突然ですが、パートナーのパスカル ドヴァイヨンは、動物の中でもこよなく“あるもの”を愛していることがわかりました。
それは、二人で京都を訪れた時のこと。風情ある日本庭園をのんびりと散策していた時、相方が“あっ!”と声をあげ、何かを見つけ、水辺に走り寄ったのでした。そして目を細めて、わぁ、かわいい・・・と、何かとてもほほえましそうに水辺を見ているのです。カモとか白鳥かな、と私も近づいてみると、なんとそこにいたのは
カメ。
えっ、カメ? (・_・;) と驚いてしまった私は、その喜びを分かち合うことができなかったのですが、どうも彼にとってはカメが愛おしいらしい。よくよく話を聞いてみると、小さい頃に犬を飼うことができない家に住んでいた彼に、家族がカメを買ってきたそうで、(そのアイディアにも驚くが)家の中で、もそもそとマイペースで動くカメに愛着がわいたとか。その後も今でもカメをみると、あー!と小走りになる彼の背中を、うーん・・・わかってあげられない、と思いながら見ている私がいます。
せんくら会場近くの水辺でカメを追っている人がいたら、要注意! きっと彼に違いありません。笑
明日は、そんなカメ好きの彼にブログを書いてもらいますね!
PS.これが京都で彼が撮ったカメですが・・。か・・・、かわいいですか???
村田理夏子(ピアノ)
こんにちは
ピアノの若林顕です。
この度仙台クラシックフェスティヴァルに参加させていただくことになり、
とてもうれしく光栄に思っております。
私はブログというものを一度も書いたことがなく・・・
今回出演者という事で依頼をされまして、何を書いたらよいのかなぁ~と正直なところとても不安な気持ちなのですが・・・
今やっている事や、日ごろ思っている事、好きな事、等々ざっくばらんに気楽に書かせていただきたいと思っています。
現在は、9月18日~23日、名古屋で行われる、ベートーヴェンのピアノソナタ全32曲を、5回のコンサートで弾くという企画のため、ベートーヴェン漬けの毎日を送っております。
これは数年前、たまたまホールの方とご一緒の際、「ベートーヴェンの全32曲のソナタを3日間で弾き切るのは可能なものですか??」と質問を受け、その時完全に他人事のように「ハイ、大丈夫ですよ!」
・・・と言ってしまった事から始まりまして・・・
その後色々と経緯を経て、今回の企画が生まれたのでした。
これは確かに大変な作業ですが、私としては当然ながら、何かの記録狙い、又は、力技の誇示、といった目的では全くありませんで、このような短いスパンで演奏させていただく事によって、まるでベートーヴェンの生涯を追体験するような、他では見えにくい、ひとつの独特なラインといったものを味わえるのではないか、といったところに意欲を持ったのです。
あくまでもベートーヴェンの「音楽」を楽しんでいただく目的なのです。
またこのシリーズではあえて、全5回とも、すべて楽譜をおいて演奏する予定でおります。
ベートーヴェンの音楽は本当にごまかしがききません。
そのエネルギーと深さは特別なものがあると思います。
又、すべての人が持っているであろう、外からは決してわからない個人の悲しみや苦しみ、といったものまでも溶かしていってしまうような、偉大な浸透力があると感じています。
それにしても、大変な事になってしまったと・・・
後悔、いやいや、本当に貴重な機会を与えていただいたと、感謝をしながら練習の毎日です。。。
若林顕(ピアノ)
この夏は、ずっと学生さん達と過ごしていました。
7月は小澤征爾音楽塾オペラプロジェクト「ヘンゼルとグレーテル」8月はサイトウ・キネン・フェスティバルに8月から9月9日まで1ヶ月まるまる全部を松本で過ごしました。どちらもオーボエ・セクションと木管セクションのコーチです。
オーボエ片手に歩いていると、「おおっ!宮本がオーボエ吹いてる」と勘違いされることがありますが、プロの演奏家ではなく、オーボエの先生ですので。
9月になると東京音楽大学の2学期も始まりますので、教えることが続きますが、生徒から教えられることも多いのが「先生」の面白いところです。「指揮」をはじめても思うことですが、自分がオーボエをオーケストラの中で演奏していた時には気づかなかった新しい発見が「指揮台」の上にいると見えてくるのです。
59歳になって「こんなに面白いことが次々と発見できて、実際にみんなと音楽を作りながら、一音の音も出さない自分がこんなに幸せでいいのかしら!!」と感じられることが本当にうれしい。
宮本楓峯昭
*宮本楓峯昭は宮本文昭(指揮)のペンネームです。
はじめまして!せんくらへお邪魔する時を心待ちにしている私たちですが、会場でみなさんにお目にかかる前に、まずはブログ第1弾で、名前を覚えていただこう!と思っています。え、なぜかって?
