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SENCLA BLOG

ブログ

青柳晋
2012.08.03

修行時代に先生に言われた印象的な言葉【1】 

初めまして。
8月3日から9日までこちらのブログに初めてお邪魔する、ピアノの青柳晋です。

リレー形式での一週間ブログを認めるにあたり、何について書こうかと相当迷いましたが、この期間を使って、以下のようなテーマで書き進めることにしました。
それは、「修行時代に先生に言われた印象的な言葉」。
先生から受けるご指導の言葉は、その場で完全に理解出来るものでは到底なく、何年も経ってから、様々な体験を通して心の中に浸透してくるものだと思います。
私が今まで師事した先生方からいただいたアドヴァイスの中で、特に印象に残っているものを毎日ひとつずつ、当時のエピソードを交えながらこのブログに載せていきます。

【修行時代に先生に言われた印象的な言葉・1】
「ルービンシュタインは楽曲の為に存在しようとし、ホロヴィッツは楽曲を自己表現の手段とした」(クラウス・ヘルヴィッヒ先生)

 

ルービンシュタインが弾くショパンのマズルカに耳を傾けていると、恰も音が演奏の瞬間に新しく紡ぎだされているのかと思うほど自然に音楽が流れていくのを感じます。一切の無駄な緊張や余計な表現を省いて、曲に溶け込もうとする意思の現れではないでしょうか。
ルービンシュタインは曲を通じて大仰な自己主張を試みたのではなく、音楽といかに無理なく、自然に一体になるか、ということを突き詰めていった偉大な音楽家だと思います。
一方、ホロヴィッツの弾くスクリアビンの小品や、バッハ=ブゾーニのコラールを、それぞれの曲を創った3人の作曲家たちが聞いたらどう思うでしょうか?
残念ながらその「実験」を試みる事は不可能ですが、きっと彼らはホロヴィッツが自分たちの想像を超えた、楽曲に眠っている新しい魅力を引き出した事に感嘆するのではないかと思います。

ホロヴィッツの音色には「この世のものとは思えない」魔力があって、それは時には深いため息であったり、厭世感であったり、儚い夢であったりして、人の心をとろけさせてしまいます。
曲を取り込んで自分にしか出せない魅力を解き放つ、デモーニッシュな音楽家ですね。

ヘルヴィッヒ先生は、どちらがどうかという事ではなく、「私は前者が好きだが、あなたはどちらを志すのか?」という事を私に問いただしたかったのだと思います。
音楽と作曲家の意図に誠実な先生は、ルービンシュタインとリヒテル、ケンプを崇拝していらっしゃいました。
私は、恐れ多い事ですが、ホロヴィッツの出す音の一つに、少しでも近づけたら本望です。

(リヒテルの平均率とケンプのシューマンも大好きですよ!)
青柳晋(ピアノ)

西江辰郎
2012.08.03

ごあいさつ 


みなさまこんにちは!
無事に過ごされていますでしょうか?

今日より一週間、せんくらブログのバトンを引き継ぎます。
どうぞお付き合いください!

今年のせんくらはソロと、セレーノ弦楽四重奏団の2公演。
ピアノの坂野さんとは共にデュオをさせていただいてから、いつの間にか十年ほど経ちます。
ほんと早いものですね

9月30日、ソロではストラヴィンスキー、そしてグリークというプログラムを組ませていただきました。
カルテットではコダーイの弦楽四重奏曲、民族的な音楽にチャレンジです。
【62】
10:45~11:30
西江 辰郎(ヴァイオリン)
坂野 伊都子(ピアノ)
《ヴァイオリニスト 西江辰郎を聴く ストラヴィンスキーとグリーグ》

【57】
14:30~15:30
セレーノ弦楽四重奏団
《躍動と感動。
仙台生まれのカルテット「セレーノ」》

是非聴きにいらしてくだされば嬉しいです!

