タンゴについて―2013.09.09

2013.09.09| 鈴木大介

今回、「せんくら」では、バンドネオンの名手、北村聡くんとのタンゴ・デュオを演奏します。

バンドネオンとギターのデュオで、タンゴ、というのは、日本ではあまり聴かれませんが、本場アルゼンチンでは伝統的な、とても通好みの演奏スタイルです。

CDなどに残された数々の名演を参考にしながら、北村くんと僕がそれぞれに自分のパートを採譜していってリハーサルします。

もともとの演奏をしているギタリストの奏法にしたがって、ピックで弾いたり指で弾いたりするのですが、タンゴ・ギターの強さと激しさ、甘さの起伏に富んだ表現や、自在に伸び縮みするリズムを再現するのはとても興奮します。

タンゴは歌と踊りの音楽ですから、語りかけるように歌い、小刻みに踊るステップを表現できた時の喜びはひとしおです。

子供の頃から、父の車に乗ると必ず流れていたのがアルゼンチンタンゴなので、今、こうしてタンゴの演奏をしている自分がとても不思議に思われてきます。

北村聡くんとは、ジャズやドラマの音楽の録音現場でもしばしば共演しています。
ちなみに、今放映されている大河ドラマ「八重の桜」の劇中音楽でもデュオで演奏しています。

彼がバンドネオン奏者として活動を始めた、ほぼ最初の頃からご一緒させていただいていて、それだけに、お互いが
現在のように様々な現場で顔をあわせるようになった今、タンゴという、彼にとってはまさに真剣勝負の、僕にとっては父から受け継いだ憧れの音楽で火花を散らすことは、感慨深いものがあります。

是非、仙台の皆さまにも喜んでいただけるよう頑張ります!!
鈴木大介(ギター)

仙台のみなさん、こんにちは。

2013.09.08| 鈴木大介


今日から3日間、ギタリスト鈴木大介がこちらのBlogを担当させていただきます。

まずは最近の仕事の様子から。
9月2日、サントリーホールで行われた池辺晋一郎先生プロデュースの「ジャズ、エレキ、そして古稀」というコンサートで、野平一郎さんの「炎の弦」というエレキギター(!)コンチェルトを演奏しました。
この作品は2002年にロック、ヘヴィ・メタル界の天才ギタリスト、スティーヴ・ヴァイ氏が初演したもの。
ヴァイ氏は、その卓越した演奏能力はもちろんのこと、音楽理論やスコアを作成する技能もずば抜けていて、野平先生が見せてもらった彼の作品のスコアは、変拍子あり、複雑なフレーズあり、と、さながら現代音楽のようなものも含まれていたそうです。

互いに尊敬しあう二人による初演は伝説となっていました。
そんなすごい人が弾いた作品を、エレキギター15年ぶり、ほぼ初心者の僕が弾くわけですから、池辺先生発案のコンサートのテーマが「挑戦」であるとはいえ、ほとんどやっていることはドン・キホーテなのです。

では、なぜそんな無理な挑戦をしたのか、というと、初演の後、アメリカで、現代音楽を得意とするクラシックギタリストのデヴィッド・タネンバウムさんが「炎の弦」を演奏していて、そちらは、もっと現代音楽的なアプローチで、「う〜〜ん、この二人の中間の演奏は出来るのかなぁ」と思ったのと、野平先生が以前、コンサートの楽屋でご一緒した時、子供の頃、ハービー・ハンコックなどのジャズが大好きで、本気でそちらに進もうかと考えていた、と聞いたこと。

あとはもう、弾いてみたい、という純粋な好奇心だけでお引き受けしました。

作品にはエフェクターの指定があったり、一見、ビートが存在していないように聴こえるところにも書かれていない縦のリズムが存在していたりと、それらのすべてを表現するには僕はまだまだ力不足なのですが、指揮の杉山洋一さんや東京都交響楽団のみなさんのあたたかいサポートで、リハーサルから演奏会まで、とても楽しく過ごすことができました。

今回は楽譜に書いてある強弱の指定(フォルテやピアノ、クレッシェンド、デクレッシェンドなど)を、極力ボリューム・ペダルを使って再現できるように試みたり、作曲家の希望で、これまでの演奏でされていなかった音色の変化を短い時間の間に細かくつけたりしたのですが、これがほんとうに難しかったです。気持ちと足が連動しない(笑)。。。

