せんくら・うた劇場「泣いた赤おに」~ことばと音をむすぶ
吉川 和夫(作曲家)
今年も、せんくら・うた劇場を開催できることになり、大変嬉しくワクワクしています。今年は、中村優子さん、髙山圭子さん、原田博之さん、武田直之さんという最強歌唱陣に、倉戸テルさん(ピアノ)、山本純さん(チェロ)、星律子さん(マリンバ)という名手が加わって、山形県出身の作家・浜田廣介の名作「泣いた赤おに」をお届けします。
ちいさなお子さんのために「読み聞かせ」をしますよね。せんくら・うた劇場は、物語を歌と音楽でお聴きいただく、おとなも子どもも楽しめる「歌い聞かせ」です。
さらに、アトリエ・コパン美術教育研究所(石巻+仙台、主宰=新妻健悦さん、新妻悦子さん)の6歳から11歳までの子どもさんたちが、この公演のために、物語に合わせてとてもステキな絵をたくさん描いてくれました。音楽とともにスライドで映写します。楽しい物語と美しい絵、そして音楽が繰り広げるせんくら・うた劇場の世界、ぜひお立ち会い頂きたいなと思っています。
合唱劇「泣いた赤おに」について、少しご紹介しましょう。2017年10月、仙台クラシックフェスティバル「せんくら・うた劇場」公演のためのアンコールとして、ラストの場面「青おにの書き置き」を作曲しました。その後、山形を拠点とする合唱団じゃがいもから声をかけて頂き、文翔館創作劇場の上演曲目として全体を作曲、2019年3月に文翔館議場ホールで初演しました。それまで合唱団じゃがいもとともに作ってきた作品と同じく、多少省略することはあっても、基本的には原文そのままに作曲をする、ことばの置き換えや脚色は一切しないというスタンスです。
しかし、正直言って、「泣いた赤おに」全体を作曲することには、少々のためらいがありました。あまりにも有名な作品であること、すでに他の作曲家によって音楽化されていることが理由ですが、浜田廣介の文体に付曲する難しさも、ためらいの理由のひとつでした。例えば、「それはまるいたまごでした」と書かれても差し支えない文が、ひろすけ童話では「それはひとつのまるいたまごでありました」(「よぶこどり」)となっていたり、「ですから」が「それでしたから」(「むくどりのゆめ」)であったり、やや古風とも言えますが、大変丁寧な文体で書かれていますので、ひとつの文が長くなります。文が長くなれば、それだけ作曲するべき音が増え、旋律が長くなり、話の運びが遅くなるのです。その点は、以前に作曲した音楽童話「むくどりのゆめ」でも経験したことでした。それでも、作曲を手がける私としては、あらすじだけを抜き出した作品にしたくはない、ひろすけ童話の格調というべきこの文体をまるごと音楽に乗せたいと考えましたので、作曲にあたっては話のテンポが緩慢にならないよう留意する必要がありました。
また、ひろすけ童話を音楽化する難しさは、文体だけではありません。ひろすけ童話の主人公たちには、どこか孤独の影が見え隠れします。母の面影を慕うむくどりの子(「むくどりのゆめ」)、いなくなってしまったひなを待ち続けるりす(「よぶこどり」)、星の光のように輝きたいと願う古い街灯(「ひとつのねがい」)。これらの主人公たちは、みんなひとりぼっちで何かを求め続けています。人間たちを喜ばせることはできたけれど、親友を失うことになった赤おに、友のために自己を犠牲にした青おにもまた、自分ひとりで生きていくことを引き受けなければならない孤独を抱えます。ユーモアと優しさで包み込まれた孤独と寂寥感を描きだすのは容易ではありませんが、音楽にはそれらを温かく包み込む力があります。目で読むのとはまた違った、ひろすけ童話の魅力を聴き取って頂ければ幸いです。
2021年せんくら、公演番号68、せんくら・うた劇場「泣いた赤おに」は、10月3日(日)14時15分、エルパーク仙台・ギャラリーホールで開演です。どうぞお楽しみに!
