【健康法】
今年の個人的テーマは、「健康を作る」。
早寝。早起き。朝勉強。週3で何とか時間を作ってジムにいく。姿勢をよくする。
普段チェロばかり弾いているので、どうしても姿勢に偏りが出てきてしまいます。
自宅の近くのジムはありがたいことに、夜遅くまで開いているので車の中にはジムセットを必ず入れておいて隙間時間にだだっと駆け込んでプールで泳いだり。
旅先で泳ぐのはなかなか難しいので、歩きやすいスニーカーをキャリーの中に必ず入れてます。
せんくら期間も、仙台の街を元気に歩きたいと思います!!
さてさて、3回にわたったせんくらブログ、本日で最後です。
今年はオープニング・ガラ、日本ギター界の至宝福田進一さんとの共演、そしてチェロ・カルテットと3公演に出演し、大好きな仙台を、音楽で埋め尽くしたいと思います。
是非聴きにいらしてくださいね!!仙台でお会いしましょう!!
【リラックス法】
眠る前に本を読むことでしょうか。
ヒートアップした頭を休ませながらリラックスするのは、最も好きな時間です。
読む本は音楽にまつわる本、あるいはエッセイか実用書が多いですね。
最近は尊敬するチェリストのピアティゴルスキーの自伝「チェロとわたし」、とても興味深く読みました。
そんな時はやはり音楽を聞きながら読むのが好きです。
ジルベルトか福山雅治、クラシックならツィメルマンのピアノも好きですし、グールドのブラームスのインテルメッツォは得も言えぬ美しさ。
ハイフェッツの凛とした優美さ、それからクライスラーの哀愁漂う音色と洒脱な歌いまわしも大好きです。
AppleMusicでオススメされるまま聞くのも、新しい演奏に出会えて楽しい時間です。
そして一番欠かせないのは、膝に乗ってくる、きなことすばる(我が家のネコちゃんたち)。
彼らと一緒に好きな音楽を聞きながら読書すること。これ最高に幸せ!!
なでると、きなこはツヤツヤ、すばるはふわふわで気持ちいいんだな、これが^^
本と音楽と、ねこ。これが一番のリラックス法。
こんにちは!!今年もまた仙台の皆さんに会えることをとても楽しみにしているチェロの長谷川陽子です。
どこまで続くか?!皆勤賞!
これも全て毎年楽しみに私の音を聞きに来てくださる、お客様のおかげ。心から感謝でいっぱいです!
今年も皆様に喜んでいただけるよう、さらにパワーアップして心を込めて音を紡いでいきたいと思います。
さて今日から3日間せんくらブログお当番。よろしくお付き合いくださいませ。
今年は【私の集中法】、【リラックス法】そして【健康法】を一日ずつ公開したいと思います。
初日は、集中法。
練習室に入って一番最初にすること。お香を焚く。お香の香りの中、ストレッチをし、松脂を塗ると少しずつエンジンがかかってきます。
午前は頭を多く使う曲、例えば譜読みなどから始めて、体が温まってきたら、直近の本番の曲を流していきます。最後は本番弾き。がっつり通しです。
一番の集中法は、一度かけたエンジンは簡単には切らないこと。
何度もエンジンをかけ直すのは意外と大変。
最近の練習方法は、朝からずっとほぼ休憩ナシです!
