皆さまこんにちは😃‼
せんくら2018🎉
今年も楽しみに伺わせて頂きます😊‼
昨年の「カルメン ハイライト」では地元の合唱の皆様と短期間(短時間?笑)のお稽古にもかかわらず😵本番では皆パワー✨全開👍
会場の皆様も共に燃え尽きましたね😆🔥
子供達の合唱も可愛かったなぁ〜💕
感謝感謝の思い出です💐
さて🌹今年はじっくりと😉‼
イタリ・オペラの名アリアをお楽しみ頂きたいと思います✨
日立システムズホール仙台(コンサートホール)にて🌈※青年文化センター
オペラ界の素晴らしい仲間達と🎉歌って✨歌って✨盛り上がりますっ‼
今から心待ちに〜❤
皆様😆会場でお待ちしております‼️
是非🌹足をお運び下さいね(^。^)
林美智子(メゾソプラノ)
仙台フィル若手との室内楽公演に、コーディネーターの方が今年は去年にも増して素敵なコピーを添えてくれました !
今日は、この公演に寄せる思いを記してみようと思います。
一枠、ソロでも何でも自由に使って佳いこの企画のお話を頂いた際、真っ先に頭に浮かんだのは “室内楽” でした。
遡ること28年くらい? 私がオーケストラに入団し社会人として歩み始めた頃、音楽界では企業の名を冠した演奏会が山ほどある時代でした。企業が、拡大した収益の一部を社会に還元する活動の一環としてスポンサーとなり、宣伝を兼ねていたと思われるその演奏会のタイトルには、企業のその名を戴いていたのです。
オーケストラの様に規模の大きな公演のみならず、室内楽やソロのコンサートでもまた然り。演奏会の数自体が現在とは比べ物にならない程とても多く、私自身この様な世相の中、数多演奏する機会の中でスキルを叩き上げられ、鍛えられた一人です。
現在は先行きの見えない不透明感が漂う世の中、スポンサーとして動いてくれる企業はかなり少なくなってしまいました。演奏会の数が減っているのは言わずもがな。
しかし、だからといって手をこまねいているのでは時間だけが過ぎていってしまう …
去年の公演より
いま仙台フィルには弦セクションを軸として、とても勢いがあります。自身のオーケストラワークではかつて経験したことのないほどのその変化を目の当たりにし、近い将来、必ずその中枢を担うことになるであろう若手プレイヤーに、世代を繋ぐ先輩として、彼等自身がそのまた次の世代に託す必要なエッセンスを出来るだけ伝えなければ ! との思いが年々募ってきていたところに、この企画のお話。定期演奏会前のロビーコンサートのほか、でき得る限りの中で若手と音楽で接する時間を持ってきたつもりでもやはり伝えきれずに、この期に及んでは身銭を切ってでもやるべきではないだろうかとも考え始めていた故に、これはこの枠でやるしかない ! 千載一遇のチャンス ! となりました。
普段のオーケストラワークでは、伝えたい相手が近くでプレイしているとは限りません。第一にその相手がどこをどれくらいの意識レベルで聴いているかが近くに居ないと判りませんし、例えば同じ音を2回弾く( または、吹く )時でも、ハーモニーが違えば当然、2つの音程を変える必要があるのですが、そのことを指揮者を飛び越えて向こう側にいる伝えたいプレイヤーに声を張った状態で! 伝えるなどということは不可能です。
仙台フィルに限らずオーケストラいう活動基盤を同一にしているプレイヤーが少人数で行う室内楽は、作曲家が生きた時代や作品のフォルム、それぞれの語法の違いにより弾き方を変えていく為に必要な、プレイヤー同士共通の意識や方向性を揃えていくに相応しい効果を発揮する形態だと考えています。
またオーケストラからの観点でみると、室内楽はアンサンブルのコアを形づくる大事な土台部分。その様な意味においては、室内楽を聴けばそのオーケストラの現在( いま )を知り得る、こういった云い方も出来るでしょう。
超有名曲が並ぶ中で、10年を越えて次のステップへ踏みだそうとしている“ せんくら 2018 ”に新たな側面をもたらすと信じて貫く、この様な思いの詰まったコンセプトを基軸に、今年は常設の室内楽団体 “ クァルテット・エクセルシオ ”から同門の妹弟子でもある吉田 有紀子さんをお招きし、まさに一つ先!を聴きたいお客さまへメンデルスゾーンの名曲をメインにお届けします !
