せんくらブログをご覧の皆さま、こんにちは。津軽三味線の浅野祥です。
今年もせんくらに出演させていただけること、大変光栄でございます!
皆さま、今からもう今年のせんくらが待ち遠しいのではないでしょうか。
今年も豪華なアーティストの皆様がご出演されるということで、20周年へ向けた第一歩を、素晴らしい形で歩み出したせんくらは、改めて多くの方に愛されているフェスティバルなんだなと思いました。
昨年も素敵な時間を過ごさせていただきましたが、今年もそうなる予感!
9月30日(金)はイズミティ21にて、モダンバレエ・佐取純子さんとのコラボレーション公演。
佐取さんとは今回初めてご一緒させていただきます。モダンバレエと津軽三味線の共通点は、創造性でしょうか。
せんくらならではのコラボレーションをお楽しみください。
そして10月1日(土)は日立システムズホールにて、スギテツさんとのコラボ公演。
「もしも日本が鎖国制度をとらなかったら!?」というテーマで、クラシックの名曲と和楽器・津軽三味線の融合をお楽しみいただきます。
昨年はやらなかった新曲も演奏する予定ですので、こちらもぜひチェックしてみてください!
僕も今からワクワクです!
当日、皆さまと会場でお会いできることを楽しみにしております。
ことしは珍しくせんくら2日目は本番がないので、私自身も他公演に足を延ばせるかもと思っています。
せんくらならではの聴きたい公演が多々あり、興味津々です。
3日目、10月2日は「スーパー・ガラ・コンサート」(公演番号【85】)に出演させて頂きます。
ピアノの金子さん、バンドネオンの三浦さんとは面識はあるものの、共演は初めて。
ピアソラも大好きで「ブエノスアイレスの冬」も演奏してみたかった曲です。
お陰さまでまた新たな世界が見れそうでわくわくしています。
それにしてもこれらのプログラムや3つの公演のうち私の希望も叶えて下さったせんくら事務所サイドにも感謝しなければですね!
本当にありがとうございます!
さあせんくら2016まであと3ヶ月と少しですが、今年も素晴らしいフェスティヴァルになりますよう!
皆様とお会い出来、演奏を聴いて頂けるのを楽しみにしています!
P.S.写真は今年5月発売のCDジャケットです。アンダローロとのリサイタルで友人の作品やクロイツェルがカップリングされています。
2010年ライヴ録音 FOCD9705
西江辰郎(ヴァイオリン)
公式サイト:http://homepage3.nifty.com/nishie-tatsuo/
9月30日は午前中の津野田さんとの公演ののち、夜にはせんくら・フェスティバル・ソロイスツ(公演番号【3】)があります。
現仙台フィルのコンマス西本君、そして既に桐朋ソリスト・ディプロマの後輩で仙台育ち、大江君らとヴィヴァルディの協奏曲を共演します。とてもたのしみ。
ルセフや成田君、渡辺さんや川久保さんらとも同じ舞台で、学ぶこと多々ありそうです。
なんだかよく知っている顔ぶれが9割ですが、原田さんや三宅さんとも久しぶりに話したい!
すでに演奏者の中でも会いたい人が沢山ですが・・・・
その前に練習ですね!
きっと盛り上がる公演と思います。どうぞお見逃しなく!
こんにちは。ヴァイオリンの西江辰郎(にしえたつお)です。
今年も仙台クラシックフェスティヴァル出演させて頂けることになり、皆様に演奏を聴いて頂ける事をとても楽しみにしています。
今回は3つの公演に出演させて頂きますが、初日のソロはヴァイオリンとハープのデュオ(公演番号【13】)。
ハープは皆様もなかなか単独で聞く機会の少ない楽器と私は思うのですが、弦楽器の仲間、古くはヴァイオリンの祖先にあたります。
かの有名なストラディヴァリもハープを製作していた時期があり、実はとても音楽的にもヴァイオリンと相性が良く、そこには独特な響きが生まれます。
私自身最近になって初めて気が付きましたが、演奏する側もピアノとのデュオとはまったく違うアプローチが必要になるのです。
その中でも、今回はとりわけヴァイオリンらしさハープらしさ、といった、それぞれの良さを引き出せそうな曲を選んでお届けしたいと思っています。
今回ご一緒下さるのは津野田圭さん。センスの光る包み込む音色のハーピストです。
魔法のかかる瞬間をお見逃しなく!