当然のことながらホールによって音響は異なります。
長い残響や短いもの、音が増幅されるように聞こえることもあれば、いまひとつ自分の音が届いていないように思えてしまう場合もあります。
前回書かせて頂いた無伴奏のレパートリーには豊かな響きの会場が適しているのかもしれません。
一方、残響の長さによって演奏するテンポも大きく影響を受けます。
長い残響の場合はテンポをやや抑え気味でスタッカートなどもより意識した奏法を心がけます。もちろん時には長い残響の中、高速なテンポでわざと音と残響をかぶせるように奏する場合もありますが・・・・・。
今回の「せんくら」も3日間、それぞれ異なった会場で弾かせて頂きます。皆様にお目にかかれますこと、心より楽しみにしております。
私はこのところ無伴奏のレパートリーに多く取り組んでいます。
イザイの無伴奏ソナタやパガニーニの作品など、頻繁にコンサートの演目として入れています。そして無論、バッハの無伴奏ソナタとパルティータは生涯を通して究めていかなければならない作品でしょう。
この9月、紀尾井ホールにて行う「ソナタシリーズ2016」は自分にとってとても大きな意味を持つものとなります。
バッハ:パルティータ1番を演奏し、漸くヴァイオリン音楽の最高峰とも言うべき全6曲を制覇したことになります。
細かなモチーフを様々な表情で描く、試行錯誤の日々を送っています。
いつか全曲を演奏するコンサートを開いてみたいものです。
まだまだ暑い日が続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今年も「せんくら」の季節が近づいて参りました。
私にとって「せんくら」出演は今年で節目の5回目となります。
毎年感じていることなのですが、暑い夏をいかに過ごすかが、音楽家にとって活動を続けて行く重要なテーマだと思います。それまでのたまった疲労をとりつつ、来たるべきシーズンに向けての準備を行います。
8月はここ数年来恒例の八ヶ岳でのセミナーに参加しました。若い受講生の皆さんにレッスンをしながら自分も新たなレパートリーの練習をするとても充実した時間でした。
それにしてもレッスンとは難しいものだなと感じてしまいます。
自分では感覚的にできていることも言葉として分かり易く伝えなければならない。
でもこれは自分にとっても多くのことを学習できる貴重な時間なのかもしれません。
せんくらブログをごらんのみなさん、グリュース・ゴット。
カウンターテナー藤木大地のラスト・デイです。さみしいですかー?
きょうは、兵庫県立芸術文化センターからお届けします。
文章を書くことが好きなわたくしは、なにをかくそう2009年くらいからブログをやっておりまして、まぁまぁ熱心に更新していたのだけれど、2015年くらいになんかサーバーのなんとかで更新ができなくなりまして、そのブログはインターネットの大海原にそのまま取り残されている状態であります。
なので、ブログを書くのは久しぶりです。あぁ、たのしい。
ありがとう、仙台クラシックフェスティバル、略してせんくら。
最終日は、わたくしの最近の演奏活動についてご紹介させていただこうと思います。
7月は、ずっと兵庫県におりました。冒頭の兵庫県立芸術文化センターで、佐渡裕さんのプロデュースオペラ、ベンジャミン・ブリテンの「夏の夜の夢」にオベロン役で主演しました。
オペラ公演は時間的にも長旅で、東京で3週間、兵庫で3週間のリハーサル、そして公演期間が10日間。事前音楽リハーサルの期間を入れたら、1年間のうち、3か月ほどをこの公演に捧げました。
兵庫のホテルにはなんと31泊!仲間やスタッフのみなさんに恵まれ、本当に充実した時間を過ごしました。
そんな兵庫県とのご縁はこれからも続き、9月からは神戸新聞「随想」欄に3か月ほどエッセイを連載します。(みてね)
8月には、東京のHakuju Hallで「Hakuju ギター・フェスタ」に出演しました。荘村清志さん、福田進一さん(せんくらでもおなじみですね!)という、ギターの巨匠おふたりが親しかった武満徹さんの歌曲での共演は、本当に本当に得難い経験となりました。
「この曲はなー、黒澤明さんの映画の音楽を武満さんが担当したときにできた曲なんやでー、武満さんは飲み会でこう言っててなー」という、雲の上の上の宇宙の上くらいのエピソードの数々、なんぼはろても買えませんから!
武満徹さんの魂の宿った歌曲は本当に大好きで、またいつでもどこでもうたいたい。(よんでね)
2008年に留学をして、それからも海外での演奏活動の拠点としているウィーンでは、2017年4月に念願のウィーン国立歌劇場にデビューをすることになっています。
演目は、現代に生きる作曲家アリベルト・ライマンの「メデア」。2010年にウィーン国立歌劇場がライマン氏に委嘱初演した作品で、生まれてたった6、7年の新しいオペラです。そのオペラが初演され、音楽史とともにあり続ける世界のオペラの殿堂で演じる。こんな光栄なことがあるのか!と武者震いします。
そのほか、2016年から2017年にかけては、東京での「第九」、福岡での「メサイア」、名古屋、福島、東京、大阪、京都でのリサイタルやコンサートやオペラ、または放送での演奏など、けっこうあちこちに登場します。
もしみなさんのお近くに伺うことがあれば、ぜひ聴きにきてくださいね。(きてね)
わたくしの音楽活動に関する発信はオフィシャルフェイスブック(www.facebook.com/daichifujikiofficial/)でやっていますので、よろしかったら「いいね!」してフォローしてみてください。(いいね)
「聴衆なしには、われわれは何者でもない」
ドイツの演出家、ユルゲン・フリムの言葉です。
それぞれが信じて追い求める芸術があったとして、それをみなさんに聴いていただいてこそ、われわれは演奏家であることができます。ですので、せっかくの機会にいろいろなご案内をさせていただきました。
さぁ、素晴らしい共演者と素晴らしいプログラムでお送りするせんくら!
