4年連続で「せんくら」に出演させて頂けることになり、今からウキウキしているギターの福田です。
仙台の熱狂的なギター音楽ファンの皆さんに再びお会いできること、心からの喜びです。
何? 美味い牡蠣だの、牛タンだの、酒だの、本当にウキウキ喜んでるのはお前の心じゃなくって胃袋だろって?
「ごめん、それって、ちょっとだけ正解。(特に食の都、仙台の場合はね)」
でも、ですね。今年のプログラムですが、料理じゃないけれど「新メニュー」が多いのには自分でもウキウキしますよ、本当に!
まず、フルート(荒川洋)、ヴィオラ(佐々木真史)&ギターという珍しい組み合わせのコンサート。
(10/2(金)12:45~13:30/仙台市青年文化センター/B.パフォーマンス広場)
古典期イタリアの作品ですが、カルッリの夜想曲とか、グラニャーニのトリオとか、これらは30年の長いギタリスト人生で全くやったことないんです。
どんな音がするんだろう?ドビュッシーに、フルート、ヴィオラ+ハープの有名なソナタがありますが、あまり想像つきませんね。
あ、僕が知らないんだから皆さんご存知な訳ないですよね~未知のイタリア料理。
それから、荒川くんが素敵な曲を書くフルーティストだってことは前から知っているんですが、どんな曲を書き下ろしてくるのか…
いや~、実に楽しみです。
あと、ソロですが7月25日にCD「オダリスクの踊り~タレガ作品集」をマイスター・ミュージックからリリースしました。
http://www.meister-music.com/new.html
「せんくら2009」では、この内容を中心に、さらに名曲「アルハンブラの思い出」「アラビア風奇想曲」などを加え、
タレガの没後百年を記念して演奏します。
こっちは、濃厚なスペイン料理、タレガの故郷バレンシアのパエリャ料理の感じで弾きましょうか!
10/2(金) 16:35~17:20/仙台市青年文化センター/D.交流ホール
福田進一(ギタリスト)
今僕は新日本フィルハーモニー交響楽団でコンサートマスターをしています。仙台フィルから新日本フィルに移ったのが2005年の4月なので、早いもので両オーケストラにおよそ同じ期間在籍していることになります。
今日は久石譲さんの公演の練習でした。あわせと会議もあったので、今は家でレコードを聴いています。
久しぶりのLP、いい音です!CDよりパワーがあるし、空間も自然。
久石さん率いるWDO(ワールド・ドリーム・オーケストラ)の公演では東京エレクトロンホール宮城でも8月26日に公演があるので、ひょっとしたら皆様とお会いできるかも知れませんね!
「ポニョ」も昨日やっと見れました。
もちろんストーリーや映像も見たかったのですが、曲のどのテーマがどんな箇所で使われているかにもとても興味があって、半音階の使われる蜂蜜、波の音形、天馬が駆けるモチーフが、波の上を駆けるのに
使われていたり、ミニマルミュージック的な要素も、ハチャトゥリヤンの音楽に似ていたりと、とても面白いです。
そういえばショスタコーヴィチも映画音楽を書いていますが、書きたくなかったという説もあります。
けれど、オペラがそうであるように映画もやっぱり総合芸術ですね=
西江辰郎(ヴァイオリン)
http://homepage3.nifty.com/nishie-tatsuo/
前にも書いたが、僕は三日坊主である。
唯一、長続きをしたといえるのは「歌」、そう「歌うこと」だ。
今こうして歌っているとは誰が想像したであろう!?
音楽に関わっていると言うこと自体不思議なことかもしれない。
歌をはじめたのは高校三年になってからだし、そうか「歌」「歌い手」でと思いだしたのは大学4年の今頃だった。
学部時代は「歌」や「音楽」「音楽大学」に????だらけだっし・・・・・。といいながら時間は過ぎて行ったし、気がついたら四年生になっていた。
月曜日から郷里山口から行き、戻ってきた。
先日の集中豪雨の事も気になっていたが、年に何度かは山口に戻る。
昨年からは山口県の「ふるさと大使」を勤めている。元々それ以前からふるさとのニュースは気になっていたし、大変光栄なことだ。
帰ると決まって中高の同級生が集まり飲み会となる。
そしてその青春時代を過ごした街で二カ所ほど必ず行くところがある。一つはラーメン屋、もう一つは喫茶店である。
今回も昨日、ラーメンを食べて、喫茶店へ行って、それから飛行場へと向かった。
どちらも30数年の時を経ても存在する。有り難いことだ!! いや奇跡だ!!
