「オーバードホールでクラシック・セミナー」

2009.09.17| 宮本文昭

富山市に女性セミナーの講師で行きました。
オーバードホールで、秋のシーズンに行われるオペラ「アイーダ」とバレエ「白鳥の湖」の演目について、オーバードホール・プロデューサーの奈木さんと、オペラ・バレエプロデューサーのジャパン・アーツの長谷川さんとご一緒にクラシックの愉しみについてお話しをしました。

演奏会の一番の良さは、本当に演奏家が舞台の上で、これまで自分がやってきた成果を命がけでやっていることです。クラシックは難しい、堅苦しいと思われるでしょう
が、最初はみんなそうです。ボクも親父がオペラ歌手でしたので、子供のころは反抗して、ピアノの練習も泣いて騒いで抵抗してました。でも何度かコンサートに足を運んでいると、ある時、「これってホントにいいものかも!」「ライブの演奏を聴いて、楽しい発見がある。」「ストーリーや解説書なんてなくても自由に楽しんじゃおう!」と自分らしい楽しみ方を発見すると、素敵なエンタテイメントになるんですね。

特にオペラやバレエは総合芸術。その中に、オーケストラの交響曲や、室内楽やソリストたちの命のきらめきがキラキラとあると本当に幸せになって、音楽の素晴らしさに感動するんですね。
そんな時間を見つけに来ていただけるとホントに嬉しいです!
宮本楓峯昭
*宮本楓峯昭は宮本文昭(指揮)のペンネームです。

アドヴァイス!

2009.09.17| パスカル・ドゥヴァイヨン & 村田理夏子

今日は、連弾をやってみたいという方々にいくつかアドヴァイスをしましょう!

– まず、良いパートナー選びをしましょう。チャンスの平等さを確立するために、そうですね・・・最大で20kgの差までなら大丈夫でしょう。それを超えてしまうと、どちらかがつぶされてしまうかもしれません・・・。
– 椅子は二つ用意しましょう。一つのイスにすると、陣地の取り合いになり、“歴史”が教えてくれている様に、争いはいつもろくな結果を生みません。

– パートナーには、くれぐれも指の爪を切っておくよう、お願いしておきましょう。鋭い爪で踏まれた日には、被害が予想されます。

– 柔軟体操を十分行いましょう.特に右側に座る方は左腕、左側の方は右腕です。場合によっては、ピアノに正しく座るどころか、ほぼアクロバティック(曲芸的!)に近いポジションを要求されるときがあります。(4日に見ることができますよ!!)
連弾を弾くということは、鍵盤の上で社交ダンスを踊るようなもの。ですから、相手の指を踏んでしまうことがあっては絶対にいけません。本来お互いに心から和合していなければいけないはずなのに、5指からの攻撃は耐えられない痛みを生むことがあり、その痛みは仕返しをしたいという欲望を生んでしまいます。そうではなく、お互いの腕で美しいアラベスクをなすよう試みてください。ある時は相手の腕の上から舞い降り、ある時は下から滑り込ませます。全く調和のとれたバレエの振り付けのようなジェスチャーで。どちらが上か下かきちんと決めておかないと、空中で衝突を起こしてしまいますよ。腕がこんがらがって結ばってしまわないよう、定期的に腕で円を描くように入れ替わる練習することも忘れずに。
Pascal DEVOYON(ピアノ)

クラシック以外の音楽

2009.09.16| 若林顕

私の家系は、両親を含めクラシック音楽に携わった人は皆無で、私も単に習い事の一つとして、近くの音楽教室に通わせてもらった、というのが、この道に入る唯一のきっかけでした。

ベートーヴェンの運命、田園交響曲の、出だしの部分は知っていたものの、その他はさっぱり、といった感じからのスタートです。

最初の頃の先生は、いわゆるピアノの専門の先生ではなく、声楽や作曲の先生だった事もあり、わりと音楽に対してピアノに対して自由なスタンス、気持ちで接していたようです。
音楽に対する考え方や感じ方も、あまり既成概念にとらわれない、独自の自由な発想をベースにしています。

そういう事もあってか、以前からクラシック以外の音楽も好きで、例えばカーペンターズの歌などは以前から大好きでした。
ハイファイセットの詩情も、シビレルものがあります。

最近では小田和正さんの歌も大好きで、ライブにも足を運びました。
頭や気持ちが限界で酸欠状態の時など、いつも救われる思いです。
やっぱりどんなジャンルの音楽であっても、その人がいかに気持ちを込めているか、魂を込めて音楽をしているか、というのが最も大事で尊くて、本質なんだろうなと、強く感じています。

自分でもコンサートで、映画音楽やJポップスのピアノ用の編曲ものを取り上げる事がありますが、クラシックであろうとそれ以外であろうと、
ピアノを弾く時は常にこの点にいつも気持ちを置いています。
やっぱり音は、その人の心の派動そのものであって、この波動が聴いてくださる方々の心に、どこまでも通って行ってしまうのだと思います。

車に乗る時に、クラシック以外の音楽をガンガンにかけてドライブすると、疲れも吹き飛ぶよう、ちなみにドライブでクラシックでは、チャイコフスキーは欠かせません!

