秋のフェスティバルには、県外からのお客さまも多いでしょう。仙台でお迎えする側の一人として、コンサートの合間に楽しんでいただきたいお勧めの店を、と考えてみたところ・・
思い浮かんだのはうちの近所の普通のお店だけでした。
これぞ仙台!宮城!というお店は意外に知らないものだと思います。もちろん、牛タンはここがお気に入り(仙台人なら誰もが贔屓のお店をもっているかな?)というのはありますが、恐らくその店は普通にガイドにも載っているだろうし、わざわざブログでこっそり教えるものでもない。
自分はこの7年間何を食べていたのだろうか?
仙台に来る直前には「美味しい店を沢山探して、休日には山形のそば街道にも足を延ばそう」と夢を膨らませていたのが、実際にはそば街道どころか、行くのはほとんどが近所の店。しかも毎回同じメニューというのが実状です。
あそこのラーメン屋は長男特製ラーメン、中華屋はニラレバ定食(普通はレバニラだと思うのだが、ここではニラレバなので注文の前に口の中で数回練習するというややこしい作業が必要)、あのお好み焼き屋はスペシャル1にホタテトッピング、うどん屋はきのこ汁うどん大盛。
どのお店にも他のメニューがたくさんあるのですが、店に入って型どおり品書きを眺めても・・結局いつもの・・となります。店員も「あ、やっぱりね」という顔。
考えてみるとこれは食に限らず、演奏でも「ここはこう弾くべき」と決め付けすぎてはいないか?こうも出来るしああも出来る、と弾く度ごとの違いを楽しむ余裕や柔軟な感性が、毎回食べるメニューの少なさと同じように狭まってきているようで・・・
いや!男なら、これと決めたメニューを太く貫く生き方も捨てがたい。
いずれにしても、音となって表れる内容はその人間そのものだろうから、う〜ん 試しに一度次男ラーメンを食べてみようか。
遠くから【せんくら】に足を運んでくださる皆様、仙台には牛タンの他にも美味しいものが沢山あります(あるはず)。是非いろいろなものを召し上がって、音楽と共に仙台の滞在を満喫してください。
仙台フィルハーモニー管弦楽団 http://www.sendaiphil.jp/
原田哲男(チェロ)