仙台フィルコンサートマスターの神谷未穂です。
もう夏も終わり、いつの間にか芸術の秋、そしてせんくらシーズン到来ですね。
2021年、今年のせんくらは仙台国際コンクール受賞者で、演奏家、指導者としても大活躍の佐藤彦大さんとソナタ最高峰と言われるフランクのソナタをメインにしたプログラム、バロックチームとはブクステフーデ、テレマン作品を、仙台フィルでは山下一史マエストロとのB、D、E公演のコンサートマスターを担当します(AとCは西本さん担当)。
佐藤さんとはフランクを既に4月に新潟りゅーとぴあで演奏し、
せんくらに常連出演させて頂いている神谷、小池、ジラール、梅津のバロックチームは、3ヶ月前から4人のリハを開始するという意気込み。
沢山練習を重ねて練り上げても、本番の会場やお客様とのコミュニケーションから生まれる、響きや間(ま)によって新たにその場で創り出されたり、変わったりするのが、生演奏、ライブの面白いところ。
コロナ禍で中止、キャンセルが続いた苦しい経験により、そんなライブマジックがいかに大切かを、再認識しました。
せんくら会場でお会い出来たら嬉しいです🎶。
以下、写真と綴るコロナ禍に行った事。
コロナ禍で健康を見つめ直してダイエットしたり、ヨガを再開したり、フォームを見直したり、基礎練習をしたり、旅行に行けない分、色々な世界の音楽を聴いたり、本を読んだりしています。
この本、面白い!!
数年前のせんくらで指揮をされた山田和樹氏と浦久さんの御本。
ちなみに、みほのみは、未来の未です。。。笑
コロナ禍に発売となった、エマニュエルがフランスチームと録音した新CD。私も一曲参加。
音楽雑誌でご高評頂いています。
エマニュエルはコロナ禍にYouTubeチャンネルも開設しました。こちらもどうぞよろしく。
演奏もバッハの無伴奏組曲の解説もとてもいいですよ。
、、、と身内(夫)を褒める妻。
今年は祝・結婚20年!
https://m.youtube.com/channel/UC4x82jW7kgG7eKLX11Sn5wg
音楽雑誌「サラサーテ」10月号に基礎練習についての記事が載りました。
コロナ禍でオンラインレッスンも増えました。
教えている宮城学院女子大学の生徒もせんくらに出演します。
息のあったバロックチーム。
リハを行った小池さんのお部屋との色合いもバッチリ🎶。
コロナ禍に宮城県立美術館で開催されたモリス展を思い出す、モリステイスト満載の素敵なお部屋。
先日オペラシティで行った仙台フィル東京公演を聴きにいらして下さった山下一史氏と舞台裏にて。
この日、山下氏はパラリンピック2020の聖火を持つイベントの後にいらして下さいました。
スポーツのお祭りの後は音楽のお祭り!
皆さん、こんにちは!
仙台フィルハーモニー管弦楽団コンサートマスターの西本幸弘です。
昨年は新型コロナウィルスの影響でせんくらとして皆様にはお会いできませんでしたが、今年はせんくらでお会いできますね😊
皆様はstayホームなどどんな時間をお過ごしだったのでしょうか?僕は普段ゆっくりと時間の取れない趣味の料理やギターの時間を増やしつつ、今後のアーティストキャリアを考えたりの日々でした。料理では初めてカワハギを捌いたりと、少し腕を上げられた気がします。(笑)
そしてそんな時間の中で、登山という、もう一つ趣味の様な、自分と向き合う貴重な時間を作ることが出来ました。父がワンダーフォーゲル部だったこともあり幼い頃は山登りに行ったこともあったので、昔も思い出せる時間です。登山中は少しの間だけ完全に音楽と離れて足元に気を付けながら一歩一歩頂を目指し、一つ一つ色々なことを考えられます。貴重な時間です。登山に向けては、数日前から気温や天気を調査しながら、色々なリスクを想定して荷造りをする。そして地図を読みながら目の前の景色を見ながら進んでいく。数時間かけて行き着いた先には絶景も待っています😆その達成感足るや快感です!そして、遠足と一緒で家に帰るまでが登山。実は危険は下り道の方が多くて、集中力を要します。ある意味音楽から完全に離れるけど音楽とも似ている気がしています。一つのコンサートを制作して演奏して終演後にフィードバックしてのような。
そんなわけで、これからも登山は時間の許すときに続けていこうと思います。
さて、肝心の今年のせんくらの出演公演についてです。仙台フィルの公演はもちろん、個人では、今年は久々のフェスティバルソロイスツと、どしゃ降りバンドでの出演です♪
毎回ソロイスツでは素晴らしいメンバーと限られた時間で最大限の化学反応を目指す時間です。きっと今年もお楽しみいただけること間違いなしです!