こういう、こまごましたエレキギターの所作については、普段「The DUO」というユニットでご一緒している、エレキギターの巨匠、鬼怒無月さんにたくさんのアドバイスをいただきました。

写真は、コンサートに来てくれた福田先生、大萩康司くん、鬼怒さん、そして今度せんくらで共演するバンドネオンの北村聡くんです。

鈴木大介(ギター)

スタッフだより「秋の3大フェス」

2013.09.07| せんくら事務局

こんにちは。

今日はすっかり涼しく(寒い・・・)なって、秋を感じています。
夏が好きな私としては、夏が終わって秋を感じ始めると、とてつもなく寂しい気持ちになります。
気づくと、
「また1年後にね・・・・」
なんてつぶやいたりして。

しかし、実は秋も秋で好きなんです。
過ごしやすいし、食べ物はおいしいし、アウトドアが充実するし、ファッションも楽しい季節です。

そして仙台では今日と明日、「定禅寺ジャズフェスティバル」が開催され、音楽と人で溢れる2日間となります。
来週からはオクトーバーフェスト!!
ビール好きにはたまらないイベントですね。

芸術関係ないじゃないか、と思われる方もいらっしゃるとは思いますが・・・・
違うんですよ!
ドイツの愉快な音楽が流れ、歌を歌ったり踊ったり、とても賑やかなのです。

そして9月もあっという間に過ぎ・・・
せんくらが始まります!!!

ジャズフェスからオクトーバーフェス、そして仙台クラシックフェス。
秋の仙台3大フェスと命名しても良いでしょうか?

2つのフェスティバルからバトンを受け取り、勢いそのままに、せんくらを盛り上げていきましょう!
事務局は準備から本番まで駆け抜けます。
お楽しみに!!せんくら事務局
佐藤香奈子

 

スタッフだより「サイトウ・キネン・フェスティバル」

2013.09.06| せんくら事務局

こんにちは。

先日、サイトウ・キネン・フェスティバルを観に、長野県は松本市に行ってきました!
夜のコンサートの前に、松本の街をぶらりぶらりと歩き回り、松本城や美術館、商店街などたくさん巡りました。
そのまま歩いて会場となるキッセイ文化ホールに向かいました。
しかし、歩けど歩けど着かず・・・。
なかなかに方向音痴な私は途中で心配になり、何度も何度も地図や携帯電話のアプリでナビもしてもらいました。
(本当に、便利な世の中になったものです。)

しかし、着かず・・・。
自分はここまで方向音痴だったのか、と絶望しつつ、動揺を隠しつつ歩き続けると、やっと看板を発見しまして、会場到着。
会場では、看板を前に記念撮影が行われたり、待ち合わせの人などでにぎわっていました。

会場内に入ると、グッズ売り場が大賑わい。
もう少しじっくりとグッズを見たいと思いつつも、大量のご婦人方に圧倒され、半ば諦めてホールに入りました。
ホールではワインサービスなんかもあり、「フェスティバル感」を感じました。

へとへとになるまで歩いてからのコンサートだったので、寝てしまうかも・・・と思ったのですが、寝るのがもったいないコンサートで、終始、目と耳をがっぽり開いて堪能しました。

せんくらよりも歴史が長く、開催期間も長いフェスティバル。
ボランティアさんの運営やグッズ、会場設営など、せんくらとは違う点も多々あり、とても勉強になりました。
せんくらもサイトウ・キネン・フェスティバルのようにその名を全国に轟かせられるようなフェスティバルにしたいですね!
せんくら事務局
佐藤香奈子

スタッフだより「せんくらで一緒に歌いませんか?」

2013.09.03| せんくら事務局

せんくらには「客席のみなさんと出演者が一緒に歌う」楽しい企画があるんですよ。
今日はその公演を紹介させていただきます。

ひとつ目は、10月5日(土)13:15から日立システムズホール仙台(青年文化センター)コンサートホールで行われる、公演番号17番のせんくらオリジナル企画「華麗なる歌ガラコンサート」です。
ソプラノ市原愛さん、メゾソプラノ林美智子さん、テノール中鉢聡さん、バリトン三原剛さんにより、様々なオペラの名曲が歌われる夢のようなコンサートなのですが、ラストは客席のみなさんと「故郷(ふるさと)」の全員合唱でしめくくります。

