初めて仙台へ来たのは去年の仙台フィルとの第九でした。
熱烈であたたかいお客様の拍手からはもちろんのこと、コンサートに関わるみなさんのことばの端々に、深―――い「仙台愛」を感じました。
先日も、テレビで、仙台出身のある芸能人の方がご自身のこれまでの歴史を語られる番組の最後にぼそっと、「ああ、こないだ帰ったばっかりなのにな、また仙台帰りたくなっちゃったな」とおっしゃったのがとても印象的でした。
昨年は短い滞在でしたが、今回は3つものコンサートがありますので、長い滞在中、仙台の魅力に触れて「仙台愛」を深めて帰りたいと思います。
せんくら三つめのコンサートは、私にとって仙台との出会いを運んでくれた曲、「第九」です。
私のブログは今日でおわりです。
せんくらで皆様にお目にかかれますのをとても楽しみにしております。
「僕たちが結婚できたのは君のおかげだよ!」
昨年結婚した、イタリア・パルマ市に住む私の友人ジョヴァンナの旦那さんが、結婚式の時に私に言った言葉です。
・・・はて・・・?・・・そんなことを言ってもらえるのは嬉しいけれど、何のこと?
と、思いましたら、ジョヴァンナの旦那さんが説明をしてくれました。
「初めてジョヴァンナと食事をした次の日の朝、僕が君たちの家(注:当時私とジョヴァンナはルームシェアをして住んでいました)の下で花をもって立っていたら、君が出てきて、“いまジョヴァンナは教会に行っていて留守だけれど、そのお花ジョヴァンナの部屋に置いておいてあげるわ”と言って、ジョヴァンナの部屋へ運んでくれたんだよ。その花を受け取ったことがきっかけで、ジョヴァンナは僕に興味を持つようになってくれたんだ。」
そ、そうなの?! フフフ・・・全く記憶にありませんが、お役にたてて良かったです!
そんな、ジョヴァンナやそのご主人、その他大勢のイタリア人の友人に囲まれながら3年弱をイタリアで過ごしました。
歌のレッスンは勿論のこと、友人たちとの何気ない会話、食事、夜に素敵なお店のショーウィンドーを見てああだこうだと批評しながら散歩をしたり、屁理屈を言って家の掃除当番の押し付け合いをしたり・・・そんなこまごまとした彼らとの生活の全てが、自分の血となり骨となっていることに、帰国してから気が付きました。
二つ目のコンサート、イタリアオペラアリア名曲コンサートでは、そんなイタリアの香りを少しでもお届けできればと思います。
せんくらブログを御覧のみなさま、こんにちは。
メゾソプラノの富岡明子です。
せんくら2015では、3つのコンサートで皆様にお目にかかります。
まずひとつめは、日本歌曲のコンサートです。私たちにとって大変馴染み深い、また、日本の音楽の歴史にも大切な意味を持った作品を集めました。
皆様ご存知で懐かしく感じられる曲が多いかと思いますので、そんな歌の数々との再会に、心地よくお耳を委ねて頂ける時間になれば良いな、と思っています。
懐かしいと言えば・・・
写真は私にとって、大変懐かしい故郷の姫路城です。
姫路城と連鎖して思い出すのが姫路駅の明石焼き・・・あぁ、食べたい!!
こんにちは。再び仙台在住のソプラノ、高橋絵里です。
突然ですが、自慢話です(笑)!