もう一つのどしゃ降りバンドは、大学時代の同級生と結成した何でもありのボーダーレスバンドで、僕が雨男であることも理由で、音のどしゃ降りをも起こしたい「どしゃ降りミュージックアワー」というのをスローガンに活動しています。メンバーの健ちゃん(髙杉健人さん)は、ここまで行くか!といつも思う超絶アグレッシブなコントラバシストです。クラシックはもちろん、どんなジャンルでも活躍していて、特に今ではタンゴのスペシャリストでマルチなアーティストです。そして今回はピアニストのポチ(髙橋翔吾さん)が諸般の事情で参加できないこともあり、スペシャルゲストとして信頼しているピアニスト山中さんとのコラボをします。作曲家でありピアニストでもある山中さんとどんな音楽が出来るのかは、僕ら自身も未知数で今から楽しみです。
きっと、レンジが広くてクラシックもこんな表現にチャレンジできるんだということをお伝えできるのではないかなと思いますし、純粋にライブ感のある「ライブコンサート」を目指していきます。ぜひ心よりお待ちしております🙇
最後になりますが、せんくらではこんなときだからこそ心が柔らかくなり豊かになるようなコンサートが沢山あると思います。ぜひ楽都仙台の音楽祭楽しんでいただけると幸いです🙏
Ciao!!
せんくらファンの皆さま
こんにちは。コントラバス奏者の助川 龍です。
今年も大好きなせんくらに参加させていただける事とても嬉しく思っています。
今日は私の兄でギタリストの助川太郎とのデュオユニット”助川ブラザーズ”の公演について紹介いたします。
私たちはボサノヴァ・ジャズ・タンゴをはじめ南米や世界中の楽曲から“今“自分達の心に響く楽曲をアレンジして演奏しています。クラシックやオリジナル曲も演奏します。
今年は世界中の“うた”をお届けします。
うたを歌い届ける場所、そして大好きなボサノヴァにかけて、《ウタノバ》と題しました。
うた、というのはもちろん歌詞があります。つまり明確なメッセージがあります。
でも僕は最初にその曲を感じるのはメロディとリズムで、メッセージは後から知る事も多いです。
今回演奏するうたの歌詞はどんなメッセージがあるのか、少しご紹介します。
スコットランド民謡の“The Water is Wide”は広い河の岸辺と訳されたりします。この広い河を渡る翼を私は持っていない。私達2人が乗って渡れる小舟が欲しい、と歌っています。
ひとは夢み、旅して、いつか空を飛ぶ、と歌うのは武満徹の“翼”。
遠い旅路に思いを馳せる、いつの日か故郷に帰ろう…
日本の名曲“椰子の実”ではこの様な意味が歌われています。
タンゴの名曲“想いの届く日”では
君を夢に見て目覚めた朝には、柔らかな陽射しに揺れる花がうたう…と始まります。素敵。
映画「黒いオルフェ」で使われた名曲“カーニバルの朝”はブラジルの国民的お祭りリオのカーニバルが終わったその翌朝の切ない気持ちを歌ったうたです。
昨年はせんくらを始め楽しみにしていたコンサートが沢山無くなってしまいました。
辛い現実を目の当たりにして、
その現実からいつもの日常を夢み、
そして夢が現実だったのだと知った、
そんな一年でした。
世界中で愛されるこれらのうたも時代や背景はさまざまですが、どの曲も想い通りにはならない現実や、またその現実を乗り越える夢や希望を歌っています。
偶然好きなメロディを繋いだ選曲でしたが、偶然はいつも意味を帯びてくるものだと感じます。
さまざまな規制の中で生活する今ですが、せんくらのこの一時、参加する音楽家の皆さんや集まる皆さんそれぞれの想いの届く日になる事を願っています。
そしてこの様な状況下でフェスティバル開催の準備をして下さるスタッフの皆さまに心より感謝しています。
それでは皆さんと再会出来る事を心待ちにしてます!
