今日はせんくら2日目公演番号29
【ベスト・オブ・チェロ・ソナタ】について、お話しましょう。
我ながらずいぶん欲張ったものだ、と思ってます!
何しろソナタという形式は全楽章で完成品、と考えるのが普通な世の中ですが、敢えて選りすぐりのソナタの、そしてその中の選りすぐりの楽章だけをご紹介するのですから。
クラシックは初めてじゃないけど、でもまだ超王道のプログラムを聞くのはちょっと心配・・・なんて思っているそこの貴方!!
そんな貴方のための、プログラムです!!
この回ではベートーヴェン、ショパン、ショスタコーヴィッチ、ラフマニノフ、ブラームスと国籍も時代もとっちらかってバラバラですが、色んな味をちょっとずつって楽しいじゃないでしょ^^
オトナのおもちゃ箱のようなコンサートにしたいと思っております。
少しずつ聴き比べることによって、
「あ、私はもしかしたらブラームスのような重厚感が好きなのかも?」とか
「ショスタコーヴィッチの斬新さが面白い!」と思う方もいらっしゃるでしょうし、
「やはりベートーヴェンの高貴な明瞭さや崇高さこそ、もっと聞き深めていきたい」と再確認する方もいらっしゃるでしょう。
ちょっとクラシックを聴きはじめたけど、【もう半歩】、今よりちょっとだけ深くクラシックの世界に踏み出してみたい、そんなあなたに絶対おすすめのコンサートです!!
長谷川陽子(チェロ)
こんにちは!長谷川陽子です。
おかげさまでご縁あって今年も【せんくら】に出演させていただきます。
なんと第一回目からせんくら皆勤賞出演、本当に心から嬉しいです。
今年も皆さまにお会いできる事、今からわくわくしています!
今年は3つのコンサートに出演します。
今日はその初日に演奏するチャイコフスキーのロココ変奏曲についてお話しますね。
この曲を演奏するときは、必ずオーケストラのライブラリアンの方から「何版で演奏しますか?」と確認があります。
原典版もしくはフィッツェンハーゲン版のどちらかの二択なのですが、これについて面白いエピソードがあるので、ご紹介しましょう。
チャイコフスキーはこの曲を当時の名チェリスト、フィッツェンハーゲンのために作曲し献呈しました。
作曲する過程でフィッツェンハーゲンのアドヴァイスも取り入れながら書いたとされていますが、フィッツェンハーゲンは初演の際、なんとチャイコフスキーに無断で第8変奏をカットし、その上変奏曲の曲順を大幅に入れ換えて演奏しました。
これがまたお客様に大好評!!
なんとフィッツェンハーゲンはチャイコフスキーの自筆譜に直接同じインクで書き入れています。
チャイコフスキーはじめ関係者の立腹とは裏腹に彼の演奏で有名となったこの曲は、結局このフィッツェンハーゲン版で出版されることとなり、チャイコフスキー本人も、複雑な心境の中、何はともあれこの曲が音楽ファンの心を掴んだことを認めざるを得なかったとか。
塗り替えられた名曲の真相、何だか当時の色々な人間模様が見えてきて、ちょっと面白いです。
それにしても科学の力とはすごいもので、20世紀に入りフィッツェンハーゲンの書き込み入りのチャイコフスキーの自筆譜をモスクワ犯罪科学調査研究所の協力によりX線で筆跡鑑定の分析をし、20年以上かけて1955年7月に原典版の復元に成功しました。
新たに発見された名曲の事実に、何人かの探究心溢れるチェリストがその原典版での録音・演奏を試みています。
名曲の陰に逸話あり。
私はいつも従来のフィッツェンハーゲン版で演奏しますが、ロココ形式の愛らしさ、品格、そしてチャイコフスキーならではの濃密で大地を感じさせる優美かつ大胆なメロディは、例えそこに第3者の手が入ったとしても、決して色あせることなく唯一無二の魅力を放つ名曲であることには違いはないでしょう。
今年の【せんくら】では、仙台フィルさん、梅田俊明さんと共演させていただきます。
仙台フィルといえば実は学生時代の仲間や先輩・後輩が何人も入団しているので、一緒に弾けるのがとても楽しみです。
是非皆さまに喜んで頂けるように頑張ります!!