昔、この窓から入ってくる夕陽が心地好かった。このカウンターに座って流れてくる音楽を聴いた。
僕にとってはすべて新しい世界の音楽だった。
そこはまた粋がって大人を感じられるところだった。
外の道や街路樹は変わってしまったけれど、中はタイムトンネルのよう。
初めてこうしてマスターと二人で写真を撮った。三十数年の時を経た男二人。
河野克典(バリトン)
皆様、ギターの福田進一です。
さて、昨日に引き続き本日は自己紹介をいたします。
私は大阪の中心部、船場という商売の町に生まれ育ちました。
もとより音楽は大好きでした。9歳の頃、小学校への通学路の途中にある小さなピアノ教室に通い始めたのですが、始めるのには少し遅過ぎたようでした。
レッスンの最中、後ろの椅子で順番を待っている自分より年下の女の子たちが笑うのです。私がミスをするたびに…。これは自我が芽生えはじめた男の子には大変屈辱的でした。
趣味では、ピアノ以外に父が買ってくれたウクレレも弾いて遊んでいたのですが4本弦というのは実に和音が頼りなく、友人の弾くフォーク・ギターの豊かな音量に比べて情けなく思っていました。
しかしある日、なんとピアノ教室の2階にギター教室が出来たのです。私は11才の夏にそこに引っ越したのでした。それがその後9年間師事した斎藤達也先生との最初の出会いでした。
最初はクラシック・ギターというジャンルがあることも知らず、言われるがままピアノのバイエルにあたるカルカッシの教則本を持って通ったのですが、齋藤先生の教育は実にユニークでした。ハーモニーがわからなければ当時流行のフォークやビートルズ、シンコペーションなどのリズムがわからない時はボサノバやサンバを題材に面白く楽しくレッスンして下さるのです。
アンサンブルにも積極的に参加しました。最初の発表会では、ギターではなくリコーダーを吹きました。かなり難しいフレーズでしたが、元来吹く楽器は大好きなので得意になって演奏したのを覚えています。ギターの腕前も順調に伸びていきました。
14才の時、パリ国際ギターコンクールで優勝した渡辺範彦さん(当時22才/故人)の演奏会を聴き、自分の進む道はこれだと確信しました。残念ながら当時は音楽大学にギター科がありません。仕方なく腰掛けのつもりで関西大学商学部に進みましたが、在学中に大阪のコンクールで二度入選し周囲も可能性を認めてくれるようになり大学を中退し、1977年6月にパリに留学しました。ギターの留学に何故パリを選んだのかというのはよく訊かれる質問ですが、14才の時の衝撃と感動、そして確信がずっと続いていたからに他なりません。
福田進一(ギター)
今日は「はじめてのクラシック」
~中学生・高校生のために~の本番2日目でした。
三枝成彰さんの株式会社メイ・コーポレーションの企画で、
手軽な料金で生演奏を聴ける機会を提供するコンサートです。
プログラムはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、ピアノ協奏曲、そして交響曲第4番という充実したもの。
三枝さんのトークも交え、5000人の前で2日間にわたるコンサート。
指揮は小林研一郎氏。
三枝さんにも、スタッフの方、協力してくださった方にも聴きに来てくださった方々にも感謝しなければ。
今日の本番でどのくらいの方が、新たにクラシック音楽に興味を持って下さったでしょうか。
短い曲をチョコチョコと聴いていただくのも良いかもしれませんが、今日のようにある程度の長さの曲を全曲を通して演奏できるほうが僕は好きです。
時々思うのですが、クラシック音楽は静寂を必要とする音楽だなとおもいます。
それも、防音室の中に閉じ込められたような静寂ではなくて、自然な空気の流れのある、静けさ。
息づかいや、生命の息吹はあるのに、そこに静寂があるような、そんな静けさです。