最後までお読みいただきありがとうございました。
公演番号:4
公演日:10月1日(金)11:30~12:15
ギターとコントラバスの
ボッサな名曲広場
「ウタノバ」
会場:日立システムズホール仙台|パフォーマンス広場
出演者:
公演日:10月2日(土)17:00~18:00
一期一会のドリーム・アンサンブル
「せんくら・フェスティバル・ソロイスツ」
名曲で聴く弦楽アンサンブルの極み!
会場:日立システムズホール仙台|コンサートホール
出演者:
助川 龍(コントラバス)
ほか
皆さんこんにちは。仙台フィルハーモニー管弦楽団トランペット首席奏者の浦田誠真です。
毎年、仙台フィルとしてせんくらに出演するのを楽しみにしておりましたが、今年はソロでも演奏する機会をいただき、大変光栄です。
今回の公演では、コントラバスの田中洸太郎さん、クラリネットの鈴木雄大さん、そして私トランペットの浦田の3名がピアニストの石丸友貴さんとの共演でそれぞれソロを演奏します。弦楽器、木管楽器、金管楽器のそれぞれの違った魅力を堪能していただますし、今回一人ずつ聴くことでこれからオーケストラを聴く際により立体的に音を感じていただけるのでは、と思ったりもしています。
私も田中さん、鈴木さん、そして石丸さんがどんな演奏をしてくださるのかとても楽しみです。
ピアニストの石丸友貴さんとは、2019年3月の新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズにて、オーディションに合格し、それぞれソリストとして仙台フィルと協奏曲を共演した際にご一緒した時が初対面でした。石丸さんはシューマンのピアノ協奏曲を素晴らしく演奏されていたのを覚えています。その時は二人共ソリストだったこともあり、共演は今回が初になりますので、やっとご一緒することができて嬉しいです。
ところで皆さん、トランペットと言う楽器にどのようなイメージを持っていますか?
式典などでファンファーレを吹いていたり‥
ジョン・ウィリアムズをはじめ沢山の映画音楽でかっこいいテーマを吹いて大活躍していたり‥
テレビドラマで渋いメロディを朗々を歌っていたり‥
オーケストラや吹奏楽ではここぞの瞬間に登場して活躍していますよね。
今回、私が演奏する、A.アルチュニアン作曲のトランペット協奏曲は、そんな分かりやすい「トランペットらしさ」がギュギりュッ!と全部詰め込まれた、美味しいどころ取りの贅沢な作品です。
作曲者のアレクサンドル・アルチュニアン(1920-2012)はアルメニアの作曲家で、アルメニアの民族音楽を取り入れたオーケストラやソロ、室内楽作品を生み出し、中でもトランペット協奏曲は名作で、トランペット奏者にとって非常に大切なレパートリーになっています。もともとはオーケストラとトランペットの為に作曲されていますが、今回はピアノ版でお送りします。
アルメニアと言うと日頃あまり馴染みがないかもしれませんが、吹奏楽がお好きな方はアルメニア民謡を素材として作曲された、アルフレッド・リード作曲の『アルメニアンダンス』が思い浮かぶのでは無いでしょうか。
『アルメニアンダンス』でも今回のアルチュニアンでもそうなのですが、ワクワクと心が浮き立つような特徴的なリズムと、ゆったりとした叙情的で少し淋しげな旋律が非常に魅力的です。
この協奏曲は、単一楽章で14分ほど続けて演奏されます。劇的な序奏に引き続いてリズミカルな主題と叙情的なメロディが交互に現れるのですが、つい口ずさみたくなってしまうような魅力的なメロディばかりで、私自身とても大好きな曲です。曲の一番最後に登場する、大カデンツァにもご注目ください。
トランペットの魅力がたっぷり詰まったアルチュニアンのトランペット協奏曲、皆さんのお気に入りの曲にもなったらとても嬉しいです。
公演番号:9
公演日:10月1日(金)13:15~14:00
仙台フィル若手メンバー大集合!