でも音楽に入り込みすぎて興奮しアクセルを踏み込みすぎないように!、いつも気を付けております。
若林顕(ピアノ)

 

執筆業もたいへんっっ

2009.09.16| 宮本文昭

この秋に新しい本を出すというので、執筆に追われています。

これまで2冊の本を出させていただきましたが、次の本は、「疾風怒涛のクラシック案内」につづくクラシック音楽指南書です。まったくボクの独断でボクの好きな交響曲を8曲選んで斬り込んでいます。

ブルックナーやブラームスのレコードを繰返し聴きまくった青春時代。

オーボエ奏者としてドイツのオーケストラやサイトウ・キネン・オーケストラや水戸室内管弦楽団で演奏してきた体験。

そして、今、指揮者としてその曲がどう見えてきたのか?

徹頭徹尾「宮本流」で押し通しています。

今、最後のところに差し掛かっているのでまだまだシルバーウィークも必死にがんばらねばっ!

ベートーヴェンのことも「ガンコで偏屈で空気のよめないヤツ」と思いながらオーボエ吹いてたんですが、いざ振ってみると「ええっ??こんなことって。。。」ってことが起きるんですね~。

その詳しいお話は、ボクの10月3日のせんくらレクチャーで。。。
宮本楓峯昭
*宮本楓峯昭は宮本文昭(指揮)のペンネームです。

二台ピアノの秘訣 ?

2009.09.16| パスカル・ドゥヴァイヨン & 村田理夏子

今日はみなさんに、学門的なことをお話ししましょう !(ほんとですって !)

-言葉の秘訣
フランス語では―おそらく他のどの言語にもあると思うのですが―文字通り訳すと意味をなさない表現というものがあります。たとえば、“prendre ses jambes à son cou”という表現があります。これを日本語にすると間違いなく変に響くことでしょう。(直訳:首から足を取る)これは実は、”一目散に逃げる“という意味なのです。 他にも僕のお気に入りな表現がもう一つあります。それは、”obéir au doigt et à l’oeil”.(直訳:指と目に従う)この表現は、だれか(あるいは動物)が、完全にあなたの希望どおり従い実行する=”言うなりになる“という意味です。

-DUOの秘訣
さて、今度はピアニストのDUO(二人で演奏する)場合に出くわす問題についてお話したいと思います。もちろん、まず何よりもお互いにこれから演奏しようとする音楽への意見が一致している必要があります。その後は互いに決めたことをしっかりと実現しなければいけません。二台のピアノで一緒に弾くということは簡単なことではありません。ですので絶対に二人のどちらかがDUOを導く、つまり合図を出す責任を負わなければいけないのです。私たちの場合、その役割は私に与えられています。私には二つの方法しかなく、二台ピアノの場合には 二人が向かい合っているため、目が大きな役割を果たします。そして理夏子は私の目で起きていることを読み取らなければいけません。連弾では、隣に座るので規則的に目を合わせることはできないため、問題が違ってきます。その場合には、指で様々なサインを出す事ができます。

-夫婦の秘訣
そして、今度はどうして私がこれほど妻と一緒に弾くことを好んでいるのかお話しましょう。それは唯一、彼女が僕に”obéir au doigt et à l’oeil”.してくれる瞬間だからです・・・・。あ、僕の書いたことを彼女が読んでしまうので、”prendre mes jambes à mon cou”するなら今しかない!
Pascal DEVOYON(ピアノ)

カール・ライスター氏との出会い

2009.09.15| 若林顕

室内楽をやってきた中で、一番衝撃的で決定的だったのが、ベルリンフィルのクラリネット奏者だった、カール・ライスター氏との共演でした。

ピアニストにとって、良く鳴る音や歯切れの良さ、は勿論ですが、柔らかい音色、滑らかなレガート、は永遠のテーマだと思います。
これはピアノの楽器の構造上、一番難しい部分なのです。

最初の出会いだった曲は、モーツァルトの「ケーゲルシュタット・トリオ」
(ピアノ、ヴィオラ、クラリネット)、そしてブラームスのクラリネットソナタ1番、2番、その後もシューマン、プーランク、ルトスラフスキー・・・・・

約10年ほどの間、クラリネットの主要なレパートリーを網羅する勢いで、数多く共演させていただきました。

最初の頃から、「音が硬い、硬ーい、硬ーーい!!!」
「そこはレガート、レガーート!、レガーーートーッ!!」と、冷静な中にも極度な集中力と注意力を強いられ、、あー、思い出すと今でも胃がキリキリするような、厳しさでした。

しかし、こんなにありがたい音楽的経験は後にも先にもなかったくらいで、又これは自分にとって決定的ともいえる転機となり、ピアノの奏法を、その方向で更に考え直し、研究を続けていく原動力になりました。

しかもそれらを含むすべての私に対する要求は、自分の音が目立つように、ふきやすいように、等というものではなく、あくまでも音楽にそった、趣味や解釈を超えた正しい秩序、であったと思います。

それらを自分のソロ演奏に還元し、生かしていこうと、今も奮闘中です。
若林顕(ピアノ)

ちょっとした贅沢!

