「せんくら」は低料金で通常のクラシックコンサートより短い時間で聴きやすいものが多いですが、これをきっかけに、“生の音”に興味を持っていただければうれしいです。
当日、コンサート会場でお会いできるのを楽しみにしています!!
前橋汀子
声といえば、俊太郎さんの声は木管楽器だと思う。以前どこかに、木管四重奏の音色が好きだと書いてくださっていたのですが、俊太郎さんの声がいわば同族の音色なのでとても良く合うと私は常々思っています。
いわゆる美声というのではないけれど、味がある、暖かみがあるところも楽器の中でも木管楽器的だと感じます。それも、オーボエ、クラリネット、ファ
ゴットのようなリードのある木管楽器。
この3つの楽器はリードという葦の小さな棒(板)を付けて楽器全体を鳴らすという共通点があり、そのために独特の木の音色がします。このリードのために大変な苦労を強いられるのですが、かさこそとしたひなびた感じが魅力のひとつでしょう。俊太郎さんの声にはそれがある。リード楽器の響きがあると私は思うのですが、みなさんはどうでしょう?
さてさて、今日で私のブログ当番もおしまいです。
暑い中、脳みそが溶け出しそうになりながら書いた時もありました。
今は涼しい軽井沢で、犬と共に遅い夏休みを過ごしております。
(ほほほ、、、こう書くとかっこいいですが、貸別荘ですよ)
9月は、せんくらに先駆けて浜離宮朝日ホールで俊太郎さん&賢作さんの会に出演します。
また、弦楽器とのアンサンブル「ラ・コレッガ・ディヴェルテンテ」定演では、シューベルトの八重奏曲を取り上げます。
この曲は、私的には大変思い入れがあるので、ぐーたらを返上してさらう所存です。
10月は「せんくら」もあるし・・・今のうちに遊びまくって英気を養わなくては!!
みなさん、拙い文章を読んでくださってありがとうございました。
仙台でお目にかかれる日を楽しみにしております!
[今日の写真]愛犬(はな)とわたし。
— 草刈麻紀
こんにちは。
まずは、マスネの「タイスの瞑想曲」から。
マスネはフランスの作曲家で名作オペラを書き残しました。その中のひとつが、この「タイス」です。アナトール・フランの傑作として知られる小説をもとに作られました。「瞑想曲(Meditation)」は劇中第2幕第1場と第2場の間奏に使われる曲で、神か悦楽か二者択一の道に迷う遊女タイスの胸の中を音で表現したといわれています。その美しさゆえに単独に取り出され、ヴァイオリンだけでなくチェロやフルートなどでも演奏される機会の多い名曲です。
次に、シューベルトの「アヴェ・マリア」。
原曲はスコットの「湖上の美人」から詩を取った、乙女エレンが父の罪が許されるように湖畔の聖母像に祈る歌。ドイツのヴァイオリニスト、ウイルヘルミがヴァイオリン独奏曲に編曲して大変有名になった小品。
今日はこのあたりまで。また明日。
前橋汀子
実は2年程前からアカペラ・コーラスのグループ「アリュール」で修業しています。メンバーは全員声楽以外のプロの音楽家。オーケストラやフリーの管楽器奏者とピアニストの女性ばかり20名ほど。これが、趣味の域を超えて、時には本業より熱心に情熱を注いでやってしまっています。先月はデビューコンサートを大盛況のうちに終わらせたばかりです。
音楽家なので、譜面は読める、音程はよし、リズム感もよし、音楽性は申し分なし、ところが! 肝心の声が出ない!!!
歌の先生には、叱られ、嘆かれ、「将来性だけはある」といわれ続け、しかし何とかサマになってきた今日この頃です。
歌を始めてから、本当に新しい発見の毎日、目からうろこが落ちるとは良く言ったもので、もう300枚ぐらいうろこを落したでしょうか。
管楽器は特に、息の使い方おなかの使い方、全ての原点が「歌」である!と断言出来ます。中には見違えるほど上手になった人もいますが、私はまだまだで、楽器は鳴らせるが良いリードが無い状態。先生からはもっと高いリードを買えるようにお金持ちになれと言われています。(ムリムリ)
そんな私ですが、最近おどろいたことがあります。それは、「せんくら」のポッドキャスト。私はしゃべるのが苦手で、もう、あれほど嫌なものは無かったな!! 言いたいことの半分も言えず言わなくて良い事を言ってしまい、いかに
も頭の悪そうなしゃべり方をしてしまうので、自分のしゃべりを録音したものはぜえっったいに聞きたくないのですが、家族が面白がって聞くのをちょいと小耳に挟んだら、
「声が変わってる!」明らかに以前より明るくなっている!