~今後、よろしくお願いします!~
会場:日立システムズホール仙台|交流ホール
出演者:
浦田 誠真(トランペット)
田中 洸太郎(コントラバス)
鈴木 雄大(クラリネット)
石丸 友貴(ピアノ)
我妻 雅崇(ナビゲーション)
せんくらブログをご覧の皆さま、こんにちは!
今日は、公演番号50番&55番に出演する金子三勇士が掲載を担当します!
コロナ禍で開催される「せんくら2021」は、仙台市をはじめ全国から駆け付けてくださる音楽愛好家の皆さま、スタッフの方々、そして僕たち出演者にとっても特別な音楽祭になると信じています。
そんな一期一会とも言える公演に向けて、皆さまに今最も届けたいプログラムを準備しています。
公演番号50番のテーマは癒しと刺激。With Coronaの時代をイメージした選曲の中でも特にご注目いただきたいのはこの日の「メインディッシュ」ベートーヴェン=リスト/金子三勇士編の交響曲「第九」〜せんくら特別バージョン〜です。本来であれば大編成のオーケストラ、合唱団そして4人のソリストで奏でる大作に、今だから実現できる「ピアノ」という新たな形で挑戦します。是非その瞬間に立ち会ってみませんか??(^^)
更にもう一つ…
実は今年のせんくらにはもう一つ、特別な思いがあるのです…
私事ではありますが、おかげさまで今年2021年に日本デビュー10周年を迎えます。デビュー当初から毎年のようにお邪魔してきたせんくらは、一回一回が大切なマイルストーンであり、毎年秋に「帰ってくる」思い出の場所です。
今回も楽しみにしている牛タン、笹かまぼこ、萩の月のチャージなしには次の10年に向けたスタートは切れません!!
最後になりますが、、、
10月には、コロナ対策をしっかり行いながら無事お会いできる事を心から願っています!
それまでも皆さま、どうぞお体に気を付けてお過ごしください!
P.s. コロナ禍で立ち上げました個人の公式YouTubeです。是非覗いてみてください!