是非遊びにいらしてください!
せんくら2016最終日(10月2日)はシューベルトのピアノ五重奏曲『ます』を演奏させていただきます。
歌曲のイメージが強いシューベルトですが、実は室内楽曲にこそシューベルトの魅力が詰まった名曲が多いのではないかと思います。
ピアノ三重奏、弦楽三重奏、四重奏、五重奏から管楽器を含めた八重奏まで。
でも演奏時間が長いというのが理由のひとつなのか?あまり演奏する機会がないのは残念です。
ピアノ五重奏『ます』は親しみ易いメロディ、それぞれの楽器がバランス良く活躍することから人気の高い曲です。
さて、今仙台は国際音楽コンクールで盛り上がっている最中かと思います。
仙台に住んでいた頃はあまり気にも止めていませんでしたが、仙台市が『百年の杜づくり行動計画』というネーミングで緑豊かな街創りを目指していた事を思い出しています。
一方で、コンクールから育って行き、国際的に活躍する演奏家をその場限りで終わらせず仙台に呼び続け、市民へレベルの高い生の音楽を提供し続けるのも、長い時間をかけて仙台をより魅力的な街にしていくという意味で同じ取り組みなのかなと考えます。
改めて仙台の素晴らしさを感じます。
音楽家の目標は聴き手に『生きてるって素晴らしい!』と感じて頂けること。
かつて仙台に住んでいた私も仙台の皆さまに音楽を聴いて幸せになって頂けるよう今年もせんくらで精一杯の演奏を披露したいと思います。
せんくら2016の2日目(10月1日)にはチェロ四重奏の公演に出演させていただきます。
楽曲の編成を換えて(アレンジして)演奏することは多く、例えば歌曲『夢のあとに』をチェロとピアノで演奏したり、ベートーベンの交響曲第2番がピアノトリオの編成になったり。
時にはオリジナル版よりも編曲版のほうが有名になっているケースもありますが、ここ最近は特にチェロアンサンブル用のアレンジは増えているようです。
チェロがリズム、ハーモニー、メロディ全てをバランス良く表現でき、低音から高音まで幅広く使うことが出来るからかと思います。
公演で演奏するバッハのアリアやリベルタンゴはお馴染みの曲ですが、チェロ4本ではどのような響きが創り出されるか、既存にとらわれない音楽の幅の広さを楽しんで頂けたらと思います。
せんくらブログをご覧の皆さまこんにちは。チェロの原田哲男です。
今日から三日間、今年出演させて頂く公演の聴きどころなど書かせていただきます。
まず初日(9月30日)のフェスティバルソロイスツから。
この公演の聴きどころは何といっても豪華バイオリニスト達の競演でしょう。
一人一人が強い個性と魅力を発揮しながらも信頼しあい、自由にアンサンブルを創り上げる。60分があっという間というようなエキサイティングな演奏が繰り広げられると思います。
私もその同じ舞台に立つことが出来るとは幸せです。
クラシック音楽に馴染みのない方にもライブ音楽の楽しみを実感して頂けることでしょう。
今からとても楽しみな公演です。
3回目になる今日は、僕と現代曲との関わりについて書きたいと思います。
一般に”現代曲”と聞いただけで、敬遠してしまうお客さまはたくさんいらっしゃるかと思います。と同時に、曲の魅力を伝えるメッセンジャー、すなわち演奏家の努力によって乗り越えることができることも多いと感じています。
