藤原真理(2)

2008.08.18| 藤原真理

何もしないことが旅の目的であったリノの9日間は、友人の下宿「やまだ荘」到着の初日夜に、すでに怪しくなった。数年前にアメリカ西海岸のスキー旅をした折に同行してくれた在リノの知人が、やまだ荘にフラーと遊びに来て、「あのホテルの食堂のお魚料理は抜群だったねー!」といったのがきっかけだった。失礼ながら、アメリカの食事は、いつどこでも最高というわけにはいかない。お腹が空いていれば、ソコソコのものでも「おいしい、うん、おいしい!」と食べて満足しているが、「これは何?」というほどの吹っ飛んだおいしさは滅多にない。私達のスキー・グループのうち一人だけはお肉を選んだが、あとはランチの分厚いハンバーガーの反動もあってお魚料理を選んだ。2,3種類ある魚のどれもが、唸るばかりの美味、滋味あふれた作品だった。

私は元来、いつ、どこそこで、何を演奏したという事柄はほとんど覚えていないが、味については別だ。絶妙なおいしさを思い出して、友人ともどもしばし無言になった。何といっても夏休みで時間はある。車で5,6時間だし、ブラーッと晩御飯を食べに行ってみようかという友人の言葉につられた。3日後の週末の朝にのんびりと必要道具を車に積み込んだ・私はデッキチェアで寝転んでいたが・。友人は、使うかどうかも分からないバーベキュー道具一式から、もしかしたらまだ残雪で滑ることが出来るかもしれないと、スキー道具一式なども積み込み、私は残雪スキーときいて目が輝いた。運転手伝いとして、何事にも興味津々の留学生の一人も参加、合計3人で出発した。ちなみに、6月下旬でもリノは乾き、暑さは格別、30度は簡単に突破する。クーラーがない車での移動だが、義務が何もないので、何がどうなっても楽しい。道中は、せっかくだからと観光スポットで休憩しつつ、めでたく夜20時にはホテルの食堂に座っていた。場所はマンモス・マウンテンという、スキー場にある宿で、マンモス・マウンテン・インといいます。えっ、味はどうだったって?これ見よがしではない絶妙なおいしさは変わっていなくて、最高のひとときでした。シェフはシェフ・ココスといいます。近くまでお出かけの際は、是非お勧めです。

松下功(2)

2008.08.18| 松下功

さて、今日は東風のメンバーを簡単に紹介しましょう。

 