それはもう、私たちの(特に相方の)名前は曰くつき!これまで、どれだけ様々な方法で呼ばれてきたことでしょう。そう、ご存知の通り、彼の名前は Pascal DEVOYON。問題は、名字!フランスでも珍しいこの名前、カタカナ表記しようものなら、千差万別。
これまでも、ドワイヨン、ドバイヨン、ドヴァイヨン、ドゥヴァイヨン、そして挙句の果てには、でぼよん、でぼじょん・・・本人いわく、“もう誰のことかわからない・・・”という表記をされている事が山のようにあるのです。更には、名前が途中で切られてしまい、
パスカル・ド・ワイヨン♪
という表記まで現れ、どこかのケーキ屋さんのようになってしまっているのでした。
そういうわけで、名前表記統一政策を試みたいと思います。
パスカル ドゥヴァイヨン♪
これでどうでしょう。本人に言わせれば、こう発音されても自分とはわからず、発音上一番近いカタカナ表記は なんと<ドゥヴォワイヨン>らしいのです。でもこれでは、ややこしいうえ、なんだか怪獣みたいな名前・・・。誰にも覚えてもらえない恐れがあるため、今日を機にパスカル ドゥヴァイヨン♪に統一したいと思います。笑
さて、私の方はそれに比べてシンプルなもの・・・なはずですが、理夏子という漢字の組み合わせが珍しいのか、色々な漢字で表記されてしまうことは頻繁。それどころか、私もとんでもないところで名前が切られてしまうこともあるのです。ある時は、
“むらたり なつこ”と表記されたことがあり、自分のこととは本人である私すら気がつかなかった位です。(笑) そうかと思えば、私たちが住んでいるドイツでは、郵便配達の人にマ・ル・タさん・・といわれ、いえ、丸太ではありません。と答える羽目に・・苦笑。
というわけで、でぼよん・・・おっと失礼、 ドヴァイヨン&理夏子 DUOよろしくお願いします!
村田理夏子(ピアノ)
「どうしてフランスへ留学したのですか」とか、「フランスに留学したのに、どうして経営するレストランはイタリア料理なのですか」とよくきかれるが、僕は、そういうこだわりがまったくなくて、そのときの出会いや直感やひらめきのようなものを信じている。
フランスに留学して、どこがフランス的なのかと言われると・・・、そうだなぁ、ワイン好きなことと、あまり他の人に左右されない性格かな。
渋谷にあるレストランは「G」というのだが、どうして「G」という名前なのですか?と先日のインタビューできかれた。ずっと前から考えていたわけでもなく、イタリア語の辞書をめくっていたら、GIOIA(喜び)や、GRAZIE(ありがとう)などの、Gからはじまる単語に心ひかれたのだ。何かのひとつの単語にしようかとも思ったが、どれもよくて、じゃぁ、頭文字の「G」にしよう!ということになった。
京都の店は「キメラ」というが、これは、ギリシャ神話にでてくる伝説の生物で、店のシェフやスタッフみんなからの意見だった。僕自身もいいなと感じたし、何より自宅が東京で、京都は時々立ち寄ることしかできないこともあり、京都の店の名前は、みんなの意向を尊重したいと思った。どうしてイタリア料理になったかというと、いいシェフがイタリア料理の料理人だった。と、こういう感じなのだ。
僕は、音楽と一緒にできる何か面白そうなことが大好きである。
最近は何もかもがあわただしくなり、「音楽が生まれるゆったりとした時間」がなくなってきているように思う。だからこそ、音楽が必要で大事だと感じる。僕は、この渋谷と京都のレストランで定期的にサロン・コンサートをやっているが、こうした場所に人が集い、美味しいものを食べて、心も身体もゆったりとして、音楽に耳を傾けてもらう時間を、とても愛しく思っている。
横山幸雄(ピアノ)
「ショパン弾き」といわれることに、僕はまったく抵抗がない。
ショパン・コンクールはいわば、ショパンのお墨付きなのだから、ショパンを弾いてほしいといわれることは、僕にとっては、いつでも、とても嬉しいことなのだ。
来年は、ショパンの生誕200年にあたる記念の年だが、僕が19歳でショパン国際コンクールに入賞してから、ちょうど20年目にあたる年でもある。そして、コンクールの翌年の91年春にデビュー・リサイタルをしたので、2011年が、デビュー20周年になる。勿論、20周年記念リサイタルにも面白い企画を考えてはいるが、まずは、ショパンだ。