10月1日13:15「歌ガラ」 with 加藤昌則さん and 歌手のみなさん!
10月2日16:00「詩人の恋」with 鈴木優人さん!
10月2日19:45「第九」with 高関健さん、仙台フィルandせんくら合唱団!
たのしみです!
では、仙台でお会いしましょう!(またね)
せんくらブログをごらんのみなさん、ボンジョルノ。
カウンターテナー藤木大地のセカンド・デイです。
きょうは、京都・清水の舞台からお届けします。
きのうからブログを担当しているこのフジキダイチはどうやらカウンターテナーらしいが、そもそも「カウンターテナー」ってなんなんだ?カウンターパンチかカウンターテーブルの仲間なのか?とお思いのみなさんが、38パーセントくらいはいらっしゃるのではないでしょうか?
お答えしましょう。
「裏声でうたをうたう男性歌手。」
これがカウンターテナーです。
きっと名だたる文献や専門家による研究レポートにはもっとアカデミックで厳密で詳しいことが書いてあるでしょう。歴史的・学術的・医学的な話は、そういう本や研究にお任せしたいと思います。ウィキペディア先生やグーグル先生たちも、論文に使える精度の情報でなくとも、なにかヒントをくれるかもしれません。
でもね、そのカウンターテナーを職業にしているわたくしは、難しく考えず、さっきのようにシンプルに定義したい。そして、カウンターテナーの声は決して「特別で特殊で貴重で稀有な声」ではないのです。
カウンターテナー、それは奇跡の声!
カウンターテナー、世界に10人くらいしかいない貴重な声!
カウンターテナー、日本には何人かしかいない珍しい存在!
カウンターテナー、男性の喉で出す特殊な女性の声!
カウンターテナー、あぁ、いとしのカウンターテナー!(←ありがとう)
これ、世間で割とみかける、スタンダードなカウンターテナーの説明文です。
声を大にして言いたい。
ごめんなさい、だいたい違います。
少なくともわたくしがやっていることは、特殊なことではありません。
自分の声帯という楽器を使って、自分の音楽を表現する。
これが声楽。ていうか、うた。
わたくしの場合、みんなが持っている「裏声」を自分の楽器として使っているだけなのです。声楽です。うたです。みんなと一緒です。
たしかに、カウンターテナーは古い音楽を歌うひとだ、という認識もあるでしょう。ソプラノやテノールに比べたら人口が少ないのも間違いないでしょう。音域的には、アルトや、場合によってはソプラノのパートをうたうから、女性の声、というイメージもあるかもしれません。せんくらでは「第九」のアルトソロパートを担当します。
過去にはたとえば、フォーレの「レクイエム」のソプラノソロパートを歌ったこともあります。
でもね、男の声帯を使った、正真正銘、男の声なんだな。
奇跡でもなんでもない、訓練された声です。声楽家はみんな訓練しています。その結果すこしずつ磨かれる声だし、技術だし、演奏なのです。
ひとにもよるけれど、わたくしはルネサンスやバロック以外の時代の音楽をむしろたくさんうたうし(せんくらではシューマンの「詩人の恋」!)、海外にも日本にも、カウンターテナーはどんどん増えてきていますよ。
時代は2016年、もう貴重とも稀少とも言えないと思います。
そんなわたくしの裏声と地声を確かめたい方は、コンサート会場でわたくしのうたと、貴重なトークをきいてくださいね。フツーの声です。
さて、きょうのブログで何回「カウンターテナー」と書いたでしょう??