今回はどうしても日程が合わず、エキストラも参加していますが、目下メンバーは17名です。
Fluteは、姫本さやかさん。東風の会計担当でもあり、美しい音を出す奏者です。結成当初からのメンバーですが、今回は二人目のお子さんの出産時期にぶつかり、残念ながら仙台には来られません。代わりにいつもエキストラをお願いしている多久潤一郎さんが参加します。
Oboeは、中江暁子さん。姫本さんが産休の間、会計を担当しています。彼女は、2005年のバンコク公演からの参加。最初の練習から皆とぴったりと息が合い、アンサンブルの要を担ってくれています。
Clarinetは、目下不在です。今回は横田揺子さんが出演します。
Bassoonは、功刀貴子さん。バロック・バスーンも演奏し、実にレパートリーも広い、チャーミングな女性。今回は、バロックの仕事と重なって、残念ながらエキストラ常連の依田晃宣さんが出演します。
Hornは、堂山敦史さん。東京藝大フィルハーモニアのメンバーでもあり、その演奏テクニックは定評があります。彼の爽やかな音をお楽しみ下さい。今回は、愛車BMWで仙台に来るそうです。
Trumpetは、平井志郎さん。彼もバロック・トランペットの名手で、幅広いジャンルで活躍しています。昨年、お寺で演奏したメサイヤの演奏は見事でした。
Trombone は、加藤直明さん。最近、男の子が産まれ、幸せ一杯なカトちゃん。奥さんもトロンボーン奏者で、お子さんも将来は吹くのかな?東風の宴会隊長で、幹事が愛称です。カトちゃんは、低音の魅力・・・です。
Percussionは、稲野珠緒さん。お料理上手なタマちゃんは、マルチパーカッション奏者。この数年は、作曲家タン・ドゥンのTeaの演奏で世界中を飛び回っています。しなやかな動きをご覧下さい。
Pianoは、及川夕美さん。ヨーロッパに留学予定が、突然アジアに魅せられ、各地を訪問しています。タイ語、中国語も勉強したそうです。ご主人は、中国出身で中国笛の名手。王明君さんです。
1st Violinは、花田和加子さん。東風の副代表で大姉御です。ヴァイオリンはうまいし、バイリンガルだし、心やさしいし、まったく火の打ち所の無い容姿端麗な彼女。爪の垢を煎じて飲んでも、私のメタボは治らないか・・・・
2nd Violinは、古川仁菜さん。この細い体からは考えられないパワーの持ちぬし。機敏に動いて、しっかりチェックを入れる事務能力抜群な彼女。仙台では、牛タンを食べるのを楽しみしているそうです。
Violaは、中島久美さん。日々の生活でもしっかりと自分のペースを保っている、おっとりとした性格のクミちゃん。東風の中声部は、彼女が支えています。
Celloは、松本卓以さん。彼も東京藝大フィルハーモニアのメンバーで、古典から現代まで幅広いレパートリーの持ち主。最近、美しいフルート奏者と結婚して、ルンルン気分だそうです。
Contrabassは、名手・渡邊玲雄さん。新日本フィルハーモニーの首席奏者ですが、今回はオケの仕事と重なって、残念ながら参加出来ず、石上悠さんが演奏します。
作曲メンバーは、4人います。一人は、今回のアレンジを担当する森田佳代子さん。今年2月の定期演奏会でモノ・オペラ「人間失格」を発表し、大成功でした。 他に、この所参加する機会が多くありませんが、博士号を取った小坂咲子さん。日本音楽コンクールで外国人として初の1位になった、ソウル在住の朴銀荷さん、そして、私・松下功です。

 

また、プログラムの解説など大活躍してくれる東風の知恵袋・音楽学者の長野麻子さん。
この他に、今回はエキストラとして、Violinの村越麻希子さん、矢野小百合さん、Violaの関明子さん、Celloの寺井創さんが参加します。

*写真は、またまた2003年のヤンゴン公演のものです。子供たちと楽しい一時を過ごしました。

藤原真理(1)

2008.08.17| 藤原真理

このブログが掲載される頃は、みなさんは夏休みの休暇中か、あるいは時差的に休暇を組まれて8月後半か9月を楽しみになさっておられるか、どちらでしょうか。

私自身は今年の夏休みは早めに計画していて、6月の19日から9泊で、ネバダ州のリノに出かけました。スキー友達が経営している下宿荘で「何もしない日々」が目標でした。時計を見るのも最低限だけで、たいてい腹時計にしたがう日々。現地の気候は乾きの夏、ほぼ30度近くあり、日中には30度を超えるのが常で、朝晩は落ち着きます。筋肉の蓄積疲労を取るには、乾いた暑さの場所が最適です。筋肉が自然に緩んできて、疲れが出て、そのままのんびりと好きにしていると、回復してくるのです。庭の一角にあるデッキチェアを猫と取り合いながら、本を読んだり、眠くなればウトウトしたりの過ごし方です。たまにチラッと後半の仕事予定に関することも頭に浮かびますが、判断のつきにくい事柄は追求しないでそのままにして、直感と決断力が自然に戻るのを待ちます。

松下功(1)

2008.08.17| 松下功

皆さん、こんにちは!
アンサンブル東風の代表を務める松下功です。
今回、初めてせんくらに出演させていただきます。今から、仙台に行って演奏し、そして美味しいものを食べるのを楽しみにしています。