昨年「平成25年度宮城県芸術選奨新人賞」なるものを受賞しました。
これまで賞歴に縁がなく、受賞の電話が来た時、イタズラ電話と思い込み、
ものすごく感じ悪く対応した私。
いろいろ質問したあと「あれ?でもどうしてウチの電話番号知っているんですか?」と私。
「こちらは県庁ですので…」
「あ〜、そうですよね。え?県庁がどうしてウチの番号知ってるんですか?」さらに疑う私。
「あの…こちらは振り込めサギなどではございませんので…」とまで言われた私。
しかし「受賞するのはほんとうに私なんですかああ〜〜」と最後の最後まで信じられなかった私。
「仙台では演奏される機会がまだ少ない、様々な古楽器を使用して、バロック音楽やルネサンス時代の音楽に取り組み、良いコンサートをしていることが受賞理由の一つです」
そう言われて「ああ〜それ、私だわあ〜(*´∀`)♪」って、ようやくホッとしたのを覚えています。
歌は伴奏が必要なので、一人だけではコンサートをしたり、音楽を作り上げることはできません。
これまで共演してくださったチェンバロ、オルガン、バロックチェロや、ヴィオラ・ダ・ガンバ、そしてリュートの各奏者の皆さんに、心から「ありがとう!」です。
さて自慢話はほどほどにして。
あっこちゃんは、いろんな楽器を演奏します。ギターの前身のビウエラという楽器。リュートのおばけみたいな巨大なテオルボ(キタローネ)と呼ばれる楽器など。用途はそれぞれに異なり、一緒に演奏していると、時代に伴って音楽の様式の移り変わりを感じます。そして今回は、バロックギターです!
昨秋、上野駅でのコンサートにて、あっこちゃんのバロックギターでホセ・マリンという作曲家の歌を歌わせていただきました。
ハードロックカフェHard Rock Cafeの前だから、マイクを使ってのハードバロックHard Baroque!
….とダジャレているわけではなくて、上野駅改札前の雑踏の中なので、マイク&スピーカーを通しての演奏でした。今年は仙台でこのプログラムを(もちろんマイク無しで)ご披露します。
皆さまと、会場でお会いできますように!
私たちの担当は今日でおしまいですが、引き続き「せんくら出演者ブログ」をどうぞよろしく。
せんくらファンの皆様、こんにちは、
私は千葉県在住のリュート奏者の佐藤亜紀子です。
今回は、リュートだけでなくバロックギターも演奏します。
バロックギターは一般のギターよりも小ぶりで、真ん中の装飾が可愛いです。
弦はリュートと同様に同じ音の2弦が対になっています。
普通のギターは6弦ですが、バロックギターは5弦です。(楽器写真参照)
リュートと特に違う点は「ラスゲアド」という右手で和音をかき鳴らす奏法です。
この奏法は演奏者によってそれぞれいろんなパターンを持っているといっていいでしょう。
それまでリュートしか弾いたことのなかった私にとって、バロックギターは未知の領域で、憧れの楽器でした。
留学を終える年にようやく楽器を手にいれて、周りの同僚の学生や国内外の講習会やレッスンなどで、ラスゲアドについていろいろ聞きまくりました。
しかし、助言をもらったらからといってすぐに素敵なかき鳴らしができるわけでもなく
こうでもない、ああでもないといろいろと一人で試しつつ弾いていました。
そんなときに、ふとスペイン人のリュート奏者 Xavier de la torre 氏に出会い、
3ヶ月だけバルセロナでギターを教えてもらえるチャンスにめぐまれました。
それは2011年のことで、スペインに行くことが決まった日にあの震災が起きました。
人生何が起こるか分からないと実感した瞬間でした。
やれることはやっておかなければ後悔すると思い立ったのを覚えています。
3ヶ月で教わったことは、本当に基礎の基礎、かき鳴らしのパターンも限られたものでした。
肝に命じなければならなかったのは、ラスゲアドというのは、精緻な繊細な指の動きから
生まれるということで、よく「ジャカジャカやってよ」なんて言われますが、このジャカジャカは計算された訓練された手指の運動とリズム感、テンポ感を察知する耳が必要なのだということがよく分かりました。
これらを消化しつつ、でも技術習得のみならず、いろんな人とアンサンブルして、経験を積んでいくことで感覚も磨かれていくということを信じ、未だにいろいろな試行錯誤を苦しみ、楽しみつつやっているのが現状です。
昨年に絵里さんと一緒の演奏会でバロックギターを使う機会があり、絵里さんもスペインものの歌曲を気に入ってくれたようなので、今回また取り上げることになりました。
リュートの繊細な音楽とバロックギターの情熱的な音楽、2つの対照的な世界をどうぞお楽しみください。
みなさん、こんにちは。仙台在住のソプラノ、高橋絵里です。
いよいよ「せんくら2015」のチケットが発売になりましたね!