裏声でうたをうたう男性歌手。
いとしのカウンターテナー、藤木大地がお届けいたしました。
藤木大地(カウンターテナー)
せんくらブログをごらんのみなさん、こんにちは。
カウンターテナーの藤木大地(初)です。
きょうは、ウィーンのオペラ座の窓からお届けします。
18歳のころ、鈍行列車に乗って仙台をはじめて訪れました。
大学進学で上京したてだった、ネイティブ宮崎ボーイのわたくし(18)は、時間だけはたっぷりあったので、「青春18きっぷ」を買って上野発の始発列車で仙台を目指しました。
何回も乗り換えをして昼過ぎに着いた、生まれてはじめて訪れる東北の都市・仙台。仙台出身の同級生に、当時120文字くらいがマックスだったケータイのメールで牛タンのオススメのお店をきいて、街にランチに繰り出しました。
それまで、ちょっと薄めの牛タンしか知らなかったわたくしは、なんともぶあつい肉の塊と、透き通るテールスープと、麦トロロごはんによって、大人の階段をひとつのぼったのでした。
牛タンを食べただけの日帰り仙台旅行。帰りは、鈍行の長旅に心が折れて、特急で笹かまを食べながら東京に帰りました。
ところで出身地をきかれて「ミヤザキです!」と答えると、「あ〜東北の!」と言われる確率が、かつてはときどきありました。そんな歴史も、わたくしにミヤギへの親近感を与え続けています。
刻は移り、その宮崎人の宮城との物語は、ことしの「せんくら」初登場によって第2幕に突入するのであります。年齢だけはまーまーな大人になったわたくし(36)は、往路から新幹線で目指せるようです。(わーい)
せんくら初登場の今回は、「詩人の恋」、「歌ガラ(で「フィガロの結婚」のケルビーノなどを担当)」、「第九(でアルトを担当)」、の3公演でお目にかかります。
カウンターテナーが「詩人の恋」を演るのは、もしかしたら日本でははじめてかもしれません。
大好きなテノール歌手のフリッツ・ヴンダーリッヒがこの世を去ったのが、36歳のとき。彼の遺した、音楽界の宝のような「詩人の恋」の録音に触れて、CDがすり減るほど聴いていたのは、奇しくも仙台をはじめて訪れた18歳のときでした。
わたくしにとっては、どれだけ追いかけても届かない憧れの歌手のひとりだけれど、彼が亡くなった年齢についに達した今年のうちに、「詩人の恋」に向き合ってみたかった。
各地での共演を重ねて、最近は「盟友」とも書いてもらえるようになった鈴木優人さんとのデュオで、18年ぶりの仙台で聴いていただけるのがうれしいです。
美しい10月に、杜の都でお会いしましょう。
ブログはあしたに続きます。
せんくらブログをご覧のみなさま、作曲家の吉川和夫です。
今年2016年は、宮澤賢治生誕120年にあたります。そのため、最近はいつもよりも賢治について語られることが多いように思います。
「銀河鉄道の夜」や「風の又三郎」、「セロ弾きのゴーシュ」など、宮澤賢治が書いたたくさんの童話や詩は、書籍で読まれるだけでなく、絵本や朗読、演劇や映像、オペラなど様々にかたちで親しまれてきました。
賢治作品を上演し続けている団体に、山形を拠点に活動する合唱団じゃがいもがあります。
合唱団じゃがいもには幅広い年齢のメンバーが所属しているので、直立して歌うだけでなく、多少の演劇的動きをつけた合唱劇として作り上げることで、メンバーそれぞれの個性を生かしています。
つい先日は、レパートリーである合唱劇「銀河鉄道の夜」(吉川和夫作曲)を仙台市天文台プラネタリウムで、星座を投影しながら上演するという取り組みを成功させました。実際に天の川を投影しながら物語を追うと、賢治が天文学や博物学に関する正しい知識をいかに豊富に持っていたか、あらためて驚かされました。
合唱劇「銀河鉄道の夜」は、2014年の「せんくら・うた劇場」で上演した作品の基となるものです。合唱団じゃがいものこのような作品作りは、「せんくら・うた劇場」に大いに示唆を与えています。
さて今年の「せんくら・うた劇場」は、「ポラーノの広場」を取り上げることになりました。これは賢治作品の中でも、少々不思議な味わいを持っていて、モーリオ市(エスペラントでいう盛岡市)の博物局に勤める前十七等官レオーノ・キューストという人が書いたものを賢治が訳した物語というかたちをとっています。
少年ファゼーロがキューストとともに、昔ばなしだけれどこのごろまたあるらしい「ポラーノの広場」を探しにいきます。そこには、「オーケストラでもお酒でもなんでもある、そこへ行くと誰でも上手に歌えるようになる」というのです。
ところが、つめくさのあかりの数を数えながら、やっとのことでたどりついた「ポラーノの広場」は…。ファゼーロたちは、果たして本当の「ポラーノの広場」を見つけることができるのでしょうか。
中村優子さん、髙山圭子さん、原田博之さん、草刈伸明さん、そしてピアノは倉戸テルさんという素晴らしい音楽家たちとともに、私も「ポラーノの広場」を探しに出かけます。皆さんもご一緒にいらっしゃいませんか!
せんくら・うた劇場(吉川和夫)