菅英三子、4回目の登場です。
今日は、私が毎年行なっているチャリティコンサートのお話をさせて頂きます。
ALSという病気をご存知ですか?筋力が衰え、やがては自力で呼吸もできなくなってしまう難病です。1997年に、このALSの患者の方とご家族を支える日本ALS協会宮城県支部が主催するチャリティコンサートに出演し、初めてこの大変な病気のことを知りました。
それ以来、毎年クリスマスにチャリティコンサートを行い、聞きにいらしてくださる皆さんのチケット代をすべて宮城県支部に寄付しています。冬の寒い日に外出されるというのは、患者の方にはとてもリスキーなことなのですが、それでも皆さん、可能な限り、ご家族と一緒にいらしてくださいます。命をかけて難病と闘っていらっしゃる患者の方・ご家族の方と一緒に、クリスマスのひと時を持つこのコンサートは、私にとってとても大切なものの一つです。
昨年、宮城学院女子大学音楽科の学生の皆さんのご協力を頂いて、ヘンデルの「メサイア」の抜粋(ほんの少しですが)をプログラムに組みました。今年はそれを膨らませて、混声合唱で行ないたいと思っています。合唱の部分は第1部を中心に5曲です。
「メサイア」を一緒に歌ってくださるという方、どうぞぜひご参加ください!
菅英三子(ソプラノ)
今回が最終回、今までお付き合いいただきありがとうございました。
僕は生まれてから高校3年生まで会津若松で過ごした。市内の中心には鶴ヶ城があり、町のいたる所に戊辰の役の名残が点在し、たくさんの観光客を集めている。
荒城の月は、仙台出身の土井晩翠が戦火で荒れた鶴ヶ城を見て作詩したとされている。僕が幼稚園の頃に今の天守閣の工事がされていたので、僕にとっては古い荒れた天守閣はそう遠くない昔のような感覚である。
今回共演する僕の家内は大分の出身。作曲者の滝廉太郎が育ち、晩年を過ごした地でもある。会津生まれと大分生まれの二人が仙台で生活している。これはもう自分達のテーマソングだと勝手に思うようになった。その荒城の月が数年前に教科書から外されるという話になった。僕にとっては一大事。テーマソングが歌われなくなる危険性が生じたからだ。
その頃から荒城の月の他、日本の四季折々を感じさせる歌をできるだけ多くの子供たち、もちろん大人の人たちにも聴いてもらおうと、コンサートのプログラムに必ず加えるようにしてきた。
今回も是非聴いていただきたい。
自分のふるさとを思いながら、また小学生の頃の校庭裏の田んぼの風景を思い出しながら歌いたいと思う。
ちなみにピアノ伴奏の小熊由里子さんは仙台市出身である。
佐藤淳一(テノール)
いよいよ「せんくら」最終日、シエナラストステージの紹介です。
なんと、今までのコンサートの概念を覆すような、体験型の企画のステージです。
先ずは、小編成の吹奏楽をしっかり聴いて頂いた後、次にこれを客席ではなくステージ上、いわゆるプレイヤーの隣で聴いたら、どのように聴こえるかという体験コーナー。わくわく!
次は、オーケストラを自分の音楽で自在に操りたい人のための、指揮者体験コーナー。わくわく!!普通は、プロのオーケストラの指揮など、1000円のみの入場料では出来ません。
その他に、小物打楽器で、お客様と一緒に音楽を楽しむコーナーもあります。わくわく!!!
そして、ファイナルステージは厳しい!?オーディションを勝ち抜いた方々との、合同ステージ「星条旗よ永遠なれ」の演奏です。シエナの公演では、お馴染みのコーナーですが、そこは「せんくら」、いつもの星条旗とは訳が違います。これを、シエナのメンバーを審査員に公開オーディション形式にしてしまいました。(詳しくは募集要項をご覧下さい。)
審査委員長いわく、上手ければ合格という訳でも無さそうですよ。音楽はパフォーマンスですので、音楽性に対して強いアピールがあると良いようです。
さぁ、勇気あるチャレンジャー!シエナと一緒に星条旗を演奏して、「せんくら」涙のラストステージにしようじゃないか!
