私の趣味

2006.09.09| 丸山泰雄

第1回にも書きましたが、私が子供の頃から持っている最大にして唯一の趣味は魚釣り、フィッシング、アンゲルンです。他にも読書や絵画鑑賞や民俗学や文化人類学に関する考察、コンサートで訪れる各地の美味しいものめぐり等もありますが、釣りへの情熱やキャリアに比べれば、全然たいしたことありません。チェロ歴26年ですが、釣り歴は35年以上ですし!

アメリカにいた頃は、父や兄の釣ったブルーギルやカットスロート(ニジマスの一種)に土をまぶしたり、バケツの中でもう1回針を魚の口に刺して釣るマネをしていた私は、当然のように小学校1年から広瀬川で釣りを覚え、毛バリでオイカワやウグイを、追い廻しや今は埋め立てられてもうない放れ山の池では、ミミズで釣ったザリガニやカエルをエサにライギョを、青葉山の奥にあった蛇沼(こちらはもう埋め立てられてしまいました)では、ネリエでキンブナ、ギンブナを、大倉ダムではルアーでニジマス、サクラマスを、また折立の貯水池では当時東北では希少だったヘラブナと1m超のノゴイをと、まさしく釣りキチ三平クンのように、しかも学業には全く勤しまず、日夜狙い続けてきたわけです。

東京芸大在学中だけは、チェロの技術向上のため大学院時代も含め7年間も“禁釣り”していましたが、プロになってからは、今度は芦ノ湖に通いつめ、念願のスーパーレインボー(60cm以上のニジマスのことを釣り師たちは畏敬の念をこめてこう呼んでいるのです)を釣り上げたのを区切りに、最近は磯釣りにハマッテおります。

5年前は週に2回(もちろん毎週!)ぐらい、磯や堤防にクロダイやメジナを求めて通っていましたが、最近は忙しくなってしまい、年に1、2回しか竿を出せません。

自分のやりたい仕事だけを自分のペースで選べる反面、そのオファーがいつ来るかは選べないのがフリーランスのツラサ…じゃなかった、楽しいところで。ひどい場合は「明日3ヶ月ぶりのオフだから釣りに行こ!」とワクワクしながら竿やリールの準備をしているある水曜日の深夜23時47分、無情にも「明日13時〜20時でサウンド・イン(スタジオの名前)お願いしまぁ〜す。」と明るくオファーの電話がくると、「ハイ、喜んで!!」とつい答えてしまいます。しかも翌日スタジオに行ってみると映画「釣りバカ日誌」の録音だったり…。

こうやってチェリストの休日はどんどん先送りになっていくのですが、今年はまだ1回も釣りに行けていないので、11月には何としても3、4泊ぐらい佐渡に釣行しようと思っています。今年はたぶん釣行はその1回だけでしょう。

先日、八丈島でコンサートがあり、演奏会翌日と翌々日も釣り用に空けていたのですが、何と朝起きてみると台風の襲来で2日間何もしないで、飛行機も欠航している中、次のコンサートのために何としても戻らなければならず、波高6mの海を船で11時間揺られて帰ってきました。グスン…。次こそ八丈島で1m級のヒラマサやカンパチを釣るべく、主催者と来年のコンサートのプログラムを打ち合わせている最終中です!

さて、長々と釣りの事等書いてしまいましたが、1週間これを読んで下さった皆様、私丸山泰雄という者がご理解いただけたでしょうか?

少しでも興味を持たれた方はぜひ、10月9日の12:30か14:45に「せんだいメディアテークオープンスクエア」にいらして下さい。そこで楽しそうにチェロを弾いているのが私ですので!

丸山泰雄

誕生から今まで

2006.09.09| NHK仙台少年少女合唱隊

昭和34年、仙台ユネスコ協会に、少年少女合唱団を作る機運が高まり、福井文彦先生の熱意に、私が協力する形で、作られることになりました。先輩格にあたる東京少年少女合唱隊を見学させて頂くことから始まり、合唱団の組織・運営などについて、色々教えて頂きました。

当時、仙台ユネスコ協会の副会長であった有永弘人氏と、氏家愛子氏に、それぞれ、仙台少年合唱隊長、仙台少女合唱隊長に就任して頂き、各隊とも100名を超える子供たちで発足しました。今、考えると夢のような話です。

その後、仙台ユネスコ協会から独立し、名称も仙台少年少女合唱隊と変更、更に、昨年よりNHK仙台少年少女合唱隊と改称し、現在に至っているというわけです。

子どものうちから、良い音楽に接し、すばらしい合唱体験をさせるという福井先生の設立趣旨は、今も変わっていません。

間もなく50年にわたる活動を通じて、今でも音楽を楽しんでいる卒業生、あるいは、プロの音楽家として、オペラ歌手に、作曲家に、そしてミュージシャンとして活躍している人が沢山います。音楽家のプロを育てる目的ではないのですが、結果として、音楽を専門とする卒業生がいることは、大変嬉しいことでもあります。