2009.09.15| 宮本文昭

7月は、小澤音楽塾のセミナーで京都に1週間滞在しました。
もちろんその間は、ホテル住まいなんですね~!

今年の演目は、「ヘンゼルとグレーテル」。

大役を果たしてくれた将来有望な若手演奏家たちに大拍手!!です。

京都の癒しは、何といっても「酵素浴」。サラサラの米ぬかの中に入って、極楽状態のご入浴と思っていただけるとGOODです。15分ほど砂風呂ならずのヌカ風呂に浸かっていると汗を大量にかいて、そのあとスッキリするんですね。小澤さんに昔教えていただいて、今では常連。ホントに気持ちよか~です。
8月もまた、サイトウ・キネンでは松本にいて浅間温泉めぐり!だったんだなぁ~!

せんくらのときもお薦めの「お湯」があったら教えてくださいね!
宮本楓峯昭
*宮本楓峯昭は宮本文昭(指揮)のペンネームです。

山の上の海?

2009.09.15| パスカル・ドゥヴァイヨン & 村田理夏子

ある有名なフランスの著名なユーモア作家、Alphonse,Allaisはこう言いました:“田舎に都会を作らなければいけません、空気がもっときれいだから・・・”

彼は初めて必要最小限をめざした音楽を作曲したことから、不条理な芸術の大家でもありました : 彼が作曲した葬送行進曲“ある偉大な耳の不自由な方への葬儀によせて”の楽譜は、なんとまっさらな白紙の1ページでした。彼の言い分は?“強烈な苦痛というものは、声が出ないから・・・”だとか。

このブログと何の関係があるかですって ? せんくらの演奏会では、理夏子と共にフランス音楽の中で最も美しい作品のひとつ、クロード ドビュッシーの“海”をプログラムに盛り込みました。皆さん、この曲を私たちは先日、初めてどこで演奏したと思いますか ?クールシュヴェール、そこは私の夏期音楽祭が行われているフランスの町です。クールシュヴェールはフランスアルプス山脈の高度1850メートルに位置している素晴らしい場所です。
そう、私は皆さんにこうお伝えできて嬉しいです!:私たちは山に海をもたらした第一号です !Alphonse Allaisも座布団一枚くれるかな?
パスカル・ドゥヴァイヨン(ピアノ)

 

ピアニストの孤独

2009.09.14| 若林顕

音楽家は孤独、とよく言われますが、ピアニストほど孤独なジャンルはないと思います。

ピアノは、一人ですべてを網羅します。
一人でオーケストラであり、室内楽奏者であり、歌手であり、そして究極の個人的な想いを吐露する詩人にもなり得る、その表現力の幅は断トツとも言えると思います。

その分、練習はいつもたった一人、音楽を構築・創造していくのも一人、
演奏旅行も一人、、色々な瞬間に、「きついな~ さびしいな~」と、よくせっぱ詰まります。
でもその、一人、がまたとても落ち着き、好きな所でもあるようです。
そうでもなかったら続けて来る事ができなかったでしょう。

そんなソロ活動の中、様々な個性の気の合う音楽仲間たちとやる室内楽は、ピアニストにとって本当にうれしい時間です。

私は幸運にもキャリアの最初のころから、素晴らしい方々との多くの室内楽の機会に恵まれてきました。
自分の小さく、かたくななカラを破ってくれる、本当に貴重な経験の連続でした。

一人で孤独なピアニストだからこそ、人と会話し、喜びや悲しさ、美しさを分かち合う、といった音楽に向き合う根本的な大事な姿勢を、その都度改めて思い返すのです。
しかし、ピアニストにとって多くの室内楽曲は、ソロと同じ、時にはそれ以上の練習が必要・・・他の楽器ももちろんそうだと思いますが、やっぱり音が多い分、旋律楽器より準備の時間がかかるのかもしれません。

ソロ活動とのバランスにだけは気をつけて、今後も続けていきたいと思っております。
若林顕(ピアノ)

あなたの自由に

2009.09.14| 宮本文昭

8月から9月9日まで、ずっと松本にいました。

その合間に、東京音楽コンクールの本選の審査員と、朝日カルチャーセンターの講演があり、3日間ほど帰京。

東京音楽コンクールはオーボエの入選は残念ながら、ありませんでした。

朝日カルチャーセンターの講演は、今回は8月の夏休み中で、東京音楽大学の学生さんたちは夏休みで出演できず、宮本が自らピアノの前に。。。

講演のまえにピアノの練習までやっちゃいました。

今回は、モーツァルトとベートーヴェンのピアノ五重奏曲。13管楽器のセレナードなど「管楽器の室内楽の聴きどころの肝」と「どんなふうにイメージを膨らませながら演奏家がこの曲を吹いているか?それをどんな風に楽しんでほしいか」なんていう「ほんわか~」とした楽しいお話をできました。

音楽は言葉がない分、その時の気分やその時の自分の聴き方で自由に愉しめる、本当にいいものだな~と思うのでした。
宮本楓峯昭

*宮本楓峯昭は宮本文昭(指揮)のペンネームです。

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