どうぞこの公演枠の趣旨にご理解頂き、会場へお運びのうえ皆さまの耳で直に感じて頂けましたら幸いです。
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井野邉 大輔(ヴィオラ)
今年は台風が多いですね。やはり南方の海水温が高いのでしょうか . .
夏休みの自由研究でセミの抜け殻を何千と集めて、データをとっている京都の小学3年生によりますと、アブラゼミは年々身体が小さくなってきているとか。こちらも気温が上昇傾向にあることと関係があるらしいとのこと。そう言われてみるとこの時期の大阪ではいつも、一本の街路樹にひしめき合い、競うように鳴くセミの鳴き声が今年はあまり“かまびすしく”ない気もします。
我われが、日本で気を配らねばいけないことの一つに《夏の移動》があります。何故?
もう、お気づきだと思います。
実際、今年は台風による移動スケジュールの変更を既に三度しました。夏のスケジュールは、大概余裕をもって組んでいるので多少のアレンジが効く様になってはいますが、とりわけ航空機移動しか選択肢がない場合は、直前過ぎる予約の為に定価に近いものしか残っておらずかなりの痛手を被ることに。
先日台風の予想進路が、がっつり新幹線、それも山間部を貫くルートにかぶっていた為土砂崩れによる運転見合せ状態を危惧して、台風の上を飛び越えて大阪伊丹空港へ降りる決断をしました。というのも以前、京都駅を17:00台に出発する新幹線に乗れたものの、東京へ着いたのはなんと翌日の11:00という経験をしたからにほかなりません。この時は静岡県内の二度に及ぶ土砂崩れに因るものでした。
ということを思い出しながら、今日はこれから TAKE OFF !!
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井野邉 大輔(ヴィオラ)
こんにちは! 本日より3日間を担当します ヴィオラ 井野邉 大輔 です。どうぞよろしくお願いいたします♪
一見何の共通項も見出せないかの様に思えますが、これが実は ..
皆さんは、ビリヤードをされたことはありますか?
私と同世代、もしくは一世代上の方でしたら一時期巷で流行ったプールバーに足を運んだ方が少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。ビリヤード台( pool )の設置してあるバー( Bar )、お酒が飲めるビリヤード場のこと。
ビリヤードを始めたのは、NHK交響楽団に入団してしばらく経った頃でした。元々興味があったことに加えて、同じヴィオラセクションの先輩にしてビリヤードが途轍もなく上手い方がいることを聞いた私は、基礎から教えて頂きたいとお願いしたことがきっかけでした。
そこから始まったレッスンは、NHKホールでの定期演奏会の終演後、09:40pm くらい~ @ ホール近くのビリヤード場。記憶が定かではないですがビールの自販機はあった様で、“先生”は飲みながらの指導であったかと。笑
この時期の楽しい話はこの辺で打ち切らないと、どんどん違う方向へいってしまいそうですのでこれくらいにして、軌道修正を。
こちらをご覧ください。
ヴィオラを弾く際の腕は基本、肘を支点に動かします。これは、なんとビリヤードでも一緒 !! 手球を撞くキューという棒を操作するのと同じ動きなのです!