昔々教育実習の時も声がこもって何言ってんだか分かんないと、散々言われ、自分でも自分の声が大嫌いなのですが、それが、マシになっている!
こんな所に歌の効果が現われているとは!
ド恥ずかしいポッドキャストでしたが、ちょっと気を良くしたのでした。
このアカペラ合唱団をギャラ無しで良いから「せんくら」に呼んでくれとプロデューサーの平井さんに言ったところ、「フンッ」と鼻で笑われました。
今に見ておれ、あの時タダで呼んどきゃ良かった~と後悔する日も遠くはないでしょう。
[今日の写真]アリュール=デビューコンサートゲネプロ風景。本職は左からOb,Pf,Cl,Hr,Fg,Cl。この他各種取りそろえております。
— 草刈麻紀
こんにちは。
今日はフランクの「ヴァイオリン・ソナタ イ長調」について。
セザール・フランクは1822年12月10日ベルギーに生まれ、1890年11月8日パリで没した近代フランスの大作曲家。彼は同時に優れたオルガニストでもあり、フランスのバッハと称えられています。
フランクの作品ではニ短調の交響曲とこのイ長調のヴァイオリン・ソナタが最も有名。
ヴァイオリン・ソナタは彼の代表作のひとつで、1886年、死の4年前、64歳のときに作曲され、当時の大ヴァイオリニストで親友だったイザイの結婚に際しお祝いとして捧げられました。
4つの楽章からなり、各楽章とも第1楽章の冒頭に現れる短い動機によって統一されています。
「せんくら」では全4楽章の中より、第1・2楽章を演奏いたします。
・第1楽章 アレグレット・ベン・モデラート イ長調 8分の9拍子
ソナタ形式の展開部のないもの。第2楽章への導入部のような役割を占めている。
・第2楽章 アレグロ ニ短調 4分の4拍子
第1楽章の主題のモティーフを旋回した動機が全体を貫いており、激しい性質を持った力強い楽章。
前橋汀子
さて10月6日のワークショップでは、今までにない斬新な試みに挑戦します。フランセの木管四重奏曲という、おしゃれで超難しい曲を演奏しながら
アンサンブルの極意に迫ろうというもの。今、オーボエの庄司さんがねじりはちまきで脚本を書いています。
この脚本家、多忙のため筆は遅い、その上注文は多い、凝り性、ときている。役者が要求に応えられるかどうか怪しいところです。
以下は、少々おかたいのですが、脚本家によるキャッチコピーです。
「近年、中高生や大学生をはじめ社会人の多くのアマチュアの演奏家たちが器楽によるアンサンブルを楽しんでいます。今回は今までなかなか覗くことの出来なかったこのアンサンブルを作る過程を分析してみます。それぞれまったく違う個性を持った人間と、似たようでまったく異なる特性を持った楽器がどのように融合しまたそれぞれの存在感を示すか?もしかするとこの小さな編成で起こりうる様々な問題は昨今の社会問題〜家庭、社会生活、政治、自分勝手になり始めたといわれる現代人、いじめ、国際問題の解決のヒントになるかも知れないのです。」
おおげさな・・・!と思われるかもしれませんが、いやいや、ホントにこんな小さなアンサンブルでも社会の縮図のようなもの。結局は人間同士の関わりあい、人と人とのコミュニケーションにほかならないのです。
そういう意味では、楽器をやっている人いない人に関係なく、広く一般の方にもお越しいただきたいワークショップです。もしかしたら会社の上司と、あるいは学校の友だちと、奥さんと、ダンナさんと、うまく付き合うヒントが隠れているかもしれませんよ。
なんと言ってもこのワークショップは無料!!!です。「せんくら」の中でも数少ないタダ!の公演に選ばれたのです。どうか今すぐ葉書で申込を!タダなのにお客さんが来なかったら情けないですものね・・・
[今日の写真] 行き詰まる脚本家S氏。
— 草刈麻紀
こんにちは。今日は、ブラームスの「ハンガリー舞曲」とクライスラーの「愛の喜び」「ウィーン奇想曲」について。
ブラームス作曲:ハンガリー舞曲第5番は、ハンガリー・ジプシー舞曲の4分の2拍子のチャルダーシュを取り入れ、素朴で格調高く作り上げられた、もとはピアノ連弾用の作品。全21曲あり、今回「せんくら」で演奏するのはその中でも最も有名な第5番です。情熱的で流麗な旋律、中間部の静と動が激しく交差するリズムが刻まれ、ジプシー音楽の特徴が際立っている作品です。
次に、クライスラーの「愛の喜び」「ウィーン奇想曲」について。クライスラーはウィーン生まれの大ヴァイオリニストであり、ヴァイオリンのためのオリジナル作品を多く作曲しているヴァイオリニストにとっては重要な作曲家の一人です。主に、古いウィーンの民謡を題材にすることが特徴です。特に「ウィーン奇想曲」は、クライスラーが故郷ウィーンに寄せる思いがたっぷりと歌い込まれています。
それでは、また明日。
前橋汀子
Q10. 好きな作曲家は?
