録音風景の続きをお届けします。
今回のアルバムのために、面白そうな数々の曲を見つけました! リヒャルト・シュトラウスのバレエ組曲「ホイップ・クリーム」、チョコレートがたくさん登場した映画音楽「ショコラ」、ヨハン・シュトラウスの「ウィーンのボンボン」、皆さんもよくご存知の、チャイコフスキーのバレエ音楽<くるみ割り人形>の「金平糖の踊り」、アンダーソンの「クラリネット・キャンディ」など・・・・。想像するだけで楽しくなりますね。
皆さん、こんにちは。ヴァイオリンの大谷康子です。私は今年でデビュー40年を迎えました。 この記念の年に、生まれた場所仙台で皆さまに音楽をお届けできることを、とても嬉しく思います。
私は子どものころから母の作るお菓子が大好きで、今も演奏に出かけるとその土地のお菓子を楽しんでいます。仙台には、人々に愛される「萩の月」や、もなかなど有名なお菓子がありますね。今年9月16日に、私の大好きな「お菓子」をテーマにした曲ばかりを集めたアルバムがKINGからリリースされます。先日録音を行い、日本音楽財団から貸与された1709年製ストラディバリウス『エングルマン』で演奏しました。 ピアノは藤井一興さんです。
ブログ最終日となりました!
今日は、今回コラボの公演のある、仙台出身の若き津軽三味線奏者、浅野祥くんとの「サムライクラシック」についてお話します。
彼とは2回りも年が離れているのですが、もう5~6年のお付き合いでして、年に何回もご一緒しています。
すでにブログの当番も終えているようですが、祥くんは最年少チャンピオンを獲得した宮城の誇る三味線プレイヤーです。
そんな彼と、ヴァイオリンとピアノ…ちょっと異色な感じがする方も多いと思いますが、共演のきっかけとなった作品がありました。
クラシックが隆盛を極めた時代は、日本で言うと江戸中期~明治時代くらい。
古典派~ロマン派の多くの名曲が生まれたころ、この国は鎖国政策をとっていました。
もしも、お国を統一されたのが徳川家康ではなく、伊達政宗さんだったら、その子孫も含め、西洋の文化も積極的に取り入れていたのではないでしょうか?
そんな「妄想」を起点にして、西洋音階でできているクラシックの名曲を、日本の伝統的な「和音階」にアレンジをしてみました。
すると、摩訶不思議な世界観が生まれ、せっかくなら、和楽器とコラボしたい!ということになりました。
そんなこんなで、箏、尺八、笙などの奏者の方をゲストに迎えたアルバムを制作することになり、津軽三味線奏者として参加をしてくれたのが浅野祥くんだったのです。
ブラームスの名曲「ハンガリー舞曲第5番」を韻旋律に置き換えた「日本舞曲第五番」、バッハの名曲が、教会からお寺に演奏会場を移したような仕上がりとなった「仏よ、人の望みの喜びよ」、ヴァイオリンと津軽三味線の超絶技巧対決、パガニーニ「ラ・津軽じょんがネラ」etc…。
和洋折衷なステージを、是非お楽しみいただければと思います!
3日間、おつきあいどうもありがとうございました。
たくさんの方々のせんくらへのご来場、是非お待ちしています!
スギテツの杉浦がお届けいたしました!
ブログ2日目になりました!
昨日に引き続き、スギテツのピアノ&編曲担当の杉浦がお届けいたします。
つい先々週、「題名のない音楽会」に出演をさせていただきましたが、ご覧いただいた方はいらっしゃるでしょうか?