日頃の厳しい練習の中から生まれた、子供達の、一途で、純粋な歌声が、聞いて頂く方々に、希望と力を与えるものであることを確信しつつ、合唱隊を育てて生きたいと考えています。

今後とも、ご支援よろしくお願いいたします。

NHK仙台少年少女合唱隊 指揮者 大泉勉

作曲家とチェロ

2006.09.08| 丸山泰雄

今年はモーツァルト生誕250年ということで、世界中でモーツァルトが演奏されています。私も5月のラ・フォルジュルネ・オ・ジャポンをはじめ、各地でモーツァルトを演奏していますが、残念ながら天才モーツァルトはチェロ独奏のための曲を1曲も作っていません。

まぁ、もし彼がチェロ協奏曲を書いていたら、弾くのがメチャクチャ難しい曲になったでしょうけども…。モーツァルトはチェロが嫌いで書かなかった様ですが、他にもチェロ・コンチェルトを書かなかった、もしくは書けなかった作曲家はけっこういます。ベートーヴェンも、自作のチェロ協奏曲を捧げようとした当時の名チェリスト・ロンベルクに「ピアニストの書いたチェロ曲なんかいらない!チェロ・コンチェルトは私が書いて弾くから。」と冷淡にあしらわれ断念。

またチェロ協奏曲の最高の傑作でもあるドヴォルジャークの作品を見たブラームスが「こういう風にチェロの曲を書けるとどうして私は知らなかったのだろう!知っていればずっと前に私が書いただろうに!」と絶句した話などはあまりにも有名です。

作曲家の友人に言わせると、たしかにチェロ曲は書くのが難しいらしく、何でもできる楽器だけど音がマイルドなため、他の楽器の音に埋もれやすく、オーケストレーションに苦労するということでした。

それに比べれば無伴奏作品は他の楽器に配慮する事なく、純粋にチェロの表現力や技術を追求できるためか、1915年のコダーイ作品以降、画期的な曲が目白押しです。私も来年には20世紀の無伴奏チェロの作品6,7曲を一晩で演奏するコンサートを、東京、仙台他で計画中です。

ぜひそちらも足を運んで聴いてみて下さい。チェロの表現力の多彩さにビックリすると思いますよ!

さて、いよいよ最終回の次回は音楽やチェロから離れて、私の趣味について少々書きたいと思います。

ではまた明日!

丸山泰雄(チェロ)

美しい響きを求めて

2006.09.08| NHK仙台少年少女合唱隊

声ほど不思議なものはない。

人間の身体を楽器として、音を作り音楽を表現する。しかし、声帯では殆ど振動だけで音は鳴っていない。

声帯自身では、つやも響きもないブオーブオーといったひどい声なのだそうです。

響きのあるよい声は、あくまでも共鳴のさせ方、工夫次第にかかっているといえます。

私も歌う度にこのことを考えては声の不思議を思わされます。

毎週一度の子供達の練習でも、共鳴を求めて、初めにストレッチ体操を行い、腰や横隔膜筋に注意を向け、乍ら身体をほぐし、手鏡を使って注意深く自分の声のひびきを探します。買い替えることのできない、世界にただ一つしかない素晴らしい楽器を与えて下さった両親に感謝の気持ちをこめて・・・。誰もが素晴らしい響きを作る事が出来ると信じて・・・。

生まれつき良い声、悪い声というのはなく、あるのは声の質の違い(ソプラノやアルト等)だけと言い聞かせ乍ら、常に正しい姿勢を求め、健康で美しい姿勢からのみ美しい音が生まれる事を信じて・・・。

こうした事は、私自身根気強く、自分の声の響きを求め続ける以外になく、子供達も全く同様です。下あごの力をゼロにして頭の上の空気が美しく響いていく為にも、常に健康でバランスよく支えられた、素晴らしい楽器作りの為の努力を続ける事と、自分に言い聞かせ乍ら、これからも歩み続けるつもりです。私自身の、そして子供達の美しい声の響きをどこまでも追い求めて・・・。