基礎の練習では的球は使わずにこの手球を対岸の壁に当て、真っ直ぐに手前に戻してくる課題があります。これが実に難しい! 時折するこの練習、未だにキューを握る手に力が入ってしまう為、手球の中心を撞くことが出来ず、回転がかかってしまうことに起因します。
このことがヴィオラを弾く弓を操作するにあたって、力が不必要に入ることがどういうことかを多いに気付かせてくれるきっかけになりました。加えてそれぞれの指を単体で意識することも、ビリヤードを通じて勉強したうちの一つです。
対戦型のゲーム運びでは沈めたいポケットに的球を入れた後、手球を次に狙う的球を撞きやすいエリアにコントロールすることが必須になります。上手くいくいかないは別にして、常にこれを3,4手先まで頭でプログラムする一方で、対戦する相手もまた撞き進めていくプログラムを頭で展開させています。ちょっとしたコントロールミスで的球をポケットに入れられなかった場合に攻守が代わることになるのですが、相手に主導権が移った場合でも、いつどのタイミングで自分に主導権が戻ってきても対処出来る様、相手の一打毎に都度そのプログラムを刷新していきます。
これもまた弦楽器を弾く上で重要なエッセンスで、つまりヴァイオリンやチェロに比べて、その箱の小ささを含めた不完全なバランスで成り立っているヴィオラを鳴らすためには、頭で3,4手先を準備することを常に要求され続けることに他ならないのです。
自身のこの準備をしながら室内楽やオーケストラに身を置くとき、リハーサル、本番にかかわらず都度相手の出す微妙なタイミングの違いや色の変化を伴った音を聴き分け、相手の出してきた音に相応しく対応する為、自身で3,4手先までプログラミングしたものを瞬時に入れ替えて再プログラミングする。このことこそ、ソロとはまた違う刺激を与えてくれる室内楽とオーケストラフィールドにおけるヴィオラならではの醍醐味なのかもしれません。
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井野邉 大輔(ヴィオラ)
今年の「せんくら・うた劇場」は、中村優子さん(ソプラノ)、髙山圭子さん(アルト)、原田博之さん(テノール)といういつものメンバーに、バリトン歌手の武田直之さんが加わってくださいます。山形ご出身、現在はオペラや規模の大きな宗教音楽などのソリストなどで大活躍中の武田さんの参加はとても頼もしく、わくわくします。
さらに、歌唱陣を支える楽士としては、いつもの鉄壁な倉戸テルさんのピアノに加え、仙台フィルから西沢澄博さん(オーボエ)、百々暁子さん(ヴィオラ)、助川龍さん(コントラバス)、いずれも2015年の初演で素晴らしいパフォーマンスを聴かせてくださった方々が参加してくださいます。すてきな音楽仲間が集う「せんくら・うた劇場」第5回記念の豪華版!
さらにさらに!今年もアトリエ・コパンの美術作品とコラボします。
アトリエ・コパンは、石巻で新妻健悦さん、新妻悦子さんご夫妻が主宰していらっしゃる民間の造形教育研究所。たくさんの子どもたちが、新妻先生から出されるテーマに添って、上手とか下手とかいうモノサシは関係のない、抽象的で自由な発想が溢れた美術作品を創っています。
2017年せんくら・うた劇場に寄せられたアトリエ・コパンの作品
ブログの第1回にも書いたように、「せんくら・うた劇場」では、舞台装置や照明、衣装といった要素は簡略化しますが、ここでなければできないことをしたいと考え、第2回目の「うた劇場」から、アトリエ・コパンの美術作品とのコラボが始まりました。新妻先生が、膨大な記録画像から内容に合いそうなものを選んでくださり、スライドで投影します。ご来場の皆様には、賢治のお話、音楽とともに、アトリエ・コパンの美術作品を楽しんでいただけたらと思います。
2018年せんくら、公演番号71番 せんくら・うた劇場 「オツベルと象」は、9月30日(日)16時45分~17時30分 エルパーク仙台/ギャラリーホールで開催です。ぜひお越しください。