ショパンの全曲演奏会に取り組むのは、実は2回目である。最初は、20代後半に、7年かけて、ショパンの誕生日と命日の、1年に2回のペースでピアノ曲の全部を演奏した。どの演奏家もというわけではなく、ショパンはすべての作品を演奏してみたかった。全ての作品を演奏することで、見えてくるものがあるのだ。ショパンは、子供の頃からずっと好きだったし、僕の人生の節目に深くかかわりのある作曲家であり、とても身近に感じている。だからいつでもピアノにむかった瞬間に、自然と音楽が流れ出すのだ。
200年の記念の年を目の前に、僕はもう一度、集中してショパンの作品に取り組んでみたいと思った。そして、この壮大な計画を終えるとき、僕はショパンの晩年と同じ年代にいることになる。今度は、どんな発見があるだろうか。
横山幸雄(ピアノ)
ここで少しだけ新譜CDとコンサートの宣伝をさせて頂きます。
8/31に、新譜CDをリリースしました!
■「楽興の時 ~ スクリャービン & ラフマニノフ」
問:若林工房 Tel 0765-22-2399 http://www.waka-kb.com/
このCDに収録されている曲を、10/2東京でのリサイタルで、生で聴くことができます。
■イリーナ・メジューエワ ピアノ・リサイタル《夜の風》
2009年10月2日(金)19:00開演 HAKUJU HALL
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第2番 嬰ト短調 op.19 「幻想ソナタ」
ラフマニノフ:楽興の時 op.16
スクリャービン:ピアノ・ソナタ 第10番 op.70
メトネル:ピアノ・ソナタ ホ短調 op.25-2 「夜の風」
問:コンサートイマジン Tel 03-3235-3777 http://www.concert.co.jp/
リサイタルに関して、一言お願いします。
(イリーナ):4年ぶりの東京での本格的なソロ・リサイタルです。オール・ロシア・プログラムで、スクリャービン、ラフマニノフ、メトネルの作品を取り上げます。三人とも ピアノという楽器の表現の可能性を熟知していて、ピアニスティックな魅力に溢 れる作品を残しています。それぞれが独自のスタイルを発展させたのも興味深い ところです。今回の演奏会で弾く作品は、1890年代後半から1913年頃に書かれたものです。『銀の時代』と呼ばれるロシア芸術の隆盛期の成果の一端をお楽しみ頂ければと思います。
今回は難曲中の難曲、メトネルのソナタ『夜の風』を8年ぶりに演奏するのも話題のひとつ。『20世紀最高のピアノ・ソナタ』とも称される傑作、お聞き逃しなく!
それでは最後にせんくら2009に向けてお客様へのメッセージをお願いします。
(イリーナ):今年もまた『せんくら』に出演できることをたいへん光栄に思います。今回は3つのショパン・プログラムを準備しました。『ピアノの詩人』と呼ばれるとおり、ショパンの音楽は詩的で美しいことはもちろん、精神的にも深いものがあります。 ショパンの多面的な魅力をお伝えできることを願っています。『ショパンの音楽は やっぱり素晴らしい』と思って頂けるよう、頑張って演奏したいと思います。大好きな仙台の町で皆さんにまたお会いできることを楽しみにしています。
せんくらブログ、1週間お付き合いくださいまして有難うございました。
イリーナ・メジューエワ/マネージャー
http://www.concert.co.jp/artist/mejoueva/profile.html
プロのオーケストラとの共演はもちろんですが、アマチュア・オーケストラや学生オーケストラとも共演することのあるイリーナさん。今年6月には京都と尼崎で京都大学交響楽団とラフマニノフの協奏曲第2番を演奏しました。今日は京大オケの思い出など語って頂きます。
(イリーナ):最近のコンサートの中で特に印象に残っているのが、京大オーケストラとの共演 です。初めて共演させて頂いたのですが、まずは練習のハードさにびっくりしました。4回の練習にゲネプロ、本番が2公演。毎回の練習は2時間ほとんど休みなしです。ずっと弾きっぱなしなのですが、テンションが全然下がらないのも驚きでした。私の方が疲れてしまったぐらいです。とにかく、ものすごいやる気と情 熱を持った若者たちとの、充実した共演となりました。京都公演は1,800席が満席、尼崎のほうも1,400人を超えるお客さんが集まって、大盛況でした。
飲み会などにも参加されたとか?