長谷川陽子(チェロ)
皆さんは、休日や休憩時間はどのように過ごしていますか?
効率よく仕事をするため、健康な精神状態を保つためには、心を落ち着かせる時間が大事だと考えています。
スポーツで汗を流す、読書、映画鑑賞、ドライブ等、人それぞれ。
せんくらブログを読んでいる皆さんは音楽を聞いてリラックスする、という方も多いかもしれません。
私の場合は、日曜大工とまではいきませんが、ちょっとした工作の時間です。
ホームセンターに行っては何か使える物はないか物色し、ああしようか、こうしようか等考えながらブラブラしてしまいます。
気付けば長時間滞在なんてことも。
そうして自分が思うように出来上がった時は最高です!
もう一つのリラックスタイムは近所の公園での散歩です。
自然の風を感じながら、水の流れる音、木の葉の擦れ合う音を聞いていると心が洗われます。
そして公園内にある池に住んでいるカメを眺めること。
水面を漂うカメ。
岩の上で甲羅干しをするカメ。
ゆっくり、のんびりとした雰囲気が時の流れを忘れさせてくれます。
もし、どこかの公園でカメを見ながらボーッとしている人がいたら私かもしれません(笑)
皆さんがリフレッシュ出来るような、楽しい演奏会になるように精いっぱい演奏したいと思います。
それでは会場でお会いしましょう!
仙台フィル金管五重奏団
♪Trumpet 鎌田朋幸♪
皆さん、トランペットには沢山の種類があることをご存じでしょうか?
私たちトランペット奏者は演奏する曲によって様々な楽器を使い分けています。
今日は代表的な物をご紹介したいと思います。
まずは写真の左側から、ピッコロトランペット。
通常のトランペットの半分ほどの長さで高音域を演奏する際、主にバロック時代の曲やソロ、アンサンブル等で使用します。
キラキラした輝かしい音色です。
その隣がE♭管(変ホ調)トランペット。
写真には写っていませんが、いくつかのパーツを組み替える事でD管、ニ調の楽器にもなります。
こちらもバロック時代の曲やソロなどで使用します。
次がC管(ハ調)トランペット。
オーケストラでは90%くらいの割合で使用します。
トランペットは楽譜が移調して書かれていることが多いので、読み替えなどに最適です。
そして皆さんが最も目にする機会が多いB♭管(変ロ調)トランペット。
ブラスバンドや吹奏楽、ジャズ等で使用します。
基本となる楽器で私もこの楽器から始めました。
その隣はロータリートランペット。
暖かく響きがある音色が特徴で、主にベートーヴェンやブラームス等、ドイツ物を演奏する際に使用します。
ドイツではこちらの楽器が通常で、日本で主に使用している楽器はジャズトランペット等と呼ばれているそうです。
その次はコルネット。
楽器の長さ、音域はトランペットと同じですが、管の形状、巻き方が違い柔らかい音色が出ます。
オーケストラでは楽譜で指定されている場合に使用しています。
金管バンド等でも大活躍する楽器です。
最後がフリューゲルホルンです。
管の開きが太く、巻が大きいので、とても柔らかい音が出せます。
アンサンブルやジャズ等で多く使用されます。
大雑把に説明してしまいましたが、詳しく知りたい方はWikipediaでどうぞ。
無責任な発言はさて置き、、、。
足を運んだ演奏会ではどんな楽器を使用しているのかな?と観察してみるのも面白いかもしれません。
今回の五重奏でもいくつかの楽器を使用しますので、是非、会場にてその音色の違いをお楽しみください!