嬉しいことに「せんくら」出演二回目の私は、今年もリュート奏者の佐藤亜紀子さん(通称あっこちゃん)と一緒に、日立システムズホールのパフォーマンス広場で演奏します。
今年は美しいリュートソングの世界だけでなく、あっこちゃんのバロックギターで、情熱的なスペインの歌もご披露しますのでぜひ来てください!ブログは今日から3日間。どうぞ宜しくお願いします。
さて私がリュートという楽器とじっくりおつきあいするようになったのは、オランダでの留学時代。
アムステルダム音楽院には「古楽科」というのがあって、18世紀くらいまでの歴史的な楽器や歌のジャンルを、多くの留学生が勉強しています。リュートを専門に学ぶ学生はそれほど多くはありませんでしたが、その素敵な音に私はすぐ虜になりました。
現在は移転してしまいましたが、私が学んだアムステルダム音楽院の旧校舎は、19世紀末に銀行として設計された古い建物。廊下や階段のあちこちにステンドグラスやタイル画など装飾がちりばめられ、窓からはどうやって行くのかわからない塔も見えます。そんな趣のある建物の中で、夢見がちに音楽に身を委ねていた私。秘密のドアや、らせん階段があちこちにあって、その先の小部屋でよくリュートの学生とリハーサルしました。
初めて、その当時出版の楽譜や、リュートの楽譜を見た時は「????」。
でも、その踊っているように書かれた生き生きとした音符は、その曲をどんな風に演奏したらよいか、インスピレーションを与えてくれるものです。
音符と歌詞だけのシンプルな楽譜を、リュート奏者と一緒に形にしていく作業は時間がかかるけれど、どんなものが出来上がるのかワクワクする時間です。
リュートは私の声の一番いいところを引き出してくれる、素晴らしい楽器。
私がこれまで体験したヨーロッパでの素敵な時間を、私たちの演奏を通して、みなさんに感じていただけたらいいなあと思っています。
次回はあっこちゃんが、バロックギターについて紹介してくれます。
せんくらブログをご覧のみなさん、こんにちは!!!
「最近訪れた国」シリーズ、今日はまさにこのブログを書いているフランスのロワイヨモン修道院からお届けします!
緑に囲まれた静かな修道院で、今週はマスタークラスをしていました!
フランスの若者たちと楽しい毎日です♪
ここの修道院は、演奏会のシリーズもとても充実しているだけでなく・・・
素晴らしいライブラリーがあるのです!!
これはJ.S.バッハの息子、C.P.E.バッハが書いた「正しいクラヴィーア奏法」初版本オリジナル!!!
他にもラモーやヘンデルのオペラ、フォーレの手紙・・・などなど宝の山です!!
もちろん全部オリジナル!
しかもすべて直に手にとって見られます。
すごい!!!!!
興奮して、みんなと楽譜を読みあさっていたら、レッスンの開始が1時間も遅れました(笑)
さらにチャペルに行くと・・・
カヴァイエ・コルというロマン派オルガンの名器!!
この修道院には初めて来ましたが、次から次へとものすごい遺産が出てくるので、とにかく圧倒されました。
中庭では映画の撮影もしてましたよ!
♪♪♪♪♪
さて、早いもので私のブログも今日で最終回でした!
お楽しみ頂けましたでしょうか!?
今年初参加のせんくらでは2公演に出演します♪
会場でみなさんとお目にかかれるのを楽しみにしています!
