今日は、完全なオフ。
昨日感じた体のだるさの正体は、やはり風邪だった。
祝日の為、我が家のホームドクターは休診日。
ネットで検索して、近くの病院に行き診察を受ける。幸いインフルエンザは陰性、薬をもらって帰宅する。
山下一史(指揮)
ジョニーが来たなら伝えたい オンド・マルトノといえばオリヴィエ・メシアンによる数々の作品を筆頭にフランスという文化立国で大切に守られ育てられてきた20世紀生まれの楽器である。
しかし現代イギリスのアートシーンにおけるオピニオン・リーダーであり
かつ最も成功もしているロック・グループ<Radioheadレディオヘッド>のメンバーJonny Greenwoodがオンド・マルトノを彼等のロック・ミュージックに導入することで、この唯一無二の表現力を備えた楽器は、更により深い世界へその幅を拡げることになった。
『福音』はレディオヘッドの音楽への私なりの解答である。
ロックという概念はいつも私の中にあり 柱となった哲学であり、形式で音楽を捉えてはならないといつも自分を戒める指針なのである。
この清清しいジェントルマンは思わぬ拡がりをオンド・マルトノに、そして私にももたらした
多くの若者たちがジョニーを通してオンド・マルトノに興味を持ち始め
メシアンなども聴くようになってくれているのである。
楽器を弾いてみたいという希望も随分増えてきて、写真は池袋で続けている講座に通う娘さんたちがヴァレンタインにオンド・マルトノ形ケーキを焼いてきてくれたというわけ。
そしてジョニーは私のアトリエにやって来た。
原田節(オンド・マルトノ)
学園祭という人ごみの中にどっぷり浸かったせいか、少々体がだるい。
今日と明日は9月の貴重なお休み。僕たちの仕事はカレンダーと全く関係ないので、世間が5連休の9連休のといってもさっぱりピンと来ない。
今日は、今年の2月3月に20年ぶりにヨーロッパに一緒に演奏旅行した早稲田大学のオーケストラの打楽器プレイヤーたちとの、僕のスケジュールのせいで延び延びになっていた打ち上げ会。
打楽器といっても、石井真木さんの「モノプリズム」という曲で大活躍する和太鼓のメンバーで、総勢6名。この曲は、6台の締め太鼓による繊細なピアニッシモでの32分音の連打に始まり、最後は直径3メートルはあろうかという大太鼓を2人で叩き、それに中太鼓、締め太鼓、もちろんオーケストラも絡み壮大なクライマックスを形作る。
一人一人がソリストであり、また緊密なアンサンブルも要求される、体力的にはもちろん、何といっても精神的に過酷な作品で、しかも1カ月の間移動しながら十数回の演奏会をするのだから尚更大変だ。演奏家というより修行僧のような趣さえある彼らと一か月を共に過ごし本番を重ねるうちに、プロとアマチュアの垣根を越えた連帯感が生まれていた。
大いに語り合った一晩だった。この集まりはこれからも続く予感が。。。。
山下一史(指揮)
今日は我母校桐朋学園の学園祭「桐朋祭」で、学生さんたち有志のオーケストラの本番でした。学校の中庭に特設ステージを設けての野外演奏。僕が学生のころから(何年前?)ある催しで、でも指揮するのは初めて。
プログラムは、ショスタコーヴィチの「祝典序曲」、ハチャトリアンのヴァイオリン協奏曲のフルート編曲版、ソリストはヴィルトゥオーゾ工藤重典さん!メインは「展覧会の絵」という大変ハードなもの。
後輩たちは、終始熱い演奏を繰り広げてくれました。
この中から近い将来、プロのオーケストラに入団して我々の仲間として一緒に音楽できる子が出てくると思うと、なんだかワクワクします。
学生サン達の手作りの演奏会は、温かかったなあ。
遠い学生時代をちょっぴり懐かしんだ1日でした。
山下一史(指揮)
過去に仙台では、仙台フィルハーモニーの定期演奏会に呼んでいただくなど、協奏曲の演奏会はかなりいただきましたが、今回のようなソロコンサート、は初めてになります。
名古屋でのベートーヴェンピアノソナタ連続演奏会のあと、再びベートーヴェンのソナタばかりになります。
そして今回、ヴァイオリニストの鈴木理恵子さんとのデュオも初めてになります。
以前室内楽で、何度かご一緒させていただいた事がありましたが、今回は、ヴァイオリンソナタ中心のプログラムと、久石譲さんやピアソラなどを含む小品のプログラムでも、ご一緒させていただきます。
音楽に対して謙虚で自我のない、本当に自然で美しい音楽性をお持ちの素晴らしいヴァイオリニストですので、共演させていただくのがとても楽しみです。
又仙台クラシックフェスティヴァルのように、様々な、通常より短めのコンサートがたくさん盛り込まれた形は、皆様にとても幅広く、音楽を聴いていただきやすく、本当に素晴らしいと思っております。
皆様と演奏会場でお会いできるのを、今からとても楽しみにしております!
