せんくらファンの皆さま
こんにちは。コントラバス奏者の助川 龍です。
今年も大好きなせんくらに参加させていただける事とても嬉しく思っています。
今日は私の兄でギタリストの助川太郎とのデュオユニット”助川ブラザーズ”の公演について紹介いたします。
私たちはボサノヴァ・ジャズ・タンゴをはじめ南米や世界中の楽曲から“今“自分達の心に響く楽曲をアレンジして演奏しています。クラシックやオリジナル曲も演奏します。
今年は世界中の“うた”をお届けします。
うたを歌い届ける場所、そして大好きなボサノヴァにかけて、《ウタノバ》と題しました。
うた、というのはもちろん歌詞があります。つまり明確なメッセージがあります。
でも僕は最初にその曲を感じるのはメロディとリズムで、メッセージは後から知る事も多いです。
今回演奏するうたの歌詞はどんなメッセージがあるのか、少しご紹介します。
スコットランド民謡の“The Water is Wide”は広い河の岸辺と訳されたりします。この広い河を渡る翼を私は持っていない。私達2人が乗って渡れる小舟が欲しい、と歌っています。
ひとは夢み、旅して、いつか空を飛ぶ、と歌うのは武満徹の“翼”。
遠い旅路に思いを馳せる、いつの日か故郷に帰ろう…
日本の名曲“椰子の実”ではこの様な意味が歌われています。
タンゴの名曲“想いの届く日”では
君を夢に見て目覚めた朝には、柔らかな陽射しに揺れる花がうたう…と始まります。素敵。
映画「黒いオルフェ」で使われた名曲“カーニバルの朝”はブラジルの国民的お祭りリオのカーニバルが終わったその翌朝の切ない気持ちを歌ったうたです。
昨年はせんくらを始め楽しみにしていたコンサートが沢山無くなってしまいました。
辛い現実を目の当たりにして、
その現実からいつもの日常を夢み、
そして夢が現実だったのだと知った、
そんな一年でした。
世界中で愛されるこれらのうたも時代や背景はさまざまですが、どの曲も想い通りにはならない現実や、またその現実を乗り越える夢や希望を歌っています。
偶然好きなメロディを繋いだ選曲でしたが、偶然はいつも意味を帯びてくるものだと感じます。
さまざまな規制の中で生活する今ですが、せんくらのこの一時、参加する音楽家の皆さんや集まる皆さんそれぞれの想いの届く日になる事を願っています。
そしてこの様な状況下でフェスティバル開催の準備をして下さるスタッフの皆さまに心より感謝しています。
それでは皆さんと再会出来る事を心待ちにしてます!
最後までお読みいただきありがとうございました。
公演番号:4
公演日:10月1日(金)11:30~12:15
ギターとコントラバスの
ボッサな名曲広場
「ウタノバ」
会場:日立システムズホール仙台|パフォーマンス広場
出演者:
公演日:10月2日(土)17:00~18:00
一期一会のドリーム・アンサンブル
「せんくら・フェスティバル・ソロイスツ」
名曲で聴く弦楽アンサンブルの極み!
会場:日立システムズホール仙台|コンサートホール
出演者:
助川 龍(コントラバス)
ほか
ブログ3日目はコントラバス奏者助川龍がお届けします!
兄と演奏していて一番楽しいのは、普段見る事の出来ない”景色”を見せてくれる事です。
これは良いコンサートの全てに当てはまる感覚です。
今回のせんくらで僕は仙台フィルはもちろん、助川ブラザーズ、フェスティバルソロイスツ、せんくらうた劇場、に参加します。
素晴らしい音楽家達は皆自分の世界を持っています。自分の音を持っています。
その音楽家の世界が、掛け算になって折り重なって行く時、音楽は無限に拡がり、何処までも時空を超えて国を超えて旅をしている、そんな感覚に僕はなります。
ギターとコントラバス。オーボエとホルンとファゴット。チェロと尺八。ピアノとピアノとオーケストラ。いくらでも掛け合わせ拡がる音楽。想像しただけでワクワクします。それは楽器と楽器の出会いというだけでなく、人と人との出会いであり音楽家同士の共鳴する心だと思います。
素晴らしい音楽家とまた出会い、共鳴出来た時、本当に音楽をやっていて良かったと感謝します。そしてまた自己と向き合い成長して行く糧となります。
せんくらはそんな音楽家にとってもワクワクの連続!音と戯れる最高のフェスティバルだと思います。
コンサートとは音楽を聴きに行くだけで無く、その人に会いに行く行為。その音楽家達がまず楽しみ、とっても嬉しそうに楽器を奏でている姿を見るのが僕はとても好きです。
皆さんも是非1人でも多くの音楽家と出会い一緒に旅してみてください!