吉川和夫(せんくら・うた劇場)
今日もまた楽器の写真から。
音程を取るために左指を押さえる指板とネックです。ネックが凹んでいるのが見えます。
これは左親指に力が入っている証拠?チェロを弾くうえで一番やってはいけない悪い癖ですが…知らないうちにどれだけ力が入っていることか!汗は噴き出すし、その汗が楽器に垂れたらそれもまた楽器に悪い。3日間の写真で、弦楽器の美しさよりも遠目では分からない「使う道具」としての実際をご覧いただきました。道具とはいっても毎日何時間も音楽を共にする大切な相棒。このチェロを手に今年もせんくらへ出かけます。会場で皆様に音を聴いていただけることを楽しみにしております。
原田哲男(チェロ)
宮沢賢治の「オツベルと象」。まず、とにかく楽しく面白い作品です!賢治さんがこの作品に注いだテンポ感は、とてもすばらしい。とりわけ「第五日曜」で象たちが押し寄せるシーン。賢治さんはその場面を細かくスペクタクルに書き込んでいて凄い迫力!作曲者としては、作品全体にみなぎる文章の勢いを音楽が削ぐことにならないよう、苦心しました。
ところで、読み進めていくと、意味深長な細部と出会うことになります。赤衣の童子とは何者?象たちは沙羅樹の下で碁を打っている?象が碁を?そもそもなぜ白象?ペンキを塗ったのではないんですよね?古い仏教説話かと思えば、白象が祈るのは「サンタマリア」。考えるといろいろわからなくなるのは、賢治さんの作品ではいつものことなのですが、わからないからかえって面白い。さすがです。
さて、そんな楽しい謎に囲まれながら、作曲をするために「オツベルと象」と向いあっていたわけですが、このお話の意味は、日に日に切迫してくるように思えてならないのです。弱いものいじめをする者には必ず罰があたるぞという教訓?現実には起こりえない荒唐無稽な寓話?ブラック企業に搾取される悲哀?それはそうなのでしょうが、それだけとは思えません。私たち自身、「ここにいていいよ」と言われて気をよくして、そんなものいらないなぁと思いながらも「持ってみろ、なかなかいいぞ」と言われ、しぶしぶ持ってみると「なかなかいいね」と思ったりしていないだろうか。「すまないが」の言いなりになっているうちに、気がつくと自由も平和も奪われていないでしょうか。突き詰めれば、私たちが純朴で愚鈍な象でいたために、フクシマの悲劇は起こったのではないか…。賢治さんは、象に見立てて人間の弱い姿を描いたのではないかとさえ思えるのです。
合唱劇「オツベルと象」は、合唱団じゃがいも委嘱作品として2015年に作曲。山形と東京で初演されました。今回は、少し編集し直して「せんくら・うた劇場」版での演奏です。
次回は、「せんくら・うた劇場」第5回の演奏について、お話しましょう。
合唱団じゃがいもによる合唱劇「オツベルと象」舞台写真
吉川和夫(せんくら・うた劇場)
写真は糸巻き(ペグ)。
棒をぶっきらぼうに突っ込んであるだけのような感じです。
普通はこのようにはみ出さず、きれいに切り揃えられているかと思いますが、楽器を購入した時のこの状態を15 年ほったらかしです。あたかも楽器を大切にしていないかのような印象を持たれてしまうかもしれませんが…
ある時楽器職人さんにペグの修理を相談したところ、「ペグそのものの材質が良いし、きちっと止まるのであれば手を入れることもない、却って楽器の音が変わりますよ」と言われ、その言葉を真に受けて今に至っています。
ペグに限らず、テールピースやエンドピンなど付け替えが容易に出来るものでも、交換すると違う楽器かのように音が変わると言います。いろいろと試してみたい気もしますが、一方で15年間慣れてきた音に安心感や執着心もあります。今あるままの状態を変えることなく時間をかけて音を練っていくのもその楽器を演奏する本人だけが味わえる愉しみかもしれません。
原田哲男(チェロ)
こんにちは!作曲の吉川和夫です。
「せんくら・うた劇場」は、おかげさまで毎年大変ご好評をいただいています。そして、今年はなんと!5回目を迎えることになりました!本当にありがたいことです。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