 

さて、主催者からせんくらのブログに1週間何かを書くようにと依頼を受けて、さあ大変。一体ブログとやらは、何だ・・・・?ネット上の日記だと聞くけど、生まれてこの方、日記を書くという日常的な習慣など持ったこともないし、人のブログとやらもまったく見る気もなかったし・・・・困ったものだ。
とは言いつつ、承諾してしまったのが、後の祭り。何とかやってみようと思い筆を取る、あ、いや、パソコンの前に座った次第。
そう、まず私たちのグループの紹介から、第1日目は始めましょう。

アンサンブル東風、コチと読みます。よく「トウフウですか?」とか、「魚の鯒(コチ)ですか?」とか言われるが、菅原道真公の読んだ「東風吹かば・・・」の意味で、東の国からアジア、欧米へとメッセージを送りたいと考え、命名しました。結成は1999年で、演奏家・作曲家が一緒に企画・運営をしているグループで、室内オーケストラの演奏形態を取っています。また、いわゆる現代音楽のグループではなく、古今東西の面白そうな物は何でもチャレンジしようという団体です。メンバーの平均年齢は30代初めぐらいですが、なぜか私だけかなり年上です。みんなとても仲が良く、練習中も意見を言い合って楽しい演奏を目指しています。
不思議なことに、私だけでなくアジアに関係する人が多く、アジア関係の作品を多く取り上げています。演奏会は、毎年2月の定期演奏会、11月のお寺での演奏会、パーティーでの演奏、音楽祭の参加など様々な活動を行っています。そして、今までにソウル(2度)、ヤンゴン(ミャンマー)、バンコク(2回)、アムステルダム「ガウデアムス国際音楽祭」など、数回の海外公演も行っています。
この写真は、2003年のミャンマー公演の時のものですが、皆でバガンの遺跡を訪ねた思いでは生涯忘れられないほどです。
アンサンブル東風は、来年2月6日に東京の第一生命ホールで、第10回記念演奏会を行います。その時も、ミャンマーとイスラエルの若い作曲家に委嘱をして「愛、そして祈りの時へ」を開催します。

詳しくは、東風のホームページをご覧下さい。http://www14.ocn.ne.jp/~isaomtst/Kochi.htm

雄倉恵子(7)

2008.08.16| 雄倉恵子

ホームページなどを拝見しても、今年も多くの皆様にせんくら本番においでいただけるようです。

有難いと申し上げるしかありません。
この素晴らしいフェスティヴァルに傷をつけないように、全力で準備を重ねたいと思います。

つたないブログを連日お読みくださり、ありがとうございました。

 

ゲオルク・フリードリヒ・シェンク(7)

2008.08.16| ゲオルク・フリードリヒ・シェンク

ついに最終日となってしまいました。
せんくらは初めてのシェンクさんですが、最後の質問として、今回演奏する曲目についてインタビューしてみました。 ではOp.6、どうぞ。(質問、訳:御喜美江)

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5.)Diesmal spielen Sie bei „Sencla“ Werke von Brahms und Beethoven. Sie sie Ihre lieblingskomponisten? Wenn ja, bitte kurze Begründung, warum.
今回シェンクさんは「せんくら」においてベートーヴェンとブラームスを演奏なさいますが、この2人はあなたにとって特に好きな作曲家ですか? よろしかったらその理由を教えてください。

答え:Weil ich alle ihre Klavierwerke gespielt habe, kenne ich sie am besten.
彼らのピアノ作品はすべて弾いているので、自分にとって一番よく知っている作曲家だと思うからです。

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ドイツの名ピアニストによるブラームスとベートーヴェン・・・

きっと皆様の心の琴線に触れることと思います。 (参考:http://www.sencla.com/performer/p29.html )
一週間お付き合いいただきありがとうございました。

会場で皆様にお会いできるのを心よりお待ちしております!

