
竹内将也です。
この写真は、昨年の秋に出演したコンサートで演奏するために用意した打楽器類のセッティングです。
坂本知亜紀さん(ソプラノ歌手、宮城学院准教授・東京藝術大学講師)がプロデュースした現代作品のコンサートです。
-震える言の葉- G.Crumb&L.Berio作品展
ジョージ・クラム作曲:
ルクス・エテルナ(永遠の光)
(ソプラノとハープ、2人の打楽器の為の)
マドリガルⅡ&Ⅲ
(ソプラノとハープ、フルートと打楽器1人)
ルチアーノ・ベリオ
セクエンツァⅢ
(ソプラノ独唱)
サークルズ
(ソプラノとハープ、2人の打楽器の為の)
出演者
坂本知亜紀 Soprano
有賀誠門 Percussion
竹内将也 Percussion
木ノ脇道元 Flute
片岡詩乃 Harp
小日向英俊 Sitar
2009年10月6日(火) 東京オペラシティ
2009年9月28日(月) 宮城学院大学講堂
仙台でこのようなコンサートはまさに前代未聞であり、東京でも非常に稀有なプログラムです。たったお一人で企画から運営、演奏までこなした坂本知亜紀さんに敬意を表したいと思います。このようなプログラムがせんくらでも上演されたら良いなと思います。
写真のセットは、ベリオのサークルズのものです。この作品では2人で約80個の打楽器を使用するように記載してあります。小太鼓のような太鼓類から木琴・鉄琴などの鍵盤楽器、シンバルやドラ、木魚やトライアングル、チャイム、ティンパニ、いくらあげてもきりがない程の種類と量です。
オーケストラでも作品によって様々な打楽器を扱いますが、一人が一度に扱う数は大したことがありません。しかも通常のレパートリーでは一人一種類ということが多いです。
これだけ1人で扱う数が多いと、そのセッティングや体の動きといった、いわば「流れ」に対して非常に氣を使います。あるべき響きをイメージした楽器の並べ方をすることになります。セッティングを見ただけで響きが見えるのです。
また、打楽器奏者は沢山の打楽器の扱いに通じている必要がありますが、それよりも根本的に響きがどうあるべきか、そのイメージと息づかいを把握しておくことが何より大切です。
そういったイメージは、そもそもリラックスした身体の感覚から来るものと私は感じます。特に足、下半身からくる感覚が音楽の原点であると思います。
なぜなら西洋音楽は移動を主とした行動感覚、生活感覚に根ざしているからです。
リズムは動きから生まれます。
体の動きの仕組みを知り、骨格は円運動をしていることに氣がつくと、各部それぞれのリズムを見いだすことができます。
小さな回転のリズムと大きな回転のリズムが同時に存在する。そこに驚きの響き感覚があるのです!
竹内将也