NHK仙台少年少女合唱隊
発声指導 姉歯けい子

クラシック

2006.09.07| 丸山泰雄

よく「クラシックの人は毎回同じ曲を弾いてばっかりで飽きないの?」と私の仙台二中時代の友人達から聞かれます。そんな時はいつもこう答えることにしています。

J−ポップや演歌等の歌謡曲も映画も毎年何十、何百とリリースされるけど、10年後にその中の何%が人々に覚えられているか考えてみてくれと。今皆が知っているクラシックの曲は50年も200年も前からそれぞれの時代の人々に愛され、聴かれ続けてきた曲ばかり。当時その10倍以上作曲され、聞かれていただろう駄作たちはとっくに厭きられ、忘れ去られているのだから、今生き残っている作品が、いかに時代や国、流行と関係なく普遍的な魅力と内容を持った曲たちか解るでしょう?と。

同じように、「ヴァイオリンやヴィオラ、チェロといった弦楽器は古くないとダメ」と言われていますが、面白いものでこれも同様の理由で、有名なストラディヴァリウスやグワァルネリウス等は(どちらも軽く億を超えます、私が見た1番高いストラドのチェロはなんと15億円!!)、新品できたてのホヤホヤの頃から音も美しさも超一流だったので、大切にされ300年間も使われている訳で、当時の三流の楽器は現在ほとんど残っていません。雑に取り扱われ、壊れても修理される事なく、使い捨てられたのでしょう。

そう考えれば曲の場合も楽器の場合も、その素晴らしい作品を何度弾いても飽きるなんて事は全く無く、曲の場合はかえって毎回新しい発見を曲の中にできますし、様々な可能性を作品自体が内包しているので、「作品の忠実なる再現者」であるべき我々演奏家は、自分の表現力の可能性の拡大、深化を集中力の維持のため表現を変えなければいけません。それによって毎回作品に新たな生命力が生まれて、演奏する事がまた楽しくなるわけです。1度完成した、もしくは会得した表現法に安住した途端、その行為はあっという間に陳腐なものになるというのは演奏にかぎらず、すべての表現芸術に共通する事だと思います。

20世紀最大のチェリスト、パブロ・カザルスの偉大さを語る時、彼が少年期から毎朝、「自分のために」弾いていたバッハの無伴奏チェロ組曲を、90歳になっても今覚えたての曲のように新鮮に演奏していた話が取り上げられますが、私もチェリストの端くれとして、その話をいつも忘れないようにしています。

ではまた明日!

丸山泰雄(チェロ)

2006年09月07日

2006.09.07| NHK仙台少年少女合唱隊

事務局を担当して16年目を迎えました。今日まで先生方をはじめ、沢山の子供達やご父兄と出会うことが出来、沢山の時間を共に歩んでまいりました。

私が事務局を担当した当初、隊員は70〜80名在籍しておりましたが、少子化の影響か、現在では50名前後となりました。しかし、今年の春にも新入隊員を迎えることができ、12月の定期演奏会へ向けて練習に励んでいるところです。

又、毎年夏には3泊4日の強化合宿があり、小学校1年生〜高校生までの隊員が共同生活を送ります。勿論、練習がメインの合宿ですが、隊員1人1人が隊員全員と親しくなれるチャンスとなり、結果、強い団結力が生まれます。そしてその団結力が定期演奏会へ向けて更に強くなり、美しいハーモニーとなって、ステージで輝く様子を見ると、毎年胸が一杯になります。

定期演奏会の他、様々なコンサートやテレビ出演、オペラ出演などの貴重な経験を通して、その度に隊員が成長し、自信に満ちた生き生きとした表情を見せてくれます。

在籍している隊員の年齢は小学1年〜高校生までですが、練習の中で思いやりの心、協力し合う事を自然と身に付けていくことができ、合唱の素晴らしさを、耳だけでなく、肌で感じています。

私として出来る事は、隊員の体や心の健康のフォローを、微力ながら心掛けていく事だと思っております。

これからも隊のため、応援して下さる皆様のためにも、陰ながら事務局としての仕事に努力したいと思います。

NHK仙台少年少女合唱隊事務局 庄子幸枝

フリーのチェリストとしての現在の仕事

2006.09.06| 丸山泰雄

現在、私はフリーのチェリストとして活動しています。内容はというと、ソロ、室内楽がメインで、その他に年間それぞれ5回定期公演を持つ、ソリスト集団とも言える精鋭揃いの室内オーケストラ「紀尾井シンフォニエッタ東京」と「トウキョウモーツァルトプレイヤーズ」のメンバーとしての活動や、国内主要オーケストラの客演首席等が中心になります。

前回書いたように、チェロは非常に多才な楽器ですので、どの様な編成でもやりがいのある声部が与えられますし、フリーでいれば、ソロばっかりとかオーケストラばっかりというように1つの活動の場に縛られて煮詰まったり、飽きる事がなく(笑)、自分には向いていると思います。