https://m.youtube.com/c/MiyujikOfficial/videos
今回はオーボエ奏者の休日について書きたいと思います。
オーボエ吹きはリードと呼ばれる部分を自作するために休日の大半をその製作に終われるという悲しい生き物でございます(笑)
本番のステージでいい音を出すためにはもちろんですが、練習するのにもリードがないと始まらないということで時間を見つけては工作に明け暮れる日々なわけです。
このように家にはたくさんのリードの材料である葦(あし)のストックがあります。カラフルなケースの中もすべて葦のストックです。
これを加工するわけですが、それを削るためにはよく切れるナイフが必要ということで専用の「リードナイフ」というものが売られております。これが重さやバランスなどがさまざまで、いろいろと使いやすさが違います。
結構全国各地の刃物屋さんで作っていることが多く、見つけるたびに買い漁ってしまうためすごいナイフのストックになってしまっています。
まだまだここに写っていないナイフもあるのでもう一生ナイフを買う必要はないと思うのですが見つけると試したくなって買ってしまうのです(奥さんの半ばあきれた反応を、気がつかないふりをしつつ・・・)
最近はこのリードナイフを研ぐための砥石の勉強にも没頭しており、ますますいろいろなものが増えそうな気配が漂っております(汗)
誰かいい砥石情報をお持ちでしたらせんくら会場でこっそり教えてくださいね。
西沢 澄博(オーボエ)
ファゴットの水野です。
西沢さんも書かれたかと思いますが、公演番号82の管楽器部隊の仕込みを、東京芸大で行いました。
僕は1983年4月から1987年3月まで通ってました。
卒業してから30年以上経つわけです…
受験直前に新幹線(新潟県三条市出身なので上越新幹線)が出来たけれども、まだ大宮まで、大宮~上野は「新幹線リレー号」、そんな時代でした。
なので「新幹線地下ホーム~芸大」という感覚は薄く、今回、とてつもなく遠く感じました。
上野公園は今のようにキレイではなく、奏楽堂は廃墟、お化け屋敷のようにまだ芸大の中にありました(立ち入り禁止)。
先生方も当然変わってます(僕の師は2017年3月に退官)し、部屋も様変わりしてますが、そんな中、ファゴット部屋を覗いたらこれが変わってなかったのです。
金庫です。
ファゴット部屋の主!
楽器を保管するためのモノですが、僕が入学した時にありました。
凄い!
入学して早々に言われたのは
「1年生は早く来て鍵開けるんだよ」
と。
でもなかなか開けられず、金庫の前に立ち尽くし、困っていると、先輩がいらっしゃって
「やっぱりだめかあ。そうだと思ったんだけどね。」
笑われ、開けて頂く1年生の4月…
懐かしいです
「これ、どうしたんですか?」
と先輩に訊いたら
「なんかね、違う棟で廃棄処分になったのを持ってきたらしいんだよ、よく分からないんだけど」
…いったい、いつからあったんでしょうか?
今でも1年生は鍵開けに苦戦するそうです。
そこも変わってません。
あ、さすがに番号覚えてませんよ、僕。
今回、演奏する2曲はどちらも芸大に通ってた時に音を出したものです。
その頃とは考え方、アプローチ共に違いますが、室内楽に対する僕の原点は芸大にある気がします。
ファゴット金庫に会えて良かったです。
書いていて思い出しました、僕は4年間、朝は上野駅を使わず「博物館動物園」駅を使ってました。
その頃でも夕方18時で営業終了、という珍しい駅でしたが、芸大まで徒歩2分、重宝してました。
だいぶ前に廃止。
建物はいつまであるのでしょうか…
水野 一英(ファゴット)
こんにちはオーボエ奏者の西沢澄博(にしざわ きよひろ)です。
今年も秋の風物詩せんくらの時期が近づいて来ましたね。皆さんは既にお気に入りの公演を見つけてチケットを購入されましたか?演奏者も今から自分の空き時間にどの公演を聴きに行こうかタイムスケジュールとにらめっこしております。
さてワタクシは今年、所属している仙台フィルでのオーケストラ公演の他に2つほど参加する予定です。まず1つ目は「せんくら・うた劇場」(公演71)です。この公演では宮沢賢治原作の「オツベルと象」を演奏します。2015年に山形の「合唱団じゃがいも」のために仙台の作曲家・吉川和夫先生が書かれた合唱劇になります。楽器編成がオーボエとヴィオラとコントラバス、そしてピアノと歌・・・と、とても独特なのですが、とても素敵な響きで、美しい曲です。ちなみに共演する仙台フィルの仲間であるヴィオラの百々さん、コントラバスの助川さんとは2015年の初演のときもご一緒させて頂きました。
そして2つ目「仙台ゆかりの名演奏家」(公演82)ではベートーヴェンの名作、「ピアノと管楽のための五重奏曲」を演奏します。
こちらは仙台国際コンクールの覇者でもあるピアニストの津田裕也さん(もう仙台の皆さんには説明不要の有名人、素晴らしいですよね!!!)に加え、管楽器奏者4名は
オーボエ ニシザワ (青森出身)
クラリネット 伊藤圭さん (N響首席 古川出身)
ファゴット 水野一英さん (仙台フィル首席 新潟出身・電力は東北電力!!)