仙台フィル金管五重奏団
♪Trumpet 鎌田朋幸♪
仙台フィルのトランペット奏者、鎌田と申します。
今日から3日間ブログを担当させていただきます。
短い間ですがお付き合いください。
まずはじめに、新入団員という事で簡単に自己紹介を。
お隣の福島県、原町市(現、南相馬市)出身。
中学にて吹奏楽部に入部。ホルンを始めるが、3ヵ月でトランペットに転向。
音楽の楽しさに目覚め、音大進学を志す。
東京音楽大学卒業後、同大学研究生課程修了。
東京でフリー奏者として活動後、今年の5月に晴れて仙台フィルに入団。
仙台フィルにはご縁がありまして、高校時代にはトランペット奏者の森岡正典先生のもとにレッスンに通っていたり、大学卒業後には日演連の新人演奏会でコンチェルトを共演させていただいたりと、大変お世話になった、憧れのオーケストラです。
入団出来て、本当に夢のようです!
今回はオーケストラの演奏の他に、金管五重奏としても出演します。
プログラムは、有名なオペラのアリアから日本の歌曲まで、老若男女問わず、楽しめる選曲になっております。
会場で皆さんと楽しい時間を過ごせたらと思います。
仙台フィル金管五重奏団
♪Trumpet 鎌田朋幸♪
長年、東京と仙台を行ったり来たりしていますが、何度きても楽しい僕にとっては故郷であり、大切な場所。
仙台のいい所、パリのように街の界隈の特色がはっきりしていてわかりやすいところがいいところだと思う。
山や川を隔てて街のおもむきもかわるところ。
そんなところがとても好きです。
ジャズフェスやバリアフリーを目指した、とっておきの音楽祭など、この仙台クラシックフェスティバルも含め、非常に多彩な音楽祭が繰り広げられていますが、
このどんなジャンルにも寛容な街は、あらゆる人を包み込んでくれる温かみがあります。
そんな街だからこそ素直に音楽家は音楽に打ち込める。
お客さんは素直にサウンドに耳を傾けられる。
あらゆる可能性を秘めた仙台。
ここで新たな挑戦をし続けられることは本当に感謝です。
今回もたくさんの音楽家と出会うことができるでしょう。
先日9月14日に青年文化センターで、妹荒川知子の演奏会が開催されました。
700人ほどの会場がほぼ満席の中、シンガーソングライターの光田健一さんや、仙台フィルのチェロの三宅進さんたちの協力がゲストとともにとても楽しい演奏会になりましたが、翌日も光田健一さんのライブでパリンカで演奏。
大きい会場も素敵ですが、こういったサロンで楽しめる会場を提供してくれるところが多いのも仙台の素晴らしいところですね。
皆さんにあえるのを楽しみにしています。
是非会場でも声かけてくださいね。
荒川洋(フルート)
こんにちは。荒川洋です。
今宮川彬良さんのオペラのリハーサル中。
宮川彬良さんこんな壮大なオペラを書くなんてすごすぎます。
様々なアイディアが曲の中にちりばめられていて、すばらしいの一言です。
今月もいろいろ仕事で各地を演奏して回っていますが、毎年この時期は忙しいのです。
はて昨年の9月は何をしていただろうと考えたら、日本丸のクルーズで6日間旅をしながらの演奏していました。
果てしなく続く青い海と青い空、そして白い船。
心地よい風に揺られているうちに、徐々に見えてくる小笠原諸島。
つい昨日のことのようです。
このとき、勢いでクルーズ中の船内で3曲作曲しました。
I. 鳥島と果てしなく続く海原と青空のために
II. 母島、またはデッキから見た夕日のために
III. 父島より~海原をこえて~
宮川彬良さんのような曲には足下にも及ばないのですが、当時そのままの気持ちが伝わる曲だなと思っています。
いつかこの曲も聴いていただければと思います。
音楽は、時空や空間を超えて旅ができる素敵なツールです。
皆さんを音楽でいろんな旅にご案内します。
荒川洋(フルート)
こんにちは。
仙台出身でもある、フルート奏者荒川洋です。
せんくらのブログお送りいたします。よろしくお願いします。
今年もせんくらに出演して、仙台の皆様に会えるのはとてもうれしい限りです。