他にも自分でプロデュースするコンサートが年数回あります。演奏家の仕事のほとんどはクライアントからの依頼によるもので、なかなか自分が弾きたい曲を一緒に弾きたいプレイヤーと演奏できるわけではありません。じゃあそういう演奏会は自分で創ってしまえと始めたのですが、自分でプロデュースしてはじめて感じる裏方の努力やお客様のニーズもあって、とても良い勉強になっています。

また、クラシックだけが好きという訳でもないので商業音楽の録音もしていますが(テレビや映画、CM、舞台等でチェロの音を聞いたら、その半分ぐらいは私の音だと思って下さいね。音にはサインを残せないのが残念ですが)、いわゆるスタジオと呼ばれるこちらの業界も奥が深く、キビシイ世界で、1回楽譜を見たら2回目はもう本番レコーディング、場合によっては初見で録音、しかもそれを3時間で40曲!なんてことが普通で、それができない人は二度と呼ばれません。

そこで活躍しているプレイヤーの顔つきは、クラシックの「夢見る音楽家のそれ」よりどこか凄みがあり、賞金稼ぎ、黒澤映画の椿三十郎みたいな人ばっかりです(半分ウソ)。また、マイクで音を拾ってミキシングすることを念頭に置いた弾き方をしないと音がうまく乗らず、ホールで800人や2000人の聴衆に音を伝えるクラシックのコンサートとは弓のスピード、圧力や左手のヴィブラートの種類も完全に変えなければなりません。

このように、同じチェロの演奏でも、100回も200回も練習して聴衆に披露するクラシック、たった1回の譜読みで本番のスタジオと、その両方をやっている事で、私の場合はバランスがとれていると思っています。

ではまた明日。

丸山泰雄(チェロ)

2006年09月06日

2006.09.06| NHK仙台少年少女合唱隊

今の時代、どの合唱クラブでも「合唱団」などという名称にしている。が、我が愛する仙台少年少女合唱隊は「合唱隊」なのである。この「隊」であるところに、この合唱隊の歴史を垣間見ることが出来る。創設者は、郷土の有名な作曲家、福井文彦先生である。まだ軍事色濃い時代の名残なのだろうか。

今、合唱隊などという合唱団は全国でも珍しいそうだ。そのはずである。我が仙台少年少女合唱隊は来年、創立50年を迎える。「隊」であることの歴史には、何と50年もの長さと重さがかかっていたのである。継続は力ということであろう。

この合唱隊の名を消さぬよう、昨年からNHK仙台放送局よりご支援を頂いている。NHKという巨大なメディアが、そのようにしてこの合唱隊を育ててくれるのか、期待しているところである。

私は、この合唱隊の後援会長を23年もしている。23年もの間、公演会長をしてきての思いは、合唱団同士のネットワークの弱さ、無さを感じている。この少子時代である。一人勝ちなどありえない。

「楽都・仙台」と言うのであれば、子ども合唱団同士、もっと連携を持って、楽都・仙台らしい「子ども合唱文化」の意欲的な発信を望みたいものだ。

その意味でも、今回の仙台クラシックフェスティバルは、まさに「試される事務局の力」となるのではないだろうか。楽都・仙台にふさわしい独創性を持ったフェスティバルにして欲しいと、エールを送っている。

NHK仙台少年少女合唱隊後援会長 渡辺義昭

チェロの多様性

2006.09.05| 丸山泰雄

皆さんこんにちは、今日は昨日の続きとなりますが、チェロの面白さについてもう少し書きたいと思います。

チェロの魅力は音色の豊富な点にあると前回書きましたが、もう1つの特性はその音域の広さにあります。ピアノ、ハープを除けば、すべての楽器の中で最も音域が広く、しかもそのどこの音域でも良く響く音の出せるチェロは「楽器の王」とも呼ばれています。

今回の“せんくら”で私が弾くソロ曲もヴィニャフスキのスケルツォ・タランテラやクライスラーの中国の太鼓等、ヴァイオリン曲ばっかりですし、4人でのアンサンブルをチェロというたった1種類の楽器でできるのも、この楽器の持つ音域の広さが大きな強みになっているのですね。

従ってソロと室内楽、オーケストラでは、チェリストが弾くポジションや要求される音の性質は全く違う訳で、優れたチェリストはその時々に応じてソプラノ、アルト、テナー、バスの4役を使いこなしているという事になります。12人のチェロ・アンサンブルともなれば、1曲ごとに打楽器の役、金管、木管の係、1stVn(ヴァイオリン)の担当、リズムを刻む2ndVn、和音に表情をつけるVa(ヴィオラ)、全体を支えるティンパニーやCb(コントラバス)のパートもチェロだけを使って弾きわけなければいけません。