最近は、より多くの情報、多くの騒音のなかで暮らさなくてはいけなくなり、電車の中でクラシック音楽を聴いたりするのは難しいほどです。
けれど、自然にきこえる鳥の声や、虫の声など、夜など虫が鳴いていても寝れるのが不思議ですね。何が違うのでしょうね。
偶然性や、一回限りのこと。変化、ゆらぎみたいなものがそこにはあるからなのではないでしょうか。
演奏会では一つの会場に多くの方が集まり、何かに惹き付けられるとき、そこにはある静寂が生まれます。
そんな「惹き付ける」演奏ができる音楽家になりたいです。
西江辰郎(ヴァイオリン)
この日曜日の朝の散歩は谷中にある全生庵で開催されている落語家さんのお祭り「圓朝まつり」に行ってきた。
うだるような暑さにもかかわらず凄い人だかり。浴衣姿の噺家さんたちが汗だくになりながらお客さんの要望に必死に答えていた。噺家さんの顔が普通の人の顔に見えた。
圓朝といえば「四谷怪談」で有名でヒンヤリとするはずなのだが、もしかして・・・・・。
今日はフルメニュー。午後に別の用事を済ませた後、先日オペラでご一緒した能楽師の清水寛二さんの新作能「長崎の聖母」を観に行った。
無駄なものを排除した表現の美しさとその中にある「藝術」「芸」を堪能してきた。
表現というと「自由」という言葉が常についてくるが、現在ある演奏において、ともすると、それは言い訳の言葉であることが多くなってきてはいないか?
日本の文化であり西洋の文化・音楽の姿と、そしてその演奏にも通ずる藝術だ。
Simple is best!
心に問う静かで涼しいひとときだった。
河野克典(バリトン)
http://www.k-kono.com
ギターの福田進一です。
せんくらファンの皆様の中には、クラシック音楽は聴いても、ギター音楽、ギターという楽器をよく知らない、馴染みがないという方もおられると思いますので、まずは自己紹介の前に楽器紹介をしておきましょう。
私が弾いているのはクラシック・ギターです。今日ではエレクトリック・ギターのように電気を使って大音量でロックやジャズを演奏する楽器と区別して、アコースティック・ギターと呼ばれることも多いのですが、その生音を中心としたギターのなかでも、最も昔から伝わっている源流の楽器です。
歴史的に見てどれほど古い楽器かと言えば、それはピアノやその前身のハープシコードなどの鍵盤楽器が生まれる遥か以前から存在していました。エジプトの壁画にも刻まれ、その頃からキタラと呼ばれていたという話もあります。
それほど古い楽器です。
1500年代初頭にはギターの原型となったビウェラという楽器の最初の教則本が出版されました。イギリスでは同族のリュートが流行し、ダウランドを代表する当時の作曲家によって伴奏歌曲やリコーダーとの二重奏曲、初期の対位法を用いた数々の作品が発表されました。
この頃が最初のギター黄金期で、その後バロック音楽の進化複雑化によってその地位は鍵盤楽器に奪われていきます。再び脚光を浴びたのは王族貴族文化が花開いた1800年代初頭。当時のパリやウィーンでのサロン音楽にとって、持ち運びの便利な簡単に伴奏出来るギターは簡単な室内楽の楽しみや貴婦人たちの習い事にピッタリの楽器でした。
ギターを含むフルートや弦楽器との室内楽の多くがこの時代に作曲されています。この時期が第2のギター黄金期と呼ばれています。しかし、所詮音量に乏しいギターは、ロマン派の巨大な音響への指向や肥大化した音楽表現の潮流には着いて行けず、再び衰退していきます。
そして19世紀末になってスペインの天才製作家アントニオ・デ・トーレスによって改良され小さな音の代わりに豊かな音色の表現力を獲得したギターは、ひとりの天才ギタリスト、フランシスコ・タレガの演奏によって再び注目を集めます。タレガは奏法を改良し、作曲だけでなくピアノやヴァイオリンの作品を編曲してギターにアカデミックな方向性を与えました。