若林顕(ピアノ)
ベートーベン交響曲第7番の魅力は最初の序奏以降ずーっと「踊り」続けているベートーベンがそこにいる…いや…踊りのリズムが全ての楽章を通じて貫かれていることかな・・・・・?
ゆっくりな楽章も例外じゃない。
とにかく速度が早かろうが遅かろうが、永遠に前進するリズムのカタルシス…終わりなきリズムの繰り返し…。
(因みにラヴェルの「ボレロ」のカタルシスも同じだなぁ…)
そんな中…ゆっくりな楽章が始まってしばらくしたところに「古代舞踊」のような一瞬のフッとした無音停止空間
「……!」
がある。
全曲踊りのリズムで貫かれている中の一瞬の「間」…。
しかもたった一回きり。
このたった一回の「間」が好きだな。
決して前進する気持ちが停止するのでもなく、逆に動きのエネルギーを秘めた「待ってろよ!」の停止でもない。
フッとした一瞬だから聞き逃すかも知れないなぁ…
でもこの一瞬があるからベートーベンの「凄み」が伝わって来ると宮本は感じて居ます。
いかがですか?
『作曲家が音を書かない事によって多くを語る…』
今風に表現すると、
「ヤバい…」
でしょうか。
是非、せんくらの舞台で、それを見つけてくださいね。
宮本楓峯昭
*宮本楓峯昭は宮本文昭(指揮)のペンネームです。
今から5,6年前頃になりますが、ピアノ協奏曲の弾き振りを始めました。
最初は大阪で、よくピアノ協奏曲を弾かせていただいたいたオーケストラの方に初めてのチャンスをいただき、やらせていただいたのです。
後半の交響曲も振るという形で、モーツァルトの22番とショスタコービッチの1番の協奏曲、ベートーヴェンの2番交響曲、というものでした。
その後現在まで、プロのオーケストラや、音楽祭の寄せ集めの室内オーケストラ、等を中心に、様々な機会をいただく事ができて、とても感謝しております。
モーツァルトの協奏曲などで、指揮者とご一緒にやらせていただく形は、よりピアノに専念できるのでもちろん素晴らしいのですが、一方、全員がプレイヤー同士として、積極的に参加して、多少のアンサンブルの支障、特に縦の線のずれなどが若干伴っても、音楽の表現の中で、様々な会話をしながら展開する音楽も、とても美しく素晴らしいのではと、いつも感謝しながら弾かせていただいております。
この経験を通して得るものははかり知れません。
一番大きいのは、やはり自分の考えをはっきり再確認できる事、そして音楽を、ピアノからだけではなく広い視野や角度から見る事が出来るという点で、ピアノのソロに還元されるものがとても大きいと感じています。
すべては、より音楽的なピアノ演奏ができるために、という一点のために!これからも続けていけたらうれしい活動の一つです。
若林顕(ピアノ)
最近の宮本はクラシックが今まで以上に素晴らしく思えています。
「音楽」はポップスでスタートし、クラシックの勉強をオーボエと言う楽器を通じて高校とドイツで学び、そのドイツで卒業後の27年間をフランクフルトやケルンのオーケストラ、サイトウ・キネン・オーケストラで演奏し…途中でクラシックと並行して再びジャズポップスの演奏やCDも制作して、あらゆるジャンルに「遠足」もしました。そのオーボエ演奏を3年前に止めて以降、再びクラシック音楽まっしぐらの日々。当分ジャズポップスには近寄らず、完全純然クラシック一辺倒人間になってます。
きっと何時かまたジャズポップスにも「ご挨拶」するんだろうけど、今はもっともっとクラシックをやりたい!って思っています。
「生き方」として素晴らしいと思うプレヴィンやバーンスタインは若い時期にハリウッドの映画音楽やジャズミュージシャンとして生きて、その後は完全にクラシック音楽のオーケストラ指揮者として活躍、その後たま~に洒落でジャズもやったり…。
なんかいい感じ…。
でもある時期のクラシックオーケストラというのは絶対不可欠なものと言う気がする。
クラシックの決められた楽譜をそのままの様でいて自分にしか表現出来ないような個性的な演奏をして行く苦労は、何でも自由に作れるプレイより何倍も難しい。決められて存在している楽譜を縦横無尽に自由に演奏する…。それが出来ないと良く言われる「退屈なクラシックに成り下がってしまう危険」は大きい。その危険はすべて自分でクリエイトして退屈な結果…よりも何倍何十倍もありがちな結果…。だからこそ冒険心、闘争心、達成感を得るための勉強心をかき立てる。