僕が中学生だったころのこと、CDショップでメシアン(2回目のブログに一瞬登場)のトゥーランガリラ交響曲を聴いて、最高に興奮して、最後は目に涙を溜めて聴いていたことを思い出します。
さて、今回はその後の時代の作曲家達の話です・・・
僕が現代曲を弾くきっかけは、高校2年生だったころのこと。大好きなジャン=ジャック・カントロフ先生に習いたいと思い、母と一緒にフランスの南西部にある街、シブールとサン・ジャン・ドゥ・リュズで行われたマスタークラスに行きました。
マスタークラスでは課題曲として、ひとつ現代曲を入れなければなりませんでしたので、いちばん分かりやすそうな、そしてネーミングのかっこいい(笑)ルチアーノ・ベリオが作曲した”セクエンツァⅧ”を課題曲に入れました。
全く知らなかったこの曲の楽譜を学校の図書館で調達してからは、興味と興奮冷めやらぬ思いで練習に励む日々。
最初のレッスンで”素晴らしい!教えることはない”とカントロフ先生がおっしゃってくださったことは、良い思い出で今も励みです。
ですから、僕の現代曲への扉はルチアーノ・ベリオでした。それに続くのはパリ留学時代に受けた2つのコンクール(パガニーニ国際コンクール、ロン=ティボー国際コンクール)で取り組んだ2人の現代作曲家、ファビオ・ヴァッキとクラウス・フーバーです。
ファビオ・ヴァッキの曲を夜に勉強机で見ていると、突然ひらめくことがありました。全てのリズムとメロディが、曲の中間部分を堺に鏡の形になっていることに気付き、どうしたらこれをお客さまに伝えられるか・・・と研究したものです。そしてついに、ヴァッキさんにお会いしお伝えしたとき、氏は大興奮して喜んでくれました。特別なつながりを感じました。
クラウス・フーバーさんの曲はIntarsimileという5分ほどの曲です、タイトルからは曲の内容が想像つきませんが、実際に演奏してみると、間のとり方、語彙の豊かさ、詩情あふれるロマンチックな歌が内包されていることに気がつき、心震えたものです。
ご高齢なので会場でお会いすることは出来ませんでしたが、素晴らしい作曲家という存在感は深く刻まれています。
その後、2012年に受けたエリザベートコンクールでヴァイオリン部門の新曲課題を書いた酒井健治さんに出会って、僕の人生は変わりました。
1週間、その新作を勉強しながら作曲家に会いアドヴァイスを受けることができたのですが、健治さんの楽曲には譜面の美しさと、まるで自然界の現象が表現された音世界があり、感銘を受けました。
コンクール後もピアニストの萩原麻未さんと共同で作品委嘱をするなど、現在の僕の音楽人生に益々の彩りを加えてくれています。素晴らしい作曲家との出会いは、宝ですね。
ちなみに、酒井健治さんはパリの国立音楽院の他にジュネーブ音楽院でも勉強されており、当時の彼の師匠は、僕がロン=ティボー国際コンクールで初演したクラウス・フーバー氏のお弟子さんだそうで、時代を超えて脈々と続く音楽の息吹を感じています。
酒井さんは2015年にローマ大賞も受賞され、今年の10月にはフランスを代表する管楽器奏者達で構成される室内合奏団、レ・ヴァン・フランセが新曲を初演するそうです。
彼のよどみない、新鮮できらめきに満ちた音楽が、幅広く多くの方々に聴いていただけることを願っております。そして仙台でもいつか、近い将来に酒井健治さんの楽曲を演奏出来る機会がありますように!と願っています。
少し長くなってしまいました。
ではこの続きは・・・コンサート会場で!
