アコーディオンの音色は、体の動きと呼吸でつくられている。楽器が体に密着しているので、ちょっとした小さな動きや呼吸にも音に影響する。
楽器の真ん中にある『蛇腹』によって空気が送られてくるが、蛇腹の部分だけではなく楽器全体どこに触れても、音は変わる。それがフォルテ、フォルティッシモのような大きな音の場合はそれほど気にしなくていいが、音量をだんだん、それもゆっくりと弱くしていこうとすると、急に操作が難しくなる。体全体でバランスを取りつつ、さらに呼吸を合わせながら、徐々に徐々に音たちが小さくなるようする。
アクセントにもいろいろある。
・腕でグイっと力強く引っ張り、蛇腹を返すとき右肩にドンとぶつけ、左足を上げてすっと下へ落とす。
・柔らかいアクセントとしては左足を上下にゆっくり動かし、呼吸を短く「はーっ!」とはく。
・特にデリケートな弱音アクセントは、お腹を前にちょっと突き出し、腰を使う。
例えば赤ちゃんが泣いてぐずっているときは、抱っこして揺らしているとだんだん大人しくなってそのうち寝てくれる。このときの揺らし方は、腕をガタガタ上下左右に揺らすのではなく、膝や腰や頭で軽い動きをとりながら、体全体を緩やかに振動させる。赤ちゃんを抱いている手や腕は常時静かなポジション。この感じが緩やかアクセント。
音を揺らすヴィブラートに関しては、とにかく体のどこかがちょっとでも揺れていれば、それでヴィブラートになる。というか、なってしまう。緊張して体や呼吸が震えると、音もブルブル震え出す。そういう演奏は、聴いている方まで緊張してしまう。とにかくその日のコンディションが音になって出てくるので、アコーディオンは一種の体調チェック・マシーンでもある。
写真説明:ドイツとオランダの国境を流れるヴルム川。私は水の音が大好きなので、よくここまで散歩にくるが、ある日この石橋から水面をながめていたら、ふと新しい演奏法を発見した。
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好きな食べ物は
たこ ナタデココ 唐揚げ 野菜 ゼリー とんかつ 一貫性はジューシーで、食感が瑞々しいなど理屈をこねたらありますが、まあ今は追及しないことにしましょう。。。チーン
嫌いなものは
チョコレートと小豆のみ!甘いものは好きではありませんが、ショートケーキは好き!!(喜)
ってな感じで、誰も興味ねーよ!ってことから書いてみました。なんでや!というツッコミが聞こえてきそうです。(楽)
一貫していることといえば乾いたものって基本的に好きじゃないんで、音の好みもそう、まず潤いを求めますね。解釈以前のものとして。いや、どうかな〜 人間関係とか、色恋とか、それも語ったら一冊本が書けそう。。。。。。。。。。。ポテトチップ好きでしょ?
ふざけているのか?!(怒)
そうそう、ジャズ、ドラム、子供からハードロック青少年だった僕に、クラシックの世界を見せてくれたのはヴァイオリニストの五嶋みどりさんでした。そのお母様が講演をされるということで、オレ聴きたいです!
それで、僕の方は、アコーディオンの御喜美江さんと林光作品で共演させていただきます。最高に素敵なアコーディオンだったんで、超楽しみです!
