また、暑い日に!

2009.08.13| 河野克典

この日曜日の朝の散歩は谷中にある全生庵で開催されている落語家さんのお祭り「圓朝まつり」に行ってきた。

うだるような暑さにもかかわらず凄い人だかり。浴衣姿の噺家さんたちが汗だくになりながらお客さんの要望に必死に答えていた。噺家さんの顔が普通の人の顔に見えた。

圓朝といえば「四谷怪談」で有名でヒンヤリとするはずなのだが、もしかして・・・・・。

今日はフルメニュー。午後に別の用事を済ませた後、先日オペラでご一緒した能楽師の清水寛二さんの新作能「長崎の聖母」を観に行った。

無駄なものを排除した表現の美しさとその中にある「藝術」「芸」を堪能してきた。

表現というと「自由」という言葉が常についてくるが、現在ある演奏において、ともすると、それは言い訳の言葉であることが多くなってきてはいないか?

日本の文化であり西洋の文化・音楽の姿と、そしてその演奏にも通ずる藝術だ。

Simple is best!
心に問う静かで涼しいひとときだった。
河野克典(バリトン)
http://www.k-kono.com

簡単に分かるギターの歴史

2009.08.12| 福田進一

ギターの福田進一です。

せんくらファンの皆様の中には、クラシック音楽は聴いても、ギター音楽、ギターという楽器をよく知らない、馴染みがないという方もおられると思いますので、まずは自己紹介の前に楽器紹介をしておきましょう。

私が弾いているのはクラシック・ギターです。今日ではエレクトリック・ギターのように電気を使って大音量でロックやジャズを演奏する楽器と区別して、アコースティック・ギターと呼ばれることも多いのですが、その生音を中心としたギターのなかでも、最も昔から伝わっている源流の楽器です。

歴史的に見てどれほど古い楽器かと言えば、それはピアノやその前身のハープシコードなどの鍵盤楽器が生まれる遥か以前から存在していました。エジプトの壁画にも刻まれ、その頃からキタラと呼ばれていたという話もあります。
それほど古い楽器です。

1500年代初頭にはギターの原型となったビウェラという楽器の最初の教則本が出版されました。イギリスでは同族のリュートが流行し、ダウランドを代表する当時の作曲家によって伴奏歌曲やリコーダーとの二重奏曲、初期の対位法を用いた数々の作品が発表されました。
この頃が最初のギター黄金期で、その後バロック音楽の進化複雑化によってその地位は鍵盤楽器に奪われていきます。再び脚光を浴びたのは王族貴族文化が花開いた1800年代初頭。当時のパリやウィーンでのサロン音楽にとって、持ち運びの便利な簡単に伴奏出来るギターは簡単な室内楽の楽しみや貴婦人たちの習い事にピッタリの楽器でした。

ギターを含むフルートや弦楽器との室内楽の多くがこの時代に作曲されています。この時期が第2のギター黄金期と呼ばれています。しかし、所詮音量に乏しいギターは、ロマン派の巨大な音響への指向や肥大化した音楽表現の潮流には着いて行けず、再び衰退していきます。

そして19世紀末になってスペインの天才製作家アントニオ・デ・トーレスによって改良され小さな音の代わりに豊かな音色の表現力を獲得したギターは、ひとりの天才ギタリスト、フランシスコ・タレガの演奏によって再び注目を集めます。タレガは奏法を改良し、作曲だけでなくピアノやヴァイオリンの作品を編曲してギターにアカデミックな方向性を与えました。

さらに20世紀に入って、その影響を受けた巨匠アンドレス・セゴビアが世界中で名演を繰り広げたことによってギターは独奏楽器としての地位を固めました。

今では世界中にギター音楽の文化が芽生え、ルネッサンスから現代までの多くの作品が演奏され、絶えず新作が発表されています。ギターはあらゆるジャンルの音楽に使われるようになり、フラメンコ、ジャズ、フォーク、ロックと多様な形態に進化してきました。これが私たちの時代、第3のギター黄金期です。

と、本来は本一冊かかるところを猛スピードで楽器の紹介をしました。

本日はここまで。明日は私の自己紹介をしたいと思います。

(*季刊誌「ムラマツ」2009年春号より一部引用させて頂きました。)
福田進一(ギター)

 

チューリッヒのトーンハレ

2009.08.12| 西江辰郎

今年は6月15日にスイスで本番がありました。
初めてのブルッフの協奏曲。本来学生の時に勉強しているはずの曲なのですが、僕はサボっていたらしく、楽譜も持っていない状態でした。

場所はチューリッヒのトーンハレという由緒あるホール。チューリッヒには友人も何人かいて聴きに来てくれました!