兎追いしかの山~♪
小鮒釣りしかの川~♪

心のなかに懐かしいふるさとが思い浮かぶ名曲です。
素晴らしいアーティストと約800人のお客様が声を合わせたら、どんな故郷が生まれるのでしょうか。

もうひとつは、10月6日(日)19:45からイズミティ21大ホールで行われる、公演番号83番せんくら2013最終公演「グランド・フィナーレ」です。
先ほど紹介した歌ガラコンサートの出演者と仙台フィルハーモニー管弦楽団、せんくら合唱団による「ベートーヴェン:交響曲 第9番「合唱」より第4楽章」など迫力のステージの最後をしめくくるのは、「エルガー:行進曲「威風堂々」第1番」。

みなさんも一度は聴いたことのある名曲だと思いますが、お客様と出演者がオーケストラの演奏とともに大迫力の全員合唱をするのです!
歌詞は、1999年に東京で行なわれたコンサートのために当時小学校5年生の長瀧菜摘さんと小学校6年生の高橋美由紀さんが作った、口ずさみやすい素敵な詩です。

僕らは ゆく まっすぐに
あふれる希望 光の道

時の流れは早いけど
忘れはしない 大きな夢
今日のこのうた 生き続ける

さぁ 歌おうよ 声あわせ
響かせよう 世界中へ

さぁ 手をつなごう ひとりじゃない
仲間になろう 勇気を出して
みんなで行こう 未来へと

どちらの公演もチケットは残り少なくなっていますので、お早めにお買い求めください。
客席のみなさんには歌詞カードもお配りします。
どうぞお楽しみに♪
せんくら事務局
阿部英治

ベビーとの音楽生活

2013.09.01| 神谷未穂

仙台フィルコンサートマスターの神谷未穂です。

昨年のせんくら出演時と大きく変わった事といえば、6月半ばに長男が誕生しました!
子育ては忙しくて大変、とよく聞いてましたが、本当にその通り。

演奏家は家での日々の練習、勉強がとても大切なのに、最初の内は長男が寝ている時しかその時間が取れず、同じ職業の主人と、「ど、どうする~!!」と思う事度々。

が、日に日に長男も寝る時間が増え、仙台フィルの先輩ママ演奏家にアドバイス頂いたり、こちらも色々工夫する様になり、この新しい生活にも、や~っと何とか慣れてきました。
(保育園が決まるまでは、色々な方のサポートを頂く予定。保育園が早く決まります様に、、、)。

8月にアーティストとして登録している(財)地域創造のプレゼンがあり、人前で演奏する事を再スタートしました。
人前での演奏は、5月31日の【スヴェトリンと仲間たち】以来でしたが、とても気持ち良く演奏出来、ホッ。

演奏の他に、今年も8月末〜10月に行われる全日本学生音楽コンクールの審査を担当します。

仙台フィル復帰は間もなく!
9月の定期演奏会が復帰第一弾です。
ソリストとして三善晃氏のコンチェルトを山田和樹さんの指揮で演奏させて頂きます。

今まで以上に忙しくなるのは確実ですが、長男の色々な表情に疲れも吹っ飛んでいきます。
これからも”ママヴァイオリニスト”として元気に活動したいと思います。

長男は8月に主人が出演した軽井沢国際音楽祭の子供の為のコンサートで、コンサートを初体験しました。
お腹の中で沢山コンサートを体験していたからか、音楽に興味津々(半分気持ち良く寝ていましたが♪)。
せんくらにも子供の為のコンサートがいくつかありますね!
長男は今回が初せんくらとなるかな??

赤ちゃんから大人まで楽しめるせんくら、今回も音楽との素敵な出会いが、皆さんに沢山あります様に♪。

せんくらブログ担当は今回で最後ですが、私のブログは続いています(ゆっくり更新ですが)。
http://yaplog.jp/miho1017/
こちらもどうぞよろしく。

3日間お読み下さり、どうも有難うございました。
次の方へバトンタッチ!
ではせんくらでお会いしましょ~♪。バイバーイ(by 長男)。
神谷未穂(ヴァイオリン)

注目ブログ!