僕は2001- 2005年まで仙台フィルのコンサートスターをさせていただいて、2005年から現在の新日本フィルでコンサートマスターをしています。
いまでも仙台での4年半という生活の中で、実に充実した時間を過ごせたなと思っています。
ちょっと思い返してみるだけでもさまざまな出来事があり、初めての国内での一人暮らしでもあり、いきなり1000曲ほどのオケ曲とも出会い、初体験だらけでした。
色々な方との出会い、つながり、共演、などを通して、今でも多くの方が連絡を取ってくださっていますし、ときには手紙や、お中元まで頂いてしまいます。
ありがたや~

2012年も8月に入りました。
皆様とお会いでき、演奏を聴いていただけるのを楽しみにしています。
Viva!せんくら
西江辰郎(ヴァイオリン)

神谷未穂
2012.08.03

ごあいさつ 

せんくらブログをご覧の皆様、こんにちは。
仙台フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスター・神谷未穂です。
今日からの一週間、担当させて頂きますので、どうぞよろしくお願い致します!

私にとって何回目のせんくらでしょうか。
仙台フィルコンマス就任前には従姉とのヴァイオリンデュオ”デュオプリマ”で、就任後は仙台フィルのメンバーとして参加させて頂いていますが、今回は嬉しい事に、ヴァイオリン&ピアノのデュオでも演奏させて頂きます!!

共演ピアニストは望月優芽子さん。
母校・桐朋女子高等学校&桐朋学園大学の同級生で、数年前フランスで桐朋以来の何年振りかで再会する事が出来ました。
昨年、コンサートで初共演したのですが、音楽も会話も服装も「これぞフランス!」、と思う様なお洒落さ。
私は彼女の大ファンになりました。
いつかフランスに関連のある曲を、フランスのエスプリを持ったピアニストと録音したい、と長年夢見て来たのですが、彼女との録音で、その夢が叶いました!!
このCDはちょうど、せんくらシーズンに発売になる予定です。

彼女とのコンサートはせんくら最終日の9月30日(日)の16時〜16時45分、イズミティ21・小ホールです。
CDに収録した曲の中から5曲演奏させて頂きます。
サン=サーンスの「死の舞踏」は子供にも人気のある作品で、教会の鐘の音から始まり、オバケがヒューと風に舞う様子、頭蓋骨を鳴らす様子、最後の方には鶏の鳴き声まで楽器で表現しますよ!

プーランクの「バガテル」はとても珍しい作品で、あまり聴く機会のない曲だと思いますが、リズミックで迫力のある、私達のお気に入りの作品です。(他の曲については、担当期間中にまた書かせて頂きますね。)
私だけでなく、皆さんも望月さんの持つお洒落センスに魅了されると思います。

是非聴いて頂きたく。

今日の写真はフランス・ランスのサーカス場でのコンサート終演後に、望月さんの友人カメラマンに撮って頂いたもの。
とっても素敵な会場でした!!
でも舞台正面の大きなカーテンから登場するので、サーカスに出る動物の気分も味わえましたよ(笑)。

ではまた明日。
神谷未穂(ヴァイオリン)
私のブログもご覧頂けたら幸いです。http://www.yaplog.jp/miho1017/

須川展也
2012.08.02

須川展也ヨーロッパ サクソフォン旅行紀 ―日本人作曲家の曲はかなり有名!【ワルシャワ(ポーランド)】

ワルシャワ音楽院でマスタークラスを行ってきました。
ワルシャワと言えばショパン。

ショパンと言えばピアノですが、ここワルシャワ音楽院にはサクソフォン専攻生もたくさん在籍しています。

彼らが頑張っている姿を見て、世界中にクラシック・サクソフォンが浸透していることを嬉しく思いました。

また、吉松隆さんや野田燎さんほか、多くの日本人作曲家による作品が世界中に広まっていることを目の当たりにし、世界中の皆さんが日本のサクソフォン界に注目していることを肌で感じました。

1週間お話ししてまいりましたが、僕にとって、5月と6月のヨーロッパ・ツアーは、日本人として、日本の作品が世界中で愛されていることを知る幸せな日々でした。

そのことを皆様に伝えることができ、とても幸せに思います。

須川展也(サクソフォーン)

須川展也
2012.08.01

須川展也ヨーロッパ サクソフォン旅行紀 ―日本人作曲家の曲はかなり有名!【ケルンとラーベンスブルク(ドイツ)】

ケルン音大でマスタークラスをしたあと、ドイツ南部のラーベンスブルクに行きました。

ボーネン湖のそばの古く美しい街並みが残る街です。
ここではアマチュアのサクソフォン吹きのための講習会を行いました。

普段、海外では、音大で専門的に学ぶ方々のためのマスタークラスばかりを行っており、アマチュアの方々を対象にしたマスタークラスは今回が初めてでした。

子供から大人まで、10名の受講生でした。
レッスンを受ける機会の少ない彼らに、基礎中の基礎からレッスンを行いました。
皆さんがとても明るい表情で喜んでくれたのでうれしかったです。