ホルン 庄司雄大さん (藝大フィル 仙台出身)
という顔ぶれで全員が東北・宮城に関係のあるメンバーでお届けします。
さて先日、東京でこの公演82のために管楽器メンバーだけで事前にリハーサルをしてきました。
比較的演奏機会が多く仙台でも幾度も演奏したベートーヴェンの五重奏ですが、クラリネットの伊藤さんとも、ホルンの庄司くんとも始めて演奏するのですが、いろいろなアプローチを受けてこちらもとても刺激を受けてよい時間となりました。名曲は何度やってもいろいろな視点、気づきがあり、飽きることがないですね。というか毎回作品の偉大さを実感します。
ちなみにこのリハーサルの直前にホルンの庄司くんが日本管打楽器コンクールで一位を取るという快挙を成し遂げたので、練習開始前にあの有名なホヤ加工品を贈呈しました(笑)
これからもホヤを食べて宮城パワーを色々な場面で発揮してもらいたいと思います。
ま、僕が個人的に大好きなホヤの話はほどほどに(笑)今回の「せんくら」は 仙台で活躍する素晴らしい作曲家である吉川先生の作品に関わる事ができる、そして地元が生んだ素晴らしい音楽家の皆さんとご一緒出来るという事で、今からとても楽しみです。それぞれの作品やの魅力をお伝えできるようしっかりと準備して皆様を会場でお待ちしたいと思います。ではまた会場でお会いしましょう。
西沢 澄博(オーボエ)
本日も、こんにちは~。
西本ブログ最終日です!!
結局、前回もリサイタルのお話で終わってしまったので、最終日はプロデュースアンサンブル公演【83】について書きます。こちらの公演ありがたいことに、完売したとのご連絡いただきました(^^♪
このアンサンブルは僕にとっても初めての挑戦です。
ヴァイオリン×2、ヴィオラ、コントラバス、クラリネットの5人。ここ数年ずっと考えて温めていたこの編成でのコンサートです。
実はイギリスに留学していた時にパブなどで、この編成での音楽を耳にする機会が何度かありました。大概の編成に登場するチェロが存在していないのに充実していて、でも、軽やかさがある。チェロのいない空間は少しドライな印象ですが、機動力は凄まじい。他では体験体感できない響きを音出来ると思います。
簡単に言うと!軒下で飲んでいる場所に現れる《流しバンド》だと思ってください!!(笑)
ギターやアコーディオンを肩から下げて、、、、、
ウィーンでもシュランメル兄弟を中心にこういった機動力のある小編成のバンドが、市民と一緒にカジュアルに音楽を楽しむという文化が沢山ありました。
きっと、それはポルカやワルツは音楽のための音楽ではなく、大衆市民が楽しむためであり交流を深めるための音楽や踊りだったのではないかと僕は思っています。
そこで、仙台市民である仙台フィルのメンバーで流しバンドやっちゃえ!!って企画です。
シュトラウスやランナーというワルツとは切っても切れない作曲家、そして我々の音楽の情熱や喜怒哀楽を存分に注ぎ込むであろう民俗舞踊曲をお楽しみください。
せんくら期間中に、どこかに突然現れて、流しちゃうかも!?( *´艸`)
というわけで、3日間せんくらに向けたコンサート解説しましたが、皆様それぞれの楽しみ方でコンサート味わって頂けると幸いです。
今年は4月より九州交響楽団でもコンサートマスターを兼任、ラジオ番組でレギュラーMCなど、沢山の新しい経験をたくさんしています。色々な経験を元に、もっとたくさんの角度から皆さんと音楽を楽しめる方法を探りながら、せんくらで皆さんと一緒に楽しみたいと思います。
それでは、また会場でお会いしましょう!!
西本 幸弘(ヴァイオリン)