(イリーナ):何回目かの練習の後、飲み会に参加させてもらいました。50人以上の学生さんたちがお好み焼き屋さんに集まったのですが、廊下にまで人があふれるほど。飲みっぷりも立派で、すごく盛り上がりました。指揮の橘直貴さんもご一緒でした。翌朝2時頃まで付き合いましたが、さすがに疲れて先に帰らせてもらいました。何時まで続いたんでしょうかね。練習も飲み会も、ものすごいパワーで、ただただ圧倒されました。
肝心の本番の演奏のほうは・・・?
(イリーナ):全員が心を通わせながら音楽を作っていくという合奏の基本の部分で、よいアンサンブルが出来たのではないかと思います。音楽的なやりとりも楽しかったです し、ほんとうに良い思い出になりました。京大オーケストラの皆さん、改めてお疲れ様でした。次も頑張ってくださいね!
イリーナ・メジェーエワ/マネージャー
http://www.concert.co.jp/artist/mejoueva/profile.html
今度の日曜日に、東京オペラシティでリサイタルがある。
オペラシティでのこの時期のリサイタルは毎年恒例になってきている。嬉しいことだ。これもまた嬉しいことに、チケットは今年も完売だそうだ。オペラシティでは、これまでもベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲演奏や、5大ソナタ連続演奏など、面白いと思ってもらえるようなコンサートを企画してきた。昨年からは、2010年がショパンイヤーだから、それにむけてショパン・シリーズをしている。初期・中期・後期と3年にわたって主要な作品を演奏する計画だ。日曜は中期の作品で「ジョルジュ・サンドとともに」という副題がつけられているが、ショパンがサンドと充実のときを過ごす中で作られた作品をそろえた。充実といっても短命だったショパンには、この時期にも、光のあたる向こう側に伸びる影・・・のように、不安が遠くから押し寄せてくる感じがある。ドラマティックで感情的な初期の作品に比べると、シンプルさが強調されていて、美しすぎて悲しいのだ。今回のメインは、第2番のソナタと24の前奏曲だ。そして、それにむかってゆく小品を組み入れたことで、更に、ショパンの当時を感じてもらえればと思っている。
この頃のショパンと同じ年頃の僕、つまり、20代後半というと、全力でがむしゃらで無我夢中だった。でも、コンクール入賞者というだけでなく、僕のピアノを聴いてくれる人がいることに、気がつきはじめた時期でもある。
横山幸雄(ピアノ)
今日はレコーディングの話題です。イリーナさん、先週ちょうどレコーディングを終えたばかりですね。
(イリーナ):9月2日から4日までの3日間、富山県魚津市の新川文化ホールでショパン作品集を録音してきました。今回はエチュード集op.25とノクターン数曲に挑戦しました。来年(2010年)はショパン・イヤーなので、ショパンの作品をある程度まとめてCDにしたいと思っています。エチュードやノクターン、即興曲やソナタなど、 録音したい作品がたくさんあります。
いつも魚津で録音されていますが、どんなホールなんですか?
(イリーナ):新川文化ホールは1,200席程度の大ホールで、優れた音響を持っています。とて も暖かい雰囲気のホールです。何といってもこのホールの素晴らしい点は、スタッフの方々の献身的な協力態度です。あと、周囲の立山連峰の雄大な景色なども 抜群で、録音の仕事をするうえで最高の環境だと思います。
ところで、魚津というと名物はやはりお魚ですか?
(イリーナ):魚津には海も山もありますので、新鮮な海の幸、山の幸にも恵まれています。水 も美味しいし、お米も果物も美味しいですね。じつは私は日本に来てからしばらく刺身が苦手だったのですが、富山の魚を食べてから、大好きになりました。もちろん仙台の美味しいお魚も大好きです。
イリーナさんはコンサート活動と共に、録音にも大変積極的に取り組んでいます。
詳細はこちらで→若林工房 http://www.waka-kb.com/
イリーナ・メジューエワ/マネージャー
http://www.concert.co.jp/artist/mejoueva/profile.html