そういった多様性を持つ楽器であるチェロだからこそ、私も様々な形態で演奏活動を展開できているのですが、その話は次回にしましょう。

丸山泰雄(チェロ)

2006年09月05日

2006.09.05| NHK仙台少年少女合唱隊

NHK仙台少年少女合唱隊は、毎週土曜日NHKのスタジオで練習をしています。

練習は、姉歯先生による体操や発声指導で、心と体の準備をすることから始まります。

美しい声、美しいハーモニーを目指し、熱心なご指導が続きます。そして、大泉先生のユーモアにあふれたお話を聞きながら、時には厳しくも優しさに満ちあふれた練習が行われます。現在、合唱曲だけでなく、原語でのオペラや定期演奏会に向けてのミュージカルなど、様々なジャンルに挑戦しています。

合唱隊では、夏休みに毎年3泊4日の合宿も行い、子供たちの楽しみな行事となっています。約7時間の練習でたくさんの歌を歌い、生活を共にすることで、お互い助け合ったり、思いやりの心が育まれ、合唱隊の気持ちが一つになります。

この合唱隊の魅力は、小学生から高校生まで年齢の異なるお友達ができ、一つの音楽を目指し、練習できることだと思います。音楽をする喜びを分かち合い、さらに友情も深まります。

「せんくら」に向けては、『動物の謝肉祭』のゆったりとしたメロディーをなめらかに美しく歌えるように、『くるみ割り人形』では、曲の雰囲気を感じながら早口言葉など様々な練習に励み、気持ちを込めて練習しています。

今回は、これらの曲を妹との連弾で伴奏させていただきます。

心を合わせて子供たちの合唱のサポートができればと思っております。

NHK仙台少年少女合唱隊 伴奏者 尾澤香織

チェロと私

2006.09.04| 丸山泰雄

私がチェロを初めて触ったのは15歳、高校1年の時です。プロのヴァイオリニストになるには3〜5歳から、チェロでも5歳ぐらいから始めるのが普通で、遅くても小学校高学年から練習しないと間に合わないといわれるこの世界では異色な存在なわけですが、子供の頃は、サッカーや釣りに夢中で、クラシックには全く興味がありませんでした。

ただ、音楽が嫌いという訳ではなく、中学の頃からロック、特に最初はビートルズが大好きで、他にもディープパープルやジミ・ヘンドリクス、ジェフ・ベックやボストン等を毎日聴いていたのです。また、聴くだけではなく、サッカーのコーチの飼っている2匹の「犬の散歩」というアルバイト(毎日30〜1時間、1回250円)で貯めたお金で中古のエレキベースを買って弾いたり、兄が弾いていたクラシックギターを借りていじったりしていたのですが、高1の春に、たまたまテレビでチェロの演奏を見て(今にしてみれば、私の人生を大きく変えたそのチェリストはオーストリアの名手、ハインリッヒ・シフ氏です。今年12月に共演するので、その時彼にそのことを伝えようと思っています)、趣味のつもりで習ってみたところ、その面白さの虜となり、現在に至ります。

チェロの面白さは、その構造が極めて原始的でシンプルなため、自分の体のちょっとした使い方の工夫やタイミングの違いで音色が無限に変化する点にあると思います。チェロを弾き続けて今年で26年ですが、幸せなことにちっとも飽きず、どうしたら今までより上手に弾けるだろうかと毎日取り組んでいます。

ではまた明日!

丸山泰雄(チェロ)

2006年09月04日

2006.09.04| NHK仙台少年少女合唱隊

合唱隊に入って、今年で11年目になる。

入隊当初、私は習い事を増やすこと自体に気乗りがしなかった。それでも、入ってみたら楽しくなって、いつの間にか高校3年生になっても歌っていた。

今まで合唱隊にいて、たくさんの演奏会やオペラを経験してきた。歌うことはもちろん楽しい。だけど私は、舞台袖の、あの緊張感がたまらなく好きだ。それからステージの上で、指揮者が“サイン”をくれるのを待つのも。自分のニブい反射神経を集中させて歌い始めると、緊張が少しずつほどけ始める。いろんなことを一緒に学んできた仲間たちと、感覚がぴったり合っていると感じる瞬間に出会うのは、涙が出るほどに心地良く、幸福だ。

合唱隊で学んできたのは、音楽だけじゃない。音楽をきっかけにして集まった仲間たちからは、学校では学べないことを教えてもらった。先輩からも、後輩からも。

卒隊して、大学生、社会人となった先輩の何人かとは、今でもメールのやりとりをする。

“もう高校3年生?あんなにちっちゃかったのに”なんて、親戚のお姉さんのようなことを言われつつも、変わらず音楽の話ができることが、嬉しい。

NHK仙台少年少女合唱隊 佐藤仁美

はじめまして!