「せんくら・うた劇場」って何?という方もたくさんいらっしゃると思いますので、そのあたりのお話から、私の担当ブログを始めましょう。
音楽のジャンルの中には、詩や文学と結びついて、音楽とともにことばの美しさや情感を表現するものもあります。たとえば歌曲や合唱曲。それから、もっと大がかりになって、文学だけでなく美術や演劇とも結びついていくのがオペラですね。
ひとりの歌い手がヒーローやヒロインを歌い演じ、合唱が群衆となってドラマを盛り立てるオペラと違い、「せんくら・うた劇場」では、ひとりひとりの歌い手が登場人物の役を担うとともに、古代ギリシャ劇のコロスのように、劇の背景や心情を歌い語り、物語を牽引します。
ちょっと面倒な表現になりましたので、別の言い方をしてみましょう。小さなお子さんに物語の「読み聞かせ」ということをしますよね。「せんくら・うた劇場」は、お子さんだけでなく大人にも向けられた音楽と物語を「歌い聞かせる作品」と考えていただけるとわかりやすいかなと思います。
このような音楽スタイルを、合唱劇、あるいは合唱オペラなどと呼んでいます。日本では、指揮者の鈴木義孝さん率いる山形の合唱団じゃがいもや、栗山文昭さん率いる栗友会の合唱団が、合唱劇に積極的に取り組んでいます。林光さん、寺嶋陸也さん、萩京子さんといった作曲家が、合唱劇や合唱オペラを作曲してきました。長年にわたって、多くの宮澤賢治の作品を合唱劇として上演してきた合唱団じゃがいもは、昨年第27回イーハトーブ賞を受賞しました。舞台装置や照明、衣装といった要素を簡略化するのも合唱劇、合唱オペラの特徴です。演技も最小限に止め、あくまでも音楽とことばの力を中心に、物語をお客さまに伝えていきます。そのため、演奏者と聴衆の一体感は、かえって色濃く現れると思います。「歌い聞かせる作品」として、「せんくら・うた劇場」を楽しんで頂けたら幸いです。
次回は、今年とりあげる「オツベルと象」という作品について、お話しましょう。
昨年度せんくら・うた劇場のリハーサル風景
吉川和夫(せんくら・うた劇場)
せんくらブログをご覧の皆さまこんにちは。 チェロの原田哲男です。今日から3日間担当させていただきます。
今年のせんくらでは、フェスティバルソロイスツ(25)、ヴァイオリンの西江辰郎さんとのデュオ(67)、ピアノの鷲宮美幸さんとのデュオ(69)の3公演に出演いたします。
なんと!ソロイスツと西江さんとのデュオのチケットは早々と完売だそうです。
唯一、鷲宮さんとのデュオの公演が若干?お席に余裕があるようですので、9月30日(日)、その時間帯(11:30~12:15)の他のコンサートが売り切れで聴きに行くコンサートがない(もうないのですが)という方々は、よろしければチェロとピアノの音楽を聴きにエル・パーク仙台ギャラリーホールへお出掛けください。
さて、このせんくらブログ、毎年何を書こうかいろいろ悩んで、その末せんくらとは関係もない福岡の街のことなど書いてしまったりしていましたが、今年は、せんくらで弾く私の楽器についてお話ししたいと思います。
1805年にナポリで作られたこの楽器を私は2003年に手に入れました。以前はフランスにあったそうで、日本で使い始めたのは私が初めてです。
写真の通り、裏板の左側がぱっくりと割れています。30センチくらいでしょうか 。今でこそハードケースに入れて安全に楽器を運ぶよう気を付けていますが、200年もの間にはおそらく布でくるんだだけで他の荷物と同じような扱いを受けたり、人が誤って踏んでしまったりで、ある時バキバキに割れてしまったのでしょう。表板にも何本か縦に割れた跡があります。ただその後丁寧に修復されたおかげで、このような大きな傷を負った楽器とは全く分からないような明るくて温かみのある音を出してくれます。
せんくらの三つの公演でこの楽器の音を皆様にお届け出来るのを嬉しく思います。
原田哲男(チェロ)