須川展也(サクソフォーン)

須川展也
2012.07.31

須川展也ヨーロッパ サクソフォン旅行紀 ―日本人作曲家の曲はかなり有名!【ハンブルグ(ドイツ)】

何と、ドイツのアマチュアの吹奏楽団と共演するという、とても珍しい機会を得ました。

「音楽大好き!」という人々の集まりでした。
本番前日の練習では、「あれれ?」というところがいくつもありましたが、そこはさすが音楽の国ドイツ!
本番ではばっちり決まり、楽しい演奏会になりました。

須川展也(サクソフォーン)

須川展也
2012.07.30

須川展也ヨーロッパ サクソフォン旅行紀 ―日本人作曲家の曲はかなり有名!【タリン(エストニア)】

タリンは、古くからの街並みが残る美しいところです。

僕はこの街で、生まれて初めて白夜を体験しました。
夜中の1時30分になっても陽は消えず、そのまま朝を迎えました。

ちょうど合唱フェスティヴァルが行われていたらしく、公園にアマチュア合唱団が集っていました。
白夜の中で響きわたる歌声がとても美しかったです。
須川展也(サクソフォーン)

須川展也
2012.07.29

須川展也ヨーロッパ サクソフォン旅行紀 ―日本人作曲家の曲はかなり有名!【リガ(ラトヴィア)】

ヴァイオリンの巨匠ギドン・クレーメルの出身校でもある音楽院でマスタークラスをしました。
そしてリガの街のホールでコンサートを行いました。
ファジーバード・ソナタも演奏しましたが、とても喜んでいただきました。

またコンサートでは地元のプロフェッショナルのリガサクソフォーン四重奏団が「トルヴェールの四季」から“秋”と“夏”を演奏しました。

トルヴェール・クヮルテットの曲をリガで聴くなんてと、とても驚きました。
須川展也(サクソフォーン)

根津理恵子
2012.07.29

ショパン・エチュードの魅力 

今年も、仙台国際コンクール出身者仲間である佐野隆哉さん、美世真里奈さんと、ジョイントコンサートでご一緒させて頂きます。

私たちの担当は「エチュード」!
「エチュード=練習曲」ですが、ショパンの練習曲は極めて美しい芸術作品として、他の作曲家たちのそれとは大きく一線を画しています。
とはいえ、やはり学習用としての認識の方が高いことは事実で、ひとつの演奏会でここまでたくさんのエチュード(Op.10全12曲、Op.25から6曲)が取り上げられるのは珍しいことです。
しかも数名のピアニストがリレー形式でお届けするとは、興味深いアイディア企画!
弾く方にとっては「過酷企画」ですから、興味深いなどと暢気には言ってられないのですが・・・(>_<)

この曲集の中には、普段めったに演奏されることのない、ノクターン風のエチュードが数曲含まれていますが、当コンサートではそれらの作品も全てお聴き頂くことができます。
ショパンの遺した音の詩をピアニスト3人がリレーするコンサート、ぜひ会場でお聴きください!

(写真は、昨年の仙台七夕祭りの8万羽鶴)
根津 理恵子(ピアノ)

須川展也
2012.07.28

須川展也ヨーロッパ サクソフォン旅行紀 ―日本人作曲家の曲はかなり有名!【モスクワ(ロシア)】

モスクワで演奏した日本人作曲家作品の話の続きです。
今回のせんくらで演奏する長生淳:ラフォリスムの改訂版を、モスクワで世界初演しましたよ。

大好評でした。

また、現地のマリンバ奏者と、湯山明さんのマリンバ・ディヴェルティメントを共演したのも素晴らしい機会でした。
モスクワでの充実の2日間の後にはモスクワ観光をしました。

赤の広場はすごかったです。
幸いとても暖かい気候でしたが、ホールには冷房がなく、少し大変だなと思いました。
須川展也(サクソフォーン)

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