今回はまとめません。これも書きたくなかったけど、って脱力系?、でもないし!(哀)
構成悪っ!!(爆)
池上英樹
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夏は暑く、冬は寒くあるべきだけれども、しかし、毎日毎日ほんとうに暑いです。ドイツもオランダも連日35度を越す気温で、すでにもう何人かのお年寄りが亡くなりました。天気予報によると、この猛暑はまだまだ続くとのこと。山火事や水不足の危険性が日に日に高まっていきます。
庭とバルコニーの花たちには朝晩2回水をたっぷり与えていますが、それでも日中はいかにも辛そう。葉も茎もたら〜と柔らかくなってしまって「太陽さん、もう勘弁して頂戴!」と嘆いています。となりのオス猫・カーター君もついにくたばってしまったのか、姿が見えません。これ、かなり気になる私。
アコーディオンは他の楽器と違って、楽器と体がほとんど一体となって演奏されます。15kgほどの重さを体全体に分散させ、一箇所に何キロもの重さがかからないようにするわけです。「子供を抱くマドンナのよう」なんて言えば聞こえはいいけれど、この猛暑では子供もマドンナも“汗だく物語”。
マドンナはシャワーでOKですが、子供の方は丁寧なケアをしないと故障の原因になります。汗には塩分が多く含まれているため、練習後は湿らせた布で45の鍵盤と185個のボタンを一つ一つ丁寧に拭かねばなりません。また楽器内部には1000枚近いリードがありますが、それらが取り付けられている板版はワックスで固定されているため、気温が高いとワックスが柔らかくなって、これも楽器には悪影響を与えてしまいます。アコーディオンの盛んな国というと寒い国が多いようで、例えばフィンランド、ロシア、ノルウェー、セルヴィア等。寒くてもアコーディオンを弾いているとだんだん体が温まっていく、できることなら夏はパスしたいというのが楽器の本音かもしれません。
仙台における演奏会は10月、アコーディオンにとって一番いい季節かもしれません。
写真解説:御喜美江が使用しているアコーディオン。製作者:ジョヴァンニ・ゴラ(1972年)/ドイツ・ホーナー社
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2年前に東京から山梨の河口湖町に移り住んで、水と森に囲まれて生活しています。都会的人生だった僕も今ではもう街での生活がイメージできなくなってきました。先日のコンサートでもスタッフの方に、野生児みたい?!(素敵か?)と言われてしまいました。20代前半はプリンスと呼ばれていたのに。。。(それもどうかと思うけど)
富士山の麓、富士五湖のなかでもとりわけ神秘的といわれている西湖に家があります。築100年位の古民家に住んでいるのですが、仕切りを取っ払って約50畳のスペースと、蚕部屋だった今でいうロフトのような作りからなっています。なにしろ打楽器の量は半端じゃなくありますので、それでもセットの大きい作品をさらったり、打楽器リサイタルの準備をすると楽器だらけで動けないほどです。
昨年からその家を整理しまくって、古民家コンサート的なことも始めました。東京からバスツアーも企画されて、70名ほどが何とか入れます。民族楽器がいたるところに飾ってあったり、家の雰囲気が無国籍雑貨屋みたいでわりと面白がられています。
子供の頃からひとところに長く住んだ記憶がなく、やっと地元意識のようなものが芽生えてきたんだと思います。仙台の音楽祭でもたくさんのボランティアの方々が活躍されるでしょうが、ホント自分たちの街!っていう気持ち、当然のように持ってたいですね。壁を作るんではなく、それぞれの街がそれぞれに美しいっていう。。。 自分も山梨で少しずつ始めています。
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今日は火曜日。大学があるときの火曜日は12時から授業があるので、自宅を午前9時15分に出て、ドイツの隣町Geilenkirchen発9時37分のRE(鈍行)電車に乗り、デュッセルドルフ中央駅からさらにS6(超鈍行)に乗り換え、エッセン・ウェルデン駅から徒歩5分、フォルクワング大学には11時半頃到着します。
それから午後8時頃まで教えて、そのあと自分の練習をするときもあるし、学生達と夕食に行くこともあります。火曜日はこのようなリズムがあります。
一週間の中で最も充実している日は、火曜日かもしれません。
不思議なことに“大学の日”は“自分の練習日”でもあります。大学には小さいながらも自分の部屋があり、そこには楽器、楽譜、机、ピアノ、大きな鏡、洗面台、体操用マット、Video & Audio等があります。古い石造りのフォルクワング大学は壁が厚く、天井も高い。猛暑の夏でも比較的しのぎやすい気温が保たれ、レッスンと練習だけに気持ちが集中できるこの空間は、私にとってかけがえのない仕事場かもしれません。
ラントグラーフの自宅にいると、朝の雑用を終えてやっと練習を始めても、すぐまたメールを見たり、ブログを書いたり、人のブログへ遊びに行ったり、CDを聴いたり、オス猫カーター君の相手をしたり、庭に出て草むしりを始めたり、と次から次へとすることは絶えず、気が付くともうお昼。ちょっと本を読んでいるとあっという間に夕方、そして夜。リズムが作れないままにせっかくのフリーデイは終わってしまいます。
私のような人間(手風琴奏者、B型、乙女座、火星人+、かぐや姫)には、汽車時刻、授業の時間割、遊び道具のない小さな部屋、そんなプリミティブな規律や環境が、生活上で何よりも必要な条件のようです。
写真:フォルクワング音楽大学
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今日も打楽器について語りたくなってしまいました。マリンバはともかく打楽器ソロって何?音楽一人でできるのかよ〜?って思っている方も多いのでは?