先週の5日には石巻市のお寺、法音寺でカルテットの演奏会でした。曲はオリヴィエ・メシアンの『時の終わりのための四重奏曲』です。
メンバーはピアノの萩原麻未さん クラリネットの吉田誠さん、チェロの横坂源さん、そして僕です。
実はこのメンバーでは去年、福島県のアーク・ノヴァという移動式バルーンの会場で演奏したことがあり、今年の再演を楽しみにし、わくわくしていました。
この曲は全部で8楽章。ヨハネの黙示録のある一節から、メシアンが着想を得て作曲したそうです。
当時ドイツ軍の捕虜で収容所に入れられていたメシアン。音楽だけが頼りだったのでしょうか―。
音楽には、聴き手に解釈を委ねられるという良さがあると思います。物が壊されたり、傷つけられたり、強制されたり、しない。
しかも演奏というものはその時生まれてから一生心に残すことも出来るし、次に弾くときには全く形を変えて演奏できる。
そんな素晴らしい芸術にいつも囲まれて、僕たちは幸せだと思います。
さて、話を戻すと、この曲は敬虔なカトリック信者のメシアンが書いたことよりも、当時の絶望的な状況から、来る恒久的な平和を熱望して書かれた、ということに意義があり、より精神性とドラマ性を高めていると思います。
だからこそ、皆さんを突き動かしてくれるのですね!
それはもちろん、個人個人の感受性によるものなので、常に変わりゆくものですが、それをも受け入れてくれる懐の深さが音楽にはあると思います。
そういえば、演奏中に作曲家の霊を見たことがあります。メシアンにもそのうちお会いできるといいなぁ、なんて思っています。
仙台にやってきたのは、これで何度目になるのだろうか。2013年から仙台国際音楽コンクール、学校訪問演奏会、仙台フィルとの演奏会など、多くの出会いをいただいてきた私にとって、仙台は東北の故郷に近いくらいに、親近感を持って居る都市だ。
仙台・・・仙人の住む都・・・そういえば、コンクールで仙台に着いた時、ホテルのロビーで摩訶不思議な出会いをした。
「チェックインは15時からです。」
参ったな、パリからの飛行機で疲れて一休みしたいのに、これじゃ万事休すだな、と思っていた矢先、フロントの横にあるソファに腰掛けていた一人のおばさんが話しかけてきた。
「あなた、疲れてるみたいね。よい人知っているから、ちょっと待って。」
彼女はおもむろに携帯電話を取り出し、ある男性にかけた。これからすぐその男性が僕らを迎えにくるという。でも、不安な気がしなかった、なぜだろう。空気があたたかいのだ。
10分ほどすると、ロビーの下で、グレーの4人乗りの車が待っていた。男性は軽く会釈し、僕も頭を下げると、みんなで車に乗り込んだ。
移動中は特に何も話さず、しーんとしていた、しかし居心地がよい。
―連れ去られるのかな、拉致かな、危ないのかな― 全くそういう感じではない。
仙台市が見渡せるくらいの丘の上に着くと、そこは仏舎利といって、仏様が塔のような建物にいっぱいいた。僕は風が気持ちよいので、丘の端っこの、岩がせり出している斜面の手前にあぐらをかいて、深呼吸した。
30分ほどたった。自分がどこにいるのか、なぜいるのか、などはどうでもよいことだった、とても爽快な気分だった。
その後、車でおりていくときに男性が
「おなかがすいたでしょう、仙台で一番おいしいそばが食べられるところがあってね、寄って行こうか?」
と誘ってくれた。
「はい。」
と僕は答えていた。
そばが来ると、夢中で頬張った。なぜか涙が出てきた。その後、車でこう尋ねられた。
「そういえば 君の名前は?」
「成田達輝です。」
「なるほどね。」
・・・とても新鮮な感覚だった。名前なんて人同士を区別するためのもの、あって、ないようなものなのかもしれない。
そして、
「君のオーラの色は紫とオレンジだね。何か芸術関係でもやっているの?」
「はい、ヴァイオリンをやっていて、仙台国際音楽コンクールっていうのがあって、この後出場するんです。」
「ほう、じゃあ頑張ってね。そうだ、僕の名刺、これあげるよ。もう1枚しかないんだけど。」
その名刺は虹色の暖かい光に包まれていて、触ると熱かった。
「これを持っておけば、大丈夫。気を送ってあげるから。」
そう言って、ホテルのロビーで、何事もなかったのように、お別れをして、帰った。
夕食を食べた後、ドラッグストアに寄って、疲れが取れるからと思いバスソルトを買った。
そのラベンダーのバスソルトが、オレンジ色だったことは、もはや言うまでもないだろう。。。