せんくらブログをごらんのみなさん、こんにちは!
「最近訪れた国」シリーズ第2弾です!!
♪♪♪♪♪
先週はドイツ南西部の町、フライブルクに行きました!
フランスやスイスとの国境沿いにある、人口22万人の町です。
ちょうど私の地元、調布と同じくらいのサイズですね。
オランダにはない(!)町の高台に登ると、荘厳な大聖堂が見えます!!
町の随所には可愛らしい小路がたくさん。
ここはなんでも「世界の小路大賞」をとった小路だとか!
そんな賞あるんですね〜
仙台にはどんな小路があるかな。楽しみです!
さて、フライブルクには遊びに行ったのですが、実はドイツ・リートのパートナー、ドミニク・ヴェルナーさんとシューマンのリハーサルが主目的でした。
おうちに泊めてもらいましたので、お礼に日本酒をプレゼント。
ふたが閉まってて注げませんでした(笑)
ドミニクは日本酒が大好きなので、今度は東北のお酒をあげたいと思います(^^♪
*****
明日は「フランス」の予定です!
お楽しみに♪
仙台のみなさん(そして仙台でないみなさんも)こんにちは!
今年せんくらに初参加することになりました鈴木優人(すずきまさと)です。よろしくお願いします!
しかも今日から3日間「せんくら」公式ブログを書かせていただくことになりました〜
お題は、「最近訪れた国」です。
一日ひとつずつ書こうと思いますので、楽しみにしてくださいね♪
♪♪♪♪♪
さて・・・・初日は、やはり私の住んでいるオランダ!!
オランダというと、風車とかチーズなどが有名ですが、私にとってはやはりパイプオルガンの国です!
小さい国なのに、歴史的なオルガンがたくさんあります。
7月には北の果てフリースランドにある、ハーリンゲンという港町でリサイタルをしました。
ここのオルガンの鍵盤はこんな感じ!
オランダは船乗りの国なので、なんでもごっついです。
鍵盤の両脇にならんでいるのは音色を変えるストップなのですが、これもごっついですね。
ちょっとやそっと乱暴に扱っても全然平気です(笑)
でも出てくる音は繊細なリコーダーのような音。
バッハをたくさん弾きました。
ホテルの窓からは、きれいなレンガ色の屋根の向こうにたくさん帆船のマストが見えて、なんだか旅情をかき立てられます(^^)
明日は、おとなり「ドイツ」について書こうと思います!
今日はハープとチェロとヴァイオリンという珍しい組み合わせで初合わせでした。
ピアノが会場に持ち込めないとのことで、チェロとヴァイオリンのデュオを思いついたのですが、なんとなく華がない。そこで宮廷やサロンを連想させるハープは良いのではと思い提案したところ、演奏場所が美術館との事もあり思いのほか良い返事が。ハープの色々な奏法上の問題や、ハープならではの良さが分かった一日でした。
さて、今回せんくら2015での曲目ですが、
ツィゴイネルワイゼンは言わずと知れた名曲中の名曲。ヴィオリニストを目指す人ならだれもが弾きそうな曲ですが、私はわりと弾かずに過ごしてきたので、今回お話をいただけて良かったです。
ジュゼッペとのブラームス「雨の歌」では最初のひと雫がすでにとても難しい所。
グリークの弦楽四重奏曲は以前から小川さんが取り上げてみたいと言っていた曲で、セレーノだからこそのアンサンブルをしたいと思います。
いまはみなあちこちに暮らしていますが、それぞれに新しく身に着けた感性や技術でお互いに刺激しあえれば楽しいかな!
あと2か月少しとなりましたが、2015年の我々を聴きにいらして頂ければ幸です。
皆様と会場でお会いできるのを楽しみにしています。
暑い日が続きますが、どうぞご自愛ください!
写真はグリークの作曲部屋から