こんな年齢になってもまだ挑戦状をつきつけて来ると感じさせてしまうクラシック音楽…やっぱり凄い!と思ってしまう。
今…そんな日々です。
宮本楓峯昭
*宮本楓峯昭は宮本文昭(ピアノ)のペンネームです。
演奏会や試験、コンクールなど本番を控えると、誰でも緊張します。そういう時、何かにすがって安心したいと、身近な人や先生に≪何かひとこと本番に向けて言葉をください!≫と求めることがあります。そして集中してね、とかおもいっきり弾いてね・・などと言われることを想像するわけですが、ドゥヴァイヨンの口からでる一言はいつもなんだか一味違うのです。
ずいぶん前になりますが、ある時ベルリンの生徒さんがコンクールを控え、先生なにか一言・・・というと、ドゥヴァイヨンの口から出た言葉は、満面の笑みとともに
エンジョイ ライフ! (Enjoy Life!) ヽ(`▽´)/
その言葉は、エネルギッシュに人生を楽しんでいるまさに彼らしい一言。でも人生を楽しんで!なんてすごく新鮮。一味違ったエールをもらった生徒さんはとても喜んでいて、周りの私たちも仲間内でみんな未だに何かあるとEnjoy Life!と言ったりしています。
そして、先日。私たちが10月4日にも演奏させていただくデュカスの“魔法使いの弟子”を演奏した時のこと。私は直前にとても緊張していたので、“舞台で何を考えたら集中できるかな?”と彼に聞いてみると、
“たっくさんの水”
というのです。そう、魔法使いの弟子は、ディズニーアニメ“ファンタジア”に使われている曲。ミッキーマウスが演じる魔法使いの弟子が、師匠に水くみの仕事を頼まれ、面倒くさいので見よう見まねでほうきに魔法をかけると、ほうきが動き出して水くみを始めてくれるのです。ところが、必要以上にどんどん水を汲み続け、家が大洪水に・・・・!!!
というゲーテが作ったお話。たっくさんの水、という思いがけない言葉を言われたおかげで、舞台の上では水があふれた時のあのミッキーマウスの映像が目に浮かび、何だかとても楽しく弾けました。みなさんも、ファンタジアのアニメを見てからこの曲を聴くと何倍も楽しめますよ!
考えてみると、4日のプログラムは水がいっぱい。デュカスだけでなく、ドビュッシーの“海”では、朝焼けの静かな海から、波や風をうけた様子まで、様々な海の表情を音にし、会場を水で満たします。
がらりと違う“太陽そして踊りの国”スペインにかかわる曲を集めた3日の演奏会と合わせて両方とも“Enjoy Life!”できること、間違いなし!!でも、4日は会場には雨がっぱを忘れずに?!
村田理夏子(ピアノ)
音楽家には、意外と「格闘技ファン」が多いようです。
ピアニストの中ではどうか??わかりませんが・・・
私は以前から空手や格闘技がとても好きでした!
小学生だった頃テレビで見た、アントニオ猪木 対 ウィリー・ウィリアムズの試合は、忘れがたいものがあります。
あの緊張感は、子供心にも強烈なインパクトでした。
何が好きなのかなぁ~と思うと、やっぱりあの真剣な瞬間、を観るのが好きなんだと思います。
高ぶった気持ではない一瞬の、何かと合致した時に出る技や動き、一流選手のそれは、やはり極められた美しさを感じます。
あと試合における、気の流れ、といったものにもとても興味をひかれます。
こじつけるつもりはありませんが、この気の流れなどは、まさしく音楽でも同じような現象があると感じます。その一瞬の間の取り方、音にも。
私は、もう10年以上前になるかと思いますが、格闘家の前田日明氏と、対談をさせていただいた事があります。
体の大きさや独特の強いオーラも強烈でしたが、非常に紳士的で、謙虚なお人柄にとても感銘を受けたのをよく覚えています。
やっぱり、ひとつの事に真剣に取り組んできた人の言葉は、本当に説得力があるのだなあと、つくづく感じました。ヴァイオリニストでは、ミシャ・エルマンがお好き、と聞き、ぶっ飛んだのをよく覚えています。
時々チラッ、チラッ、とこちらを見てくださる目が、若干、いや、かなり怖かったですが・・・。
リングに上がる直前まで、「突然の何かで試合が中止にならないかな~」といつも思われるそうです。
怒られるかもしれませんが、私もステージに出るまで、怖くて怖くて、
まったく同じことを考えてしまうので、共通点を見つけとてもうれしかったです。
でもやはり、本番前までに、出来る限りの準備をしなければならない、
という事が、最大の共通点でした。
若林顕(ピアノ)