打楽器やってます!というとオーケストラですか?と返されるか、祭りの日本太鼓か、バンドのドラム?といわれることがほとんどなので、説明するのも面倒くさいんで、そんな感じです、と応えてます。。。(どんな感じ?!)とにかく見てもらわないとわからないんで、口では説明できません!
叩いてひっかいて擦ってはじいて、ふれる、たまには吹いたり踊ったりうたったり、打楽器ソロにはいろんなものが要求されています。音が出るものは全て使え、膜質から木質、金属質、プチプチまでも(このくらいのディープさにしときますね。。)音楽のために用いられます。音程も作れますし、和音もあります。リズムはもちろんのこと。ただ叩くだけジャン!(シンバル)とは大違いで、プチプチですらどのようにつぶしていくか?!でいろんな表情、ニュアンス、感情が出ますよね?太鼓しかり、木は語り、金属はうねるのです。フレーズや音程感など、どの楽器でも大切にしていることは打楽器でも極めて大切なんです。
今回の2公演はマリンバでの名曲中心のプログラムを組んでいますが、それぞれ初めて聞くであろう現代の音楽も入っています。芸術は進歩しない。感情もまた複雑多様に見えながら、みんな同じでみんな違う。
さてストレッチの続きでもするか。
また明日変な文章書きます!
池上英樹(マリンバ、パーカッション)
週末が終わり今日から月曜日です。
月曜日というと平日だから、この日から一週間の仕事が始まるわけですが、ドイツ・オランダの月曜日は、何となく日曜日の延長のようでもあり、週末のおまけのようでもあり、休日の付録のような雰囲気もあります。
博物館・美術館は休館日、デパートとスーパー以外の店は午前中ほとんどが休み(オランダ)、床屋も休み(ドイツ)、田舎の肉屋は半日営業(ドイツ)。そして最近の日本では代休日こと月曜日=休日の場合がかなり多いように私は感じます。
★週末は終わったけど、もう少し遊んでもいいよ。(やったぜー!)
★なんだかんだあって結局寝不足、月曜日は思う存分寝ましょ。(わ〜い!)
★残ったご馳走をビデオでも見ながら一人でゆっくり食べよう。(これ最高!)
こんな月曜キャラクターに私は密かな魅力を感じます。
コンサート・プログラムでいうと、アンコールみたいなものかな。肩の力が抜けると私ってこんな演奏も出来るのよ。こんな楽しい曲も弾くの。名曲だって大丈夫、任せておいて、うふふ。
しかし現実はというと、先週やり残した雑用に追いまくられ、週末の寝不足、食べ過ぎ、二日酔いに体は重く、しかも頭も鈍い。さらに火曜日の予定を見てうんざりし、冷蔵庫にはもう何もない・・・これも残念ながら典型的な月曜日。ところで今日は?というと、大学が夏休みに入ったので毎日が“やや月曜日”みたいです。
写真解説:『地平線』の見える平原を東へ約20分歩き、真昼でも薄暗い森をぬけると、オランダ/ドイツの国境を流れる明るいヴルム川に出ます。その川辺に咲いていた『野バラ』を撮影しました。
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このリレーブログ?も何週目に入ったのでしょうか?
これから7日間は僕と、仙台で共演させていただく御喜美江さんでお送りします。
僕のやっている打楽器・マリンバソロの音楽をまだ聴いたことのない方も大勢いらっしゃると思います。
まずマリンバのことからですが、この楽器デカイです!僕の楽器は全長が約3メートルあり、音域も5オクターブ半という特注サイズで、池上仕様の世界で一台しかないものを使っています。マリンバというと木琴の巨大版で、剣の舞的な音楽ばかりを弾く楽器というイメージがあるようですが、木琴の軽いきらびやかな音に比べて、より低い音域で、深く豊かな響きを追求していったのがマリンバといえます。バチで音板を叩くのですが、その下にある共鳴管を振動が伝わり、まるで吹く楽器のような、あるいはパイプオルガンのような響きも得られます。叩くことと吹くことが合わさった不思議な楽器でもありますね。
今回のプログラムはその両面にスポットを当てて、二回の演奏会のうち、一方は踊りやリズム中心のもの、もう一方は歌やパイプオルガンのような響きを味わっていただくプログラム構成にしています。どこまで多様な音楽性をこの楽器が表現できるのか?そのことを体感しにきてください!