そしてこの3日間の音楽、シエナの演奏、参加の思い出などで、もっともっと音楽が身近で、かけがえのないものとなりますように・・・
シエナ・ウインド・オーケストラ(管楽アンサンブル)Tb塚本修也
プログラム後半のショパンについてです。
ショパンの作品について言えることは「完成度が高い」ことです。ショパンは彼が語りたいことを作品の中で端正に洗練した言葉で完璧に語っています。またフォームが綺麗な音楽であるとも言えると思います。
実はショパンはいたるところでベートーヴェンと同じ素材を使っています。しかしほとんどの場合において人々にその事実がばれていない。この辺もショパンの天才性の一つであるといえます。同じモチーフを使いながら、まったく違う完成された作品を創りあげているのです。
前期の作品と後期の作品を比べると、芸術的には圧倒的に後期の作品が優れています。私のプログラムのうちノクターン1番、2番、遺作などの前期の作品は非常に分かりやすく魅力的ではあります。それに対し、17、18番の後期2作品は古今のノクターンの最高傑作であり、最高の芸術レベルをもつ作品です。
ただし、生まれて初めてこれらの作品を比べて聴いた人にその感想を求めた場合、多くの人は前期の作品により好感を持つと思います。これはワインを始めて飲む人がボージョレ・ヌーヴォとロマネ・コンティを同時に飲み比べたときに圧倒的多数がヌーヴォを好むということに似ているかもしれません。いずれにせよ先入観をもたず自分のスタンスで音楽を楽しんでいただければと思います。
清水和音(ピアノ)
みなさん こんにちは。
私は、大学で声楽を勉強しています。大学では、菅英三子先生に教えていただいています。菅先生は、世界的に活躍されているのにもかかわらず、謙虚で優しく聖母マリアのような先生です。先生の生徒になれて本当に嬉しく思います。
私は、大学1年のときに観劇したキャッツに衝撃を受け、ミュージカルが大好きになりました。こんなに素晴らしい世界があるんだ!と感動で涙が出てきました。それから一人で何度も東京に足を運びミュージカルを観に行っています。実は先週も東京へ行きダンスオブバンパイア・エビータ・キャッツを観てきました。キャッツを観たのはこれで7回目です。何度観ても飽きず、家で何度もCDを聴いています。年に一度の舞踏会のために24匹の猫たちが次々と集まりだし、歌や踊りお芝居などを披露します。アンドリュー・ロード=ウェーバーの代表作のひとつで、グリザベラが歌う「メモリー」が一番有名なナンバーです。
四季は1つの演目に沢山の役者さんがキャスティングされているので、観る度にキャストが違い、印象が違って面白いです。9月はコーラスラインを観る予定なので、とても楽しみです。
今年は、私の通っている大学の創立120周年という節目の年で、大学の演奏会もいつもとは違い、仙台フィルハーモニー管弦楽団と共演という素晴らしい企画に私も出演できることになりました。MOZART生誕250周年なので「フィガロの結婚」より伯爵婦人のアリアと手紙の二重唱を歌います。素晴らしいチャンスを頂くことができ本当に有難く思います。聴きに来ていただく方に楽しんで頂けるか不安ではありますが、悔いの残らない演奏になるように頑張ります。
渡辺多佳子
僕が入学した高校は福島県立会津高等学校。伝統ある男子校である。音楽を志す僕は、迷わず合唱部に入部した。もちろん男だけなので男声合唱だった。中学生の時に混声三部合唱を歌ったことはあったが、男声のそのハモった時の快感は混声の比ではなかった。体全体が共鳴するような、その響きの中心に自分がいる感覚は言葉では表現し難い。僕はどっぷり男の世界にはまってしまった。
大学に入っても、合唱は忘れられず仲間と合唱団を作ったりしたが、その頃に出会ったのが合唱指揮者の辻正行先生。大学で一年先輩のお父さんでもあった。僕が合唱経験者ということもあり、辻先生の事務所で、音楽の仕事を与えてもらうようになった。
そのうちに同じような人たちが集まり男声合唱団ができた。それがクロスロード・シンガーズである。これがまたユニークなメンバーが揃っていて、キャッチフレーズは「教会からキャバレーまで」となった。メンバーの中に編曲者はいるし、ポップスに演歌、それに宗教曲まで、とにかく節操無くなんでも歌ってしまう。演技派揃いで声もよく出る。
我々約20名と女子高生約100名とで混声合唱を歌ったこともあった。スクールコンサートでもあちこち行ったし、僕にとっては非常に楽しい男の集まりだった。僕らの社長でもあった辻先生は3年前に他界。心の中にぽっかり穴があいた感じだった。クロスロードのメンバーもそれぞれが忙しくなり、なかなか集まれなくなった。…合唱を聴きに来てこんなに笑ったのは初めてだと言われた言葉がなつかしい。
佐藤淳一(テノール)
『シエナ25』は、シエナ・ウインド・オーケストラのメンバー25人で結成された、小編成の吹奏楽ユニットです。
今回のテーマは3つ!
