私のブログ担当も最終日になりました。
今日は2012年に初めて経験し、今も続いているある演奏活動(?)についてお話しします。
今年の4月にも、NHK「バレエの饗宴」に参加しました。
これは年に一度、日本のトップダンス・グループを集め、NHKテレビで全国放送もされる大きなバレエの演奏会です。
この「バレエの饗宴」、2012年の第1回にNoism1の「Solo for 2」でバッハの無伴奏を舞台上で(舞台下のピットではなく)共演したのがきっかけとなり、昨年はNoism1の「supernova(新作)」で黛敏郎のヴァイオリン協奏曲、今年は谷桃子バレエ団の「オセロー」(新作)でシュニトケの合奏協奏曲の第1番、スターダンサーズ・バレエ団の「リラの園」でショーソンの詩曲も演奏しました。
そのほかにも、新国立バレエ団の「Solo for 2」、Noism1の米国ワシントンDCのケネディ・センターでの公演でもバッハの無伴奏で共演しました。
20世紀のバレエの巨匠、バランシンは「バレエではまず音楽ありき、音楽に踊りを合わせていく」というようなことを言っていますが、現実にはダンサーに音楽が合わせていることが多く、生演奏の魅力の一つであるべき即興的なテンポの変化や微妙な表現の揺らぎも、ままなりません。
実際、それが私にとっては「非」音楽的と感じられてストレスがたまることも多く、リハーサル中に投げ出したくなることも一度や二度ではないのです。
では、なぜ繰り返しバレエとの共演に挑戦するのかと考えると、やはり最終的にはダンサーの要求に答えながらも、音楽的な意味合いや魅力を自分の演奏の中で失わない、その微妙な緊張バランスを自分の中に見つけることで、作品の新しい魅力を同時に見いだせると感じているからだと思っています。
7月2日、Noismの新作、劇的舞踏「ラ・バヤデール」を横浜のKAATへ観に行きました。シンプルで印象的な舞台装置と素晴らしい踊り、そしてISSEY MIYAKEの衣装も機能的で美しく、バヤデールの古典バレエそのものを観たことがない私には、音楽を聴きながら想像が膨らみました。再構成されて挿入された3人の俳優による台詞は、「音楽と踊りがすべてを語っている」と強く信じる私には不必要に思われましたが、異なる形態の芸術を組み合わせている舞台は、とても良い刺激になりました。
これでしばらくお別れですが、私の
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秋に仙台で皆様にお会いできることを楽しみにしています。
先日、イタリアのスーパースター・ピアニスト兼作曲家のGiovanni Alleviさんのコンサートを、浜離宮ホールへ聴きに行きました。
アレヴィさんとは、2013年にイタリアのラヴェンナとミラノで、彼のヴァイオリン協奏曲を彼自身の指揮で共演して以来のご縁で、毎年一度は演奏会を聴きに行っています。
昨年もミラノで、偶然私の滞在中に演奏会があり、招待していただきました。
日本にもこの3年、毎年来日されていますが、イタリアでは何千人も入る大きな会場をいつもいっぱいにしてしまう国民的スーパーピアニストです。
彼のヴァイオリン協奏曲は技巧的な華やかさも十分にありますし、何といってもイタリア的な抒情的な美しさが随所にあって、聴いていて素直に楽しめる協奏曲。
精神性を追求した前衛的な現代作品を演奏していくことも大切ですが、現代の作曲家と聴衆の乖離の問題を考えるとき、アレヴィさんの曲のように心に素直に入ってくる作品を演奏することも大切なのではないかと最近は感じています。
いつか皆さんに聴いていただく機会が来ると嬉しいですね。
今日から3日間、ブログを担当するヴァイオリンの渡辺玲子です。
昨年に続き、今秋もせんくらに参加できることを、とても楽しみにしています。
9月30日のフェスティバル・ソロイスツ、10月1日午前中の公演ではギターの巨匠・福田進一さんとの室内楽、そして午後はピアニスト青柳晋さんとのリサイタルで、計3公演で演奏します。どれも音楽祭という場にふさわしい豪華なプログラムです。
多くの皆さんと会場でお会いできることを願っています。
さて、このブログでは最近の私の活動を少しご紹介したいと思います。