その時は、高嶋ちさ子さんからのお題に答えるというテーマで、救急車の音とアベマリアをミックスする、なんておかしなことをやったり、ギタリストの押尾コータローさんらと「可愛いベイビー」をセッションしたり、とても楽しい番組でした。
ご覧になった方は目が、いや耳が釘付けになった方もいるかもしれません。
相方のヴァイオリニスト岡田鉄平くんは、さまざまな環境音を楽器で表現できる、日本一の「ものまねヴァイオリニスト」でもあります。
素晴らしい技術を持ちながら、技術の無駄遣いとも言われておりますが(苦笑)…。
番組では救急車やパトカーの音をヴァイオリンで奏でていましたが、他にも色々なネタがあります。
何と言っても、僕達の共通の趣味である「鉄道」の音は秀逸で、東北新幹線E5系にタイフォン、仙山線の踏切なんかも昨年のせんくらでも披露しました。
また、鉄道好きが高じて、昨年10月に、東海道新幹線50周年を記念してJR東海さんのバックアップを得て作ったアルバム「走れ!夢の超特急楽団」をリリースしまして、ありがたいことに第56回輝く!日本レコード大賞の企画賞もいただきました。
今回も、そんなヴァイオリンでできる「擬音」をフィーチャーした作品も演奏する予定です。
例えば、馬のひずめ~鳴き声から始まる「暴れん坊ウィリアムテル」、そして…おっと失礼、僕達は普通のクラシックコンサートのように、プログラムを発表していません。
ネタばれになってしまいますので、せんくらのスタッフさんにお願いして、1部の曲だけの掲載にさせていただいているのです。
ぜひ、生で楽しんでいただきたいと思います!
明日は最終回、今回コラボの公演のある、津軽三味線奏者、浅野祥くんとの「サムライクラシック」について書いてみます!
せんくらブログをご覧の皆様、こんにちは!
ヴァイオリンとピアノのデュオ、スギテツのピアノと編曲担当の杉浦哲郎です。
この度は、10周年おめでとうございます!
そしてこのメモリアルイヤーに、昨年に続き2年連続で演奏させていただけることになり、嬉しい気持ちでいっぱいです!
僕達は「クラシックを遊ぶ音楽実験室」をテーマに、誰もが知っているクラシックの名曲をさまざまな音楽や環境音とマッシュアップ(=融合)させ、聴くだけでなく観て楽しいコンサート活動を全国各地でしています。
そうそうたるラインナップの中、2日間、ステージに立たせていただくことになっています。
皆様、よろしくお願いいたします!!
僕達のことをご存知ない方のために、一体どんな音楽を奏でているのかと申しますと…そのルーツは、偉大なる作曲家ながら、冗談音楽の元祖とも言われるアマデウス・モーツァルトさんにあります!
バロック時代の曲をパロディにしていた話はとても有名ですが、その意志を勝手に受け継ぐべく… と言うよりは、お互いにお笑い好きだったことから、2人は意気投合し、このデュオを11年前に結成しました。
「アイネ・クライネ・3分クッキング」「犬のおまわりさんの運命」「剣のずいずいずっころばし」「美しき青きドナウ河のさざなみ殺人事件」etc…。
クラシックの名曲と色々な曲を混ぜ合わせた迷曲、珍曲の数々が、僕達のレパートリーです。
昨年は、仙台にちなんで、もしもモーツァルトさんが八木山の某遊園地に遊びに行ったら、なんて作品も披露しました。
今年も、この1年に生まれた新曲も含めて、楽しいステージをお送りできればと思っています!
明日は、僕たちの「ネタ」、いや、「作品」について、詳しく書いてみたいと思います!