☆「TVonブラス」大人気“ビリーブ”や、なつかしの“ドリフ大集合!!”みんなの名作“サザエさん”“ドラえもん”など、「一度は耳にしたことがある!」TVから流れてくるゆかいな音楽をお送りします。
☆世界のマーチ
吹奏楽といえばマーチ!“ラデツキー行進曲”や「サル♪ゴリラチンパンジ〜♪」の替え歌でも有名な“ボギー大佐”、ジャズも吹きます♪“聖者の行進”など世界各国さまざまなマーチが大集合です。
☆ブラスの響きパート1&2
普段シエナ大編成でも演奏する曲を25名でエネルギッシュかつ、緻密なアンサンブルでお届けします!小編成ならではの透明感のある響きをお楽しみ下さい☆。
シエナ・ウインド・オーケストラ(管楽アンサンブル)Fl金野紗綾香
こんにちは。今日はプログラム前半のモーツァルトについてです。
モーツァルトの作品は他の古典派の作曲家と同様に単純なものが多いと思います。ただし同じ時代の二流の作曲家との決定的な違いは作品が光輝いているということです。そしてどの楽曲についてもいえることですが、演奏に音楽家が持つ本来の資質が直接表れます。
ピアノ曲に関して言えば音符の数が決定的に少ないわけですので技術的に難しいことは何もありません。また少ない数の音符から音楽を紡ぎだすわけですから、間が重要になります。絶妙の間はどんなに練習、努力をしても身に付けられるものでは無いと思います。
従って各音楽家が生まれながらに持つ音楽性あるいは資質が全てさらけだされるのです。モーツァルトを弾く事は音楽家にとってある意味怖いことです。ただし聴衆に皆さまは演奏する音楽家の本質を感じることが出来るわけですので、非常に面白いことでもあると思います。
私が弾くKV331, 332は、モーツァルト中期の作品で、全19曲のピアノ・ソナタの中でも私が好きなもののうちの2つです。これらの作品は先日レコーディングも行っています。ピアノ・ソナタはピアノ協奏曲のように後期の作品に出来が良い作品が多いということはなく、良い作品が各年代に点在しているということも興味深い事実です。
清水和音(ピアノ)
菅英三子、3回目の登場です。今日はちょっぴりハードな10月のお話です。
「仙台クラシックフェスティバル」には10月9日に出演しますが、実はその前日8日は京都で歌っています。京都市立芸術大学が主催して行なう「京都国際平和会議」のコンサートなのです。
9日の朝の飛行機で仙台に戻ってきますが、ちゃんと飛びますよね〜。
今年の10月はこの他、1日に岡山でマーラーの「千人の交響曲」、15日に東京でリサイタル、25日・26日に東京で読売日本交響楽団の演奏会という予定です。重なる時というのは重なるものなんですよね〜。暇な時はめちゃめちゃ暇なのに….。今年はこのペースで11月に突っ込み、そのまま12月を突っ走ります。
10月15日のリサイタルは、東京・銀座の王子ホールで行ないます。今年生誕250年のモーツァルトの作品によるプログラムです。前半は宗教曲。モテット「踊れ、喜べ、幸いな魂よ」で始まり、「ハ短調ミサ」、「悔い改めるダビデ」からのアリアへと続きます。「踊れ、喜べ、幸いな〜」は、昔大ヒットした映画「オーケストラの少女」で歌われた有名な「アレルヤ」が入っている曲です。後半はオペラ特集で、「フィガロの結婚」、「羊飼いの王様」、「後宮からの逃走」、「魔笛」からのアリアを歌います。
日曜日の午後、銀座にいらっしゃいませんか?
菅英三子(ソプラノ)
私が所属している仙台オペラ協会で、今年度はこの「花言葉」というオペラを公演する。
ほとんどの方は初めて聞く演目ではないかと思う。原作は、スペインの作家ガルシア・ロルカ、作曲はイタリアのレンツォ・ロッセッリーニ、彼はイタリアの映画監督の巨匠ロベルト・ロッセッリーニの弟である。
おおよそのあらすじは、主人公のロシータは従兄と婚約しているが、その従兄が遠く離れた自分の実家に戻ってしまう。その彼を待ち続けるロシータ。月日は10年20年と過ぎていく。20数年後に、その従兄は8年前に既に地元で結婚していたと手紙を送ってくる。20歳だったロシータは40代半ばを過ぎオールドミスとなってしまう。僕はその従兄の役。婚約者を20年以上も待たせながら裏切ってしまう本当に悪いやつだ。
今回の演出家はイタリアから招いた。
先週より立ち稽古が始まった。これがまた面白い。楽譜から創造していたものよりももっとオーバーで激しく、僕は益々悪い男になっていく。ピンカートンを歌ったときも、公演後にある方から、あなたって本当に悪い男だったのねと言われたことがあった。今回もそのように言われるよう、歌い演じたいと思う。
音楽は大変綺麗だし、スペインのアンダルシアの匂いがぷんぷんしてくるし、その上これぞイタリアオペラだという歌いまわしが随所にあるし、知らないオペラでも十分に楽しめると思う。
フル編成オーケストラでは日本初演となるので、この歴史的瞬間に是非たくさんの方々に立ち会ってもらいたい。公演は今度の9月2日・3日宮城県民会館にて。
問い合わせはオペラ協会事務局022−264−2883までどうぞ。
佐藤淳一(テノール)