僕の笛の音は、フルートを勉強している人には、CD「フレンチコンポーザーズ」でよく親しんでもらっていますが、今回はリサイタルの方が、マルティヌー、プーランクのソナタなどで、皆様にも存分にフルートソナタ名曲の数々をきいてもらえればと思っています。
近年作曲活動も積極的に行なっています。
今回ははじめてフルート協奏曲を作りました。
その曲も今回披露します。
出演者: 荒川 洋(フルート)
共演者: 加藤 昌則(ピアノ)
公演日: 2013年10月 6日(日)
公演時間: 10:30~
公演会場: 太白区文化センター 展示ホール
プログラム:
荒川洋:コンチェルティーノ《HIKARI》
加藤昌則:トスカ・ファンタジー
プーランク:フルートソナタ
マルティヌー:フルート・ソナタ
2013年10月5日(土)15:45~16:30に演奏する会では、
子供・親子向け コンサート
出演者: 荒川 洋(フルート)
共演者: 加藤 昌則(ピアノ)
公演日: 2013年10月 5日(土)
公演時間: 15:45~16:30
公演会場: エル・パーク仙台 ギャラリーホール
プログラム:
ハチャトゥリアン:剣の舞
ビゼー:カルメンより間奏曲
ボルヌ/ビゼー:カルメン幻想曲より
加藤昌則 : うまれゆく、風~Caprice Fantastique~
久石譲:崖の上のポニョのメドレー
などを演奏し、僕が作曲した
荒川洋:スイミー(朗読付き)
でスクリーンにも絵本を投影しながら進むコーナーもあります。
是非ご来場ください。
スペシャル・ガラ・コンサート
出演者:須川展也(Sax)西江辰郎(Vn)高木綾子、荒川洋(Fl)
福田進一、鈴木大介 (ギター)1966カルテット(アンサンブル)
共演:小柳美奈子、西江氏伴奏者(ピアノ)
公演日: 2013年10月 6日(日)
公演時間: 14:45~15:45
公演会場: イズミティ21 大ホール
モーツァルト:「魔笛」 高木綾子さんと演奏します。
写真は、せんくらとかんけいがなく内容と関係ない8月に北海道中標津町で行なった合宿の模様の写真。
どこに行っても、元気にフルート演奏&普及活動しています。
よろしく!
荒川洋(フルート)
最近、日本の歌に惹かれています。
リサイタルでも「荒城の月」、幻想曲「さくらさくら」などを取り上げて参りました。
今は「浜辺の歌」を研究しています。
源田俊一郎氏が合唱に編曲したものを、ピアノソロに編曲しました。
きっかけは故郷の旧友の母が書いてくれた掛け軸です。
「浜辺の歌」の歌詞では、昔と同じ空間を踏みしめながら往時の事や人を偲んでいます。
「変わらないもの」に囲まれた中で「変わっていくもの」の尊さを痛感しています。
せんくらの演奏会ではこの曲をアンコールに奏でたいと思っています。
あなたの故郷はどちらでしょうか。
「記憶する」という行為の中に、変わらない愛がある気がしています。
土田定克(ピアノ)
すっかり秋めいて参りました。
ちょうどこの時期(9月14日~約一週間)をロシアでは「バービエ・レータ」«Бабье лето»(おばあちゃんの夏)と言います。
その呼び名の由来は様々ですが、一説によると、刈り入れが終わって男たちが収穫物を売りに行っている間、おばあちゃんたちが井戸端に腰掛けてお茶を飲んだり、縫い物をしたり、歌を歌ったりと平和なひと時を過ごしたからだと言われています。
この時期はロシアで最も過ごしやすい季節として、人々に特に愛されています。
その想いを詩人は詩に詠い、画家は絵に描き、音楽家は歌にのせて謳歌しました。
日本でも秋を愛する人は少なくありません。
よく「食欲の秋」「芸術の秋」とか言われますね。
美味しいものやイベントが多く、嬉しいこと楽しいことが盛り沢山です。
まさに一年の収穫を享受するときです。秋に咲く花を「秋桜」(コスモス)と書きます。とても繊細な美しい花です。
この芸術の秋。
今こそ親子そろって出掛けてみて下さい。
せんくらでは沢山のアーティストが親しみやすい名曲を奏でています。
土田定克(ピアノ)