先月はサントリーホール主催の室内楽の祭典、「チェンバーミュージック・ガーデン」に参加しました。これは毎年6月に数週間に亘って行われる室内楽のフェスティバルで、プロのカルテットの演奏会は勿論のこと、サントリーホールのアカデミーの学生も、ベテランの演奏家や巨匠と混じって、多彩なプログラムを演奏します。
私は2013年から「車いす使用者のためのスペシャルコンサート」のプログラム企画と演奏を受け持っていて、4回目の今回は、池田菊衛さん(ヴァイオリン)、磯村和英さん(ヴィオラ)、堤剛さん(チェロ)、大萩康司さん(ギター)にご参加いただいて、バルトークやショスタコーヴィチ、メキシコの現代作曲家アングロなどの作品を含む、ユニークな1時間のプログラムを演奏しました。嬉しいことに聴いてくださる参加者も年々増加していて、今回は60名の車いす使用者と付き添いの方々が来場、ホールがいっぱいになりました。
最後のボッケリーニの有名なスペインの舞曲「ファンダンゴ」では、リズムに乗って手をたたく子どももいて、生の音楽を楽しんでもらえたようです。これも完全にバリアフリーになるサントリーのブルーローズの特徴を生かした企画であり、30周年を迎えるサントリーホールの重要な役割の一つとして、これからも続いていってほしいと思います。
尚、一般の方々に向けては、別の日に同じメンバーで、プログラムを少し変えて演奏しました。
ブログ最終日は、長年趣味として楽しませて頂いている写真について書きたいと思います。
スペインにいる間使ったカメラは1920年代ドイツで発売された二眼レフの元祖であるローライフレックスですが、シャッタースピードや光加減の調節などがとても難しいフィルムカメラです。
使い始めてあまり時間が経っていないので慣れていないのと、二眼レフのため画面に見えるのと実際の写りに差があることなども難しく感じる要因です。
長い間ずっとデジタルカメラやスマートフォンで撮っていたため、その便利さに慣れていましたが、ローライフレックスを使い始めてまた久しぶりにフィルムカメラの魅力にどっぷりハマりました。
まず一番の魅力はフィルムを預けて出来上がるまでの待ち時間がとてもワクワクすることです。デジタルカメラの時忘れていた「待つ」ということを改めてしてみて、その間の感情も貴重なものなんだと思いました。
そして2つ目は、全ての機能を手動で設定することです。とても難しい反面、一枚一枚いろんなことを考えて撮るため、全ての写真が記憶にちゃんと残ります。
何十枚も撮ってその中から選ぶのではなく、できる限り良い写真を撮るため時間と手間をかけることに、演奏することとの共通点を感じます。
写真も演奏もさらに手間をかけて、共に成長できればと思います。
3日間ブログを読んでくださり、ありがとうございました!
せんくらでお会いできることを楽しみにしています。
こんにちは。朴葵姫です。
今日はアリカンテにいる間旅したスペインの町の中で、あまり日本では知られていない2つの町を紹介させて頂きたいと思います。
まず1つ目は、Campo de Criptana という小さな田舎町です。ここに行った理由はただ1つ、風車を見るためです。
スペインでは風車の有名な町がいくつかあるのですが、Campo de Criptanaはその中で一番知られていない小さな町です。
駅について風車があるところまで約40分くらい(迷いながら)歩いてやっと実物を見てその瞬間、わぁーーと実際に声を出してしまうくらい感動しました。真っ白で可愛い形をした風車が丘の上に並んでいて、想像以上の大きさにとても驚きました。実は、辿り着くまでの道がかなり大変だったので旅行地を間違えたのでは、、?という気持ちにもなりましたが、芝生と風車と雲と空の色がきれいに合わさった風景を見た瞬間、大変だった道のりは一瞬で忘れました。
次にお話させて頂きたいところは、Altea という町です。
私がこの町について知ったのはアリカンテに留学に行ってからでしたが、近くを旅したいと思い、アリカンテ周辺の地図を見て偶然見つけた場所です。
その後調べてみると、スペインのサントリーニと呼ばれる町で、多くの北欧の人たちが観光に来る町だそうです。
アリカンテからバスに乗り約1時間半でたどり着いて、半日間その町を歩き回りましたが、スペインのサントリーニと呼ばれる通り、真っ青な海と丘の上に並んでる白い家々がとても美しい町でした。
今日紹介させて頂いた2つの町は何度でもまた訪ねたい町です。あまり知られていない場所ではありますが、皆様もスペインに行かれる際に寄ってみてはいかがでしょうか?
