こんにちは!ピアニストの坂本彩です。
前回のせんくらブログ「ドイツの夏」に引き続き、今日はヨーロッパでの生活 – 旅行編としてスペインについて書いてみようと思います。
ヨーロッパ内の移動は飛行機で2、3時間とスムーズに行くこともあり、最近はドイツ近隣の国々でも活動させていただくことが増えてきました。
そんな中、昨年はスペインに3度も訪れる機会に恵まれ、その国を深く知るきっかけを持ったことで、私がこれまでに滞在した国の中から群を抜いて大好きな国へとなっています!

ヴァレンシア聖堂の内部

潮風を浴びながらのランチタイム。

スペイン料理の代名詞・パエリアは、現地人にとっては家族みんなでつつく、言わば日本の「鍋」感覚のようなものだそうです。
食べ物、お天気、音楽、文化、建物……
どれを取っても素晴らしく、私にとってスペインは飽きることのない、まさに夢の国。
留学先のドイツと大きく違うことを1つ挙げるとすると、それはラテン特有の文化でしょうか。
ドイツ生活に暮らす生粋の日本人としてラテンの国にお邪魔するという、ちょっと変わった立ち位置ではありますが、実際にラテンの国では思わずガクッとするような (少し斜め上をいくような…?) 人々の対応に驚く場面も多くあります。
しかし気付けば、人々のチャーミングさ、純粋さ、優しさに癒され、最終的には虜になってしまっているのが不思議。
素敵な魔力を持つスペイン、旅情をそそります。
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こちらは昨年秋、演奏会のためにアギラスという海沿いの街に出向いた時のエピソード。
滞在中、アテンドしてくださる方と丸2日間行動を共にしたことがありました。
演奏会の内容はオーケストラとのコンチェルトだったので、演奏会当日の朝、最後のリハーサルを済ませた後は「夜の公演に向けて、まずは腹ごしらえにいこう!」と、ランチタイムの市場へ出かけることに。
美味しい海鮮と一杯のスペインビールをいただきホッと一息、さてこれから休んで練習だ!と立ち上がった矢先、今度は続けてチーズ工房へ連れて行ってもらうことになりました。
食事の次はチーズ。よくあるヨーロッパでの光景ですが、チーズといえば、ワイン?
(あの、本番は今夜ですよね??)

店主おすすめのチーズをいくつか出していただきました。
(そしてやっぱり、ワインが出てきた…)
旅行中は普段一人で行動していたら経験出来ないことや、予想外の出来事に遭遇することが多いため、異国に出向く際は「郷に入っては郷に従え」をモットーに努めるようになりました。
そこに加え、スペインに於いて欠かせないのが「なんでやねん!」という関西スピリット。
※この場合の「なんでやねん」には3つの解釈の余地があります。
① もちろん、喜んで!
② んーちょっと理解できないけど、まぁいっか!
③ 一人にしてください。
(疑問はさておき、この何種類ものチーズは甘くて、とっっっても美味しかった♪♪)
この後、シエスタの時間にしっかりお昼寝をして身体を休ませ、練習をして、演奏会を無事に終えました。演奏会の開始時刻が21時と夜が遅いのも、スペインらしいです。

ムルシア交響楽団とのモーツァルトのピアノ協奏曲第23番。

マドリードから来られたゲストコンマスの方と、演奏後はスペイン流のご挨拶でお別れ♪
素直に感情表現をすれば、真剣に尽くしてくれるスペインの人々。また、言葉にしなくとも空気を読む文化が日本人にあるとしたら、それに準じたものがある気がしてならない、温かいスペインの人々。
そして、言わずもがな、関西人気質とスペイン人のメンタリティーは、どことなく深い部分で繋がっているのかもしれません!
スペイン愛を綴っているとついつい長くなってしまいました。ここで話をせんくらに戻しますと…
出演する2つ目の公演は、同じく関西出身のピアニスト、北端祥人さんとのピアノデュオ公演です!
公演番号【73】
https://sencla.com/program/558/
プログラムはドビュッシー没後100年を記念して、ドビュッシー「小組曲」とプレリュード、フランス的ユーモアと遊び心が満載のビゼー「子供の遊び」、リスト「愛の夢」の後は、締めに「ハンガリー狂詩曲 – 連弾版」をセレクトしてみました。
ベルリン芸術大学で共に学ぶ友人の一人であり、音楽に対する思いやお互いの考え、人生観まで語り合える大切な音楽仲間との楽しみな公演。既にベルリンでリハーサルが始まっています!

春に大阪で初共演した際の1コマ。
仕掛けたり、仕掛けられたり… 演奏中も楽しくて、思わず笑みが溢れてしまいますね。
さて、本日にてせんくらブログも最終回。
3日間お付き合いいただき、ありがとうございました。
秋の仙台で多くの皆様にお会いできることを、心より楽しみにしています!
坂本 彩