さらに20世紀に入って、その影響を受けた巨匠アンドレス・セゴビアが世界中で名演を繰り広げたことによってギターは独奏楽器としての地位を固めました。
今では世界中にギター音楽の文化が芽生え、ルネッサンスから現代までの多くの作品が演奏され、絶えず新作が発表されています。ギターはあらゆるジャンルの音楽に使われるようになり、フラメンコ、ジャズ、フォーク、ロックと多様な形態に進化してきました。これが私たちの時代、第3のギター黄金期です。
と、本来は本一冊かかるところを猛スピードで楽器の紹介をしました。
本日はここまで。明日は私の自己紹介をしたいと思います。
(*季刊誌「ムラマツ」2009年春号より一部引用させて頂きました。)
福田進一(ギター)
今年は6月15日にスイスで本番がありました。
初めてのブルッフの協奏曲。本来学生の時に勉強しているはずの曲なのですが、僕はサボっていたらしく、楽譜も持っていない状態でした。
場所はチューリッヒのトーンハレという由緒あるホール。チューリッヒには友人も何人かいて聴きに来てくれました!
ホールは白地と金色でシャンデリアも豪華。もともと合唱団がオーケストラより先にあったと言うことで、合唱に合わせたつくりになっていて、舞台の雛壇はかなり急です。一階の客席から見るとコントラバスの何人かはまるで見上げる感じです。
響は思ったより落ち着いていて、響きすぎもせず、空気の流れがある感じ。
お菓子でも、宝石でもそうかも知れませんが、どんなお皿に盛り付けるか、入れ物に入れるか入れないかなど「いかに見せるか」で同じものでも見え方が違ってくるように、ホールも楽器の一部。ちょっとした装飾や飾りのなかにも見えるちょっとした違い、その歴史の重みなどが集まり、その「非日常な雰囲気」に聴く側の心も演奏する側の心も影響されるようです。
かつてココにだれだれが立った。かつてココでリヒャルトシュトラウスが・・・・
みたいな事ですから、僕としては彼らが力を貸してくださるよう祈るのみでしたが・・・
指揮者のダグラス・ボストーク氏はとても良くして下さって、僕が初めてオケとの合わせに行った日はちょうど彼の誕生日。
自分のお祝いをかねてご馳走までしてくださいました。
来年4月には彼も日本に来るそうで、また共演できる日が待ち遠しいです!
西江辰郎(ヴァイオリン)
http://homepage3.nifty.com/nishie-tatsuo/
え~、毎度馬鹿馬鹿しいお話しでぇ・・・・
ではなく今回のせんくらでの僕の出番は、え~~っと4回。
その中の二回が、というか二回に分けての演奏会のプログラムが『二分の一「冬の旅」』である。
演奏会というものは聴衆の皆さんを幸せな気持ち、または楽しい気持ちにさせて帰すべきものである。
しかし、唯一例外といえるのがこのシューベルト作曲の24曲からなる「冬の旅」だ。
演奏者はとにかくお客様を暗い気分で会場を後にさせるために努力をするのである。
今回は、ちょっと出しの半分暗い気持ちになってもらおうかな?
たっぷりと暗くなりたいお方は是非とも両方を!
追伸:二つの演奏会の間、ず~~と暗い気持ちを維持する演奏者も聴衆も大変だと思います。
顔が攣りそう!
河野克典(バリトン)
今日は台風や、酒井法子さんのニュースを見ました。酒井さんはそれこそ「のりピー」とかいって人気だったので僕は中学の頃から知っていましたが、人生で色々苦労しながらも全くそのような感じを見せずに笑顔を振りまいていた頃があるだけに、残念です。
早く復帰してもらいたいです。
台風も被害が大きくて大変ですね。
今日は雨戸を閉めて寝ます。
皆様もくれぐれもご注意を・・・・・!
西江辰郎(ヴァイオリン)
写真(2009年6月チューリッヒ湖)