10年間のせんくら、、、
出演したコンサートはどれも思い出深いですが、
なかでも忘れられないのは、やはり2011年のせんくらです。
僕はその年の3月いっぱいで仙台フィルを退団することになっていました。退団後の4月に記念のリサイタルを仙台フィルハーモニークラブの皆様のご協力により、開催する予定にしていましたが、震災により中止となってしまい、楽しみにしていた久しぶりの國谷さんとのデュオin仙台は残念ながら幻となってしまいました。
しかし「音楽とともに前へ」の力強い標語を掲げて開催されたせんくら2011。主催者の方々の温かい計らいで、リサイタルでメインに演奏する筈だったブラームスのソナタ等を演奏する機会をいただきました。その時駆けつけてきてくれたのも勿論國谷さんでした。
まだまだ大変な状況下での出演でしたが、とても積極的に協力してくださり、相変わらずの素晴らしいピアノで、満場のお客様を魅了してくださいました。
今回僕自身も彼との共演は久しぶりなので、とても楽しみです。
きっと彼の美しい音色と繊細な音楽は皆様の心に大きな感動と癒しを届けてくれる事でしょう。
どうぞお楽しみに。
3日間お読み頂きました、有難うございました。
10月に会場でお会い出来ますのを、楽しみにしています。
ゴッドファーザー「愛のテーマ」等で知られる、イタリアの作曲家のニーノ・ロータ。
彼は映画音楽の作曲家というイメージが強いですが、実はクラシック音楽の作曲家でした。
本人も映画音楽は趣味と言っていたようです。近年、彼の純音楽の業績を見直す動きもあり、リッカルドムーティ―や、今井信子など、著名な音楽家が彼の作品を取り上げていて、その真価が見直されつつあります。ヴィオラとピアノのための「間奏曲」も、演奏される機会は少ないですが、ニーノ・ロータらしいやや陰のある、しかし何とも魅力ある美しい旋律に彩られた傑作です。
ヴォーンウィリアムズは、イギリスの作曲家です。
ヴィオラのために、多くの美しい作品を残してくれました。「ロマンス」はヴィオラの音域をフルに用いた美しい小品です。
ほかに、ドッビュシー、ヘンデル、ブラームスの愛らしい小品を、ヴィオラの暖かい音色にのせてお届けします。
今回せんくらの場で、この名曲たちを皆様と一緒に楽しむ事を、今からとても楽しみにしています。
10月2日金曜日の午後1時30分、太白区文化センター展示ホールでお会いしましょう。
皆様こんにちは。ヴィオラ奏者の佐々木真史です。
せんくら10周年ですね。本当におめでとうございます。
仙台に生まれたクラシックのお祭りがここまで根付いたことを、第1回目から濃密に関わってきた者の1人として心から嬉しく思います。
これも聴きにいらして下さる皆様のおかげと感謝いたしております。
10周年の今年は、久しぶりのセレーノ弦楽四重奏団、恒例のヴィヴァルディの「四季」
そして、「ヴィオラの優しさに包まれる午後のひととき」と題されたヴィオラリサイタルに出演します。こちらは、ピアノの國谷尊之氏と、金曜日の午後をゆったりと過ごしていただけるような珠玉の音楽達をお届けします。
30代を丸々過ごした懐かしの土地仙台。そこで生まれ育ったフェスティバルの10歳の誕生会。皆様と一緒に祝えるのを今からとても楽しみにしております。
さて3日目の今日は「民謡」についてです。
津軽三味線はもともと民謡の伴奏楽器として生まれたもので、切っても切れない関係です。
僕も民謡が好きで幼い頃から唄ったり弾いたりしてきました。
そもそも民謡という音楽は、昨日の記事にも関連しますが、その土地の風土、習慣、文化などから大きく影響を受けてできている音楽だと思います。
例えば宮城県の民謡を見てみると、初日に書いた伊達政宗に関係する唄も多いです。伊達家の御家騒動を題材にした「先代萩」という歌舞伎の演目もありますが、伊達騒動を唄った「仙台大津絵」。
伊達家の家紋「竹に雀」という文句が入る唄としては「宮城野盆唄」や、宇和島伊達家と仙台伊達家の両家が顔を合わせた酒席で仙台側が唄った宮城県民謡「さんさ時雨」に対抗して、宇和島武士が即興で唄ったとされる愛媛県民謡「宇和島さんさ」など。
うんちくを知るとさらに面白さ倍増!の民謡も沢山あるんですよ。
それから、民謡ってけっこう日本全国繋がっているんです。
江戸時代に北前船の船頭さんたちが広めた唄に熊本県の「牛深はいや節」という唄があります。
この牛深はいや節を元に生まれた唄が日本中にあり、例えば長崎県「田助はいや節」、島根県「安来節」、広島県「三原やっさ」、新潟県「佐渡おけさ」、山形県「庄内はえや節」、秋田県「飴売り唄」、青森県「津軽あいや節」「南部あいや節」、北海道「ソーラン節」、宮城県「塩釜甚句」、徳島県「阿波踊り」などなど、約200曲以上あると言われています!