有名なバルセロナやマドリードとはまた違うスペインの田舎の景色を楽しめる場所だと思います。
今年初めてせんくらに参加させていただきますギタリストの朴葵姫です。
私は今年の1月から6ヶ月間スペインのアリカンテという町(バレンシアから南に約100km)で留学をしてきました。
スペインでいつか住んでみたいと、長い間ずっと夢見ていたので、この6ヶ月間はまさに夢のような日々でした。
私が勉強していた学校は、アリカンテ大学で4年前に開設したギター修士課程で、6ヶ月間たくさんのマエストロに様々な時代と様式について学びます。各時代別はもちろんのこと、他にも基礎指揮法、身体学、編曲法、室内楽、そして論文まで、6ヶ月間ぎゅっと中身の詰まった勉強をさせていただきました。
生徒は全員で14人、様々な国から集まった人たちが1つの寮で一緒に暮らします。私は寮生活の経験がないため、アリカンテに行くまですごく心配していましたが、生徒の仲間たち皆とても優しくてすぐに仲良くなりました。
授業のない日は練習の他に大好きな旅と写真を撮ることを堪能しました。アリカンテの隅々まで歩いたり、地中海を眺めながらビールを飲んだり、友達とスペインバルに行ったり、寮でパーティをしたり。。。
全てが楽しい思い出なので、いつまでも記憶にくっきり残りそうです。
ということで、明日、明後日は旅と写真についてお話させていただきたいと思います。
先日、6月28日は福島市で「ふくしま未来芸術創造アカデミー」さまのお招きで地元の音楽家の皆さんたちと小学校で演奏してきました。
最初にチェンバーのステージ。
いつもやっているスクールコンサートのプログラムをショートバージョンで。
とても音楽が好きな子どもたちで、演奏以外の時はちょっとざわついても音楽が始めると一瞬でしーんとなります。
恒例のボディパーカッションや指揮者コーナーも大盛り上がり。
そして、後半は福島の音楽家の皆さんのステージ。
チェンバーのメンバーも何曲か共演です。
最後は全員で校歌とアンコールを。
チェンバーの編成で他の演奏家の方とご一緒することは滅多にないのでエキサイティングな経験でした!
仙台チェンバーアンサンブル、クラリネットの叶です。
7月3日は宮城県北の登米市東和町米谷(まいや)にある「不老仙館」で演奏させていただきます。
その登米市にある不老仙館はこんなところ(登米市のホームページより)
ここで90分の公演をします。
予約するとお茶席もある、ということで是非おすすめです!
日曜日のドライブにいかがですか?
三陸自動車道、登米東和インターからすぐ。
一つ手前の登米インターは有名な「尋常小学校跡」などもありいいところですよ!
こんにちは。仙台チェンバーアンサンブル、クラリネットの叶光徳です。
昨年に引き続き、「せんくら」に出演させていただくことが決まり、とても嬉しいです。
昨年は「0歳からのコンサート」ということで演奏の様子がNHKのニュースや「日本クラシック音楽事業者協会」さまのホームページで紹介していただいたりと、大きな反響をいただきました。
そして、今年もまた「0歳からのコンサート」です。
でも、今年のチェンバーは大きな違いがあります。
実は昨年のせんくら以降、メンバーが二人出産しました!
ソプラノの勝又久美子さんとフルートの渡辺珠希さんです。チェンバーにもママが増え、当日会場にいらっしゃるお母さんたちと一緒に盛り上げようと思います。
仙台チェンバーアンサンブル
ブログも最終日となりました。
そこで今回はハーモニカの呼吸法について少しお話をしたいと思います。
人間は息を吐いたり吸ったりして呼吸をしています。その呼吸の仕方を用いて音を出すのがハーモニカです。
では人間の呼吸はいかがでしょうか。寝息を聞いているとわかりますが、吸う息はいわばピアニシモからクレッシェンドのように広がるのに、吐く息はアクセント気味に一気に吐き出します。
このように凸凹になっている呼吸でハーモニカを演奏しますと、出てくる音も凸凹になります。
それでは他の楽器の方々とのアンサンブルは難しいでしょう。
ですから横隔膜と肋骨の連動した動きをコントロールして吹き吸いを一定にして音を作らなければなりません。
これがとても難しい作業なのです。
今回のようにアンサンブルの場合、皆さんと呼吸を合わせるのに、息を吸ってから吐く息のタイミングで合わせます。
これらはとても自然のことだと思います。
しかしハーモニカは最初の音が吹く音とは限りません。吸う音から始まる時に、直前に息を吸ってしまうと苦しくなります。その場合は吸ったふりをするのです。 不自然ですが。
会場にお越しの皆様にはこのようなハーモニカの特性や苦労?を少しご理解していただいて、演奏を聴いていただけたら、楽しみも倍増するかと思います。
3日間に亘りありがとうございました。
皆様と素敵な時間と空間を作り上げられたらと願っております。