その一方でストレッチオタク的(毎日3時間くらいはやっています)な僕がやるワークショップも二回やります。今はフラメンコやクラシックバレエにまで手を出していますが、打楽器の場合は特に演奏にもそのまま使えることが非常に多く、打楽器とダンスは、昔からもちろんそうですが、切っても切れない関係なんです。演奏は体のパフォーマンスではないので、演奏しながら動きまくるということは僕の場合ないのですが、ぶれない体を作ることは非常に大切だと思います。決して固まらず、決めつけず、ゆらゆらしていてぶれない。
これも是非お楽しみに!
池上英樹(マリンバ、パーカッション)
皆様こんにちは。アコーディオン奏者の御喜美江(みきみえ)です。
今日から7回『せんくらブログ』に登場させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
今日は日曜日:子供の頃の日曜日はあまり好きではありませんでした。小さい頃の私は早起きで、朝ごはんを楽しみに早朝から機嫌よく起きだしていました。しかしこれといってすることのなかった当時、日曜日は限りなく長く退屈で、遊園地の鉄棒やブランコで遊び飽きたあとは、寝転んでよく空を眺めていました。その頃から私にとって空や雲は心の友達でした。あの頃は空が大きく、太陽がだんだん沈んでいく風景を見ることも出来ました。夕焼け雲も大好きでした。小さい頃の私は母と一緒に歩いていると、突然立ち止まって空を見上げては「あぁ、地球は丸いな〜」とつぶやくことが多かったそうです。
アコーディオンは、そのレパートリーにおいては鍵盤楽器に属しますが、楽器構造はリード楽器で、蛇腹から送られてくる空気がリードに触れてはじめて音が生まれます。鍵盤を押す、内部の空気弁が開く、そこに少し風を送る、すると音が聞こえてきます。この瞬間を私は『地平線』とよんでいます。音が消えてもまだ音がきこえるような、耳を澄ますとそこに音があるような、ふと気がつくとそこには本当に音がある、アコーディオンを演奏するとき、私はまず『地平線』を想像して、そのあたりに音を見つけようとします。はるか遠くにあるとても小さな音たち、そこが私にとって演奏の出発点です。
ゆっくりと変化する空の雲、分刻みに変わる黄昏の光、地平線の彼方にまで咲き続くたんぽぽ畑、水平線に停止しているような船、そんな風景が私は大好きです。
写真解説:オランダのラントグラーフにある自宅を裏庭から出て坂を上がると、この平原に出ます。広い空と地平線が見たくなると、ここまで散歩にきます。
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8月になると終戦の日がまたやって来ます。「月光の夏」。ご存知でしょうか。このタイトルを聞いた時、「本があって、映画化もされていたような・・・。特攻隊員がピアノを・・・っていう内容だったような気がする。」程度の認識しかありませんでした。
その後私は「月光の夏」の本を読んだのですが深く考えさせられることになりました。これは実は北九州のほうのお話。特攻隊員が出撃する前に「ピアノが弾きたい!」とこの一念で、当時はおそらくとても貴重品で珍しかった筈のピアノをどこかの学校で探し出してベートーヴェンの「月光」を弾いて立ち去っていった・・・。(とてもおおまかな筋です。)
胸に迫るものが多々あるエピソードです。その特攻隊員にとってピアノを演奏するのはそれが人生で最後。どんな思いで弾いていたのだろうか・・・。無心だったのか、それとも全てが走馬灯のように頭の中をよぎっていたのでしょうか。実際に極限状態にないと分からない思いというのもいろいろあることでしょう。
ちなみに本の中では前述のエピソードは、話のいわば提示部分に過ぎません。その続きの現実について私は更に驚きを持って読むことになりました。本の内容はここでは詳しく書きませんが・・・、「月光の夏」の中には決して忘れてはいけない現実が詰まっていました。今ある平和、日々のくらし、そういうものに改めて幸せを実感し、また、ピアニストとしては毎日ピアノに触れられる喜びを再認識させられると同時に演奏することに対して身が引き締まる思いもした、そんな本でした。
さて、この度ご縁あって夏、8月14日と15日の終戦の日にこの作品の劇団東演による朗読劇(舞台)で「月光」を弾かせていただくこととなりました。終戦の日にこのような作品が上演されることは大変意義深いことと思います。下北沢にありますタウンホールでの公演ですので、ご興味ございます方、是非いらしてくださいませ。
今回のブログ、今日の7回目を持って最後となります。仙台で皆様とお会いできますのは10月に入ってから。まだちょっと日はありますが、私自身も仙台での3日間大変楽しみにしております。
ネット上の仲道祐子だけではなく、生の演奏、そして話をしている仲道祐子にも是非会いにいらしてくださいませ。心よりお待ちしています!!!
仲道祐子(ピアノ)