2006.09.03| 丸山泰雄

はじめまして、仙台クラシックフェスティバルせんくら2006に出演する仙台市出身のチェリスト、丸山泰雄です。

仙台で生まれ、父の仕事の都合で3年ほどアメリカ合衆国に滞在した時期を除けば、立町小、仙台二中、仙台二高と、私の青少年期を過ごした仙台は、まさに私のふるさとです。

当時は川内に住んでいたので、家の裏にある公園を通れば3分で広瀬川、真冬以外は毎日のように魚釣りをしていました。また、小学校5年の時からサッカーにのめり込んでいたので、いつも真っ黒でケガだらけでした。

さて、今回の“せんくら”には10月9日にチェロ・ソロとチェロ・クワァルテットで2回出演するのですが、秋の仙台といえばまず思い出すには芋煮会。(皆さん知ってますか?芋煮会は東北独自の文化で、東京や関西の人達は全然知らないんですよ!)

東京に住みはじめてもう23年、毎年秋には、芋煮会を懐かしく思い出し、音楽家仲間に開催を呼びかけるのですが、秋は忙しいからと誰も積極的に話に乗ってきません。せっかくの機会なので、今回はコンサート終了後に伴奏のピアニスト中川賢一君とチェロ・クワァルテットのメンバーを強引に誘って、広瀬川で芋煮会しようかとマジで考えています。

澱橋付近の河原で私を見かけたら、ぜひコンサートの感想を聞かせてください。それではまた明日!

丸山泰雄(チェロ)

2006年09月03日

2006.09.03| NHK仙台少年少女合唱隊

昨年4月から、NHK仙台少年少女合唱隊と改称した団体ですが、旧名称の仙台少年少女合唱隊から数えると、48年の長い活動をしてきました。

このたびは、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」と、チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」の中から、合唱曲に編曲されたものを歌います。

「動物の謝肉祭」からは、原曲が“水族館”となっている“海のしじま”と、有名な“白鳥”の編曲で“旅の白鳥”、そして、“フィナーレ”です。

ピアノ連弾による伴奏で、榎木富士夫の作詞、寺島尚彦の合唱用編曲版ですが、“フィナーレ”は、ピアノのみで演奏されます。

“くるみ割り人形”は、台本と音楽、中山知子、編曲増本喜久子によるもので、1.序曲(ピアノ連弾)、2.行進曲、3.子守唄、4.雪のワルツ、5.ロシアの踊り(トレパック)、6.花のワルツ、以上6曲が演奏されます。

“動物の謝肉祭”も“くるみ割り人形”も、よく知られたオーケストラの作品ですが、子供達の清らかな歌声による演奏も、又、違った魅力を見せてくれることでしょう。

合唱 HNK仙台少年少女合唱隊
指揮 大泉勉
ピアノ 尾澤香織、尾澤麻衣
発声指導 姉歯けい子

NHK仙台少年少女合唱隊 大泉勉

重唱の楽しみ(4)

2006.09.02| 林望

私たちのレパートリーのもう一つの方向は、英語の歌です。今回は、『アルヒダノス』というウェールズの民謡を取り上げます。

これは子守歌なのですが、原詩はもちろんウェールズ語で書かれているので、私たちには理解できません。しかし、幸いなことに、イギリスでは何種類かの英語詩版が出ており、そのなかの一つに準拠して編曲をすることにしました。ただし、リフレインの「Ar hyd y nos」(これで、アルヒダノスと発音します)のところだけは、英訳詩によらず、原語にしたがって歌うという、ちょっと私たちだけの独特の構成でお届けします。意味は「夜もすがら」ということであります。

その他に、私は詩人として、多くの作詩歌曲作品を世に出しておりますが(ご存じないかたも多いと思いますが・・・)、そのなかのいくつかはすでに音楽の教科書にも出ていいます。シューベルトの『鱒』、メンデルスゾーンの『歌の翼に』、インドネシア民謡の『ラササヤンゲ』など、外国曲の日本語詩を私が書いたものです。

それらのなかで、私が自分でもっとも気に入っているものが、ハワイ民謡の『アロハ・オエ』で、これはリリウオカラニ王女の作詩作曲の原譜に忠実に詩を書いたものです。この曲は二重唱(二部合唱)に編曲されていますので(編曲は伊藤康英さん)、いつも勝又さんと歌って好評をいただいている、言ってみれば「定番曲」となっております。

今回は、たった四十五分しか時間がないので、演奏できる曲目には限りがありますが、以上のように、日本の懐かしい歌や、イギリスの子守歌、そして外国曲の日本語訳詩版(林望作詩)というような、いくつもの違った相貌をもった重唱曲を御披露したいと思います。