人と人のつながりがあったからこそ生まれた音楽、それが民謡なんですね。とても日本人らしい本当に素敵な音楽です。
今回のせんくらでは、そんな民謡を昔ながらの形でお届けするだけではなく、僕なりにアレンジをしてピアノやバイオリンと演奏したり唄ったりと、皆様に楽しんでいただけるよう色んなことを考えております!
もちろん民謡だけでなく、クラシック音楽やジャズなども演奏する予定ですので、ぜひみなさん会場へいらしてください!
当日、皆様とお会いできることを楽しみにしております!
3日間お付き合いいただき、ありがとうございました。
今年もせんくらを大いに楽しみましょうね!
津軽三味線の浅野祥でした。
さて2日目は津軽三味線についてです!
津軽三味線の歴史は、世界で一番古い3本弦楽器と言われている中近東の「セタール」がシルクロードを通って中国へ渡り「サンシエン」に。琉球貿易の時代にそれが沖縄へ伝わり「三線」、さらにそれが進化しながら青森県まで伝わり生まれたのが「津軽三味線」です。
学術的には、津軽三味線は「リュート属」に属する楽器です。
二十歳の時、津軽三味線の先祖であるリュートと一緒にアルバムを制作するためフランスのリモージュという町へ行きました。そこで僕の2歳上のリュート奏者・トーマと出会いました。彼はクラシカルな音楽はもちろん素晴らしい上に、リュートでどんなジャンルの音楽も奏でていました。クラシック、ジャズ、ロック、パンク、ビートルズにジョニー・キャッシュなどなど。「音楽を心から楽しんでいる」彼の姿が今も鮮明に残っています。僕もトーマくらいの年齢になったら三味線で色んな音楽を弾いてみたい!と、それからたくさんのことにチャレンジをし、まだまだではありますが少しは彼に追いつけたかなと思っている次第です。
そんなトーマとのレコーディングは、日本古謡「さくらさくら」と、リュートのスタンダード歌曲「Flow my tears」をデュオで。その他の曲はヨーロッパ各国のジャズミュージシャンたちも加わってのものでした。
17世紀に建ったというお城でレコーディングをしたのですが、やはり石造りの中ではリュートの音はとても心地よく響きわたります。しかし津軽三味線は、撥のアタック音が強烈に反響してしまい絃のメロディラインがほとんど聴こえないという現象が起きました。そこでアルバムのプロデューサー・大島ミチルさんにも助言をいただき、そのレコーディング中に、皮に撥を叩きつけず絃のみを叩くという新しい奏法を見つけました。
これを津軽じょんから節などの民謡を弾く時に用いると、これまでにないじょんから節の音色に出会うこともできました。本当にあの経験には感謝しています。
この経験から確信したこと。それは音楽や楽器は、生まれた土地とかなり密接な関係性にあるということです!
三味線はやはり、畳にふすま!和室では撥のアタック音の反響もそれほどなく、心地よい響きになるのです。
ちなみにこの時のアルバムは「Believe」
ぜひこんな裏話を想像しながら聴いてみてください。
明日最終日は、「その土地ならではの音楽」日本の民謡について書いてみようと思います。
ぜひ明日もみに来てくださいね。
浅野祥