マネージャー 竹島愛弓

雄倉恵子(6)

2008.08.15| 雄倉恵子

シューベルトのピアノ・ソナタ 第16番イ短調 D845 は「のだめカンタービレ」で取り上げられるまでは、ほとんど全く知られていなかった作品と言ってよいと思います。
全体にそれほど知られていないシューベルトのピアノ・ソナタのなかで、更に地味なこの曲を、なぜ「のだめ」さんがお弾きになる事になったかは知る由もありませんが、「のだめカンタービレ」で扱われる諸曲のなかでもこの曲は人気のようです。
確か、昔ポリーニが突然この曲を録音した事がありましたから、この曲は突然掘り起こされる運命にあったのかもしれません。
ずっとさらっていても、飽きることが無い種類の音楽で、何かはあるのだと思います。より後期の天上の音楽に行く直前の地上と天上の中くらいのところ の音楽で、それを面白いとおっしゃる「のだめ」ファンの皆様の感覚はさすがと思わざるをえません。

ゲオルク・フリードリヒ・シェンク(6)

2008.08.15| ゲオルク・フリードリヒ・シェンク

初日にシェンク氏をご紹介した際にも少し触れましたが、彼は教授として多くの優秀な音楽家を育て上げています。

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4.)Sie haben eine sehr erfolgreiche Klavierklasse an Ihrer Hochschule. Unterrichten Sie gern?
シェンクさんのピアノクラスには非常に優秀な人が多いと伺っていますが、教えることは好きですか?

答え:Ja.

はい。

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シェンクさんしかり、御喜さんしかり、生徒を我が子のように可愛がって愛情を注ぐ姿勢にはいつも感嘆させられます。 ぎっくり腰の痛みの中、愛弟子のコンチェルトを聴きに行く先生はそういらっしゃるものではありません!(参考:http://mie-miki.asablo.jp/blog/2008/04/20/3240092)

マネージャー 竹島愛弓

雄倉恵子(5)

2008.08.14| 雄倉恵子

今年はAプロとBプロのミックスプロも1つ準備されています。

J.S.バッハ:インヴェンション ハ長調(ピアノ入門者必須曲)
主よひとの望みの喜びよ ~あすなろ白書~
モーツァルト:ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545 より第一楽章
ピアノ・ソナタ K.311より 「トルコ行進曲」 ~のだめカンタービレ~
ショパン:幻想即興曲  ~のだめカンタービレ~
子犬のワルツ ~JA福岡博多万能ネギ~
軍隊ポロネーズ ~ロリータ~
バダジェフスカ:乙女の祈り ~ユニマットレディス~
リスト:ラ・カンパネラ ~赤い激流~

これぞ、せんくららしいといいますか、すべて「聴いた事のあるメロディー」がでてくる曲ばかりのプログラムです。

ゲオルク・フリードリヒ・シェンク(5)

2008.08.14| ゲオルク・フリードリヒ・シェンク

もう何十回と来日しているシェンクさんですが、好きなこと、つらいことはあるのでしょうか?

そんなことを聞いてみました。ではOp.4、どうぞ。(質問、訳:御喜美江)

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2.)Was ist für Sie besonders schön und besonders schwierig in Japan?
日本滞在中では何が一番楽しく、何が一番つらいですか?

答え:Schwierig: die Sprache; schön: das Essen
難しいこと:言葉(日本語)  楽しいこと:食事

3.)Mögen Sie japanische Küche? Wenn ja, was? Vielleicht auch warum?
日本食はお好きですか? なにが最もお好きですか? それはどうしてですか?

答え:Alles, weil es fantastisch schmeckt !!!
すべて好き、何故なら素晴らしくおいしいから!!!

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お刺身が大好きというシェンクさん。仙台のみなさま、おススメのお寿司やさん、

(いや、お寿司やさんに限らずおいしいお店♪)がありましたら是非ご一報ください!

マネージャー 竹島愛弓

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