さてさて、実際にどのような曲を演奏するか、それは厳密には当日のお楽しみといたします。いずれも演奏に先立って私が簡単な解説をして、それから歌うということにしますので、一種のレクチャーコンサートとしてもお楽しみいただけるかと思います。

どうぞみなさま、ふるって、万障お繰り合わせのうえ、私どもの「男声二重唱」の世界に御来臨を賜りますよう、重ねがさね、お願いを申し上げておく次第でございます。

ああ、面白かった、と思っていただけるように最大限の努力を傾けたいと思っております。

林望(トーク&バリトン)

2006年09月02日

2006.09.02| 岸本力

この記事を書き始めた頃、林さんお母様のお葬式前夜でした。

教会のオルガンを聴きながら近くの喫茶店で第一稿いれました。私にとって今年の夏は、あっという間に過ぎてしまいました。

しかし、大きなことを学びました。人と人との巡り会い、人間命あるかぎり「生きる」ことへの憧れをもたなければならないと!

さて、10月7日にロシア民謡のリサイタルを開催します、一般にロシア民謡といっても四つのジヤンルに分けられます。トロイカ、一週間などのロシア民謡、赤いサラファンなどのロシア古典歌曲、カチューシヤ、モスクワ郊外の夕べ、などのロシア歌謡、黒い瞳、などのロシア・ジプシー歌謡に分けられます。

今回はトークを交えて演奏したいと考えています。

今年の10月28日には、私の第20回目のリサイタルで、ショスタコーヴィッチ生誕100年記念して、モノ・オペラ「ラヨーク」を、一人五役で演奏します。

今日で私のコーナーは終わります。

私の文章を読んで下さり感謝します。またこのような機会を与えてくださり幸せです。

ではお元気で。仙台でお会いするのを楽しみにしています。

岸本力(バス)

重唱の楽しみ(3)

2006.09.01| 林望

私は基本的には国文学者なので、歌の「詩」をとても大切にしたいと思っています。歌には詩がある、そこがもっとも基本のところで、その「詩」を、文学的にきちんと味わいながら「歌」にしていく、そのことがもっとも大切だと思っているわけです。また、そういうことになれば、国文学の、とくに古典文学の研究をずっとしてきた私は、詩の解釈について、一段深いところまで分け入っていくことができます。

唱歌といっても、ほんとうに子供向けの、単純で深みのない詩のものも多く、すべてが文学的な内容を持っているわけではありません。

しかし、たとえば『朧月夜』(高野辰之作詩)などは、もっとも見事な詩を持った作品のひとつで、これは純然たる歌曲として見てもいいくらい、美しい詩を歌にしています。

菜の花畑に入日薄れ、見わたす山の端霞深し・・・

あの詩の歌っている景色のなかには、私たちのもっとも懐かしい原風景が息づき、今や失われつつ日本の田園の風景美や季節感が、かなしいほど見事に表現されています。それに応じてまた、岡野貞一の作曲も間然するところなき名曲というべきもので、こういう歌を歌うときに、私たちの心に湧き上がってくる郷愁の切なさは、なんとも言えないものがあります。

ところが、こんな名曲が今は学校の教科書からも消え、ほとんど知らないという若い人が増えてきたという、この現実は、残念を通り越して、憤りを感じざるを得ません。せめて私たちは、こういう曲を、なんとかして新しい編曲で甦らせ、今の若い人たちにも、ああ、素晴らしいなあ日本は、とそう思ってもらいたいと念願しています。

あるいはまた、『夏は来ぬ』という唱歌も、素晴らしい作品です。これは和歌界の大御所佐々木信綱が作詩し、東京音楽学校(後の東京芸大)の作曲の中心人物であった小山作之助が作曲をしたという、唱歌の世界の金字塔ですが、ここには、古今集以来の、日本的な風物詩と、その倫理観宗教観のようなものが、あえかに息づいています。こんな歌を歌うことは、やがて日本文学の精髄に触れていくための階梯として格好のことであって、ぜひとも子供たちに歌わせたいものと思っています。そのために、私はいつも演奏に先立って簡単な解説を試み、よく解っていただいてから、歌として演奏する、ということにしています。

今は忘れられてしまっている名歌『野菊』(石森延男作詩、下総皖一作曲)も、昭和十七年に作られた比較的新しい歌ですが、これまた、なんという優しい情調を持った美しい歌でしょうか。私はこの歌もまた、ぜひ復活して多くの人に歌われてしかるべきものと信じています。