ホールは白地と金色でシャンデリアも豪華。もともと合唱団がオーケストラより先にあったと言うことで、合唱に合わせたつくりになっていて、舞台の雛壇はかなり急です。一階の客席から見るとコントラバスの何人かはまるで見上げる感じです。

響は思ったより落ち着いていて、響きすぎもせず、空気の流れがある感じ。

お菓子でも、宝石でもそうかも知れませんが、どんなお皿に盛り付けるか、入れ物に入れるか入れないかなど「いかに見せるか」で同じものでも見え方が違ってくるように、ホールも楽器の一部。ちょっとした装飾や飾りのなかにも見えるちょっとした違い、その歴史の重みなどが集まり、その「非日常な雰囲気」に聴く側の心も演奏する側の心も影響されるようです。

かつてココにだれだれが立った。かつてココでリヒャルトシュトラウスが・・・・
みたいな事ですから、僕としては彼らが力を貸してくださるよう祈るのみでしたが・・・

指揮者のダグラス・ボストーク氏はとても良くして下さって、僕が初めてオケとの合わせに行った日はちょうど彼の誕生日。
自分のお祝いをかねてご馳走までしてくださいました。

来年4月には彼も日本に来るそうで、また共演できる日が待ち遠しいです!
西江辰郎(ヴァイオリン)
http://homepage3.nifty.com/nishie-tatsuo/

半分暗いお話し

2009.08.12| 河野克典

え~、毎度馬鹿馬鹿しいお話しでぇ・・・・

ではなく今回のせんくらでの僕の出番は、え~~っと4回。
その中の二回が、というか二回に分けての演奏会のプログラムが『二分の一「冬の旅」』である。

演奏会というものは聴衆の皆さんを幸せな気持ち、または楽しい気持ちにさせて帰すべきものである。
しかし、唯一例外といえるのがこのシューベルト作曲の24曲からなる「冬の旅」だ。
演奏者はとにかくお客様を暗い気分で会場を後にさせるために努力をするのである。

今回は、ちょっと出しの半分暗い気持ちになってもらおうかな?
たっぷりと暗くなりたいお方は是非とも両方を!

追伸:二つの演奏会の間、ず~~と暗い気持ちを維持する演奏者も聴衆も大変だと思います。
顔が攣りそう!
河野克典(バリトン)

台風!!

2009.08.11| 西江辰郎

今日は台風や、酒井法子さんのニュースを見ました。酒井さんはそれこそ「のりピー」とかいって人気だったので僕は中学の頃から知っていましたが、人生で色々苦労しながらも全くそのような感じを見せずに笑顔を振りまいていた頃があるだけに、残念です。
早く復帰してもらいたいです。

台風も被害が大きくて大変ですね。
今日は雨戸を閉めて寝ます。
皆様もくれぐれもご注意を・・・・・!
西江辰郎(ヴァイオリン)
写真(2009年6月チューリッヒ湖)

男の朝食

2009.08.11| 河野克典

イタリアの男たちはバールで朝、食事をする。
そこで好みの新聞と煙草を買い、そしてブリョーシュと呼ばれるパンとエスプレッソを頼む。
日本の男は立ち食いそば屋で!

さて僕は、毎朝といいたいところであるが、残念ながらこれもめげて、時々散歩をする。
その時の行動習性がある。僕は豆腐屋の前を素通りすることができない!
先ず豆乳を飲み、そして豆腐を一丁買う! 基本的には木綿派であるが、豆腐屋によっては絹に力を入れているところもあるので、必ず二度目は絹を。
買ってきて、鰹節を削って添える。
ああ、日本人だ!

追伸: ちなみにドイツ人は・・・・・・。
朝、焼きたてのパンを買いに行き、自宅で食べる。
河野克典(バリトン)

スイスのコンセント

2009.08.10| 西江辰郎

さて、今年でせんくらも何回目?でしょうか。
毎年ブログがあるものの、本当の日記になっているのは僕にとっては今回初めて・・・
自己紹介はこちらを見ていただくことにして、
http://homepage3.nifty.com/nishie-tatsuo/

それから昨年までのブログにも色々書いてありますので、
そちらも是非読んでくださいね。

今日は音楽とは関係のない話です。

今年は6月に久々にスイスへ行ってきました。
もちろん遊びではなく、演奏会を頂いたからなのですが、
僕がスイスへ留学していた当時は、まだ学生でお金も自由には使えずでしたので、もちろんデジカメなんてものは、まだあまりみんな持っていなかった気がします。