俊.- – - J.S.バッハ。他にも何人もいるけど。
Q11. 今まで稼いだ印税は、生活費以外では何に最も使ったと思いますか?
俊.- – - 女性。慰謝料とか・・・
Q12. 子供の時に読んだ本で面白かったものは何ですか?
俊.- – - 少年講談の「猿飛佐助」「霧隠才蔵」「真田幸村」など。
Q13. 最近どんな夢を見ましたか?
俊.- – - 忘れた。
Q14. ご自分の詩の中で一番好きなものはどれですか?
俊.- – - 日替りで答えが変わるけど、今日は今書いている「今」。
Q15. いま、恋をしてますか
俊.- – - 個人情報保護法に触れるので、お答えできません。
Q16. 何故か殺し屋に追われています。逃亡手段は?
俊.- – - 自殺。
Q17. 仙台についてのイメージは?
俊.- – - イトコも友だちも住んでいるし、青葉通は美しいし、親しみを感じています。
以上、意外なお答えもありましたが、「やっぱり?」っていうのもありましたね。
それにしても質問って難しいです。質問に答えるよりも質問をする方が、バカさ加減がわかってしまうところがコワイですね。愚問にも質問者と読者にサービスして答えてくださっているのがありがたいです。
賢作さんのブログに「どの歯が好きですか?」という子供の質問にマイッタ話が載っていましたが、俊太郎氏が娘の学校にいらしてくださった時も「親戚はいますか?」とか、思いも寄らない質問に笑ったことを思い出しました。
なにはともあれ、俊太郎さん、お忙しいのにありがとうございました!
[今日の写真]ブランコにのる詩人。ある日のリハーサルにて。
— 草刈麻紀
こんにちは。
今日はまずシマノフスキの「アレトゥーサの泉」について。
シマノフスキはポーランド出身の作曲家で、この曲はヴァイオリンとピアノのための3つの詩曲「神話」の第1曲。
?ギリシャ神話の水の精「ニンフ」が恋された川の神「アルフェウス」から逃れシチリア島にたどり着き、泉の姿に変えてしまう。あきらめきれない川の神はシチリア島に追いかけてきて、その泉に情熱を注ぎ込む?という物語。
次にドヴォルザークの「わが母の教えた給いし歌」、「スラヴ舞曲 op.72-2」について。
「わが母?」は歌曲集「ジプシーの歌」op.55の第4曲で、ボヘミアの詩人アドルフ・ヘイドゥークの詩を歌曲にしたもの。“老いた母が私に歌を教えた時、目に涙を浮かべていた。いま、私がその歌を子供に教える時、日焼けした頬に同じように涙が流れる”と歌われる。
「スラヴ舞曲?」は、2つのスラヴ舞曲集「作品46」と「作品72」の全16曲の中の1曲。ドヴォルザークはブラームスを大変尊敬していて、当時ブラームスが作曲したピアノ連弾曲「ハンガリー舞曲集」がヨーロッパで大評判になり、これに触発され、自身もボヘミアの代表的なメロディーに踊りの曲を入れてこの「スラヴ舞曲集」は生まれました。
今日はここまで。それではまた明日。
前橋汀子