そんなわけで、この機会に、ご存じの方は、ああ懐かしいと昔を思い出しつつお聞きいただき、知らなかった人には、ああ、こんな美しい歌があったのか、と改めて認識をしていただきたい、とそんな思いで歌って参りたいと思っています。

林望(トーク&バリトン)

2006年09月01日

2006.09.01| 岸本力

今日、この記事がだされる9月1日は、私の誕生日です。この日に考えることは、人には出会いがあり別れがあることを強く感じられます。

8月12日に、いずみたく先生のミュージカル「センチコガネムシの愛」に出演しました。無事成功に終わり楽しい打ち上げの最中に、共演者の歌い手の林統子(もとこ)さんのお母様が突然倒れ、8月20日に亡くられました。人生、予想もつかないことが起きるものです。

8月26日、教会でお葬式がありました。涙流しながら、いずみたくの「見上げてごらん夜の星を」歌いました。我々このような仕事をしていると辛いものです、彼女も24日に、涙をこらえ「センチコガネムシの愛」を見事に演じました。このミュージカルは、本当は10人以上で演奏するのですが、一人五役で、二人でやりました。

内容はとってもかわいいミュージカルで、センチコガネムシの夫婦愛を通して、季節の移りゆくなかで、自然と必死に闘いながら生きる虫たちが、生きる喜び、助け合うことの素晴らしさを教えてくれ、とっても心が癒される、あったかいミュージカルです。

仙台の皆さん!演奏させてくれませんか?

今日はここまで。

岸本力(バス)

重唱の楽しみ(2)

2006.08.31| 林望

今回の「せんくら」セッション78は、男声二重唱のレパートリーを以て構成します。

もともと勝又さんとは、ザ・ゴールデン・スランバーズ以来、もう何年にもわたって混声重唱をご一緒してきた仲間なのですが、最近では、もっぱら男声二重唱で舞台にかけることが多くなっています。

重唱は、三重唱、四重唱、六重唱、八重唱と、だんだんと声部が多くなるほど、ポリフォニーとしての複雑な音楽性が込められるので、それはもちろん楽しいのですが、といって、二重唱にはまた格別の面白さもあります。いってみれば、それは親しみ深さでしょうか。

私たちのユニット、勝又・林組にはまだ名前がないと、このブログに書いたところ、さっそくその名前を募集してはどうかというコメントを頂きました。もし、みなさんがたのなかで、こんな名前はどうかというアイディアのある方はぜひお知らせください。

それはともかく、私たちは、前衛的で難解な作品を取り上げようというつもりは全くありません。音楽というものは、一つは不可避的に前衛的・現代的な「新しさ」を希求する方向に進んでいくわけですが、それはどんどん難解になっていって、一般聴衆の楽しさからはかけ離れていってしまう傾向があることは否めません。

そこでもう一方では、どこまでも親しみ深い、懐かしい歌どもを、できるだけ音楽的にきちんとした丈高い編曲で、純粋にハーモニーを響かせるという方向に努力するということがあってもいいと思っています。そして私たちの使命は、この親しみ易い音楽を真面目に演奏するということではないかと思っています。

そこで、私たちが取り上げる、重唱曲のレパートリーは、ほとんどは上田真樹君の新編曲による「懐かしい歌たち」というコンセプトで構成しています。イギリス人にとっての、賛美歌とかマドリガルというようなものが「心の故郷」であるとすれば、私たちにとってのそれは「唱歌」というようなものであるに違いありません。それを、新しく美しい編曲で、ごくごく真面目に歌っていく、それが私たちの目指しているところです。

林望(トーク&バリトン)

2006年08月31日

2006.08.31| 岸本力

赤字を出してやるリサイタルには、なかなか苦労したものでした。

10年程前リサイタルの終わった後で、ビクターのディレエクターが、リサイタルのアンコールで歌ったロシア・ジプシー歌謡の「黒い瞳」に感動され、CDを出さないか?という話がはいったのです。

私は自主製作でロシア民謡のCDを一枚造りたいと考えていましたが、貯金は、生活費用でなくなり、ほとんど諦めていましたから、たいへん嬉しい話に、長年頑張ってきた私への「ご褒美」だと思いました。

CDの発売と平行して、日フィルとオーケストラで「ロシア民謡」を、私が中心で、東京芸術劇場で!という、この夢のような演奏会の話に、いつも心の支えだった、亡き両親に感謝しました。

私は必ず誰か、私が岐路に立ったとき導き助けてくださる人に巡り会うのです、何とも不思議です。

今回の仙台では、ロシア民謡リサイタルでアコーディオンの御喜美江さんと共演します。

私の人生の苦悩と悲しみと喜びの詰まったステージにしたいです。

この機会を与えてくださった方々に感謝します。

今日はここまで。

岸本力(バス)

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