なので、留学中の写真といえば、フィルムなわけでして・・・・
沢山撮るわけにもいかず。

今回スイスに行ったおりには、良いところや面白いところを吸収して焼きつけようということで撮りまくってきました。

そのうちの一枚。
これはスイスのコンセント。
面白いですね。
一番左がコンセント。真ん中もコンセント。右手は電話です。
一番左は、ど真ん中の穴は関係なくて、それぞれ3つで一組です。
つまり一番左だけで三つ挿せます。

220ボルトなので、迫力もすごい・・・・

ドライヤーで髪を乾かすのに僅か1分!
爆音とともに暴風がでてきます。(笑)
西江辰郎(ヴァイオリン)

 

皺のない真っ白な・・・・

2009.08.10| 河野克典

先週、年一回の人間ドックのオプションで「脳ドック」なるものにチャレンジしてきた。

他の検査と違って、前日からの食事制限などが無いので楽だった。
歌い手は記憶力との勝負!

毎回自分のリサイタルの歌詞を訳していて、最後にその量に驚くやら、呆然とするやら、嫌気がさすやら・・・・・。
その暗譜ということ、年と共に難しくなってきて、ここらでちょっとシワ伸ばしをして・・・・?! 違う!
そんなものしても駄目!
さしづめお医者さんに「河野さん、いやぁ~、貴方のはシワ一つ無い真っ白な脳ですね!」といわれるのが落ち。
まあともかく15分ばかりギーガーギーガーと鳴る機械の中に入っていた。

その昔昔、NHKのテレビ番組で「タイムトンネル」というアメリカの番組をやっていた。あの中にあった機械の小さい形のようなものだ。フルフェイスのヘルメットのようなものを付けられて横たわっていただけで、途中から眠っていたような気がする?
結果をご覧じませ!

追伸:ちなみに、暗譜するということと、音楽を創る(演奏する)と言うことは全く別の次元の
行為であり、音楽には絶対ではない。
河野克典(バリトン)

今年のせんくら

2009.08.09| 西江辰郎

皆様こんにちは!せんくらの季節が近くなってきましたね!
今年は10月3日のみしか出演でませんが、毎年皆様に演奏を聴いていただけるのをとても楽しみにしています。

ところでこのブログ、僕の出番はてっきり8月後半と勘違いしていまして・・・・・
そういえばいつだったかなと確認したら、まさにあと7時間で締め切り!

本当に日記になってしまいました(笑)

今年のせんくらのソロではベートーヴェンのスプリングソナタを演奏させていただく予定。この曲も、なかなか手をつけずに今まで来てしまった曲で、僕にとってはフランク、プロコフィエフのソナタ、もこの類でした。「なんだか急にベートーヴェンが弾きたくなった。」それが今回プログラムに組んだ理由です。素晴らしいピアニストの坂野伊都子さんとの駆け引きも楽しみです。セレーノ弦楽四重奏団では7月にシューベルトを演奏しましたが、10月には大好きな作曲家の一人、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲を演奏させていただきます。

今日から一週間どうぞ宜しくお付き合いください。
写真は夕方、スイスのSuhrです。写真にしたらこんな色になりました・・・・
西江辰郎(ヴァイオリン)

緊張しています

2009.08.09| 河野克典

皆さん、こんにちは!
今日から一週間ブログを担当します河野克典です。

日記をつけることもない僕(遙か昔、小学生の夏休み、そして青春時代に、幾度かチャレンジしたことはあるが、結果は初めの何ページだけ。交換日記などというロマンチックな思い出もなく、その残骸が実家に眠っている)が、こうして毎日皆さんを前にして書く、というのはとても緊張しています。
歌う時と同じくらいです。^^;

「せんくら」は今回初参加となります。毎年お招きを頂きながらいつも日程が合わず残念な思いをしていましたが、やっと、やっと、今回!

やっと参加させていただけることとなりとっても喜んでいます。
仙台にはこれまでプライベートでも演奏会でも幾度か伺ったことがあり、大変好きな街です。

一番初めはまだ学生時代でした。青葉城趾に登って「青葉城恋唄」を歌ったことと土瓶蒸しを食べたことを憶えています。

次に行った時には夏で岩牡蛎と、鰻を食べた・・・・・・・。
食べ物の思い出ばかりのようですが、ちゃんと街も歩いていますよ。
今回はどんな仙台に会えるか、今から楽しみです。
それでは、一週間お付き合い下さい。よろしくお願いいたします。
河野克典(バリトン)

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