2013.08.31| 神谷未穂

仙台フィルコンサートマスターの神谷未穂です。

バロックアンサンブルのチケット、もうお買い求め頂けましたでしょうか??
スタートは良かったのに、完売にならず、なんて事になりませんように、、、。
皆様どうぞよろしくお願い致します。

今回このブログを書かせて頂くのにあたって、色々な方のブログを拝見しました(三宅さんと同じ~)。
その中で、読んで感動して、涙が出た(?)ブログが!!!
この方のです→ピアニスト 中川賢一さん
http://sencla2013.asablo.jp/blog/2013/05/26/6822248
是非皆さんもお読み下さいませ。
中川さんの素敵なご友人について書いてありますので。
フフフ。

写真は今年6月に生まれた長男のお七夜に参加してくれた中川さん、それから大事なコンサートの前に長男に会いに来て下さった三宅さんです。
神谷未穂(ヴァイオリン)

今年はバロックアンサンブルで♪

2013.08.30| 神谷未穂

皆様、こんにちは。
仙台フィルコンサートマスターの神谷未穂です。

従姉・礒絵里子とのヴァイオリンデュオ【デュオプリマ】でコンサートマスターとして、そして昨年はピアニストの望月優芽子さんとのデュオで、とこれまで様々なスタイルで出演させて頂いているせんくらですが、今回は10月6日にバロックアンサンブルで出演させて頂く事になりました!!
(もちろんコンサートマスターとしても、10月4日、5日仙台フィルの公演で出演させて頂きます♪)

今回の共演者は3人。
仙台フィルのヴァイオリニストの小池まどかさん、私のプライベートでもパートナーであるチェリストのエマニュエル・ジラール、お隣山形にお住まいのチェンバロ奏者の梅津樹子さんです。

昨年このメンバーでコンサートをし、とても気が合ったので、このメンバーでまた一緒に演奏したいな、、、
と思っていたところに、今回の出演依頼を頂きました。

4人でとても、とても喜んでいます。
(せんくらスタッフ、ナイスチョイス!笑)
プログラム決めから大張り切り。
只今45分という時間内に収まるのか??
という不安があります、、、。
(せんくらスタッフ、ドキドキ~。笑)

梅津さんは、昨年のコンサートでも協力して頂いた、ハヤシチェンバロ製作所の林裕希さんのチェンバロを使用します。
音と共に見た目も美しい楽器を、是非会場でお楽しみ下さい。

会場ではせんくら直前に発売となるエマニュエルのバッハの無伴奏組曲全曲を収録したCDも発売させて頂く予定です。
第6番組曲はピッコロチェロで演奏。
このCDも聴いて頂けたら幸いです。

なんとこのコンサート、嬉しい事に最早残席わずかだそうです。
皆さん、お早めにチケットお買い求め下さーい。
神谷未穂(ヴァイオリン)

 

トリノ王立歌劇場

2013.08.29| 市原愛

11月末にオペラの本場イタリアから、トリノ王立歌劇場が来日します!
世界中が注目している旬の指揮者、ソリストらとともに。

そして何と!!
私もその公演に出演します…!!
オペラ『仮面舞踏会』のオスカル役で、人生で初めてのズボン役(男の子の役)になります。
昨年6月には現地に行って、衣装や舞台セットを見てきましたが、さすがお洒落な街トリノ!と言ってしまうほどに洗練された色使いと華やかさです。

残念ながら今回の来日公演は東京でしか行われないので、仙台の皆さまに”是非観に来て下さい!”と大きな声で言うのは少し躊躇われるのですが、イタリアまで行ってオペラを観るよりは、遥かに近い東京で本場を味わえてしまう…!!
という考えもありかしら?!ということで、お知らせさせて頂きました!!

3日間、私のブログにお付き合い下さりありがとうございました!
せんくらでお目にかかれますことを心から楽しみに致しております!!
市原愛(声楽 ソプラノ)

大家族?!

2013.08.28| 市原愛

先日、家族全員(3人+2匹)で八ケ岳に行ってきました!

早朝のお散歩は少し冷んやりする空気がとても新鮮で、寝不足の身体も癒されました。
(出産からこの5ヶ月間、授乳もあり3時間以上続けて寝た事がないのです…!)

最初に書きました“2匹”ですが…我が家には2匹の犬がおります。
私が8年住んでいたドイツから一緒に来たチワワのリリーと、福島県南相馬市で保護された、東日本大震災の被災犬であるミックス犬•ジャスミンです。

電車やレストランにも犬の同伴が当たり前にOKだったドイツで育ったリリーは、人の膝の上でノンビリするのが大好きな、おっとりした長女。
震災で心の傷を追っていたはず…が!今では世界一好奇心旺盛で(笑)元気満点のジャスミンが次女。

という訳で、3月に生まれた娘は末っ子…のような気さえしてしまうのですが、どんな風に成長していってくれるのかしら。。。
市原愛(声楽 ソプラノ)

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