いやー、音楽って本当に楽しいですね!
それでは皆さんどこかの会場で!
せんくらファンの皆様、こんにちは。
助川ブラザーズ、兄でギタリストの助川太郎です。
例年、せんくらの為に新しい作品を生み出して来ましたが、今年のお題はソナタの作曲。あまりに大きなテーマでした。
作業に取り掛かったのはゴールデンウィーク前の4月下旬。
せんくら本番2日前まで内容が固まらずに地獄を見た昨年の反省から、今年は早めにスタートしました。
でも。
そもそもソナタって何だろう?
それがよく分からない。
ソナタを弾いた事がある人は何となく把握している、らしい。
でもソナタがソナタである条件は厳密ではないような印象を受けました。
何がサンバなのか、何がブルースなのか
突き詰めると結局定義できないのと同じかなと。
だから自由に作る事にしました。
ゴールデンウィークにホテルに缶詰めになって数日。
更に遂行を重ね、5月中旬に仙台で第1回のリハーサルに臨みました。
そこで弟から出た衝撃の発言。
「こういうことじゃない」
まさかの全ボツでした。
そのショックと過労から私は一時的に散歩しか出来ない状態になり、6月はひたすら散歩して過ごしました。
動く、歩く、自転車を漕ぐ。
街を見て、緑を見て、アイスコーヒーを飲む。
サウナに入る。
公園に寝転がる。
そして7月上旬。
書きためた新しい素材を基に一気に新しいソナタを書き上げました。
全4楽章のそれが、クラシックの技法でソナタに当たるのか、そもそもその音楽が何なのか僕には分かりません。
もう何も構っていられないくらい余裕がなかったので。
ただ言えるのは
全てのメロディは毎朝
目覚めた直後に頭に浮かぶ一番ピュアな状態から書き起こしたものです。
素直に書いた4つの曲。
それがエックレス様のソナタと絡み合って、一つの作品として少しでも聞いてくださる人の心を動かすものであることを願っています。
せんくらファンの皆さま、こんにちは!
助川ブラザーズの弟、仙台フィルコントラバス奏者の助川龍です。毎回言ってますが念の為…
「弟は、俺だーーーーー!!!」
さて。
毎回ブラザーズはクラシック×ブラジル音楽をコンセプトにクラシックの曲をアレンジしたりオリジナルの楽曲をお届けしています。
今年のテーマはソナタ。
バロック時代の作曲家、ヘンリー・エックレスのヴァイオリンソナタとブラザーズオリジナルソナタを掛け合わせた新曲”ソナタの彼方”をお届けします。
エックレスのソナタはコントラバスでは馴染み深い曲で僕も音大時代に出会いました。
ヴァイオリンソナタをコントラバスで弾くなんて凄ーい!って?ありがとうございます…
しかしお客さん、この曲ヴァイオリンの皆さんは小学生で弾くらしいですぜ。。。
ですがこの曲めちゃくちゃ良い曲なんです!
4つの楽章から成り、緩−急−緩−急という典型的な教会ソナタの形式を持っています。
和声進行が実にドラマチックで、美しいメロディは朗々と歌うコントラバスの為にあるのでは、と思うほどマッチします。
僕の尊敬する2人の師匠、ゲリー・カーさん、池松宏さんも大得意なレパートリーで僕も一生付き合って行きたい楽曲の1つです。
そんなソナタが南半球のブラジルに行ったらどうなるのか?
ヴィヴァルディの四季とピアソラの四季を掛け合わせた8シーズンズという演奏をしているギドン・クレーメルを聴いていて閃きました。
ブラザーズでの役割。
僕は曲目やテーマを決めたり、コンサート全体の方向性やメッセージから決めて行きます。その過程で閃きがあります。
大変なのはここから。そのテーマを兄に伝え作曲やアレンジに入ってもらうのです。
後は祈るだけ…
「お兄ちゃん、頑張って!」
もちろんそこから一緒に音を出しながら形にして行くのですが、まず1つ小さな音楽の命を生み出すのはとても大変な作業です。
その辺り明日は兄でギタリストの助川太郎さんに語って頂きましょう!